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賃貸物件でできる地震対策特集!準備すべき防災グッズや地震に強い物件などをご紹介!

2023.09.01

日本は地震帯に位置しており、地震が頻繁に発生する世界有数の国として知られています。そのため、日本では常に地震に対する注意が必要で、理解と対策が不可欠になっています。とはいえ地震の発生日時や震度を予測することは難しく、台風のように事前に規模に合わせた対策をすることができないのが現状です。

発生してほしくない地震ですが、もし発生してしまった場合に困らないよう事前に備えておきましょう。

そこで今回は地震対策についてご紹介いたします。

賃貸物件でできる台風対策については、こちらの記事でご確認いただけます。

地震への理解を深めるため、まずは日本の地震の特徴について見ていきましょう。

日本は環太平洋火山帯と呼ばれる地震や火山活動が活発な地域に位置しており、日本海沿岸や東海~東北地方などが特に活発なのが日本の地震帯です。国内では年間で数千回以上の地震が観測されており、その多くはごく小規模ですが、時折大きな地震が発生します。

また日本は太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートなど、複数の地球プレートの境界付近に位置することから、プレート境界地震が頻繁に発生しています。例えば2011年3月11日にマグニチュード9.0の巨大地震と津波を引き起こし、甚大な被害をもたらした東日本大震災、1995年1月17日にマグニチュード7.3の地震が発生した阪神淡路大震災がその代表です。これらの大地震では建物の倒壊や火災、道路の陥没などが発生し、日本の社会や経済に甚大な影響を与えました。近年では南海トラフ地震も警戒されています。

頻繁に地震が発生する日本では、地震に対する防災意識が高く、地震発生前に短時間の予報が受信できる緊急地震速報が開発されたり、防災訓練や防災グッズの普及が各自治体で行われるなど地震対策が広く普及しています。

次に賃貸物件でできる地震対策についていくつかご紹介致します。

賃貸物件の地震対策として、耐震性に優れた物件に入居することが挙げられます。

日本の賃貸物件は建築基準法に基づく耐震基準に沿って建築されていますが、構造や築年数によって耐震性が異なります。そのため、賃貸物件の中でも特に耐震性に優れた物件に入居すると安心です。ただし、耐震性に優れた物件は賃料が他の物件よりも高くなる傾向があるため、注意が必要です。
耐震性に優れた物件については以下のトピックで詳細を説明していますのでご確認ください。

また、もし入居物件が地震被害を受けてしまった場合に、地震保険に加入しておけば補償を受けることができますので、賃貸契約時に地震保険への加入えお検討するのもおすすめです。

!注意!
賃貸契約時に加入する家財保険には地震特約がついていない場合がほとんどのため、注意が必要です。

阪神淡路大震災の死因の8割は、家具や家電の転倒による窒息・圧死でした。
家具のレイアウトを見直したり、転倒防止対策をしたりして、事前に地震対策を行いましょう

家具が転倒しないよう、耐震ストッパーや突っ張り棒で家具を壁に固定したり、滑り止めシートを家具の下に敷いたりして、家具が動かないよう対策しましょう。
耐震ストッパーや突っ張り棒、滑り止めシートなどはホームセンターに家具転倒防止グッズとして販売されており、値段も安価です。自治体によっては購入費用の補助が出る場合があるので、住んでいる自治体に確認してみてください。

また、家具転倒防止グッズを取り付ける際に、壁に穴を開ける必要がある場合は必ず物件の管理会社もしくはオーナーに確認をして、許可を取りましょう。相談なしに取り付けてしまうと退去時にトラブルになる場合があります

先ほど地震対策として家具の固定をご紹介しましたが、部屋にできるだけ大型の収納家具を置かないようにするのも地震対策としておすすめです。大型の家具は地震の際、怪我の原因や、避難経路をふさいでしまう可能性がありますが、収納家具を置いていなければその心配もありません。
普段からクローゼットや備え付けの棚に収納するように心がけておくと、地震の際に危険を減らせます。

ドアの近くに家具を置いてしまうと、地震の際に家具が倒れてドアが開けられなくなってしまうことで、避難が遅れる可能性があります
地震で転倒してしまっても避難通路の邪魔にならない位置に家具をレイアウトしましょう。

就寝中は無防備になるため、寝室に置く家具やレイアウトは注意が必要です。
就寝中に大型家具が倒れてきて体怪我をしてしまう可能性があるため、寝室には大型の家具は置かないのが一番です。しかし、スペースが限られている賃貸だと寝室に家具を置く場合が多いと思います。その場合は寝ているところに家具が倒れてこないようなレイアウトや倒れてきても軽傷で済む背の低い家具を選びましょう。

