アパート経営で設備投資やリフォームする理由とは?ミニマム投資の秘訣

2022.12.12

「長期空室のお部屋が埋まらない」「自分が所有するアパートが近隣の物件に比べて見劣りするようになった」「初期費用や賃料の減額を相談された」など、ミニマム投資で空室対策やリフォーム・リノベーションをしたほうがいいのではないかと考えている不動産オーナー様は多いのではないでしょうか。

そこで空室対策にお悩みのオーナー様や、空室対策の1つとしてリフォーム・リノベーションをすべきか迷っているアパート経営者様に対して、設備投資の必要性やメリット、適切なタイミングと設備投資の注意点を解説するとともに、賃貸経営で成功する秘訣についてもご紹介します。

目次

リフォームとリノベーションの違いとは?

リフォームとは老朽化した個所を元に戻すことを指します。原状回復や設備入替えなどはリフォームと同じ意味で使われることもあります。収益物件では、入居者様が退室した場合、その部屋を入居者様が住む前の状態に戻す原状回復と、老朽化した建物のキッチンやトイレなどの設備を新築の状態に戻すリフォームを併用します。

一方でリノベーションとは、現在の物件の付加価値を高めることを目的とする工事を指します。具体的には内装、外装などを現代的なスタイルに変更することで、お住まいになる方のライフスタイルや生活環境に役立つ機能を加えたり、間取りを変更して暮らし方を大きく変更できる点が魅力となっています。

設備投資やリフォームなどの修繕・工事が必要な理由とミニマム投資の秘訣

アパート経営やマンション経営では、地域やターゲットにより間取りや設備の優位性に差が生まれます。首都圏の一部の地域やヴィンテージマンションなどを除き、一般的には築年数の経過に伴い、新しくできた競合物件のほうが「入居者様のニーズ」を反映しています。

入居者様に選ばれなければ空室が続き、賃料収入を得られません。だからこそ、「入居者様のニーズ」にあった設備導入や間取りを取り入れるために、リフォーム・リノベーションに対応し、現代にマッチする居住空間を提供し続けることで、適正賃料の収入を永く得る対応を事前に対策しておく必要があるのです。

一般的なお住まいとは異なり、特別な理由がなければ、過剰投資する必要はありません。アパート経営やマンション経営で注力するポイントは2つです。

1 収益のバランスを取る投資に抑える
2 入居者様のニーズを満たす投資をする

地域特性や物件の魅力を考え抜いたうえで、入居者様が求める付加価値の高い設備投資やリフォーム・リノベーションを行えば、ミニマム投資で最大限の費用対効果を狙えるでしょう。

賃貸経営の工事対応は一般的な住宅と異なり、空室対策で重要な業務である、入居者様の募集に関する業務である、物件の魅力を伝える業務や、ご案内から契約締結まで対応する賃貸仲介業務などの決定力にも影響を与えます。工事対応をした後の集客や仲介業務にはじまり、収益物件の売却もふまえて、賃貸経営の流れを俯瞰して一気通貫の対応をすると、更なる効果を生み出すでしょう。

リフォームや設備投資を検討すべきタイミングとは?

リフォームや設備投資はどのようなタイミングで検討すべきなのでしょうか。具体例を挙げて解説します。

法定耐用年数に準じて計画するタイミング

大規模修繕工事のスケジュールを参考に、各設備の法定耐用年数も把握して設備修繕計画を策定します。

例えば、水回り設備の耐用年数は10~20年程度、給湯機やエアコンなどの設備の法定耐用年数は6年程度になります。実際の寿命は法定耐用年数よりも長くなることが多いものですが、耐用年数を経過したあたりから不具合が増え、クレームにつながる場合もあります。

大幅に耐用年数を超えた設備は部品の供給ができず、修理ができないこともあります。基本的には、耐用年数を目安に設備の入れ替えを検討するとよいでしょう。

退去後に原状回復をするタイミング

一般的には平均3年で入居者様がお部屋を住み替えるタイミングがきます。退去後に原状回復工事を行う際に設備入れ替えやリフォームを合わせて対応することで工事費用の総額を圧縮できるでしょう。

先述の耐用年数が大幅に過ぎている場合や異音がする場合を除き、空室期間が長くなったり、複数戸の空室があったりする場合は、賃料収入があるときに早めの対応をおすすめします。

特にアパート経営で複数戸数を所有されている場合、設備の入れ替えやリフォーム時期が重なると大きなキャッシュアウトになります。オーナー様には、早めに計画的に進めることで経費計上による節税やキャッシュフローを安定的に確保する対応が求められるでしょう。

