【保存版】コインパーキング経営で資産活用!メリデメ・利回り・リスクとは?
2023.04.26駐車場経営は、使用していない土地をお持ちの方に検討してほしい資産活用方法です。住宅を建てるには狭いと感じられる土地でも、車を数台停められるスペースがあれば駐車場経営が始められます。
この記事では、駐車場経営の初心者におすすめしたいコインパーキング経営の仕組みやメリット・デメリットについて解説します。成功するためのポイントにも触れますので、駐車場経営を始めてみたい方はもちろん、駐車場の収益をアップさせたい方も、ぜひ最後までお読みください。
目次
駐車場経営の種類で比較
駐車場には、大きく分けて「月極駐車場経営」と「コインパーキング経営」の2種類があります。まずはそれぞれの特徴やメリット・デメリットを比較してみましょう。
月極駐車場経営
月極駐車場では、アパートやマンションと同じように利用者と賃貸借契約を結び、毎月の賃料を受け取ります。メリットは初期費用が少額ですむことが挙げられます。コインパーキングのように精算機などの機器を備える必要がなく、舗装も必須ではありません。極端なことをいえば、土地さえあればすぐにでも経営がスタートできます。
月極駐車場の収益の最大額は、敷地内に何台の駐車スペースが確保できるかによって確定します。当然ながら土地が広いほど収益は多くなりますが、契約者がいなければ収入は得られません。また、月極駐車場の料金には地域ごとに相場があり、適正な賃料でなければ利用者を集めるのも難しくなります。そのため、契約者の募集や管理などは不動産管理会社に依頼するのが一般的です。
コインパーキング経営
コインパーキングは、精算機や車両を止めるロック板などの設備を整え、無人で経営する駐車場です。駅や繁華街、観光地などで、不特定多数の利用者を対象に利用時間に応じた料金を受け取ります。設備の導入には専門業者の手を借りなくてはならないので、基本的には初期費用が必要になります。
なお、初期費用が0円で開始できるサービスも存在します。専門業者に土地を一括で貸し出して地代を受け取るパターンの場合、毎月の収入は少なくなりますが初期費用はかかりません。
立地によって向き不向きはありますが、一般的には「月極駐車場経営よりコインパーキング経営の方が儲かる」といわれています。
もう一方の視点として、近隣の住環境への配慮と最低限のリスクヘッジにもなります。土地活用しないままだと雑草が増えたり、害虫や害獣の繁殖、ゴミの不法投棄などのリスクを抱える状況となり、周辺の住環境を悪化させる可能性もあります。
保有されている土地の雑草が原因で繁殖した害虫が鳥害の原因となったことが明らかになれば、近隣の苦情では済まないこともあります。アスファルトを敷くコインパーキングなら、雑草が生えにくく安心です。
人が多く集まる場所のみならず、近年は住宅地でもコインパーキングを見かけることが多くなりました。利用ニーズがあれば十分な収益が期待できるでしょう。
コインパーキング経営を始めやすい理由
土地活用の中でも比較的手軽に始められるのが駐車場経営です。特にコインパーキングは、土地の広さや形状を選ばず、手持ち資金が少ない方にもおすすめといえます。
ここでは、コインパーキング経営を始めやすい理由として、3つのメリットを紹介します。
初期費用を抑えられる
アパートやマンションなど建物を利用する土地活用は、多額の建設費が必要です。施工会社選びやプラン決めなど、建設するための設計/施工に時間がかかり、建物が完成するまでに1年以上かかることも珍しくありません。そこから入居者を募集するため、実際に収入が得られるまでには長い期間を要します。
その点、駐車場経営は初期費用を少なく抑えられ、収益が発生するまでの期間も短いことが魅力です。契約形態によっては、初期費用ゼロで始められるケースも多くあります。
設備買取り方式のコインパーキング経営の初期費用では、駐車場の規模や設備によって大きく変わりますが、300万円以上の設備投資額になるでしょう。
ちなみに、アスファルト舗装は4,000~6,000円/㎡程度、歩道の切り下げは30~80万円程度が目安となります。
工事期間も短く、舗装や設備の設置を含めて1~2ヶ月程度で事業をスタートできるケースがほとんどです。なお、月極駐車場では契約者を募る必要がありますが、時間貸しのコインパーキングはオープン当日から利用が期待でき、収益発生までの期間はより短いといえます。
狭い土地(狭小地や変形地)でも活用できる
アパートやマンションの建設地にはある程度の広さが求められます。さらに建築する関係から土地の形状は長方形や正方形に近い整った形状が好まれます。いびつな形状の土地は間取りが制限されてしまうためです。仮にアパートやマンションには不向きな狭小地や変形地でも、車2~3台を停められるスペースがあればコインパーキング経営が始められます。