地震のときに家具が窓のほうに倒れてしまうと、窓ガラスが割れる可能性があります
窓ガラスや収納の中のものが飛び散ると、ケガをしてしまうことも考えられます。極力窓際に家具を置かないように意識しましょう。
どうしても窓際に家具をおく必要がある場合には倒れにくい背の低い家具を置いたり、窓ガラスに飛散防止シートを貼ったりして被害を最小限にとどめられるようにしましょう

地震が起きた場合は避難所生活を余儀なくされる場合があります。そのため防災グッズを事前準備しておきましょう
お店で購入もできますが、家族構成やペットの有無など人によって必要なものは異なるため、自分で必要なものを集めた自分だけの非常時持ち出しバックを準備するのもおすすめです。

入居者が自分で準備しておくとよい防災グッズをご紹介します。

過去の大地震ではしばしば断水が発生し、水道が使えなくなっっていました。そのような場合でも、大丈夫なように飲料水を備蓄しておきましょう。
大体1人あたり3日分分程度の水を準備しておくと安心です。

水と同様、1人あたり3日分程度の食料を準備しておきましょう。缶詰やレトルト食品、乾燥食品など、長期保存が可能なものがおすすめです。
また、塩分タブレットなど塩分を摂取できるものもあるとより安心です。

停電になっても大丈夫なよう懐中電灯を用意しておきましょう。手回し充電式のものや、電池式のものなど、使用方法に応じて適切なものを用意しましょう。

長時間の停電が予想される場合には、スマートフォンやタブレットなどの充電を維持するためにバッテリー式の充電器やポータブル電源を用意しておくと便利です。

情報収集に必要なラジオも防災グッズの1つです。手回し充電式のものや、電池式のものなど、使用方法に応じて適切なものを用意しましょう。

包帯や消毒薬、絆創膏、マスクなど、怪我や病気に備えて救急用品を用意すると良いでしょう。薬を普段から常用している方は常用薬も忘れずに準備しましょう
また、水は貴重なため、頻繁に手を洗うことができない可能性もあります。ウェットティッシュやボディシート、アルコールスプレーを準備しておくと衛生的に過ごせます

避難時には屋外での行動が必要になる場合や寒い時期の場合があります。防寒具やレインコート、毛布、タオルなどの衣類を用意しておくと、安心です。特にタオルは防寒以外にも様々な使い方があるので準備しておくと安心です。

大地震の発生時、破片や塵などが飛び交うことがあります。マスクや手袋、ヘルメットを用意しておくと、身体を守ることができます。ヘルメットが手元にない場合は厚手の衣服をヘルメット代わりに利用できます

災害時には、家屋からの脱出や避難のために、ロープや工具を用いることがあります。念のため、必要な道具を用意しておくと良いでしょう。

停電や機器の故障等で、非常時には電子決済やクレジットカード決済は利用できない場合があります。そのため、ある程度の現金を用意しておきましょう。また、公衆電話は小銭しか利用できないので小銭も準備しておくとなお安心です。

ペットがいる方はキャリーケースやトイレシート、リードなどペット用の避難グッズも準備しておきましょう。ペット同伴で避難できる場所も事前に確認しておき、避難場所の連絡先をペット用品と一緒に保管しておくとスムーズに避難できます

もし、オーナーや管理会社が防災グッズを用意してくれる場合、上記にご紹介したグッズが入っているか確認しておきましょう。もし、不足しているものがあれば自分で追加しておくとより安心です。

地震はいつ発生するか分かりません。一人でいるときに発生した場合に備えて、家族で「もし地震に遭ったら?」と話し合い、家族に安否を伝える方法や集合場所を事前に決めておくと安心です。

災害時には携帯電話の回線はつながりにくくなったり、通信回線が遮断されたりして、家族や友人との連絡が困難になることがあります。その際には災害用伝言ダイヤル「171」災害用伝言版を利用するのがおすすめです。

「171」に電話をかけると伝言を録音でき、家族などが、その伝言を再生し、安否確認を行えます。

文字情報を伝言板に登録し、家族などが、登録された情報を閲覧し、安否確認ができます。

家族や友人だけでなく、自治体や避難所などの連絡先も事前に確認しておくことが重要です。賃貸物件にお住まいの場合は管理会社やオーナーなど、緊急時に連絡が取れる担当者の連絡先を事前に確認し、手帳やスマートフォンなどにメモしておくと良いでしょう。

