不動産にかかる税金の種類は?特例・控除もシーン別に紹介【総集編】

2023.03.07

不動産を取り扱う際、避けては通れないのが「税金」の問題です。不動産の購入・売却時だけでなく、相続・贈与するタイミング、賃貸経営で収益が上がる段階など、さまざまな局面で税金がかかります。不動産投資家にとって、不動産に関する税金の知識を身につけることはきわめて重要です。

この記事では売却、相続、賃貸経営など、それぞれのタイミングで関係する税金について、わかりやすくまとめました。節税対策で気をつけたいポイントなどもあわせてご紹介しますので、「不動産と税金」の知識整理にぜひお役立てください。

不動産を買うときにかかる税金

最初に「不動産を買うとき」にかかる税金についてまとめます。代表的な税金は「不動産取得税」「印紙税」「登録免許税」そして「消費税」です。「住宅ローン減税」「住宅投資減税」など、積極的に活用できる軽減措置制度も豊富なので、税金の種類や計算方法と合わせて理解しておきましょう。

不動産取得税

土地や建物などの不動産を取得した方に対して1回だけ課税されるのが地方税です。建物の購入だけでなく、新築や増築、改築時にも発生します。不動産の取得が「無償」か「有償」に関係なく課税される点にも注意しましょう。課税主体は各都道府県で、標準税率は基本的にどこでも同じです。登記からおよそ4~6ヶ月後に不動産取得税の納税通知書が届き、各都道府県の窓口で納税手続きを行います。

・不動産取得税

税額=土地や建物の課税標準額×標準税率

課税標準額は不動産の相場価格ではなく、「固定資産課税台帳」に登録された固定資産税評価額がベースとなります。固定資産税評価額は公示価格と比べて、土地は80%、建物は60%程度、全体で7割前後に収まることが一般的です。

税率は標準税率4%ですが、2024年3月31日までは特例措置が適応され、土地3%、建物・住宅ともに3%となっています。特例期間の延長などがなければ、軽減措置期間終了後4%に戻る可能性があります。

印紙税

印紙税とは、印紙税法で定められた契約書などの課税文書に課税される税金です。不動産取引では「売買契約書」「土地賃貸借契約書」「建築請負契約書」、ローンの借入れで作成する「金銭消費貸借契約書」などが課税文書となります。印紙税額は税法上、取り扱い金額ごとに税額が定められており、税額分の印紙を添付します。

不動産売買契約書での印紙税額は以下のとおりです。

不動産売買契約書 の記載金額印紙税額
1万円未満非課税
10万円以下200円
50万円以下200円
100万円以下500円
500万円以下1000円
1000万円以下5000円
5000万円以下1万円
1億円以下3万円
5億円以下6万円
10億円以下16万円
50億円以下32万円
50億円超48万円
記載金額なし200円

現在のところ、不動産売買契約書の印紙税額は軽減措置を適用された金額となっています(2024年3月まで)。軽減措置が延長されるかどうかは未定です。

なお、不動産売買契約書は売主と買主の双方で2通作成するのが基本ですが、その場合は印紙を2枚分、貼付しなければなりません。そこで印紙代の節約のために原本1通作成し、控えを双方で保管するケースが一般的です。

ただし、写しに契約当事者の署名押印などがあると、契約書と同視され課税文書とみなされます。あとから課税文書と発覚してしまうと「過怠税」を徴収される可能性もありますので、契約書の取り扱いには十分気をつけてください。

登録免許税

新たに不動産を所有したり、ローン契約による抵当権を付けたりする場合、法務省に対して権利保全の登記申請を行います。登記申請にかかる税金が「登録免許税」です。登録免許税は登記の種類によって税率が定められています。不動産売買で覚えておきたい税率は次のとおりです。

・所有権保存登記…対象となる不動産の課税標準額×1000分の4

・所有権移転登記…対象となる不動産お課税標準額×1000分の15
         (2023年3月31日までの軽減措置を適用)

・抵当権設定登記…債権額×1000分の4

所有権保存登記は新築の建物を所有するときに申請する登記です。中古住宅の不動産売買など、既存の不動産を売買する場合は所有権移転登記となります。

賃貸経営での登記申請では登録免許税が高額となるケースも多いため、あらかじめ必要経費として準備しておきましょう。納付方法は現金納付が原則となっており、ほかの固定資産税などとは違い、登記申請時点で支払う必要があります。