ご存じのとおり、土地を所有するかぎりは固定資産税を支払わなくてはならず、活用しなければ出費がかさむばかりです。使いみちがないと諦める前に、コインパーキング経営を検討してみることもご検討ください。
土地の転用性が高い
土地の転用性が高いことも、コインパーキング経営をおすすめする理由の一つです。土地活用の予定があるため踏み切れない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
例えば、駐車場経営を一定期間行い、計画していたアパート経営を行うタイミングで駐車場経営をやめる計画があるとします。
月極駐車場の場合、契約者に立ち退いてもらわないことにはアパートが建てられません。駐車場は借地借家法の適用対象外のため、立退料の支払いは不要ですが、事前の解約通知は必要です。
まずは明渡し希望日を決め、契約者全員に解約通知を発送する手間が生じます。なお、解約は明渡し希望日の1ヶ月以上前に通知するのが一般的です。
一方、不特定多数の利用者を対象とするコインパーキングの場合は、解約通知の手間がなく、自分の好きなタイミングで閉鎖できます。精算機などの設備撤去と同時にアパート建設が始められるので、月極駐車場よりも早くアパート経営がスタートできるでしょう。
転用性が高いメリットを利用して、アパート・マンション経営を前提にコインパーキング経営による土地活用で資金を貯めるのも一つの方法です。
駐車場の経営方法とメリット・デメリット
駐車場経営を始めるにしても、「どこから手をつけていいのか分からない」という方は多いと思います。まずは駐車場の管理方法から押さえていきましょう。駐車場の管理方法には次の3種類があります。
● 自主管理
● 管理委託
● 一括借上
ここからは、それぞれの特徴とコインパーキング経営におけるメリット・デメリットを紹介します。
駐車場経営の自主管理
自主管理では機器の導入・設置から日常的な管理業務まで、すべてを自分で行います。主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
● 駐車料金をすべて自分の収入にできる
● 利用料金を自由に決められる
【デメリット】
● 整地や機器導入などにまとまった初期費用が必要
● 機器のメンテナンスや電気代、保険料(火災保険・地震保険)などの維持費がかかる
● 日々の管理や清掃、トラブル対応も自分で行わなくてはならない
自主管理の場合、管理手数料を支払わない分、多くの収入が期待できる反面、手間と時間がかかります。コインパーキングでは精算機の小銭やレシートを切らさないように運営面も気をつけなければならないので、少なくとも一日に一度は確認する必要があるでしょう。
駐車場経営のノウハウも欠かせないため、月極駐車場でもコインパーキング経営でも、はじめて駐車場経営を行う方にはハードルが高い方法です。
駐車場経営の管理委託
管理委託とは、日常的な管理業務を不動産管理会社などに委託して駐車場経営を行う方法です。主なメリット・デメリットは次のとおりです。
【メリット】
● 管理、清掃、トラブル対応などをプロに任せられる
● 遠方の土地でも駐車場経営ができる
【デメリット】
● 管理委託料がかかる
● 自主管理より収入が下がる
管理委託料は業者によって異なり、毎月定額のパターンもあれば、駐車場収入の5~10%ほどを支払うパターンもあります。費用はかかりますが手間がいらないため、駐車場経営がはじめての方にもおすすめの方法といえるでしょう。
なお、整地や設備導入にかかる費用はオーナー様の負担となるのが一般的です。
コインパーキング経営で借上(管理含む)
一括借上(サブリース)と呼ばれる方法では、管理を含めた運営すべてを不動産管理会社が行います。主なメリット・デメリットは次のとおりです。
【メリット】
● 初期費用や維持費がかからない
● 管理の手間が省ける
● 毎月安定した収入を得られる
● 遠方の土地でも駐車場経営ができる
【デメリット】
● 駐車場の稼働率が上がっても収入は増えない
● 経営に関われない
オーナー様と不動産管理会社との間で土地の賃貸借契約を結ぶという形態で、オーナー様が駐車場経営に関わることはほとんどありません。駐車場の稼働率に関係なく、毎月一定の賃料を受け取ることができるので、安定した収入を得たい方におすすめです。
ただし、2年に一度くらいのペースで契約更新が行われ、稼働状況が悪い場合など、なんらかの理由で賃料の値下げ交渉をされることもあるので注意してください。
コインパーキング経営における利回りは?儲かる仕組み
土地活用を始める際、まず意識すべきは「利回り」です。では、コインパーキング経営の利回りはどのようになっているのでしょうか?
