人生100年時代の年金対策 不動産投資をポートフォリオに

2023.01.22

受給開始年齢の引き上げや支給額の引き下げなど、このところ公的年金に関する嬉しくないニュースが続いています。老若男女問わず年金に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。そんな中、「不動産投資が年金対策になる」という声も聞かれますが、実際のところはどうなのでしょうか?

今回の記事では、年金が不安視される理由を説き明かし、不動産投資が年金対策として有効であることを解説します。

年金制度を不安視する人が増えている

少子高齢化の進行によって公的年金制度が不安視されています。特に若い世代からは「年金は当てにならない」といった諦めの声が上がるほどです。なぜそれほどまでに不安を感じるのか、まずはその理由を探ってみましょう。

80%の人が「老後は不安」と回答

年金の支給額が毎年少しずつ減っているのは事実です。2022年4月分からは前年に比べ0.4%引き下げられました。公的年金制度は社会保険料・税金・年金積立金によって成り立っているため、破綻することはないとされていますが、「いずれ年金制度は破綻するのではないか」「自分たちの世代は年金を受け取れるのか」など若者や現役世代が不安を感じるのも無理はないのかもしれません。

2019年、生命保険文化センターが全国400地点で18~69歳の男女4,014人を対象に行った調査では、84.4%が老後の生活に不安感を抱いていることがわかりました。その不安内容のトップに挙がったのが、「公的年金だけでは不十分(82.8%)」という回答です。また、3番目に多かったのが「退職金や企業年金だけでは不十分(38.8%)」という回答で、お金に関する不安の大きさがうかがえます。

出典:生命保険文化センター 老後の生活にどれくらい不安を感じている?

関連記事:必要な老後資金はいくら? 不動産投資で年金不足分を補うゆとりある生活

60歳、70歳以降のゆとりある生活のために

「公的年金だけでは不十分」ということは、支給される年金額と実際の生活費にギャップがあるということ。前出の生命保険文化センターが行ったアンケートでは、夫婦2人の老後にかかる生活費の予想は次のような結果となりました。

・最低限必要な生活費(月額平均):22万1,000円
・ゆとりのある生活費(月額平均):36万1,000万円

出典:生命保険文化センター 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?

では、老後生活の実態はどうでしょうか?総務省の家計調査年報(家計収支編)によると、2020年における65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の平均収入は、次のように発表されています。

公的年金などの社会保障給付        21万9,976円
その他収入3万6,684円
計(実収入)25万6,660円
税・社会保険料など▲3万1,160円
可処分所得22万5,501円

出典:生命保険文化センター 老後の生活費はどれくらい?

可処分所得を見ると、アンケート結果の「最低限必要な生活費」に対しては約4,000円のプラス、「ゆとりのある生活費」には約13万6,000円不足しています。生活に困らないものの、夫婦で旅行や趣味を楽しむために少し上乗せが欲しいといったところでしょうか。

日本年金機構が発表する2022年度の年金給付水準は以下のとおりで、家計調査の社会保障給付平均額と厚生年金の水準とは、ほぼ同額となっています。

・国民年金:6万4,816円
・厚生年金:21万9,593円

出典:日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について

しかしながら、将来受け取れる年金額は人によって異なります。厚生年金の場合は収入や加入期間によって給付額が変わり、誰もが水準と同じ額を受け取れるわけではありません。なお、年金額は今後さらに引き下げられる可能性もあり、金額が安定しないことも不安感の要因になっていると考えられます。

長生きを前提とするライフプラン

年金だけでは生活費のすべてを賄えないため、老後は預貯金などの資産を取り崩してやりくりすることになるでしょう。ここでまた「生きているうちに資産が底をついてしまうのではないか?」という新たな心配が生じます。

平均寿命が延び続け「人生100年時代」といわれる現在、ある程度の資産を持っていたとしても安心できません。長生きは本来すばらしいことですが、反対に資産が尽きてしまうリスクは高まります。

そこで必要になるのが、長生きを前提としたライフプランです。定年後に再雇用や再就職を選択して働き続けるのもよいでしょう。国が高齢者の雇用を後押ししていることもあり、働き口は見つかるはずです。ただし、年齢を重ねるうちにどうしても体力は衰えていくため、いつまでも働けるとはかぎりません。

また、業績悪化などを理由に人員整理を行う際、まず対象にされるのが非正規労働者です。労働を主軸にするのは不安が残ります。老後の生活を支えるために自分が働くのではなく、「働いてくれる資産を持つ」という考えにシフトしてみてはいかがでしょうか。今回おすすめする不動産投資は、「働いてくれる資産」の代表格ともいえるものです。

関連記事:老後2000万円問題はどうなった? ゆとりある老後には不動産投資がおすすめ

不動産投資(賃貸不動産の運用)のメリットと年金対策になる理由

さまざまな投資商品がある中で、年金対策に適しているのが不動産投資です。年金対策に適している理由と不動産投資のメリットについて解説します。

安定した家賃収入が個人年金になる

不動産投資のオーソドックスなスキームは収益物件を取得し、賃貸に出して家賃収入を得るというもの。つまりオーナーとして賃貸経営を行うことを指します。住宅は生活の基盤に根差したものなので、景気動向・物価動向にあまり左右されません。月々安定した家賃収入が期待できるため、個人年金になるといってもよいでしょう。