事前に避難場所や避難経路を確認しておけば、地震が起きても慌てずに行動でき、二次被害を回避できる可能性が高まります。

避難場所は地域ごとに指定されているため、

・住んでいる地域の自治体のホームページ
・国土交通省のハザードマップポータルサイト

を確認して、地域の避難場所と避難経路を確認しておきましょう。
避難場所や避難経路を確認したら、実際に歩いて確認しておくと安心です。

マンション等にお住まいの場合は建物のエレベーターや階段、非常口などを把握しておきましょう。賃貸物件では管理会社やオーナーが定期的に災害対策訓練を実施している場合があります。訓練に参加しておくと万が一の行動を学ぶことができる上、近隣住民と顔見知りになれるため、万が一の時に助け合うことができます。積極的に参加するとより安心です。

地震の二次災害としてよく火災が発生します。そのため、地震対策だけでなく、火災対策も必要となります。

火災報知器や消火器の設置、定期的な火災の避難訓練の実施など、様々な対策がありますが、賃貸物件でできる最も簡単な火災対策は家具やカーテンなど燃えやすいものを火元から遠ざけておくことです。また、燃えにくい材質のものを使用するのも効果的です。

以上、地震やその二次災害に備えた事前の対策についてご紹介しました。

実際に地震が発生してしまったときには、まず冷静になり、身の安全を守ることが最優先です。

机や机の下などの頭を守る場所に速やかに避難します。この時に、なるべく周囲に家具や家電の少ない場所に移動するのがベストです。また、枕やクッション、毛布などで頭や首といった場所を保護すれば、致命傷を避けることができます。
地震の揺れを感じて、慌てて外に飛び出すと瓦や窓ガラスが飛散し、落ちてくる危険があるため、揺れが収まるまではその場にいる方が安心です。

地震の揺れが大きいと、ドアや窓が変形して開かなくなり閉じ込められる可能性があるため、身の安全が確保できたら、揺れの合間をみて、ドアや窓を開けて避難経路を確保しましょう。

料理をしているときに地震の揺れを感じたら、火災による二次被害を防ぐために、可能であれば即座に火を消し、身の安全を確保しましょう。
地震時の火災の発生原因は、火の始末だけでなく、ガスの元栓の締め忘れによるガス漏れや停電復旧後にともなう通電火災も挙げられます。したがって、火の始末だけでなく、地震発生時はガスの元栓を締め、電気のブレーカーも切ってください

地震が収まったら、洪水警報などの注意報に留意しつつ、必要な防災グッズを持って避難場所に速やかに避難しましょう。
避難する際には、事前に窓から外を確認し、建物の周囲に危険な物や破損したものがないか確認しながら避難してください。

安全な場所に避難ができたら、家族や友人に安否を伝えます。その後、ラジオやスマートフォンを通じて情報収集に努めましょう。SNSだとデマ情報の可能性があるので、できるだけテレビやラジオからの情報入手がおすすめです。地震発生後、適切な情報を得て指示通りに行動することで、安全を確保できます。

地震が発生したら冷静かつ慎重に、速やかに避難するのがとても重要です。

さて、日本の地震の状況、事前にできる地震対策、地震が発生したときの行動についてこれまでご紹介してきました。
次は地震に強い賃貸物件について見ていきましょう。

地震の揺れに強い建物には、形状や立地に以下のような特徴があります。

・シンプルな形状をしている
・建物の高さが低い
・強固な地盤に建っている

建物に出っ張りがなく、正方形や長方形に近いシンプルな形の建物は地震の力が全体にバランスよく分散するため地震に強くなります
また、背の高い建物ほど揺れやすく、低い建物ほど揺れにくくなる傾向があります。ただし、高さだけでなく、地盤の強さや建物の構造によっても、変わります。地盤が弱い土地に建てられた場合、建物の倒壊や地盤沈下の危険性があるため、地盤のしっかりした土地に建っていることが重要です。過去に川や池、沼だった場所、河川沿い、埋立地や盛り土で造成された土地は、水分を多く含んでいるため注意が必要です。

日本では建物の耐震性向上が重要視されており、建築基準法に基づく耐震基準が定められています。
そのため上記の特徴以外にも建物構造や築年数によって耐震性が変わります。

鉄骨鉄筋コンクリート構造や鉄骨造の建物は、地震に強い耐震性を持ちます。また、耐震構造物件は特に優れた耐震性を持っています。
「耐震構造物件」とは、一般的に耐震構造制震構造免震構造のいずれかの基準を満たした建物のことです。