ここからは、コインパーキング経営が儲かる仕組みについて解説します。
表面利回りと実質利回りの関係
まず、「表面利回り」と「実質利回り」の違いを押さえておきましょう。コインパーキング経営における表面利回りは土地代に対する収入の割合、実質利回りは初期費用やランニングコストも含めたすべての支出に対する収入の割合です。それぞれの利回りは以下の計算式で求めます。
● 表面利回り(%)= 年間賃料 ÷ 土地価格 × 100
● 実質利回り(%)=(年間賃料 - ランニングコスト)÷(土地価格 + 初期費用)× 100
※ 年間賃料は満車時を想定
コインパーキング経営の利回りは、立地や料金設定によって変動します。好立地にあったとしても、周りの駐車場の料金設定が低いと収益が少なくなり、利回りは下がる傾向にあります。相場よりも高い料金設定では、お客様がほかの駐車場に流れてしまうためです。
利回りを上げるコツは、できるだけ安く土地を取得及び購入してから、高い料金で貸し出すことです。その点、相続した土地は購入費がかかっていないので、高利回りでの経営が期待できます。
なお、上記計算式からも分かるように、より実態に近い数値をつかめるのは実質利回りです。コインパーキングでは24時間365日満車ということは考えにくいので、稼働率も含めてシミュレーションしてみましょう。
コインパーキング経営の収入シミュレーション
次のような条件で、コインパーキングの収益と利回りをシミュレーションしてみます。ここでは計算方法を分かりやすくするため、土地を購入したものと仮定します。
【条件】
● 経営方法:委託管理
● 土地代:2,000万円
● 初期費用:300万円
● 駐車スペース:5台
● 利用料金:1時間あたり300円
● 委託管理費:5%
● 固定資産税:20万円/年
● 維持費(修繕費や保険料など):5万円/年
● 稼働率:25%
収益:5台 × 24時間 × 365日 × 300円 × 25% = 328万5,000円
経費:328万5,000円 × 5% + 20万円 + 5万円 = 16万4,275円
【表面利回り】
328万5,000円 ÷ 2,000万円 × 100 = 16.425%
【実質利回り】
(328万5,000円 - 16万4,275円)÷(2,000万円 + 300万円)× 100 ≒ 13.57%
コインパーキングの利回り相場は15~30%程度といわれています。ちなみに、都心部の新築木造アパートの平均的な表面利回りは5~6%ほどです。シミュレーションの数値ではありますが、「コインパーキング経営は儲かる」といわれる理由がお分かりいただけるでしょう。
お持ちの土地でシミュレーションする際は、周辺の駐車場の稼働状況や料金などを調べ、できるだけ具体的な数字で試算してみてください。
コインパーキング経営で注意すべきリスクとは?