消費税

普段の生活でおなじみの消費税ですが、不動産売買でも関係します。消費税とは事業者によるサービス、消費物の販売に対して課税される税金のこと。不動産売買では「課税事業者」による「建物」売買について課税対象となるなど、ルールが少し複雑になっています。まずは消費税の課税対象となる項目と、課税対象にならない項目を分けて理解しましょう。

不動産売買で消費税の課税対象となる項目

・建物の販売価格(課税事業者が売主の場合)
・仲介手数料
・各種の手数料(不動産投資向けローンや司法書士への報酬など)

不動産売買で消費税の課税対象外の項目

・土地の販売価格
・家賃(住宅での家賃)
・保険料・保証料など

不動産売買にかかる消費税は「土地は非課税」で「建物は課税」となります。また、不動産の売買価格は総額表示ですので、売主が不動産会社などの課税事業者の場合、消費税が組み込まれた金額で販売価格が表示されます。

不動産を取得する際に覚えておきたい制度

不動産を取得する際に利用機会の多い制度をいくつかご紹介します。

・住宅ローン減税(住宅借入金特別控除)

個人が居住目的で住宅ローンを借入れて住宅の購入や新築、増改築などを行う際に、住宅ローンの0.7%を所得税から最大13年間控除する制度です。ただし、控除額には上限があり、新築住宅などの消費税課税対象の建物と、中古住宅などの消費税非課税の建物でも控除額の区分があります。住宅の省エネ性能や入居年度によっても上限額が違うなど適用ルールは複雑なので、気になる方は国土交通省のHPなどをご確認ください。

参考:国土交通省「住宅ローン減税」住宅ローン減税 – 国土交通省

・住宅投資減税  

住宅ローンを利用せず、自己投資で住宅を購入する際に適用される減税措置です。住宅の高性能化をバックアップする目的があります。

制度内容は、耐久性、省エネルギー性能に優れた優良住宅を新築、購入し、2023年12月31日までに居住した場合に、その年分の所得税額から最高65万円控除されます。断熱性に優れた低炭素住宅も新たに制度対象となっています。

・不動産取得税の軽減特例

住宅敷地用の土地を取得した場合に、不動産取得税の課税標準額が2分の1に圧縮される特例です。本来の2分の1となった課税標準額からさらに税額控除額を差し引くことができ、大幅な節税になります。

不動産を相続・贈与するときにかかる税金

次に不動産を相続、または贈与するときにかかる税金を解説します。不動産の相続では「相続税」だけでなく「登録免許税」も発生するので注意しましょう。

相続税と登録免許税

相続が発生すると、被相続人(亡くなった方)の保有する不動産、現預金、有価証券など、あらゆる財産を相続人が引き継ぎます。このうち不動産は、土地については「路線価方式」または「倍率方式」、建物は「固定資産税評価額」といった評価基準を元に、相続税の評価額を計算します。

全ての遺産を総合した金額から「3,000万円+相続人数×600万円」で算出する「基礎控除額」を差し引いた金額が、相続税の評価額です。この評価額を相続分で分割して法定の税率をかけると、各相続人に課される課税額が決定します。

不動産を相続によって取得した場合、「不動産取得税」は非課税です。ただ、不動産の所有権が移転しますので、新たに権利保全のための「相続登記」を申請します。相続登記の「登録免許税」の税率は1000分の4です。計算式は「相続する土地・建物の固定資産税評価額×1000分の4」となります。

贈与税

贈与税とは、不動産や現金などの資産を贈与者(財産を贈る側)が受贈者(もらう側)に譲渡した際に課される税金です。課税方式には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。贈与税の申告は受贈者側が申告し、納税します。

「暦年課税制度」は、贈与した年の1月から12月までに受けた贈与財産に対して課税する制度です。受贈した財産額から基礎控除額を引いた「課税標準額」に、法定の税率をかけて納税額を計算します。「暦年課税制度」の基礎控除額は年間110万円のため、少額での贈与で活用されるのが一般的です。不動産の贈与など、贈与額が大きいケースでは「相続時精算課税制度」を使います。

「相続時精算課税制度」とは、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上(2022年3月31日以前の贈与については20歳以上)の子どもや孫への全ての贈与を対象に、「贈与時にかかる贈与税分を相続時の後払いにする」というものです。贈与税が免除される制度ではない点に注意しましょう。

