不動産投資で不労所得を得るには?初心者が始めるときに注意すること
2023.02.25不労所得とは、働かなくても自分が保有している資産などから毎月一定の収入を得られる仕組みのことで、その方法は投資信託や債券投資、株式投資、FXのほか、ビジネスや権利収入などさまざまです。
高齢社会が進行し、65歳以上の高齢者の割合が「人口の21%」を超えた社会を「超高齢社会」と呼びますが、リタイアした後の収入を確保する手段として不労取得を得られる様々な手段が注目されています。充実した暮らしを実現するためにも早いうちから、不労所得を得られる仕組みに取り組むことで時間を味方にした資産形成が出来ます。
本記事では、不労所得の種類を始め、初心者が不動産投資を始める魅力や注意点についても解説します。
目次
不労所得の種類とメリット・デメリット
不労所得には「外貨預金・投資信託・債券投資」のような比較的安定した運用が期待できるものや「株式投資やFX」など投機的な側面があるものも存在します。さらに最近ではYouTubeで不労所得を得る方法も確立されています。
次項ではこれらの不労所得の種類におけるメリットそしてデメリットについて解説します。
外貨預金・投資信託・債券投資
外貨預金とは、日本円を海外の通貨に交換して預ける預金です。一般的に外貨預金とは、定期預金であることが多いですが、最近では普通預金も用意されています。
外貨預金のメリットは、運用後に日本円に替える時の為替レートが最初に預け入れたときと比べ、円安になっていればその差額分の為替差益が得られる点です。逆に預け入れたときに比べ、円高になっていると、円建ての場合は損失を被る結果になります。
また、日本円を海外の通貨に交換する場合、為替手数料が発生することも覚えておきましょう。
投資信託とは、投資家から小口で集めたお金を1つにまとめ、運用の専門家が国内外の株式や債券、先物などに分散して投資を行い、投資の運用実績によって得た利益を投資家に分配する仕組みの運用商品です。
少額の資産で始めることができ、資産運用を専門家に任せられるため、運用初心者に向いています。また、1つの商品で多くの国や地域に分散して投資を行えるなど、少額でポートフォリオを組めることでリスクを分散できる点がメリットです。
投資信託の価格は基準価額で表示され、毎日変動します。市場の動きによっては大きく下がり、元本割れを起こすこともあります。
債券を購入する債券投資は、投資家から資金調達をする目的で国や企業が発行する有価証券を購入する仕組みです。債券には、満期と利回りが設定されており、満期まで保有した投資家には、購入金額に利息をつけて払い戻されます。
投資商品の中では値動きが少なく、安定運用に向いていますが、金利変動リスクや信用リスク、さらには流動性リスクなどがあり、メリットばかりではないことを覚えておきましょう。
株式投資・FX
株とは、株式会社が事業で必要になるお金を集めるための証書のことで、株を購入すると、株式会社の株主になり、保有している株式数に応じた議決権を得られるなど、会社の経営に携われます。また、業績が良かったときなどには、分配金(インカムゲイン)が支払われます。そのほか、株式を保有している株主に対して特典が与えられる株主優待制度もあります。
株式投資で得られる最大のメリットは、株価が安いときに購入し、株価が大きく値上りしたときに売却する差益で得られる売却益(キャピタルゲイン)でしょう。ただし、株価の動きは市場によって大きく動くこともあり、動きを読みづらいため、場合によっては大きな損失を被ってしまうリスクがあります。
FXとは、外国為替保証金取引のことで、通貨同士の交換によって利益を出す方法です。少額で大きな取引ができるレバレッジが魅力ですが、ハイリスク・ハイリターンの取引になるケースが多く、今までの利益を突然失うことにもなりかねません。
運用のプロはシステムやさまざまな情報リソースを集約して投資判断をしています。手軽に取り組むことができる反面、個人で大きな金額を動かす取引は些かハードルの高い取引であることを認識しておきましょう。
YouTube
最近注目されているYouTubeで得られる収入は、広告収入です。広告収入は、広告を配信している広告主によって支払われている「広告掲載料金」から発生しています。広告主から広告掲載料金がまずYouTube側に支払われ、YouTubeから動画配信者に対して支払われる仕組みになっています。
広告収入を得るためには、1,000人以上のチャンネル登録者数と4,000時間以上の再生時間の確保が必要と言われていますが、一定基準を満たしたからといって安心はできません。動画配信者は常にクオリティの高い動画コンテンツの制作と一定数の定期配信が求められるためです。
不動産投資の目的から考える不労所得を得られる仕組みとは?