初期費用を抑えられる、狭い土地も活用できるなど、コインパーキング経営にはメリットが多いことがわかりました。しかしながら、成功するには経営するうえでの注意点も把握しておくことが大切です。
ここからは、コインパーキング経営で考えられるリスクを紹介します。
立地リスク
コインパーキング経営は立地の影響を受けやすい土地活用だといわれています。駐車場の需要に対して供給が不足している地域では、多くの利用が見込まれるため事業の成功確率は向上します。
例えば、交通量の多い都市部では「ちょっと車を停めたい」というニーズも多いでしょう。観光地の駐車場では、トップシーズンは常に満車・シーズンオフは空いているといったように波があることも予想されます。
コインパーキング経営の稼働率は良くて20~30%程度です。場所によっては10%を下回るケースも珍しくありません。立地リスクの対策として、コインパーキング経営を始める前にニーズの確認をメインとした入念な「立地調査」を行うべきです。
その際、駐車しやすいかどうかも確認しましょう。狭小地・変形地でも経営可能とお伝えしましたが、車をスムーズに出し入れできないようでは多くの利用は期待できません。「駐車スペースが狭すぎて隣りの車と接触した」などのクレームにもつながりかねないため、利用者目線でコインパーキングに向いているかどうかをチェックしてみてください。
災害リスク
コインパーキングには看板や精算機、フラップ板、ゲートなどさまざまな設備を設置します。地震や台風などの災害で、これらの設備が破損したり誤作動を起こしたりする可能性も視野に入れて考えてみてください。設備不漁や故障の復旧は、契約形態によっては多額の資金が必要になり、日数もかかります。
また、強風で看板が飛ばされて、駐車中の車や近隣の建物に損害を与える恐れもあります。災害への備えとして、保険加入は重要だといえるでしょう。
コインパーキング経営を始める前にハザードマップを確認しておくことも大切です。台風や集中豪雨による浸水・土砂崩れの危険性はないか、大地震で地割れや液状化現象が発生する可能性はないかなど、しっかりと調べてみてください。
不安要素について、何か対策ができないか不動産管理会社に相談してみるとよいでしょう。ただし、リスクが大きすぎる場合はコインパーキング経営を見送る決断も必要です。
コインパーキング利用者同士の事故・盗難リスク
利用者同士の事故、盗難や車上荒らしなどは、コインパーキングで起こりがちなトラブルです。基本的には当事者の責任ですが、状況によっては管理者やオーナー様の責任が問われることもあります。
例えば、設備の不具合を放置していたことが原因でトラブルが発生したケースです。このようなケースでは、設備の修繕費に加えて利用者への損害賠償が発生し、思わぬ出費に頭を抱えることになるかもしれません。こうした事態を未然に防ぐためにも、設備の定期的な点検やメンテナンスを欠かさないことが大切です。
なお、防犯カメラは必ず設置することをおすすめします。犯罪の抑止力になりますし、何かあったときの有効な証拠にもなります。見通しの悪い場所にミラーを設置するなども、事故防止に効果があるでしょう。
損害賠償を求められたり責任を問われたりするリスクを考えると、ある程度の設備投資はけして損にはなりません。
コインパーキング経営を成功に導くポイント
ここからは、コインパーキング経営で成功するために押さえておきたいポイントについて解説します。大切なことは主に「情報収集」と「業者選び」の2つです。それぞれ詳しく解説しますので参考にしてください。
競合コインパーキングの情報をチェックしておくこと
コインパーキング経営は初心者でも始めやすく、新規参入のハードルが低い土地活用です。特に駅周辺や繁華街など需要の多い場所は競合が多く、激戦区といえます。
まずは周辺のコインパーキングを調べてみましょう。料金や稼働率、主要施設からの距離、コインパーキング同士の距離間など、調査すべき点はたくさんあります。これらのデータを集めて客観的に分析したうえで経営をスタートすることが大切です。
新規参入のハードルが低いだけに、オープン後に近くに新しいコインパーキングができる可能性もあります。その際も動向をしっかり確認しましょう。
自分が経営するコインパーキングよりも安いからといって、慌てて料金を下げないようにしてください。一時的な集客効果はあるかもしれませんが、一度下げた料金はなかなか元に戻せません。別の方法で競合との差別化を図りましょう。
例えば、料金発生の単位時間を細かくするのも一つの方法です。周囲のコインパーキングが30分200円のところ15分100円にすれば、10分ほど駐車したいという方に優先的に選ばれるのではないでしょうか。どのようなニーズがあるのかをいち早く知るためにも、継続して情報を集めていきましょう。
コインパーキング経営をサポートしてくれる業者かどうか
手間をかけずに安定したコインパーキング経営を行うには、管理をプロに任せるのが一番です。コインパーキング経営を成功に導くためにも、業者選びは特にこだわりたいポイントといえます。管理を委託する業者によって、収益に対する貢献度が変わります。
定期的に周辺相場をリサーチしてくれる業者であれば、必要に応じて料金改定を提案してくれるでしょう。稼働率を上げる工夫やトラブル防止につながる提案をしてくれるかどうかも、選定基準に加えるようにしてください。
また、管理業務の内容もしっかり確認しましょう。清掃や管理が行き届いたコインパーキングはお客様に好印象を与え、優先的に利用してくれる可能性が高まります。それにより集客力が上がれば、収入アップが期待できます。
なお、最初から一社に決めるのではなく、複数の業者に相談するようにしてください。プランや業務内容、管理委託費などは業者によって異なります。複数を比較検討したうえで、納得かつ信頼できる業者を選ぶことをおすすめします。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
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