建物自体の強度を高め、地震の衝撃に耐えられるようにした構造です。耐力壁や建物の壁に筋交いを入れることで揺れに抵抗し、建物の倒壊を防ぎます。

地震エネルギーを吸収する制震装置を建物に設置することで、地震発生時の揺れを軽減する構造です。地震の揺れで建物が変形しても、制震装置が一緒に変形して、地震エネルギーを吸収し、震動が軽減されて建物の歪みや破損を防げるため、大規模な地震や繰り返し地震が起きても安心です。

基礎と建物の間に免震装置を設置し、建物に振動が直接伝わらないようにして、揺れを最小限に抑える構造です。建物が平行方向にゆっくりと揺れるようになることが特徴です。そのため、建物そのものの被害を防げるだけでなく、家具の転倒事故など2次災害を抑える効果もあります

このように地震に備える仕組みはそれぞれ異なりますが、強い揺れでも建物の倒壊等を防げることが耐震構造物件の特徴です。
建物構造を事前に確認し、鉄筋コンクリートや鉄骨造などのしっかりした構造の賃貸物件を検討することをおすすめします。

地震に強い賃貸物件かどうかの見極めに重要なポイントとなるのが、新耐震基準を満たしている物件であるかどうかです。
耐震基準には旧耐震基準新耐震基準の2種類があり、新耐震基準を満たしている物件の方が地震に強いです。

耐震5強程度で倒壊・崩壊しない
1950年に施行され、1981年5月31日までに建築確認を行った建物に適用された基準です。震度5強程度の揺れに耐えられ、万が一破損しても補修によって生活できるようになる構造基準として設定されています。
近年の日本で発生している地震の大きさを考えると、旧耐震基準のレベルしか満たしていない賃貸の場合は、倒壊リスクが高くなるため注意しましょう。

震度6以上での倒壊・崩壊しない
旧耐震基準に代わり、1981年6月1日から施行されたのが新耐震基準です。
新耐震基準では、震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しない構造基準が定められています。旧耐震基準と比較すると、新耐震基準を満たした賃貸物件の方が大きな地震に対して強いです

木造の場合は、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに、2000年6月に耐震性に関する基準が改正されたため、確認する日付が異なります。そのため、建築確認日が2000年(平成12年)6月1日以降の賃貸物件であれば、より耐震性が強化されていることになります。

旧耐震基準新耐震基準を見分けるポイントは、建築確認日です。築年数や竣工日と間違えやすいため、注意しましょう。
物件情報には建築確認日が記載されていないケースがほとんどです。そこで、「完成日(築年数)−2年で計算して、新耐震基準の賃貸かどうかを予測することができます
建築確認申請を行ってから工事完成までには一般的に数ヶ月〜1年半程度かかるため、大体の目安を予測できます。ただし、これはあくまでも目安ですので、実際に賃貸物件を借りる際に新耐震基準物件であるかどうかを確認したい際は、事前に不動産会社に確認しましょう。

また、旧耐震基準の物件でも耐震診断が行われ、その結果が公開されている物件は地震に強い可能性が高いです。さらに、建物の柱や壁に補強材が取り付けて耐震補強が行われ、耐震性を向上させている物件もあります。

このように、賃貸物件を選ぶ際には建物の構造や築年数、耐震診断結果などを検討し、地震に強い物件を選ぶことが大切です。

これまでに大地震の経験がない方だと、「数年住むだけだから……」とあまり耐震性を気にせずお部屋探しをしてされるかもしれません。しかし最近では全国的に防災意識が高まっており、万が一に備えて安全な賃貸物件を探す方、避難所までの距離・ルートを事前に確認してから契約する方も増えています。

地震対策は自身や家族の安全を守るために重要な要素であり、慎重な選択が求められます。

日本各地で大型の地震が発生している昨今、新築・築浅のマンションやアパートなどではとくに耐震構造を重視した住宅が増えています。少しでも安全性の高い物件を見つけて、心配事の少ない日々を送りましょう!

リロの不動産の仲介店舗では、地震に強い物件など様々な物件をたくさん取り扱いしております。不動産のプロたちが皆さんの不安を解消し、お客様それぞれの希望や条件に合わせてお部屋紹介を行いますので、不安なことや心配なことなどなんでもご相談ください。きっとご満足できるお部屋をご紹介します。

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この記事を書いた人

リロの不動産 編集室

リロの不動産 編集室

『お住いをお探しの方』『不動産投資がハジメテの方』『賃貸経営をしている方』を対象に、「お部屋探しと不動産」にお役に立つ内容を中立的な視点でお伝えします。住む人も、貸す人も『遊ぶように暮らす』ライフスタイルが実現できるように活動しています。

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