不労所得を得られる方法として挙げられるのが、不動産投資です。本項では、不動産投資の目的とあわせて、不動産投資によって家賃収入(インカムゲイン)や売却益(キャピタルゲイン)などの収入を得る仕組みについて解説します。
家賃収入(インカムゲイン)を狙う
不動産投資によって得られる収入の代表的なものが家賃収入です。家賃収入(インカムゲイン)とは、マンションやアパートなどといった収益不動産を保有し、入居希望者様に貸し出すことによって継続的に得られる収入です。
投資対象となる不動産の種類は、区分マンション(ワンルームなど)や1棟マンション、1棟アパートなどがあり、各種別の特徴や売買価格に利回り、運用する戸数による管理の手間暇とキャッシュフローに違いがあります。
入居者様がいる限り、毎月家賃収入を得られるため、長期的に安定した収入が確保できる点がメリットですが、空室が長期間続くと家賃収入が減少して収益が減少する「空室リスク」が存在します。
日本賃貸住宅管理協会の日管協短観2021年度によると、平均居住期間は、単身者で2~4年、ファミリー世帯で4~6年となります。そこで地域の賃貸需要や出口戦略や目的に応じた物件を選ぶことが大切です。
実際に手元に残る利益は、家賃収入から賃貸経営にかかる経費を差し引いた額になります。収支シミュレーションはリアルな運用を想定して事前に描いておきましょう。
出典: 日本賃貸住宅管理協会の日管協短観2021年度
売却益(キャピタルゲイン)を狙う
売買益(キャピタルゲイン)とは、保有資産の価値が上昇した際に、売却して得られる利益となります。売却しなければ利益は発生しませんので、不動産取得時の価格と売却時の価格との差から得られる「譲渡益」という言い方をすることもあります。
賃貸用の不動産を保有しており、不動産の価値が値上りした際に売却して得た利益がキャピタルゲインにあたります。
メリットとしては、インカムゲインに比べて、キャピタルゲインの方が大きな利益が得られる可能性が高い点が挙げられます。一方で懸念点は、現金化したいタイミングで必ず売却できるとは限らない「資産の流動性リスク」や、購入時よりも高額売却できるか不透明な点にあります。
保有している不動産の地価が下落したり、人口流出により人口減少が起きている場合は、不動産価値が購入時よりも減少してしまい、損失が発生する恐れもあるでしょう。但し、少子高齢化時代では多くの地域でこの様な事象が発生しています。そのため物件を購入する際は、将来の賃貸需要を想定しながらの保有をおすすめいたします。
実物資産である不動産をインフレ対策に活用する
インフレとは、物の値段が上昇する事です。ただし、不動産は実物資産のため、「物」そのものに価値があります。不動産は現金と異なり、インフレのときでも不動産収入があることによって資産価値が下がりにくい傾向があります。
またインフレでは、不動産の価格も上がる傾向にあり、地域によっては家賃が上昇しやすい特徴があることも、不動産投資がインフレに強い理由です。
不動産投資をハジメル際には多くの方が金融機関から融資を受けています。インフレになるとお金の価値が減少するため、借入れているお金の価値も減少します。なお、アパートローンを組んでいる場合には、金利の上昇がない限り、インフレによって毎月の返済額が上昇することはありません。結果として返済額は変らなくても、返済額の価値は下がることにつながり、実質的な負担が減ることになります。
投資用マンションに自分で住むことも可能
不動産投資では、収益物件として購入したマンションに自分が入居者となって住むことも可能です。
ただ、気を付けなければならない点があります。収益物件として購入する際は、一般的に不動産投資ローン(アパートローン)を利用します。不動産投資ローンは、資金使途が投資目的に限定されており、提供している金融機関においても、自宅用としての利用を禁止しているところが多くみられます。
なぜなら、不動産投資ローンは家賃収入を得て、その家賃収入を返済にあてることを条件に融資を行っているからです。自宅用となると、家賃収入が得られず、資金使途違反となる可能性があります。
