駐車場経営で儲かる4つのポイントとは?ローリスクの土地活用を伝授

2022.12.22

土地を所有して活用方法を考える中、「駐車場経営を始めてみたい」「駐車場経営を始めたはいいが、いまの運営方法が最適な方法なのか分からない」とお考えの方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、駐車場経営の基本知識や種類に加え、ハジメ方やメリット・デメリットのほか、収益を上げるためのポイントについて詳しく解説していきます。

本記事を読むことで、駐車場経営に失敗しないために必要なことが理解できるでしょう。駐車場経営を検討している方や、駐車場経営に取り組んだばかりの方は参考にしてください。

駐車場経営の基礎知識

何も知らないまま駐車場経営を行うと想定外の事態に対応できなくなってしまう可能性があるため、まずは基礎知識を理解して運営に活かしましょう。以下では、駐車場経営についてや、3つの経営方式のポイントを解説していきます。

駐車場経営はローリスク・ローリターンの不動産経営

駐車場経営は少ない資金でスタートできる、手軽な土地活用方法の一つです。アパート・マンション経営がミドルリスク・ミドルリターンなのに対して、駐車場経営は初期投資を抑えられる分リスクが低く、収入も安定しやすいでしょう。ただし、アパート経営・マンション経営よりも低い単価になりやすく、収入は少ない傾向にあるため、収益率はアパート・マンション経営より低くなります。

また、駐車場経営には一定期間だけ利用しやすいという特徴もあります。例えば所有する土地でアパート建設を開始するまでの期間土地が空く場合は、建設開始前までの一定期間のみ駐車場経営を行うこともできるのです。所有する土地が変形地だとしても駐車場経営は立地次第でニーズが見込めるビジネスなので、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

経営方式

駐車場経営における経営方式には「個人経営」「管理委託方式」「一括借上方式」の3つがあります。それぞれ以下で詳しく解説します。

個人経営

個人経営とは、賃貸管理会社などに管理を依頼せず、オーナー様が自分で駐車場を管理する方式です。広告や看板の設置料を含め、かかる費用はすべてオーナー様の自己負担ですが、収益もすべてオーナー様に入るという大きなメリットがあります。ただし経営の安定化には、周辺地域の駐車場の状況や料金相場などを定期的に調査したうえで、反映させる必要があるでしょう。

敷地の広さや設備によっても導入費用は異なりますが、約50坪の広さで駐車場経営をする場合、整地費用・舗装込みで100万円程度(舗装しなければほぼかからない)、コインパーキングにする場合の機械導入費用も合わせると300万円程度かかるのが目安です。

管理委託方式

管理委託方式とはオーナー様が土地の整備・施工を行い、賃貸管理会社などが利用開始後から契約・管理業務を行う管理方式をいいます。オーナー様の管理の手間が省けるため、遠方の土地でも経営しやすいというメリットがある一方で、賃貸管理会社への手数料が発生するため、個人経営よりも収益率は低下します。また、個人経営の同様の導入費用をオーナー様が負担するだけでなく、賃料の5〜10%程度の手数料を支払う点を理解しておきましょう。

一括借上方式

駐車場経営における一括借上方式とは、オーナー様が駐車場事業を行う賃貸管理会社などに土地をまるごと貸す方式です。借り受けた賃貸管理会社は、その土地で駐車場経営を行います。賃貸管理会社からは毎月一定額が支払われるため、稼働状況に収入が左右されることはなくなるでしょう。基本的に管理委託方式よりも手数料は高くなりますが、賃貸管理会社との契約内容によっては設備投資が無料になることもあります。

駐車場経営の種類

駐車場経営の種類には「月極駐車場」と「コインパーキング」の2種類があり、オーナー様はどちらかを選択して運営することになります。以下では、月極駐車場とコインパーキングそれぞれの経営方法について、分かりやすく解説していきます。

月極駐車場

月極駐車場は契約者と1ヶ月単位の利用契約を結び、毎月賃料を受け取るタイプの経営方法です。敷地内に何台分の車が停められるかによって、月の収益の最大値が決まります。確保できるスペースが広ければ広いほど、収益は大きくなる見込みがあるでしょう。