この制度の利点は、不動産の課税標準額が「贈与時」の固定資産税評価額で決まるところにあります。将来的に値上がりが予想される不動産の場合、相続時点での評価額と比べて低い税額に抑えられるため、相続対策として利用される機会が多いです。

なお、不動産の贈与では、贈与税以外にも「不動産取得税」や「登録免許税」、「譲渡所得税」などが発生します。

政府は「生前贈与」について、相続税がかかり始める時期を現行の死亡「3年前」から「7年前」に広げることを、2023年度の税制改正大綱で盛り込む方針です。生前贈与をご検討の際は念頭に置いておきましょう。

不動産を相続する際に覚えておきたい制度

不動産の相続において重要な制度が、「第2の基礎控除」とも言われる「小規模宅地の特例」です。4種類の宅地要件を満たすと、宅地の限度面積までの土地評価額について50%から80%分減額できます。

ただし、特例の対象となるのは不動産の「土地」のみで、「建物」は対象外です。特例の適用対象となる4つの宅地は以下のとおりです。

(1)特定居住用宅地等:自宅として使っていた土地
(2)特定事業用宅地等:被相続人が事業をおこなっていた場合に、事業用に使っていた土地
(3)特定同族会社事業用宅地等:被相続人とその家族など、同族会社の事業用に使っていた土地
(4)貸付事業用宅地等:賃貸事業に使っていた土地

それぞれの宅地ごとで限度面積と減額割合が異なります。

宅地等の種類限度面積減額割合
特定居住用宅地330㎡80%
特定事業用宅地400㎡80%
特定同族会社事業用宅地400㎡80%
貸付事業用宅地200㎡50%

4つの宅地の分類には複雑な要件がありますので、気になる場合は税理士や不動産賃貸専門家に相談し、確認してもらいましょう。特例の適用と基礎控除をうまく使うと、相続税の大幅な節約につながります。

不動産(住宅・土地)を所有しているときにかかる税金

不動産は購入や相続などによって新たに所有するタイミングのほかに、所有を継続するだけでも税金がかかります。その代表例が「固定資産税」と「都市計画税」です。1年間で計4回(6月、9月、12月、2月)に分けて支払う地方税で、国の基準をもとに各市町村が決定する「固定資産税評価額」をベースに税額が決められます。

固定資産税・都市計画税

「固定資産税」は土地や建物などの固定資産の所有に対して課される税金のこと。毎年1月1日(賦課期日)現在での土地や家屋、および償却資産(これらを全て「固定資産」といいます)の所有者に対し、その固定資産が所在する市町村が課税します。ちなみに東京都23区内は特例として、区ではなく東京都が課税主体です。

固定資産の課税額は、総務大臣が定める「固定資産評価基準」をもとに、各自治体が算定した「固定資産税評価額」によって課税額が決まります。ほとんどの自治体で税率は1.4%で、土地と建物、それぞれの課税標準額に税率を乗じた合計が課税額となります。

・固定資産税の基本計算式

固定資産税=課税標準額×1.4%

「都市計画税」は固定資産税と同じく、1月1日時点での固定資産所有者に対して市町村が課税する税金です。都市計画事業又は土地区画整理事業にあてるための目的税となっていて、税率は上限0.3%です。課税標準額は「固定資産税評価額」をベースに計算します。

・都市計画税の基本計算式

都市計画税=課税標準額×0.3%(最大時)

都市計画税は市街化区域に存在する固定資産に対して課税されます。保有する不動産が市街化区域に入っているかについては、各自治体の窓口で確認を取ることができます。

不動産を所有しているのなら覚えておきたい制度

不動産を所有している状況で利用できる制度がいくつかありますので、ご紹介します。

1:住宅耐震改修特別控除

地震に備えて自宅を耐震工事した方に適用される所得税の減税制度です。控除対象は旧耐震基準に相当する1981年5月31日以前に建てられた「申請者本人が居住する家屋」です。

耐震リフォーム工事をした場合、工事費用の10%相当額(最大25万円まで)が所得税から控除されます。特例の適用に所得要件はありませんが、「申請者本人が居住する家屋」が対象となる点に注意しましょう。今のところ2023年12月31日までの工事に限定されていますが、税制改正によって今後延長される可能性があります。

2:住宅特定改修特別税額控除

バリアフリーのための内装工事や、住宅の断熱工事などの省エネ改修工事について、住宅ローン控除や投資減税、固定資産税の減額特例などが適用される制度です。こちらも居住用の住宅が対象なので、賃貸用の物件は残念ながら適用外です。控除対象が所得税に限られる点にも注意しましょう。住民税は控除対象に入りません。