賃貸経営と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、全ての作業を自分でやる必要はなく、ほとんどの業務を賃貸管理会社に委託できます。主な業務内容は次のとおり。

・賃貸管理:入居者募集、契約対応の仲介業務、家賃回収、退去時やクレーム対応など
・建物管理:共用部の清掃・定期点検、補修・リフォーム、設備変更、大規模修繕の立案・実行など

これらはすべて賃貸管理会社に委託できるので、オーナー様が自ら行うことはほぼありません。信頼のおける賃貸管理会社をパートナーに選べば、オーナー様に寄り添った賃貸経営のアドバイスも受けられて安心です。

手間がかからず、専門知識やスキルがなくても取り組める不動産投資は、会社員・公務員の副業にもおすすめといえます。近年は副業を容認する企業が増えていますが、念のため就業規則を確認しておくとよいでしょう。

公務員の場合は「国家公務員法」「地方公務員法」で副業が原則禁止されていますが、不動産投資の事業規模(家賃収入年500万円、所有物件数5棟10室)を超えなければ副業に該当しません。

レバレッジ効果がある

レバレッジ(leverage)は「てこの作用(原理)」を意味する言葉で、投資の世界では「少ない資金で大きな資産を得ること」を表します。不動産投資の特長は収益物件の購入に金融機関からの融資が利用できること。不動産投資ローンを利用すれば、自己資金よりも高額な物件が購入できます。これは、ほかの投資商品にはない最大のメリットといえるでしょう。

「ローン=借金」と不安に感じるかもしれませんが、返済原資は家賃収入です。賃貸経営が順調で安定した家賃が得られれば、自己資金の持ち出しはありません。ローン完済後の物件は自分の資産になります。つまり、他人のお金で不動産という資産が持てるのです。

ローンを活用した不動産投資は、融資期間を長くできるので早めに取り組んだほうが有利といえます。例えば、30歳で借入期間35年の不動産投資ローンを組んだ場合、完済時は65歳。ちょうど定年を迎える頃です。ローンの返済がなくなれば家賃収入の大半が利益になるため、年金の不足分を補うことができるでしょう。

不動産投資のレバレッジ効果を利用すれば、コツコツと貯蓄を続けるのに比べ、はるかに効率よく老後資金を準備できるでしょう。

生命保険のかわりになる

老後のためというテーマからは離れますが、自分にもしものことがあったときの家族の生活も考えておく必要があるでしょう。不動産投資には生命保険のかわりになるという側面があり、家族の生活の支えとしても役立ちます。

多くの銀行では、不動産投資ローンは団体信用生命保険への加入が利用条件になっています。団体信用生命保険に加入をしておけば、ローン返済中にもしものことがあっても保険で完済されるため、家族に返済負担がかかる心配はいりません。

物件はそのまま家族の資産になり、売却して現金化することもできますし、賃貸経営を継続して家賃収入を得ることも可能です。空室になった時点で自分たちの住まいにすることも可能です。次に詳しく解説しますが、相続税の面でもメリットがあるため、同じ資産をのこすなら現金よりも不動産がおすすめです。

節税効果がある

不動産所得は給与所得や事業所得などとの損益通算が認められています。損益通算とは、それぞれの黒字と赤字を相殺する会計上のルールです。不動産所得で赤字が出た場合、損失分をほかの所得の黒字から差し引けるため、結果として所得税や住民税の節税につながります。所有する物件規模が大きく本業の年収が高い場合には特に効果を発揮するため、大きなメリットを得られるでしょう。

さらに前述のとおり、不動産投資には相続税の節税効果もあります。相続が発生した際、現金や預貯金は額面そのままが相続税の課税対象になるのに対し、不動産は路線価や固定資産税評価額をもとに評価が行われます。

不動産投資や賃貸経営の収益物件といわれる貸付用の不動産には借地権割合・借家権割合が加味されるため、最終的な課税対象額は5~7割程度にまで圧縮されます。

例えば1億円の相続財産があったとして、すべてが現金なら1億円、賃貸不動産なら約5,000~7,000万円を基準に相続税が課されるということです。損益通算による所得税・住民税の節税と同じく、相続税においても資産が大きいほど高い節税効果を実感できます。

インフレに強い

実物資産である不動産にはインフレに強いという特長があります。インフレ時には現金の価値が減ってしまいますが、物価が上昇すれば不動産価格も上昇するため、価値が大幅に目減りするといったことは起こりにくいと考えられています。

ご存じのとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大で世界的に経済が落ち込んだ中、アメリカでは景気刺激策の効果で経済が急速に回復し、物価の急騰が続いています。そのほかの国々でも積極的な経済対策を行い、経済回復・物価上昇の傾向。世界中でインフレが加速しつつある状況です。

1990年のバブル経済崩壊以降、長らくデフレが続いてきた日本でも近年物価が上昇し、インフレの懸念が高まっています。現金を不動産に換えておくことは、インフレへの予防的対策と考えることもできるでしょう。