収益物件に自分が住みたいと思った際には、事前に金融機関に相談し、許可を得ることが必要です。
また、収益物件には、マンションのような集合住宅だけではなく一戸建てもあります。一戸建ての場合、退去が発生しにくく、入居が安定しているというメリットがあります。1棟マンションや1棟アパートに比べ修繕費が少なくすむ点も、覚えておきたいメリットです。
老後のじぶん年金対策に効果的
今後の更なる超高齢社会においては、長生きリスクへの対策を考えておかなければなりません。医学や医療技術の発達により平均寿命が延びる反面、生きている間の生活費の不足分を補うことや、病気や介護が必要になった際にはさらにお金がかかります。生活費に加えて老後資金を準備しようと考えると、貯蓄では到底間に合いません。
今は年金額が物価の上昇に追い付いていないことから、年金だけでは不足する老後の生活費を自助努力で準備しなければならない時代になっています。
不動産投資は個人が準備できる、じぶん年金として老後資金をつくる対策としても効果的です。不動産投資を行うことで、家賃収入を長期かつ安定して受け取れます。
ただし、安定した収入を継続して得るためには、ある程度の経験が必要ですので、老後の年金対策として不動産投資を考えているなら、早めにハジメルことで時間を味方につけ、想定されるさまざまなリスクのコントロール方法などを身につけておきましょう。
所得税・住民税、贈与税、相続税などの税金対策にも
不動産投資を行うことにより、所得税額や住民税額を抑えられます。不動産投資で得た収入は不動産収入もしくは事業収入になります。
仮に不動産所得もしくは事業所得が赤字となった場合には、ほかの給与所得などの所得金額と相殺できます。この相殺の仕組みを損益通算といいます。不動産投資事業の赤字を本業を含めたほかの所得金額と相殺することで、最終的な課税所得金額が少なくなり、結果として所得税額および住民税額の節税につながります。
不動産投資における所得金額は、家賃収入から賃貸経営にかかる経費を差し引いて求めます。「売上-経費」と同じような考えをイメージしてみてください。所得金額を求める経費には、不動産投資を行ううえで必要となる費用のほか、不動産購入により発生する減価償却費なども費用計上できるため所得金額を大きく減少させる効果があります。
さらに、不動産を活用することで、相続税や贈与税を抑えられます。現金や金融資産と異なり、不動産の評価額は、路線価や固定資産税評価額を用いて計算するため、元々の不動産価格から70~80%の評価額に減額されます。
現金では満額の課税評価額となりますが、資産を不動産に組み替えることで相続の評価額を大きく下げて、インカムゲインやキャピタルゲインを狙える資産として受け継ぐことが可能です。
不動産投資で考えられるリスク一覧
ここまで不労所得を得られる不動産投資の魅力を解説してきましたが、不動産投資には、メリットばかりではなく、空室リスクや価格変動リスクなどが潜んでいます。
不動産投資を行うにあたって、メリットだけでなくリスクも理解したうえで備えましょう。不確実性の高い状態をなくし、適切な対応を取れば不動産投資のリスクはコントロールできます。それでは代表的なリスクと対策をご紹介します。
空室リスクがある
空室リスクとは、収益物件に入居者様が付かず、長期間空室が続く状態となってしまうリスクのことです。空室だと家賃収入が入らないため、不動産投資において一番大きなリスクといえます。空室の状態が長く続けば家賃収入が減少し、当初想定していた収支計画が崩れたり、ローンの返済が滞ってしまう可能性も考えられます。
空室期間が長引くほど、改善するための収益を確保しにくくなり、賃貸経営が苦しくなります。その結果、継続困難な状況になる恐れもあります。
物件を保有する前と保有後のポイントに注力して空室リスクをコントロールすることが大切です。物件の保有前は購入時に賃貸需要が長期的に見込めそうな立地であるかを確認しましょう。保有後は、空室対策に強い賃貸管理会社をパートナーに選定します。