空室が続き競合物件の設備と乖離が生じたタイミング

入居者様の募集や仲介業務を対応し尽くしても空室が続く場合は、競合物件よりも見劣りし、現代では求められにくい設備やお部屋の間取りになっている可能性が高いです。安易に賃料を下げる前に、近隣の競合物件情報や地域の情報収集を行い、しかるべき対策をすれば空室の改善が期待できるでしょう。

例えば、新しい大型マンションが完成し地域に住む入居者様の層が変わることも、道路の拡張のほか新駅開業や大学の新増設をはじめ、経営環境の変化にともなう学校や企業の移転など、地方自治体や企業が推進する取り組みによって地域で活動する方が増減することもあります。

地域や競合物件の変化を捉え、入居者様のニーズを捉える新しい新設備の導入やリフォーム・リノベーションを行い、新たな入居希望者様を適正賃料でご案内することで、安定した賃貸経営を継続できます。

最近では近隣の競合物件の設備や賃料をレポートで提供する管理会社も存在します。賃貸経営のパートナーと協力しながら情報収集しましょう。

相続税対策を行うタイミング

不動産の相続税評価額は、時価や公示価格よりも低くなる特徴があります。

相続税評価額の計算方法は土地と建物で分れており、土地の場合公示価格の80%、建物については固定資産評価額を用いるため、公示価格の70%まで下がります。

さらに、対象となる不動産を賃貸に利用していると、借地権割合や借家権割合、賃貸割合を用いて計算することから、さらに相続税評価額が低くなります。

例えば、その不動産の相続税評価額(自家用)が8,000万円で、借地権割合が60%、借家権割合が30%、賃貸割合が80%だった場合の相続税評価額は「8,000万円✕(1-60%✕30%✕80%)=6,848万円」まで下がるわけです。

また、設備の入れ替え・リフォーム・リノベーションを行うことで所得税・住民税の節税効果も期待できます。各種工事費用は経費として計上できるため、最終的な不動産所得額を下げられるからです。

ちなみに設備の入れ替え・リフォームは「修繕費」、リノベーションは「資本的支出」に該当します。ただし、資本的支出は、いったん資産として計上し、減価償却費として数年間で経費計上する点が異なります。

また、節税目的でご所有のアパートのリフォーム・リノベーションを検討される場合、デッドクロスの状態に陥らないよう意識することが大切です。

デッドクロスとは、「元金返済額よりも減価償却費のほうが低くなる」状態のことで、経費として計上できる金額よりも実際の支払のほうが多いため、帳簿上は賃貸経営がうまくいっているように見えていても、実際のキャッシュフローはうまく回っていない場合を意味します。一般的な企業でいえば黒字倒産の危機に該当する状態であるため、そうならないための対策が必須です。

基本的にリフォーム・リノベーションで導入する設備の償却期間よりも、ローン返済期間が長ければデッドクロスが発生すると考えられています。そのため、リフォーム・リノベーションを行う前にローンの返済期間や減価償却期間をふまえて、どの程度の節税効果が期待できるのか、資金繰りは問題ないか、集客に寄与する工事対応なのか考えたうえ、入念なシミュレーションを行いましょう。

売却をするタイミング

売却をご検討される際には「できるだけ早く、高く購入してほしい」とオーナー様ならば誰もが考えるでしょう。

売却時期や資金に余裕がある場合は、売却前に、リフォーム・リノベーションを行うことで、売却しにくかった物件が早く、時には想定より高値で売却ができる可能性があります。

賃貸経営では、空室がなく、賃料が高く、コストが低いアパートを、多くの方が探していることを踏まえ、内装や設備が近隣の競合物件よりも見劣りしている状態であれば、売却価格が低くならないうちに大規模修繕工事を検討することが重要です。

近隣物件の売買相場は、不動産業者であれば確認できます。賃貸経営のパートナーに相談し、リフォーム・リノベーションのコスト回収にかかる費用・期間・賃料の確認を行いましょう。売却に向けて賃料設定と入居者様を募集する力の向上が見込める場合は、出口戦略の状況により、リフォーム・リノベーションを検討されることをおすすめします。

ただし、オーナー様によっては「物件を見つけて、自分が対応したい」という一定のニーズも存在します。また、リフォーム・リノベーションを実施した結果、空室改善がされず売価が高騰して販売ができない事態になると本末転倒になります。売却パートナーや空ちう対策に強い賃貸管理会社に収益バランスが取れる工事になるか相談するとよいでしょう。

アパートの売却では、収益性も重要視します。価格が低くならないように大規模修繕工事などにどのタイミングで対応すべきか、賃貸経営に詳しいパートナーに相談しましょう。

アパートの設備投資やリフォーム・リノベーションを行うメリットとは?