不動産を売却したときにかかる税金

不動産を売却したときにかかる特別な税金が「譲渡所得税」です。「譲渡所得税」は税法上の名称ではなく、土地や建物、貴金属や株式など、大きな資産を売却して得た利益に対して課される特別な「所得税」と「住民税」の別称です。一般的な給与所得や事業取得と別建てで賦課される「分離課税」方式となっています。

譲渡所得課税

土地や建物を売った売却益に対し、給与所得や事業所得など、ほかの所得とは別建てで賦課される「所得税」と「住民税」のことを「譲渡所得税」といいます。譲渡所得税は「復興特別所得税」を含む所得税と住民税の合算で計算され、対象となる不動産の取得期間の長さによって税率が変わる仕組みを採用しています。簡単にまとめると次のとおりです。

【短期譲渡所得】所有期間が5年以下の不動産を売却した場合

所得税分=譲渡所得金額×30%
住民税分=譲渡所得金額×9%
課税額=譲渡所得金額×39.63%(所得税と住民税、復興特別所得税を合わせた総合税率)

【長期譲渡所得】所有期間が5年以上の不動産を売却した場合

所得税分=譲渡所得金額×15%
住民税分=譲渡所得金額×5%
課税額=譲渡所得金額×20.315%(所得税と住民税、復興特別所得税を合わせた総合税率)

「復興特別所得税」は東日本大震災からの復興を目的とする税金です。税率は2.1%で2037年まで実施されます。復興取得所得税額は譲渡取得金額に税率を乗算するのではなく、基準所得額(譲渡取得額×所得税率)に2.1%を乗算するため、課税額は上でまとめた計算式で算出できます。

また、算定のもととなる「譲渡所得費用」は、不動産の譲渡価格から「取得費用」と譲渡にかかった「経費」、さらに「特別控除」などを差し引いた金額です。

不動産を売却する際に覚えておきたい制度

譲渡所得税の節税対策に利用できる主な特例措置についてご紹介します。不動産の売却の際には必ず適用要件を確かめましょう。

1:マイホームを売ったときの特例

お住まいのマイホーム(居住用財産)を売却した場合、所有期間の長短に関係なく最高3,000万円まで譲与所得額から控除される特例です。売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていることや、売却相手が特別な関係性の相手(親子や夫婦、生計を同じくする親族など)でないことが要件となります。

2:居住用財産の買換え特例

要件を満たすマイホーム(居住用財産)を2023年12月31日までに売却して新たなマイホームに買い換えた場合、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることが可能となる特例です。

例えば1,000万円で購入した家屋を5,000万円で売り、売却と同時に新たに家屋を購入したとしましょう。この場合、新居を将来売却するときまで、前の家屋を売って得た譲渡益4,000万円分の譲渡所得税は繰り越しになります。あくまでも免税ではなく「繰り越し」という点に注意してください。

3:売却損に対する居住用の特例

マイホームを売却した結果として譲渡損失が出てしまった場合、その年の所得と合算する「損益通算」が適用される特例です。損益通算によっても赤字額が引ききれないケースでは翌年以降の3年間の所得から差し引く「繰越控除」が適用されます。

賃貸経営をしているときにかかる税金

賃貸経営では土地や建物を継続的に所有し続けるため、固定資産税や都市計画税が毎年課税されます。さらに不動産から得られる収益から必要経費を差し引いた「不動産所得」は「所得税」「住民税」の課税対象です。個人法人を問わず、事業として賃貸経営を営むことで発生する「事業税」もかかります。

所得税・住民税

アパートやマンション経営で得た収益は「所得税」の課税対象です。所得税には給与所得などのほかの取得と合算する「総合課税方式」で計算します。給与所得や事業取得と合計し、その合計所得額から各種の控除額や必要経費などを差し引いた残りが、所得税の課税対象額です。

住民税も同じくほかの所得の合算額から各種控除分などを差し引き、所得割と均等割りの合計課税額を納めます。所得割は税率は約10%、均等割は自治体によって差はあるものの、およそ5,000円前後です。
不動産所得に関する税務申告は給与所得のような源泉徴収手続きではないため、確定申告が必要です。

また、所得額が大きくなった場合には「累進課税率」が適用される可能性も考えておきましょう。累進課税率は所得金額に応じて税率は5%から最大45%まで上昇するので、所得額が増えた場合の節税対策は必須です。