不動産投資リスクの例とその対処法

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンに分類される投資分野です。いくつかのリスクはありますが、きちんとした対策を講じることで損失を最小限に抑えることが可能です。ここでは不動産投資のリスクの例と対策を紹介します。

空室リスク

不動産投資の一番の大敵ともいえるのが「空室リスク」です。前述のとおり、不動産投資ローンの返済原資は家賃収入です。そのほか修繕費や固定資産税などの維持費、賃貸経営にかかる費用は、基本的に家賃収入でまかないます。

空室が発生して家賃が得られない場合は、それらの費用を自己資金から捻出しなくてはなりません。空室期間が長引くほど資金繰りは悪化します。中には自己破産に追い込まれるケースもあるほどです。

空室リスクへの有効な対策は、主に「物件選び」と「最適な賃貸管理」です。物件選びでは立地や周囲の状況、賃貸需要の予測などを丁寧に調べ、入居申し込みが期待できるかを確認することが大切です。また、賃貸管理においては、いかに入居者様のニーズを捉え反映していくかを考え続ける必要があります。

入居者様にとって快適な住環境を保つことにより、長く住み続けてくれる可能性が高まるでしょう。すでに発生している空室には、新しい入居者様を迎える準備としてリフォームやリノベーションも検討したいところです。

ただし、高額な費用をかけたからといって確実に空室を回避できるとはかぎりません。まずは空室の原因を探ること。次に対策に優先順位をつけ、着実に実行していくことが大切です。なお、【リロの不動産】では空室の代表的な原因を解決するフレームワークとして、『4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)』をご提案しています。

家賃滞納リスク

レアケースではありますが、家賃滞納についても考えておくべきです。入居者様の権利は民法・借地借家法で保護されているため、家賃滞納を理由に即刻立ち退きを迫ることはできません。中には長期にわたって家賃を滞納したあげく、こっそり夜逃げをして踏み倒し…といった悪質なケースも。

室内に荷物が残されている場合には、撤去費用などの余計な費用負担も発生します。家賃滞納はすべての物件で起こるわけではないものの、一度発生すると大きなトラブルに発展することもあり、きちんとした対策を練っておくことが大切です。

家賃滞納のリスクヘッジとしては入居審査をしっかり行うこと、家賃保証会社を利用することなどが挙げられます。入居審査では収入や職業で家賃の支払い能力をチェックすると同時に、トラブルを起こす心配がないかといった点もチェックします。

審査の際、実績豊富で信頼できる賃貸管理会社にサポートしてもらえば、より確実な判断が期待できるでしょう。また、近年は連帯保証人を立てるのではなく、家賃保証会社の利用を契約条件にする物件が増えています。

家賃滞納が発生した際には賃貸保証会社から家賃が支払われ、オーナー様が直接入居者様に督促を行うなどの手間がかかりません。家賃保証会社でも審査を行うので、二重のチェックにもなり安心です。

修繕リスク

修繕リスクとは、建物や設備の経年劣化により修繕コストが発生するリスクをいいます。室内の水回り設備は10~15年が交換の目安です。また、アパートやマンションでは定期的な大規模修繕が必要です。そのほかにも、エアコンや給湯器などの突発的な故障で修理・交換が発生することもあります。

退去時の原状回復工事のほか、費用をかけてリフォームやリノベーションを行うことも大切です。これらはすべて建物の資産価値を維持するのに欠かせません。また、物件の魅力を高めることになり空室対策にもつながります。

注意したいのが「費用対効果を意識する」ということ。リフォームやリノベーションに高額な費用をかけたからといって、入居希望が殺到するとはかぎりません。ニーズにマッチしていなければ無駄な投資に終わってしまう可能性もあります。

中長期的な視点で適切な修繕計画を立てること、設備投資やリフォーム対応では入居者ニーズを意識すること、過剰な投資ではなくミニマムな投資で物件の収益性を維持することなどを意識してください。

ちなみに、【リロの不動産】では手持費用0円で内外装・設備工事に対応する「割賦工事プラン」や「初期費用0円・持ち出しナシの割賦」と「1室からの借上」と「厳選リフォーム」を組み合わせた【リロの満室パック】をご用意しています。

老朽化による長期空室の空室改善及び空室対策に加え、資金不足で修繕リスクの発生に不安を抱えているオーナー様がいらしたら、一度【リロの不動産】へご相談ください。

まとめ 不動産投資は年金対策に最適、信頼できるパートナーとともに歩もう

不動産投資は年金対策に最適な投資といえます。いくつかのリスクはありますが、コントロールは十分可能です。リスクコントロールのノウハウを持っている賃貸管理会社を味方につけることができれば、賃貸経営は大きな安心を得ることになるでしょう。オーナー様の賃貸経営をトータルサポートする賃貸管理会社こそ最良のパートナーです。

【リロの不動産】は、購入・管理・運用・工事・売却・相続まで一気通貫でオーナー様によりそう賃貸管理会社です。『4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)』をはじめとするさまざまなノウハウと、長年蓄積された膨大な『賃貸経営データ』を用いて、オーナー様の賃貸経営をしっかりとサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。