アパートのリフォーム・設備入れ替え・リノベーションを行うことによって得られるメリットは以下の3つです。

・空室改善が期待できる
・賃料下落を最小限に抑えた、適正賃料と売却が期待できる
・賃料のアップが期待できる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

空室改善が期待できる

間取りや設備が入居者様のニーズとマッチしていることで、高い入居率の維持が可能となります。設備の入れ替えやリフォームを実施し、競合物件と変わらない設備になれば、入居者様を募集する際や仲介業務で賃料を下げずに空室を埋めることが期待できます。

ミニマム投資で最大限の投資対効果を発揮するため、先述した以下の2点に注力しましょう。

1 収益のバランスを取る投資に抑える
2 入居者様のニーズを満たす時代にマッチした対応

空室対策は、空室になる原因を取り除く作業の積み重ねになります。どのようなリフォーム・設備の入れ替えに対応するか迷った際は、日ごろのアンケートや調査で「入居者様のニーズ」を把握している賃貸経営のパートナーに相談しましょう。高い効果が期待できる対応を最小限のコストで実施されることをおすすめします。

賃料下落を最小限に抑えた適正賃料と売却が期待できる

一般的に賃料は下落し続けますが、競合物件に見劣りしない対応を継続することで地域の需要にマッチした適正金額を維持しやすくなります。築古物件ほど収益性や利回りに大きな影響を受けるため、あらかじめリフォーム・設備の入れ替えを行う時期を計画しておくことをおすすめします。

また出口戦略にもよりますが、「売却するなら、設備投資は控えたい」と、一度はお考えになったことがあるのではないでしょうか?実は、収益物件を高値で売却するには、満室でなければなりません。売却額は数千万円を超えることが多いため、設備投資やリフォームする対応範囲や収支により先に対応したほうがいい場合もあります。

計画的な設備投資や工事対応は、賃貸経営を俯瞰してみると必要な経費に該当します。経費計上することも可能だからこそ、計画的に対応することで、長期間・適正賃料で収益を確保しつつ、できるかぎり高値での売却が期待できるでしょう。

賃貸経営リノベーションで賃料アップが期待できる

賃貸経営リノベーションで重視することは、入居者様のニーズを反映し収益を向上することです。中にはリノベーションによって下落した賃料を元に戻すことに成功するケースもあります。

例えば、3点ユニットバスをバス・トイレ別にしたり、入居者様の属性の変化に伴いお部屋の間取りを刷新したりするなど、現在の需要にマッチしたリノベーションは効果的です。このような物件であれば、賃料の下落幅を減少するだけでなく、賃料を新築に近い状態に戻すことも期待できます。

リノベーションによって家賃を上げられるかどうかは、入居者様が近隣の競合物件よりも魅力的に感じる物件に仕上げるという大前提があります。一方で、一般の住宅と異なり過剰投資すると相場にそぐわない賃料で募集をかけることになり、入居者様の募集に苦戦するリスクも考えられます。

出口戦略をふまえて事前に入念な分析や調査を行い、入居者様のニーズに合った施策を講じることが大切です。

アパートのリフォームや設備入替を行う上で知っておきたい注意点

設備変更やリフォームを行うことで、多くのメリットが期待できますが、注意すべきポイントも存在します。ここでは工事を行う際に知っておきたい注意点について解説します。

工事期間中は家賃収入が途絶える

工事期間中の部屋から得られる家賃収入はゼロになります。家賃が入らない期間が少しでも短くなるように、原状回復など工事を行うタイミングの調整や、工事期間を短縮化する対応力が収益に大きく影響します。

大規模修繕計画と合わせて設備の耐用年数に応じた計画を立てておけば、どのお部屋の何を変えるべきかを先に決めることが可能です。入居者様から退去の連絡が届いてから仕様を決めるとなると焦りも出るかもしれません。

オーナー様がご納得いただけるような冷静な賃貸経営の判断を行えるよう、事前に計画を立てておくと、工事期間の短縮につながるでしょう。それに計画を立てることで費用計上のタイミングも把握できるため、収支をコントロールしやすくなるメリットも享受できます。

リフォームと違い、リノベーション費用は一括で減価償却することができない

リフォーム費用は修繕費として、一括で経費計上できる場合もあります。しかし、価値の向上をともなうリノベーション費用は「建物の価値を高めるために行う支出」であることから資本的支出と判断され、一旦資産として計上し、数年にわたって減価償却を行う必要があります。