空室対策に強いパートナーを探す考え方に、空室発生の代表的な要因を解決するフレームワーク『4つの空室対策』があります。①入居者募集対応、②仲介対応、③管理対応(入居者管理/建物管理)、④設備・工事対応という賃貸経営に必要不可欠な4つの要素に関連する対策を指します。
安定したアパート経営・マンション経営を継続させるためにも、空室発生要因を改善する各種対策の優先順位や実施タイミングを総合的にサポートできるパートナーであれば、一喜一憂することなく安定した賃貸経営を実現できるでしょう。
金利変動リスク(金利上昇リスク)
不動産投資を行う際に利用する不動産投資ローン(アパートローン)の多くは変動金利を採用しています。変動金利は固定金利よりも金利が低い点がメリットですが、市場の動向によって一般的には半年ごとに金利が見直される仕組みになっています。
市場動向が大幅な金利上昇する場合は、利用している不動産投資ローン(アパートローン)の返済額が上昇する可能性があります。当該事象を「金利上昇リスク」といいます。
金利上昇リスクをコントロールする方法として、ローン契約時に頭金を多く入れることや、繰り上げ返済を行う方法がありますが、無理に頭金を多く入れたり、繰り上げ返済を行った結果、手持ち資金が不足してしまう場合もあります。
繰り上げ返済を行う際には、運転資金を考慮した上で、手持ち資金に余裕を持たせながら実施有無を検討しましょう。
価格変動リスク
不動産投資における価格変動リスクとは、不動産の価値が変動することで損失を被るリスクを指します。変動する価格は売買価格と賃料です。
物件を売却する際、取得したときの物件価格を下回ると売却益を狙うキャピタルゲインによる収益を得られません。値上がりする物件は賃貸需要が上がり続ける地域にある収益物件です。
少子高齢化社会では、多くの地域で賃貸需要が減少するため、物件を購入する際は注意しましょう。不動産投資の目的によってはキャピタルゲインによる売却益を狙わない選択肢が最適な場合もあります。
賃料の価格変動についても考えてみましょう。例えば、一定規模の賃貸需要がある首都圏や地域のワンルームマンションであれば、築年数や物件の仕様に応じて賃料推移を確認できます。賃料が下がる主な要因は、経年変化による物件の問題と、競合物件の増加や地域の人口が減少する外部要因が考えられます。
価格変動リスクをコントロールするためには、物件がある場所の将来的な賃貸需要を事前に把握しておくことが大切です。運用及び購入時にはその地域の都市開発計画などを調べ、賃貸需要に不利になる要素がないか確認しておきましょう。
賃貸経営の運用が始まってからも、近隣の競合物件に負けない魅力を最低限維持する必要があります。過剰投資をする必要はありません。入居者様のニーズを反映したお部屋であれば平均賃料を大きく下回ることはありません。
特徴がある物件の場合は賃料が増減することもあるので、空室対策に強い賃貸管理会社をパートナーにしてアドバイスを求めながら適切な対策をすることで、多くのリスクヘッジができるでしょう。
自然災害(地震・台風・大雨・洪水等)・火災リスク
地震や台風、大雨や洪水などの自然災害は予想できないものです。しかし、自然災害によって収益物件に何らかの損害が発生した場合、不動産投資価値が目減りし、最終的に大きな損失を生む恐れがあります。
自然災害による一般的なリスクには、次のものがあります。
・地震による建物倒壊リスク
・火災による建物損傷リスク
・洪水などの水害による浸水リスク
日本は地震大国といわれるほど、地震が多く発生する国です。物件がある地域のハザードマップを確認するなど、どのような災害リスクがあるかを把握し、対策を考えることが大切です。
また、火災保険や地震保険への加入も忘れないようにしましょう。特に火災保険はオーナー様が加入するものと、入居者様が加入するものの2つがあります。入居者様が加入する火災保険の保険料負担は入居者様になりますので、契約の際にきちんと説明しておきましょう。
