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原状回復と経年劣化とは?入居者が費用負担する場合や負担範囲について徹底調査!

2024.07.19

賃貸物件に入居する際、経年劣化と原状回復という言葉を知っておくと安心です。経年劣化とは時間の経過とともに自然に劣化することを指し、原状回復は元の状態に戻すことを意味する言葉で、賃貸物件とも大きく関係している言葉です。しかし、経年劣化と原状回復という言葉は知っていても、具体的にどのような状態を指すのか、どのような対応が必要なのか説明できる方は少ないのではないでしょうか。

今回の記事では、経年劣化と原状回復の内容と具体的な事例を、分かりやすく説明します。

経年劣化とは、時間の経過によって自然に生じる物件や設備の劣化のことを指します。賃貸物件を例に挙げると、日光による壁や床の色あせ、湿気によるゴムや金属部分の劣化などが含まれます。これらは避けようとしても避けられないものであり、入居者が故意に引き起こしたものではないため、修繕費用はオーナーが負担します。

また、経年劣化は自然損耗ともいわれており、経年劣化・自然損耗とは別に通常損耗というものもあります。通常損耗とは、物件に居住し、通常の生活をしていたにもかかわらず、できてしまった損傷や汚れのことで、避けられないものです。一般的には家具を置いたことでできる畳や床のへこみ、壁に画鋲やピンを刺した跡、家電製品の後部にできる電気焼けの跡などが該当します。通常損耗も経年劣化と同様、オーナーが修繕費用を負担します。

経年劣化、通常損耗とは別に特別損耗というものがあります。特別損耗は入居者の故意や過失によって生じた損傷や汚れのことを指します。具体的には、タバコによるヤニ汚れや臭い、掃除を怠ったことによる水回りのカビや水垢、ペットがつけた傷などが含まれます。これらは通常の使用範囲を超えているため、修繕費用の負担が求められます。

原状回復とは、賃貸物件の入居者が退去する際に、その物件を入居前の状態に戻すために行う修繕や清掃のことを指し、原状回復工事といわれることもあります。

原状回復を行う目的は、物件の価値を維持し、次の入居者に同じ状態で物件を提供するためのものです。通常の経年劣化や通常損耗はオーナーが負担しますが、入居者の故意や過失による特別損耗は入居者の原状回復対象となります。

原状回復は経年劣化と混同されがちですが、明確に異なります。

前述の通り、経年劣化は自然に発生するものであり、入居者の負担にはなりません。一方、原状回復は入居者の故意や過失による損傷を修繕する特別損耗に該当するものが多く、経年劣化とは区別されます。原状回復と経年劣化の違いを把握しておくと、退去時のトラブルを避けることにもつながります。

入居者の原状回復義務の範囲は、入居者による故意、過失でできた損傷や汚れなどの特別損耗の場合に限ります。

例えば具体的には、飲み物のこぼし跡、タバコのヤニによる壁の汚れ、家具や荷物の移動による床やカーペットの凹みや擦り傷、水回り(キッチン、浴室、トイレ)掃除を怠ったために生じたカビや汚れ、エアコンや換気扇のフィルターの清掃や交換を怠ったことで発生する汚損や破損、照明器具やスイッチプレートの汚れや破損、破れた障子などは入居者の使用方法に問題があったとみなされ、特別損耗扱いとなり、入居者に原状回復義務が生じます。

2020年4月1日に施行された改正民法では、賃貸借契約における入居者の原状回復義務が明確化されました。改正前は通常損耗と特別損耗の区別が不明確だったため、入居者の原状回復義務の線引きが不明瞭で、様々なトラブルの原因となっていました。

特に家具の設置による床のへこみやカーペットの摩耗などの原状回復工事は入居者が負担すべきか、オーナーが負担すべきかで度々トラブルになっていましたが、入居者が負うべき修繕費用の範囲が具体的に示されたことで、入居者とオーナーの双方が退去時の責任範囲をより明確に理解できるようになり、以前よりもトラブル防止に役立っています。

2020年4月1日以降に締結されたすべての賃貸借契約に改正民法の新しいルールが適用されますが、契約更新の場合は旧民法が適用されるため注意が必要です。また、2020年4月1日以前に締結された契約でも、契約期間終了後に入居者とオーナーが合意して更新された場合は改正民法が適用されます。

新しい契約や合意更新された契約には改正民法が適用され、法定更新された契約には旧民法が適用されるということを理解し、適切に対応することで賃貸借契約におけるトラブルを未然に防ぐことができます。

契約更新と再契約
契約更新と再契約は明確に異なります。

合意契約は、既存の契約見直し、約期間の延長や料金の調整が行われ、更新します。

再契約は、既存の契約を終了し、新しい契約を締結します。契約内容や条件が全く新しく設定されるため、大幅な条件変更や契約当事者が変わる場合には再契約となります。賃貸契約で再契約を行う場合は新たに敷金・礼金・保証金などの初期費用が再度発生します。

通常損耗であればオーナーが原状回復工事費を負担すると伝えましたが、契約の特約条項内に通常損耗分も入居者負担になる旨が記載されており、同意して契約締結を行った場合は、通常損耗分の原状回復工事費も入居者負担になります。

例えば「退去時にクリーニング費用を入居者はオーナーへ支払う」という特約の記載が契約書にある場合、支払い義務が発生します。通常損耗分は支払う必要がないと民法で定まっていても、賃貸借契約上では特約の方が有効です。

退去時に想定しない費用をオーナーや管理会社から請求されて焦るのを避けるためにも、契約時に特約の内容をしっかりと確認しておきましょう。

入居者負担による原状回復工事費が発生した場合、敷金から相殺される場合があります。敷金とは、賃貸物件の入居者が契約時に支払う賃料滞納や原状回復費用などを担保するためのものです。

契約終了時には、未払いの賃料や修繕費用が差し引かれた上で、残額が返還されます。詳しくはリンクの敷金に関する詳細ページをご確認ください。

敷金についての詳細は、こちらの記事でご確認いただけます。

経年劣化かどうかを判断する際のポイントは、損耗や劣化が時間の経過による自然な現象であるかどうかです。

以下に国土交通省が定めている賃借人(入居者)の負担範囲と設備等の経過年数と賃借人負担割合の一覧表を掲載しています。退去前に確認しておくと、スムーズに退去手続きを行えます。

この表はあくまで目安であり、物件や使用状況によって異なることがあります。退去時は管理会社と物件の損傷具合を確認するようにしましょう。

リロの不動産の仲介店舗では、様々な物件をたくさん取り扱いしており、お客様一人一人のライフスタイルに合わせた物件をご紹介しています。原状回復工事等で不安のある方もぜひリロの不動産にご相談ください。

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この記事を書いた人

リロの不動産 編集室

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『お住いをお探しの方』『不動産投資がハジメテの方』『賃貸経営をしている方』を対象に、「お部屋探しと不動産」にお役に立つ内容を中立的な視点でお伝えします。住む人も、貸す人も『遊ぶように暮らす』ライフスタイルが実現できるように活動しています。

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