また減価償却資産となるため、リノベーション費用は全額を一括で経費計上することはできません。例えば300万円のリノベーション費用がかかったとしても、全額リノベーションを実施した年の経費になるわけではないため、その年の節税効果は低くなります。

ただし、経費にできる総額は変わらないため、短期的に節税したい高額納税者以外は問題ないといえるでしょう。

建て替えたほうがいい場合もある

築年数が法定耐用年数を大幅に超過し、躯体の痛みが激しい場合などは、物件を解体し、新しく建物を建てる「建て替え」を行うほうがいいケースもあります。

ただし、土地によっては「再建築不可物件」に指定されている場所もあるため、土地の条件や建物の状況を見きわめたうえで、建て替えの実施を検討しましょう。

オーナー様のご意向を把握する賃貸管理会社がご紹介の起点になることも多くありますが、賃貸経営では出口戦略をふまえて収益を最大化するための対策が重要になります。課題解決の知見があり、幅広いネットワークを保有しているパートナーに相談しましょう。

また、高額な工事資金を割賦払いにすることで、資金バックアップも含めて運営サポートを行う企業も存在します。

投資効果の高いおすすめのリフォームと費用相場

高い投資効果が期待できる人気のリフォーム箇所は以下の内容が挙げられます。

● 浴室及びトイレ
● キッチン
● 内装

またセキュリティ強化工事も投資効果が期待できます。

それぞれのメリットや注意点、費用相場もあわせて解説しますので、リフォーム箇所を検討する際や見積もりを取る際の参考にしてください。

浴室のリフォーム

最近の設備はバス・トイレが別の物件が主流になっているため、3点ユニットバスは敬遠される傾向があります。また浴室はお部屋探しの決め手になる部分でもあり、古い仕様を採用している場合は、検討候補から除外されているかもしれません。それに築15~20年程度で給湯器などの故障が起こりやすいので、検討する際の一つの目安にしてください。

浴室リフォームは、浴槽の交換や浴室乾燥機の取り付けなどであれば15~20万円程度から対応できるため、給湯器の交換時期と合わせて検討するとよいでしょう。ユニットバスを交換するなど大規模なリフォーム工事の相場は、選ぶユニットバスのグレードによって100~200万円程度といわれています。

長期空室や賃料の低下が著しい場合は、浴室の問題を解消することが空室改善につながり、入居決定のポイントになる可能性もあります。

ただし、スペースの都合上、3点ユニットバスを分離できないケースや、バス・トイレ別にするために、リノベーションを前提とした工事が必要となる場合も考えられます。

投資用アパートのリフォームにおいては、いかに投資した費用を回収できるかの投資判断が重要です。もし、費用対効果が見込めないようであれば、3点ユニットバスをそのまま生かす方法を考えるなど、別の選択肢を検討する必要があるでしょう。

キッチンのリフォーム

お部屋探しでキッチンを重視する方も多いため、キッチンのリフォームは入居者様からの需要があり、高い投資効果が期待できます。利用しやすい空間に変更できるキッチンのリフォームは、家事の効率化につながったり、気分転換になったりするメリットもあります。

システムキッチンを丸ごと入れ替えるともなれば、お手頃な製品を選んでも50~100万円程度必要となりますが、コンロなどの機器の入れ替えと簡単な補修程度であれば、20万円程度から行えるものもあります。

キッチンのリフォームは、ファミリータイプやおしゃれな空間で豊かなライフスタイルを送りたい一定の年齢層向けに仕上げると訴求力が向上するでしょう。

内装のリフォーム

内装リフォームを大別すると「雰囲気を変える工事」と「用途を変更する工事」に分けられます。雰囲気を変える代表例に「塗装」と「貼り替え」があり、費用は「塗装」の場合が5~15万円程度で、「貼り替え」は1平方メートルあたり1,000~1,500円程度といわれています。

「塗装」を選べば壁紙の貼り替えとは異なる個性を演出できます。一方、壁紙の張り替えであれば、手間をかけずにデザイン性の高い雰囲気に変えられるでしょう。

内装のリフォームは、先述したように少ない予算で部屋の印象を大きく変える効果が期待でき、入居者様にとっても、新築物件に入居したような感覚で住めることから、投資用物件においては積極的に検討したい方法の一つです。

用途変更の代表例は、和室を洋室に変えるケースが人気です。アクセントクロスなど壁紙の張り替えを同時に行うことで、お部屋の雰囲気を刷新できます。

アクセントクロスは5万円程度〜、和室を洋室に変える場合も使う床材や工法によっては15万円程度~、お部屋全体を和風から洋風にする場合(畳からフローリングに変更、押入れをクローゼットに変更、壁紙や天井の張替えなど)でも50~100万円程度と比較的安価で検討でき、立地やターゲットによって高い空室対策効果が期待できます。

