空き家の放置は危険!リノベーションで有効活用!活用方法や費用を把握

2023.02.23

「使い道がない」「活用方法がわからない」などの理由で、所有する空き家を持て余している方は珍しくありません。使わずに放置した建物は劣化が進み、倒壊などのトラブルを招く恐れがあります。また、使っていない建物でも所有者には固定資産税の納税義務があるため、空き家の維持管理にお悩みの方も多いでしょう。

思い切って売却してしまうという選択肢もありますが、空き家を活用して賃貸経営を始めるのも1つの方法です。リノベーションをすれば資産価値も高まり、さまざまな用途への活用が可能です。この記事では、空き家の活用方法やリノベーションのメリット・デメリットについて紹介します。空き家の使い道にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

空き家の活用方法

空き家のまま所有していては維持費がかかるばかりです。まずは維持費や手間がかからない方法を考えてみましょう。空き家の活用方法には主に次の3つが挙げられます。

● 自宅として住む
● 賃貸経営を行う
● 売却する

それぞれの考え方について、以下にて解説します。

自宅として住む

まず考えられるのが、空き家をマイホームにする方法です。空き家になっているのが相続した実家の場合、愛着や思い入れも多いでしょう。リノベーションで付加価値をつけることにより、思い出を大切にしながら、現代的で快適な住まいへと生まれ変わらせることが可能です。

「半投半住」という、自分が住むための家を探す際に、将来的な売却や賃貸などを視野に入れて物件を選ぶ考え方があります。元々収益物件として賃貸経営していた部屋の空室が続き、空き家状態となるタイミングをきっかけに自宅として利用することもできます。

子どもが独立した後、住みやすさを優先するために、戸建て住宅からコンパクトなマンションへの住み替えを希望するケースも少なくありません。手頃な広さの区分マンションであれば、自分たちが住みやすいようにリノベーションしてマイホームにすることも検討の余地があるのではないでしょうか。

大都市や都心部にある区分マンションや戸建てなどを相続した際は、需要があり高い家賃収入を見込めるエリアのためはじめは投資物件として運用し、将来的な老後の住まいとして自宅利用するのもよいでしょう。自宅として住む場合は一般住宅になるため、自治体の補助金などを利用したリノベーションも検討可能です。

現在の住まいが賃貸の場合、所有する空き家を活用すれば家賃の負担がなくなります。マイホームを売却しての住み替えであれば、売却代金をリノベーション費用に充てられる可能性もあります。空き家の所在地が現在のライフスタイルにマッチしているようであれば、ぜひ活用してみましょう。

賃貸経営や宿泊業を行う

空き家を活用して賃貸経営を行うという方法もあります。不動産投資を目的に空き家を取得する場合や、いずれご自分でお住まいになることを見越して購入し、時期が来るまで賃貸収入を得ることもできます。

既に所有している場合は、自己資金から捻出していた固定資産税などの負担が、家賃収入を得ることで軽減されるでしょう。家賃設定や運用期間、保有目的と出口戦略により、リノベーションなどの工事費用を回収できるシミュレーション結果になるかもしれません。

戸建て住宅は家族で住める広さがあるのが一般的で、賃貸にした場合にもファミリー層からの需要が期待できます。ファミリー層は子育てしやすい環境を重視する傾向にあるため、駅から少々離れた立地でも入居希望者が見つかる可能性は高いといえるでしょう。

入居期間も長めになることが多く、安定した家賃収入が見込めます。そのほかにも、リノベーションして民泊やシェアハウスにするという選択肢もあります。

しかしながら、賃貸経営には豊富な知識やノウハウが必要です。そもそも賃貸需要が少ない地域では、思うように入居者様が見つかるとはかぎりません。また、多額の費用をかけてリノベーションしても、ニーズを理解していなければムダな投資になってしまう可能性があります。賃貸経営を成功させるには、専門的知識を持ちサポートしてくれるパートナーを選ぶことが大切です。