不動産は維持管理の手間がかかる
実物資産である収益物件は、経年劣化によって老朽化するため、定期的なメンテナンスや修繕が必要になります。設備の突発的な故障に対する修理や法令に準じた火災探知機等の交換など快適に暮らす状態を維持する必要があります。
修繕費については、当初の収支計画に折り込んでいるものの、想定していた以上に老朽化が進むことで、修繕費が想定以上にかかってしまうと、収益シミュレーションが崩れ、収支計画を見直さなければならなくなります。
ただ、計画的な維持管理を行うことにより、収益を確保しながら節税と合わせて不動産の資産価値を高められます。例えば、リフォームにより、入居者ニーズを反映した設備変更や新築と同様のお部屋の状態に戻す取組や、リノベーションにより、現代的なスタイルに変更して付加価値を加えるなどの工事対応があります。
ただし、費用がかかることですので、収支と現状の課題解決に見合う内容かを吟味して検討することをおすすめします。
不動産投資で不労所得を得るなら?3種類の投資方法
本項では、不動産投資における現物の居住系不動産投資の代表的な投資種別である、区分マンション投資、一戸建て投資、そして1棟投資について、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
区分マンション投資
マンション1棟全部を購入するのではなく、マンションの1室を購入し、お部屋を1つの単位として所有し、運用していく投資です。1室(1戸)単位で購入するため、少ない資金でハジメられる点がメリットです。少ない資金で不動産投資をスタートできる点は、初心者向けともいえるでしょう。さらに、区分マンションの場合、1棟マンションよりも売却しやすいメリットもあります。
ただ、利回りが低めであることや、立地がいい物件であれば空室リスクは低めですが、区分所有のお部屋が空室になると収入がゼロになります。1戸だけで賃貸経営をしている場合は、賃料で支払いができなくなる恐れがあります。
リフォームやリノベーションなどの工事に制限がかかる場合もあり、空室改善の対策が遅れることもあるでしょう。また、1棟全体の管理ではないため、コンセプトを統一した入居者様の募集など集客及び管理面に柔軟性が損なわれる点が、出口戦略によりデメリットにもなります。
特に懸念すべきは、1室のみの保有の場合は空室時にキャッシュを補填できないことです。当該理由により、空室期間を短くする対策に注力しましょう。
区分マンション投資を行うなら、できるだけ空室状態を作らないような、賃貸需要のある立地の物件を選ぶことが重要です。リーシング(入居者募集/賃貸仲介)や空室対策に強い管理会社をパートナーに選定しましょう。
一戸建て投資
一戸建て投資は、相続で受け継ぐ場合にご検討されることが多いのですが、1棟マンションや1棟アパートに比べると中古の物件価格が安く、購入しやすいメリットがあります。
築年数が古い戸建物件なら、建物の減価償却が進んでおり、建物の価値はほとんどかからないまま、土地だけの価格に近い金額で購入できるケースもあります。購入時の物件価格が低いことや、維持費もほかの1棟投資と比べると、多くかかりません。
入居者様はファミリーであることが多く、長く、安定的にお住まい頂ける可能性が高いことから安定的な賃貸が可能で、利回りが高い傾向にあるでしょう。
築年数が古い物件の場合、耐用年数を超えて建物の価値がほとんどないと判断された場合、金融機関からの融資を受けにくくなるといったデメリットもあります。さらに、建物の設備や外装などの修繕費用は区分マンション投資よりも多く必要になり、結果として修繕リスクが高くなる点はデメリットといえます。
賃貸需要に向く地域でいずれ発生する修繕・工事リスクに対応できるパートナーを見つけておくことで、一定のリスクを回避できるでしょう。一定の需要があっても一般的な賃貸物件よりも賃料が高めになる戸建て賃貸を選択する入居者様は多くはいらっしゃいません。ご紹介するネットワークを保有しているかパートナーに確認するとよいでしょう。