なお月極駐車場の場合は、近隣の賃貸管理会社に管理を委託するのが一般的です。気軽に始められるメリットがある一方、不正駐車には注意しなければなりません。不正駐車を放置すると契約者に迷惑がかかり、クレームや解約につながるリスクがあります。

コインパーキング

コインパーキングは不特定多数の利用者に駐車スペースを提供し、利用時間に応じて料金を受け取るタイプの経営方法です。月極駐車場のように利用者と契約を結ぶ必要はありません。現地には車を固定するロック板と精算機が設置され、無人で利用料の回収が行われます。

駐車スペースが空いていれば誰でも利用できるため、収益の上限がなく大きな収入を得られるというメリットがある一方、利用者が少なければ収益減少に直結するなど安定しない点がデメリットです。

コインパーキングの場合は一括借上方式の契約形態が多く、契約内容によっては設備投資が無料になることもあるため事前に確認しておきましょう。

駐車場経営の始め方

駐車場経営は、土地さえあれば個人でも始められる土地活用方法です。しかし「どのように始めればいいのか分からない」と、一歩前に進めていないオーナー様も多いのではないでしょうか。以下では、始め方が分からないオーナー様に向けて駐車場経営の始め方をステップ形式で紹介していきます。

ただし、基本的には自分一人で取り組まず、顧客紹介ができる賃貸管理会社や近しいパートナーに相談するのがベストです。パートナーへの相談内容と合わせて自分でも調べながら ハジメていきましょう。

1.駐車場経営の種類を決める

まずは「月極駐車場」か「コインパーキング」のどちらの方法で運営していくかを決めましょう。経営する駐車場の種類によって経営方式の向き・不向きやオーナー様の手間も大きく変わるため、経営方針を決めたうえで種類を決めることが大切です。

月極駐車場、コインパーキングともに個人経営で開始できますが、個人経営は最もオーナー様の手間がかかる経営方式といえます。先述のとおり個人の判断はリスクが高いため、月極駐車場は管理委託方式か一括借上方式、コインパーキングは一括借上方式がおすすめです。

2.契約

駐車場経営の種類を決めた後、施工や管理を依頼するために委託先を選んで契約を結びます。契約時はオーナー様の負担部分や手数料など、契約内容をしっかり確認しましょう。事前に疑問点や不明点を解消することが大切です。なお、管理委託方式は施工内容をオーナー様が自分で決めますが、一括借上方式は契約先の賃貸管理会社に任せることができ、契約後にオーナー様が行うことはほとんどありません。

3.現地整備

次に、現地を駐車場として利用できるように整備します。個人経営や管理委託の場合は、オーナー様が自分で現地整備を行うことになります。月極駐車場はアスファルトや砂利の整備のみで施工が終了しますが、土地の舗装自体必ず行わなければならない、というわけではありません。

一方コインパーキングの場合は、土地の舗装に加えてロック板や精算機の設置が必要なため、一般的に月極駐車場よりも初期費用がかかり工事期間も長くなります。

4.利用開始

現地整備が完了し、駐車場の利用ができる状態に整えられたら駐車場の利用を開始します。月極駐車場の場合は契約者を募集する必要があるため、現地に看板を設置したり、賃貸管理会社に募集をかけてもらったりするのが一般的です。法人契約に強い企業であれば、月極の募集掲載先を広げられるでしょう。

コインパーキングの集客力は立地で決まるため、特別な募集は特に必要なく、利用開始後すぐに利用者が現れる可能性もあります。収入が発生するまでの時間は、月極駐車場よりも早いといえるでしょう。

駐車場経営のメリット・デメリット

ここまで駐車場経営の基礎知識や種類、始め方について解説しました。次に、駐車場経営の魅力的なメリットや注意したいデメリットを紹介していきます。メリットとデメリットの両方を押さえることで、よりスムーズに駐車場経営を進められるでしょう。

メリット

駐車場経営のメリットは次のとおりです。

● 初期費用が少なくすむ
● 狭小地でもできる
● 災害リスクが小さい
● ほかの土地活用へ切り替えやすい

それぞれ解説していきます。

初期費用が少なくすむ

駐車場経営は、アパート経営・マンション経営のように建物を建てる必要がなく、少ない初期費用で始められる点が大きなメリットの一つです。経営方式や種類にもよりますが、一括借上方式の契約内容によっては、初期費用ゼロ円でもスタート可能な場合があります。仮に自分の土地でアパート・マンションを建設する場合、オーナー様はローンを含めさまざまな出費を検討し、目的に応じて収支計画を検討する必要があります。