売却する

自分で住む予定がなく賃貸経営も難しい場合には、売却して現金化するのがよいでしょう。1つの不動産に対して複数の相続人がいる場合でも、現金化することにより公平に分割できます。空き家のままでは建物の劣化が進みやすくなり、資産価値が下がっていってしまうため、売却するのであれば早めに決断することをおすすめします。

「空き家が建った状態での売却は難しいのでは?」と考える方も少なくありませんが、近年では中古住宅をリノベーションして住む方が増えており、古民家風住宅やカフェなどの活用方法も人気が高まっているため、解体の必要がなくそのままの状態で一般の方向けの販売も可能です。

事情があって早く現金化したい場合は、仲介による売却ではなく買取を検討してみてください。買取とは不動産会社が直接買主となり売買取引する方法で、早ければ1ヶ月程度で決済まで完了します。

リノベーションして再販することを目的としていることが一般的であるため、仲介では難しい物件でも買い取ってもらえる可能性があります。販売方法に悩んだ場合や早期売却を希望する際には買取を活用しましょう。

空き家問題を解消する「空家等対策特別措置法」

空き家の数は年々増加傾向にあり、全国的な社会問題になっています。手入れがされず放置されたままの空き家には屋根材や外壁材の崩落、さらには倒壊の危険性があります。近隣住民に危害がおよぶ可能性があるうえ、衛生面・防犯面でもさまざまなトラブルの原因になりがちです。

空き家問題の解消に向けて、2015年に「空家等対策特別措置法(空家特措法)」が施行されました。保安上・衛生上有害となる恐れのある空き家は「特定空家等」とみなされ、行政から所有者に対して改善要求ができることになっています。要求に従わない場合は50万円以下の罰金が発生し、最終的には強制的に建物の解体が行われます。解体費用は所有者が負担しなくてはなりません。

また、特定空き家に指定された場合は「住宅用地の特例」が受けられなくなります。住宅用地の特例とは、アパートやマンションを含む住宅が建つ土地に適用される、固定資産税額の軽減措置です。

以下のとおり、面積に応じて固定資産税・都市計画税の課税標準となる評価額が減額されます。空き家が建つ土地にも適用されますが、特定空き家の指定を受けると、更地と同じく「非住宅用地」として扱われます。

住宅用地区分固定資産税都市計画税
200㎡以下の部分
(小規模住宅用地)
評価額の1/6評価額の1/3
200㎡を超える部分
(一般住宅用地)
評価額の1/3評価額の2/3
非住宅用地評価額の7/10     評価額の7/10

空き家を放置していて得することは少なく、リノベーションすれば費用はかかるものの、大切な資産を有効活用できます。近隣に迷惑をかける心配もなくなり、固定資産税・都市計画税の軽減措置も継続して受けられるため、安全を保てるうえ結果的にはお得になるといえるでしょう。

空き家をリノベーションするメリット

空き家は放置してしまうと劣化がどんどん進み、建物の状態が悪くなるだけでなく、近隣とのトラブルにも発展しやすくなります。空き家をリノベーションするのは建物の維持のほかに、さまざまなメリットがあります。主に挙げられるメリットは、以下のとおりです。

資産価値を高められる

リノベーションすれば、リノベーション前の状態と比べて建物全体の資産価値を上げることにもつなげられます。段差をなくしてバリアフリーにする、間仕切り壁を撤去して広い空間にするなど比較的大規模な工事になり、構造によっては骨組みを残して間取りを作り替えることもできるため、建物全体の資産価値を高める効果があります。

耐震性を高めたり省エネルギーを意識したりなど、時代のニーズに合わせたリノベーションを行えば、資産価値を上げるだけでなく、安全で快適な生活も確保できるでしょう。賃貸経営を行う際も、自然素材を使った住宅は人気があるため、空室対策にもなります。

売買需要がある場合は、売価が市場価格と乖離しない価格でリノベーション出来れば売却の可能性も向上します。賃貸需要がある場合は、賃貸経営リノベーションにより新しい収益を得る資産に転用できるかもしれません。