一棟投資(1棟アパート・1棟マンション)
1棟投資とは、アパートやマンションを1棟全部所有し、入居者様から賃料収入を得る不動産投資方法です。1棟投資の初期費用は高額になりますが、区分マンションや戸建てと利回りが同じでも、1棟投資は保有戸数が多くなるため得られるキャッシュも多くなります。目安としては、1棟アパートなら8戸~12戸。1棟マンションなら13戸以上のお部屋から毎月賃料収入を得られます。
入居者様の入退去や空室発生時でも他のお部屋から家賃収入が入るため、支払いも安心できるのは大きなメリットです。特に中古アパートの場合は減価償却費に計上できる金額も多く、高額納税者の方にとっては良い節税対策になります。
金融機関の融資を受けることで少ない自己資金でも、節税をしながら収益を生み出す資産を保有できます。
1棟保有することで、入居者様に対するルールやガイドラインも統一しやすいです。仮にワンちゃん専用の物件にしようと思っても、区分マンションでは実現が難しいでしょう。コンセプトを統一した物件は付加価値も向上しやすく、入居者様同士のトラブルも減少します。この様に賃貸経営の柔軟性や、運営のしやすさも大きなメリットになります。
一方で、1棟投資はアパートローンを利用するケースが一般的ですが、費用が高額になるため、希望額まで借入できない可能性や、通常のメンテナンスに加えて大規模修繕も行う必要があり、高額な修繕費を準備しなければならない点がデメリットになります。
但し、収支シミュレーションと適切な管理対応により、特殊な事情がない限り多くの問題を解決できます。
不労所得を得るために知っておきたい不動産投資の注意点
不労所得を得る目的で不動産投資をハジメルにあたり、新築マンションと中古マンションでは利回りが異なる点や、初心者には都心型の不動産投資がおすすめなど、賃貸経営をするうえで、最初から知っておくと有利な注意点をご紹介します。
新築マンションと中古マンションは利回りが異なる
同じ地域であっても、新築マンションと中古マンションでは利回りが異なります。新築マンションの場合、どうしても購入価格が高くなる分、利回りが低くなる傾向があります。その点、中古マンションは、融資を受ける際には不利になる点が多いものの、立地のよい物件を安い価格で購入でき、利回りがいいという特徴があります。
新築マンションを選ぶメリットは、融資がつきやすく貸し出す際に家賃を高く設定できることです。また、設備が新しいため、突発的な修繕が発生する頻度が少ない点もメリットといえます。デメリットは、購入価格が高く、賃料は一定の時期まで下落傾向になることです。賃料の下落を見込んだシミュレーションになっているか確認しましょう。
中古マンションはお値打ち価格で購入できるため利回りが高くなる点が魅力です。ほかにも流通量が多く、希望する立地の物件を選びやすいこともメリットとして挙げられます。
ただ、中古である以上、建物の老朽化による修繕費用や、突発的な設備の取り換えなどが発生する修繕リスクに注意しなければなりません。物件を古い状態のままにしておくと、物件の魅力も下がってしまうため、収益を考えたうえで、リフォームやリノベーションで物件価値を高める工夫も必要になります。
初心者には都心型不動産投資がおすすめ
都心型不動産投資は、低いリスクで安定したリターンを得られると考えられており、初心者におすすめの投資方法です。理由として、都心には人口が集中していることや、大規模な開発が断続的に行われていること、さらに地価の上昇が続いていることが関係しています。
都心型不動産投資のメリットは、賃料や入居者様に求められる物件の基準がある程度、明確になっていることです。需要が分かることで、出口戦略を練りやすくなるでしょう。入居者様も獲得しやすいため、空室リスクを抑えやすいのもポイントです。
都心の一部では、電車の延伸に伴う新駅開通や、最寄り駅の価格上昇相場も期待できるため、タイミングによっては売却益(キャピタルゲイン)を得られる可能性もあります。