初期費用が少ない駐車場経営であれば、アパート・マンション経営よりも出費を抑えられるだけでなく、心理的なハードルも低く始められるでしょう。

狭小地でもできる

狭小地にアパートやマンションを建設するのは容易ではありません。地形が悪い変形地の場合も土地の面積を有効活用できずに結果的に小さな建物しか建てられず、想定していた収益を得られないというケースも多くあります。

一方、駐車場経営の場合は狭小地や変形地でも数台の停車スペースが確保できれば、稼働率次第で収益化を見込めます。駅近や商業地の周辺、住宅地の周辺など需要が高い場所であれば、十分な収益を確保できるでしょう。このように、土地の広さに制限されることがないという点は駐車場経営の大きなメリットです。

災害リスクが小さい

アパート・マンション経営の場合、地震や台風のような自然災害によって甚大な被害が生じる可能性があります。保険でカバーできる部分はあっても、オーナー様の心理的なプレッシャーは大きいでしょう。

一方、駐車場経営は災害リスクの被害はほとんどありません。土地に建物が建っているわけではないので、アスファルトやコンクリートを舗装しておけば、自然災害があった場合にも迅速に経営を再開できるでしょう。

ほかの土地活用へ切り替えやすい

駐車場経営は建物を建てる必要がないため、特に費用をかけず撤去して別の土地に転用する方法もあります。そもそもコインパーキングは早期に撤去できますし、月極駐車場は契約者に解除予告を通知することで、1ヶ月ほどの期間で撤去が可能です。

このように駐車場経営は契約期間の自由度が高いため、将来的にアパート・マンション経営のような事業計画がある場合も、必要な期間のみ実施しやすいのが特徴です。なお、近い将来に土地活用の切り替え予定がある場合、駐車場経営の期間によっては一括借上方式を選択するほうが、収益になる可能性が高いといえるでしょう。

デメリット

駐車場経営の主なデメリットには以下があります。

● 税金の負担が大きい
● 収益性が低い
● 立地によって収入の差が大きくなる
● 初期費用やコストがかかる場合もある

一つずつ見ていきましょう。

税金の負担が大きい

駐車場経営は税制上の優遇措置が少ないため、税金の負担が大きくなる傾向にあります。アパート経営やマンション経営の場合、土地は住宅用地として扱われるため、固定資産税と都市計画税で優遇措置を受けられます。また相続が発生した際も、条件を満たせば小規模宅地等の特例を受けられるので相続税が軽減されるほか、一定期間の減価償却費があるため条件によっては所得税の控除も受けられます。

一方、駐車場経営の土地は住宅用地ではなく「更地」としての評価になるため、上記のような優遇措置を受けることができません。所得税に関しても減価償却費がないため、必要経費が少なくなり税金負担が大きくなります。

収益性が低い

駐車場経営はアパート・マンション経営と比較して収益が低いため、立地によっては高い税金を払うだけで利益がほぼ上がらない、といったケースも考えられます。特に個人経営で周囲に相談する方がいないと、駐車場経営をスタートしたものの思うように収益が上がらないうえ、修復方法も分からないなど、経営上での悩みが大きくなってしまう可能性もあります。

駐車場経営は収支予測が大切なので、経験豊富な賃貸管理会社など信頼と実績のあるパートナーへの依頼を検討しましょう。

立地によって収入の差が大きくなる

駐車場経営では土地の大小や地形の良し悪しよりも、需要のある立地なら収益を見込めます。どのような地域や場所に立地が存在するかによって収入が大きく変わります。特に、駅近や繁華街・オフィス街・住宅街からほど近い場所であればあるほど、ある程度安定した需要を見込めるうえ、駐車料金を近隣相場より多少高めに設定しても問題ないでしょう。