セキュリティを強化する

女性や大学生の入居者様は、セキュリティが高い物件を望まれる傾向が強く、オートロックやテレビモニターフォンの設置工事を希望される声が多いです。

オートロックやテレビモニターフォンなどを設置することにより、不審者を近づけない仕組みを作れます。ドアの外にいきなり来客者がいるよりは、ワンクッション置いた対応ができると安心感が増すでしょう。

はじめて一人暮らしを経験する学生向けのアパートでは、入居する学生はもちろん、ご両親もセキュリティ対策がしっかりしている物件を望む傾向があるので、そのようなニーズにも対応できます。

オートロックの設置は、アパートの規模によって100~200万円と多額の費用が必要になることが多いですが、テレビモニターフォンは新規配線工事が不要なものを選べば2~3万円程度で導入可能です。

リフォームやリノベーションで成功する秘訣

リフォーム・リノベーションで成功されているオーナー様には、3つの共通点があります。

● 入居者様の目線で優先順位を決めている
● 投資回収を意識して予算と仕様を決めている
● ローンや補助金など、さまざまな資金調達制度を活用している

それぞれ具体的にどのような取り組みをされているのか、以下で詳しく紹介します。

入居者様の目線で優先順位を決めよう

入居者様の視点に立ってリフォーム・設備投資を考えることが成功の秘訣です。入居者様が求めるニーズを把握し、物件に必要な設備は何かを考えるようにしましょう。

全国賃貸住宅新聞の発表によると、単身者およびファミリー向け物件における人気設備は以下のとおりです(1位から10位までを順に掲載)。

単身者ファミリー
室内洗濯機置き場テレビモニター付きインターホン
テレビモニター付きインターホン室内洗濯機置き場
インターネット無料独立洗面台
洗浄機能付き便座追い炊き機能
独立洗面台洗浄機能付き便座
エントランスのオートロックインターネット無料
宅配ボックスシステムキッチン
備え付け照明ガスコンロ(2口/3口)
高速インターネットエントランスのオートロック
ガスコンロ(2口/3口)浴室乾燥機

投資回収を意識して予算を決めよう

リフォーム・リノベーションは投資して終わりではなく、いかに投資した資金を回収するかが賃貸経営に求められる考え方になります。

例えば、外壁塗装をする場合、物件の規模や使用する塗料によって異なりますが、目安として約300~400万円程度かかります。外壁塗装の主たる目的は建物の保全であり、老朽化による価値の減少幅を低減することです。売却時にも見られるポイントですし、出口戦略を考えるうえでも、いつ・どう対応するか検討することが重要です。

また、躯体が守られていれば大がかりな費用を掛けずにリフォーム・リノベーションで改善できる問題も多く存在します。築年数が25年以上の物件は、新築時に入居者様のニーズと異なる設備や間取りになっている可能性があります。

築年数の経過にともなう長期空室が1年以上続く場合は、設備投資により空室改善できれば、ご入居により新たに賃料収入も生まれ、物件の価値も維持することができます。どのくらいの期間で回収できるのかまでを考え、最終的な工事の実施を決める必要があります。

回収期間は長期にわたるケースが多いことから、入居者様のニーズを把握し、投資目的から逆算して長期的な賃貸経営の収支改善のためのリフォーム・リノベーション・大規模修繕を提案できる、パートナーのアドバイスを参考にしましょう。

ローンや補助金、各社が用意している工事資金の調達制度を活用しよう

アパート経営でも利用できるローンや長期優良住宅化リフォーム推進事業などの補助金も存在します。活用できる補助金を利用してリフォーム・リノベーションを行うことでさらなる投資効率アップが期待できます。

業者によっては割賦を利用し、持ち出し費用0円で月々の賃料から相殺することも可能です。手元資金が少ないからと必要なリフォーム・リノベーションを後回しにするのではなく、積極的に活用できる制度やサービスがないか探してみましょう。

実際にオーナー様が利用できる補助金制度には、以下のものがあります。

・補助金制度
1.高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業
【対象】
一定の省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材を用いた、住宅の断熱リフォーム事業
【補助金】
補助対象経費の3分の1(1住戸あたり15万円が上限)

2.次世代省エネ建材支援事業
【対象】
省エネ建材を用いた住宅の断熱リフォーム事業
【補助金】
補助対象経費の2分の1(1住戸あたり125万円が上限)

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。