初心者におすすめの都心型不動産投資ですが、需要や競争率が高く、物件の中には相場よりも高額な価格設定をしているものもあります。はじめての投資を起動に乗せるためにも、焦らず、冷静に相場を見極める姿勢が大切です。土地勘がある場合は、地方の賃貸需要が強いエリアで行う不動産投資が利回りも高いのでおススメです。
節税目的の場合は1棟の中古アパートがおすすめ
一般的に、不動産投資家のみなさんは、保有戸数を増加することでレバレッジ効果を得ながら、資産を拡大します。一定以上の収入を得ている場合は多くの所得税をお支払いしているはずです。
不動産投資の目的が節税の場合、中古アパート投資で所得税の減額効果を狙いながら、複数戸のお部屋からインカムゲインを家賃収入として得られます。
マンションとアパートでは構造が異なり、減価償却期間がそれぞれ異なります。中古アパートの方が多くの減価償却費を計上できるため、節税を目的とする場合は中古アパート投資が適しているといえるでしょう。
例えば、目的が相続対策の場合では借地権や借家権を利用したり、借入額に債務控除を適用するなどの対策が適していることがあります。不動産投資をするなら、目的から逆算することで理想に近い賃貸経営を実現しましょう。
不動産投資の始め方。不労所得を得る方法
本項では、不労所得を得る方法としての不動産投資の始め方について、ポイントを解説します。代表的なポイントとして、自己資金の用意や物件チェック、さらには信頼できる賃貸管理会社との提携が挙げられます。ほかにも覚えておきたいポイントがありますので、1つずつみていきましょう。
「頭金+諸費用」のため自己資金を用意する
不動産投資をハジメルのに必要な自己資金は、一般的に物件価格の15%~30%といわれています。自己資金は、「自分が用意できる金額」のことを指し、頭金および諸費用の支払いにあてられます。
諸費用の内訳は、以下の内容が挙げられます。
・不動産仲介手数料
・登記費用
・火災保険料
・不動産取得税
・印紙税
・ローンにかかる手数料
必要となる自己資金は、投資対象となる物件の種類によって異なりますが、区分マンションや一戸建て、1棟アパートなどで6,000万円程度の物件であれば、6,000万円×15%=900万円となるため、約1,000万円が諸費用の目安となります。1棟投資で、物件の価格が1億円程度になる場合は、1億円×15%の1,500万円以上の諸費用が必要だと認識しておきましょう。
初期費用にいくらかかるのか計算しておく
不動産投資をハジメル際に必要な初期費用は、物件価格の15%前後を目安に考えましょう。金融機関の融資額は申し込んだ人の属性、保有する資産総額、そして物件の属性によって異なりますが、良い融資条件を得るためにも諸費用は多めに用意できるといいでしょう。
ちなみに、物件価格が7,000万円であれば、目安となる初期費用の詳細は以下になります。
・頭金:700万円(物件価格の10%)
・融資事務手数料、融資保証料:100万円程度
・印紙代:9万円程度(不動産売買契約書:軽減措置適用後の3万円、金銭消費貸借契約書:6万円)
・登録免許税:63万円程度(土地の所有権移転登記:不動産価格の0.15%、建物所有権設定登記:不動産価格の0.4%、抵当権設定登記:借入金額の0.1%)
・司法書士への報酬:10万円程度
・仲介手数料:216万円程度(物件価格×3%+6万円)
・不動産取得税:50万円程度(宅地:評価額×1/2×3%、建物:評価額×3%-1,200万円)
ほかにも固定資産税や火災保険料等の負担が発生します。
金融機関は、個人と物件のチェックポイントとして、次の点を確認します。
・個人属性:年収、資産額、他社からの借入残高、勤務先、勤務年数など
・物件について:所在場所、駅からの距離、築年数、構造、積算価格、収益性など
そして、最終的な融資額が決定します。
物件が購入できるだけの融資額であればいいのですが、物件価格を下回る融資額が提示される場合は、さらに頭金を多く準備する必要があります。融資期間や利率などの融資条件も忘れずに確認しましょう。