しかし過疎地で駐車場経営を行う場合は、料金を低くしても収益が上がらないという悩みを抱える可能性があるため、立地による向き不向きにも十分注意しましょう。

初期費用やコストがかかる場合もある

駐車場経営は土地活用の中でも比較的ローコストではじめられますが、しっかりとアスファルト舗装やフェンス・ブロックの設置、清掃などのメンテナンスを徹底すると、それなりの費用が発生するものです。コインパーキングの場合は、さらにロック板や精算機の設置の費用も考えなければなりません。ほかにも、固定資産税やローン返済分、管理委託を依頼する場合にかかる費用なども忘れないようにしましょう。

初期費用や運営コストに懸念点がある場合も、初期費用ゼロ円で、短期契約も可能な一括借上契約がマッチすることもあります。ローリスクで安定収益が見込める場合もあるため、事前の確認が大切です。

駐車場経営で収益を上げるための4つのポイント

駐車場経営は収益性が低い土地活用ですが、計画的に運営することでローリスクで収益の向上が期待できます。ここからは、駐車場経営で収益を上げるための4つのポイントを紹介します。

需要のある立地かどうか見極める

駐車場経営は、土地周辺の需要をあらかじめ調べておくことが大切です。住宅街やオフィス街、商業施設の周辺、駅前の繁華街などは一定の需要を見込めるでしょう。住宅街やオフィス街には月極駐車場のニーズがあり、商業施設や繁華街にはコインパーキングの需要があると予測できます。

ただし、同じ地域内の駐車場が空車ばかりであれば、「人が集まる場所ではない」「車で移動する人が少ない」などの可能性が考えられるかもしれません。そのため、近隣で競合する駐車場の数だけではなく、料金相場を含めた詳しい状況を調べることが重要です。

周辺相場にあわせた料金設定

どのような土地活用にも重要視される部分ですが、料金設定によって駐車場経営の安定性が決まります。周辺相場に見合った価格を設定できれば一定の需要を見込めるため、あらかじめ競合となる駐車場料金を調査するといいでしょう。

仮に周辺相場よりも低すぎる料金を設定した場合、利用者が多くても収益につながりにくくなり、逆に高すぎると、周辺に駐車場が全くない場合を除いて集客は難しくなります。

周辺の価格調査を行わずに駐車場経営を進めると、収支がマイナスになる可能性が高いため、リサーチを徹底して適切な料金を設定しましょう。月極駐車場とコインパーキングのどちらを選択しても料金設定は重要です。

実質利回りから収支を想定する

駐車場経営では、利回りも収益を考えるための重要な指標の一つです。利回りには表面的な収益性を示す「表面利回り」と、諸経費を考慮して算出する「実質利回り」があります。収支を検討する際に重視する指標は「実質利回り」になります。

そもそも、駐車場経営はほかの土地活用と比べて支出が少ないため表面利回りだけ見ればいいと思われるかもしれませんが、実際は税金や管理手数料、そのほかの諸経費が少しずつかかっていることを忘れてはいけません。収支計画を立てる際には、税金の優遇措置なども加味した実質利回りで計算するように心がけましょう。

管理を委託する

駐車場経営は初期費用を抑えて始めやすいため、個人経営を試みる方も多くいらっしゃいます。利用者募集や集金、現地整備の手間やトラブル問題が起きた際など、想像以上に駐車場経営は難しいと感じるものです。

どこにも管理を委託せず個人で駐車場経営をスタートした後、「やっぱりうまくいかない」と思った段階で賃貸管理会社に委託するという選択肢もありますが、最初から信頼できる賃貸管理会社に委託することで、失敗を最小限に抑えられます。

一括借上方式の場合、駐車場の利用率にかかわらずオーナー様は安定収入を獲得できるうえ、設備投資にかかる費用がゼロ円となったり事故やトラブルの対応も任せられたり、さらに短期契約も可能など、負担を極力を減らして駐車場経営することが可能です。借地権・営業権も発生しないため、気軽に依頼できるでしょう。

駐車場経営はサポートしてくれるパートナー選びが重要

駐車場経営で大切なのは収益を上げるトータルプランニングです。特に紹介した3つの経営方式と種類を押さえておきましょう。実際に駐車場経営を始める際は、一般的な管理業務だけでなく、収益向上やマーケットの変化に応じた料金調整の提案など、全体を通してサポートしてもらえるパートナー選びがポイントになります。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。