事業税・消費税

「事業税」とは事業を営む事業者に対し、法人、個人を問わず課される地方税です。法人だけではなく個人事業主であっても、賃貸経営の規模によって「事業」とみなされた場合は課税対象となります。

賃貸経営(業種名は不動産貸付業)では収益物件が10室以上になった段階が課税対象の目安です。税額は事業収益から各種控除と290万円を差し引いた金額に「税率5%」を乗じて計算します。

賃貸経営における「消費税」は、「住居用の貸付け」で得た家賃収入については非課税ですが、「店舗・事務所用の貸付け」による家賃収入は課税対象となります。さらに個人事業主の場合、前々年の課税売上高、あるいは前年の1月~6月の課税売上高が1,000万円以下であれば、納税義務を免除されます。逆に1,000万円を超えると「課税事業者」となるため、消費税を納めなければなりません。

課税事業者となっても、売上げが住居用の貸し付けによる家賃収入のみであれば納税不要です。しかし、駐車場代、自販機の売上は課税対象なので注意しましょう。

賃貸経営をする際に覚えておきたい制度

所得税や住民税の課税対象となる「不動産所得」は、家賃収入などの収益から「必要経費」を差し引いたものになります。節税効果を上げるためには、できるだけ多くの必要経費を計上できた方がお得です。

不動産投資で生じる「必要経費」には、物件にかかる修繕費、管理費用、火災保険の保険料、固定資産税や登録免許税の租税公課などが含まれます。その中でも大きな金額を計上できる経費の1つが「減価償却費」です。

「減価償却費」とは、マンションやアパートといった長期間使用する高額な財産の購入費用について、その費用を一定の期間、何年かに分割して計上することをいいます。不動産の減価償却費は「建物」のみが対象で、建物の構造、法定耐用年数、築年数などによって計上額が決定する仕組みです。

必要経費が収益を上回ってしまい、帳簿上の赤字が生じた場合には「損益通算」を利用します。「損益通算」とは課税対象となる所得額から赤字分を差し引いて相殺する制度です。赤字分を利用して黒字分の所得額を縮小することで節税効果を得られます。

不動産投資は高所得者向けの節税対策にもなる

不動産投資は収益物件を運用して家賃収入を得るインカムゲインか、購入時よりも高値で売却するキャピタルゲインが代表的な収益を得るビジネスモデルとなりますが、きわめて節税効果の高い手法であることでも注目されています。

賃貸経営においては「必要経費」にできる項目が多岐にわたるため、所得税・住民税を圧縮する手段が豊富。「損益通算」や「減価償却費」を利用すれば、帳簿上の赤字を活用した節税対策も可能です。

特に不動産投資を活用した節税効果を期待できるのは、個人事業主で課税所得900万円以上の方でしょう。所得税率は所得額900万円以上になると23%から33%に跳ね上がるため、この所得ラインを超える方は、不動産投資での節税対策によって大きな恩恵を受けられる可能性があります。

また、不動産投資はレバレッジ効果が高い投資としても魅力的です。レバレッジとは「てこ」の意味で、投資の世界では少ない元手で大きな資産を得ることを指します。不動産投資の場合、不動産投資ローンを利用することで、自己資金が少ない段階から収益性の高い物件を購入することも可能です。

よい物件と巡り合うことができれば、将来的に長期間、少ない元手から大きな収益を得ることも夢ではありません。

不動産投資による税金対策は「リロの不動産」の無料相談へ

不動産には購入時、相続や贈与、所有時など、あらゆるタイミングで多くの税金が関係します。賃貸経営などの不動産投資をお考えの場合は、課税される税金やルールなども考慮しながら経営戦略を立てなければならないでしょう。本記事を参考に、どのような局面でどんな税金が関係するのか、基本的な知識を整理しておいてください。

ただ実際の税金対策では、より複雑な要件や手続きも多いです。オーナー様それぞれの事例に合った節税対策を立てるためには、税理士や不動産の専門家の助言が不可欠です。どのような税金対策が適切か悩んだ場合は、早めに専門家に相談したほうが無難といえるでしょう。

【リロの不動産】では節税対策を含め、収益物件の運用に関するご相談を数多くお受けしてまいりました。税務や不動産運用に関するアドバイスはもちろん、不動産の購入・運用・工事・売却を含めた総合的なアドバイスで、オーナー様の経営を成功に導きます。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。