物件の周辺相場と空室状況をチェックする
不動産投資において、空室リスクは最大のリスクになるため、そもそも空室を出さないことが最大のリスクヘッジになります。
不動産投資を検討する場合は、「購入を検討している物件の賃料が、周辺相場と比較して高額に設定されていないか」を確認すると同時に、「供給過剰で空室が目立つ地域ではないか」も確認しましょう。
あわせて、時代のニーズに合った設備を用意することや、管理戸数や仲介実績数の豊富さなど、空室対策に強い根拠を示す実績を保有する賃貸管理会社を選んで契約することも大切です。
最初に購入した不動産は次の担保になる
賃貸経営で実現したい暮らしや目標によりますが、多くの不動産投資家は最初に購入した不動産で賃貸経営を一定期間行い、安定的な運用実績とキャッシュの確保に見通しが立ったら、新たな収益物件を購入するために魅力的な物件を探すことになります。
次に購入する収益物件は、最初に購入した収益物件を担保にすることで、最初に投資を行ったときよりも大きな資金を利用して物件の選択肢を広げられるでしょう。
不動産投資の規模を拡大する方法として、保有戸数を増やす追加購入と、区分マンション投資からアパート経営にするような買い換えがあります。しかし、ローン残債が多い状態で無理に追加購入を行うと、返済の負担が増えるリスクがあります。返済比率を適正に保つためにも自己資金は十分に用意することも忘れないようにしましょう。
資金計画をしっかりと立てておかないと、空室の発生や修繕費の突発的な増加などによって、賃貸経営の財務状態が悪化する恐れがあります。運転資金を確保したうえで資産拡大を行うとよいでしょう。
信頼できる賃貸管理会社と連携する
不動産投資では、賃貸経営の業務全般や管理業務や運営の一部を賃貸管理会社に任せることが可能です。本業が会社員で、不動産投資を副業で行っている場合だと、賃貸管理といわれる業務全般にまで手が回りません。その際、味方になるのが信頼できる賃貸管理会社の存在です。
信頼できる賃貸管理会社を味方にすることは、不動産投資において重要なポイントになります。逆に賃貸管理会社に入居者募集や賃貸仲介業務と言われるリーシング活動や、管理運営業務である入居者管理や建物管理がきちんとなされていないと、賃貸経営に大きな影響を与えかねません。
不動産投資における「空室リスク」を回避するためにも、ノウハウと実績を持つ信頼できる賃貸管理会社選びが不動産投資の成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。
不動産投資で不労所得を得たいなら「リロの不動産」にお問い合わせください
不労所得を得る方法にはさまざまなものがありますが、ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資を選ぶなら、本文でご紹介したメリットやデメリット、注意点をしっかりと理解したうえで、賃貸経営のリスクに備えてご検討ください。
不動産投資で悩むことがあれば、専門家に相談することで解決できる可能性もあります。
不動産投資を行う際に注意するのは目的です。不動産投資をする目的によって購入すべき物件や出口戦略が変わるため、節税なのか、相続なのか、老後の生活費のためなのかなど、目的を振り返ってみるのはいかがでしょうか。
購入する物件の内容や、保有資産、属性、ライフステージによって不動産投資の進め方は異なりますが、【リロの不動産】は賃貸経営に関連する一連の業務をトータルでサポートしており、オーナー様のご事情に寄り添い、ひとりひとりに伴走しながら最適な対応をいたします。
不動産投資の目的を持つといっても、おひとりで悩まれることも多々あると思います。不動産投資に興味を持たれた方は、ぜひ【リロの不動産】にお問い合せください。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。