新築を建てるより費用を抑えられる

空き家のリノベーションは、新築を建てるのに比べて大幅なコストカットとなる点もメリットの1つです。更地にして建物を新築する場合、建築費に加えて空き家の解体費用がかかります。老朽化があまりに激しい場合には建て替えや解体もやむを得ませんが、基礎や骨組みはそのままに補強程度で利用できるのであれば、リノベーションを選択するとよいでしょう。

近年は、古民家スタイルなどヴィンテージ感のあるインテリアも好まれています。築年数の古い日本家屋では、太くて立派な梁や高価な無垢材が使用されていることが多く、貴重な建材を再利用できることもリノベーションの魅力です。

物件のエリアに賃貸需要がある場合は、空き家をリノベーションして賃貸経営をする不動産投資家への道もあります。

空き家活用のための補助金を受けられる

空き家問題を解決するため、国や自治体では空き家のリノベーションや解体に対して助成金制度を設けています。移住者やビジネスを始めたいという方を支援するため、空き家のリノベーション費用を補助する自治体もあります。

国や自治体による補助金・助成金制度を利用すれば、コストを抑えてリノベーションすることが可能です。条件や適用範囲は自治体によって異なるため、空き家の所在地を管轄する役所に確認してみましょう。

そのほか、耐震や省エネ、バリアフリーなどの工事については減税制度が利用できることもあります。一定の条件があるため、事前にチェックしておくことをおすすめします。

活用の幅が広がる

空き家をリノベーションすることにより、住まい以外の用途にも活用の幅を広げられます。

賃貸需要があるエリアであれば、収益物件用のリノベーションをしてもいいでしょう。また、古民家風のカフェや雑貨屋、美容院、シェアハウス、コワーキングスペースなど、ビジネスを始めるためにリノベーションを行うケースも多く見られます。

「定年後は地方でのんびり暮らしたい」という希望がある場合は、自分が住み始めるまでの期間、旅行者向けの民泊や移住者向けのお試し住宅にするのも1つの方法です。定期的に人が家を使用することにより室内が換気され、建物の劣化を遅らせることができるでしょう。また、民泊などで得られる収入を建物の維持管理費に充てられる点もうれしいポイントです。

倒壊・犯罪リスクを軽減できる

人が住まない建物の劣化スピードは思いのほか早くなります。玄関ドアや窓の開閉がないため室内に湿気がたまり、カビや害虫が発生しやすくなります。雨漏りなどの不具合があった場合も、住人がいなければ早期発見できず、劣化が進むと倒壊する危険性が高まるでしょう。

建物の倒壊による危険性だけでなく、空き家の放置は犯罪の温床になりやすいこともリスクの1つです。リノベーションを施し人が使用したり住んだりすることで、倒壊・犯罪リスクを軽減できるでしょう。近隣トラブルを防ぐためにも重要な対策といえます。

空き家をリノベーションする際のリスクとは?

上述したように空き家のリノベーションには多くのメリットがありますが、事前に把握しておきたいリスクもあります。事前に把握しておけば対策ができるため、以下で紹介するリノベーションのリスクを確認しておきましょう。

空き家の状態が悪ければ費用がかかる場合も

空き家になってからの期間が長ければ長いほど、劣化が進んでいると考えられます。基礎部分がシロアリの被害を受けていたり屋根や骨組みなどが腐っていたりするケースでは、修繕だけでも大掛かりになり、多額の費用がかかるでしょう。

特に1981年以前に建てられている建物の場合は、現行の耐震基準を満たしていないケースがほとんどです。一般的にはリノベーションは建て替えるよりも低コストですが、耐震補強が必要となれば追加の補強費用が発生するなど、建物の状態によってはリノベーションのほうが高くついてしまうこともあるでしょう。

必要に応じて、インスペクションと言われる「住宅の現状の検査」を行い、どこまで対応するべきか事前に把握しましょう。

リノベーションにかけた費用を回収できない可能性もある

空き家を活用して賃貸経営を行う場合や売却する際には、リノベーションにかけた費用を回収できるかどうかもしっかり考えることが大切です。多額のコストをかけてリノベーションしたとしても、すぐに入居者様や売却先が見つかる保障はありません。また、希望する賃料や売却価格が相場よりも割高になってしまい、購入希望者様に敬遠される可能性もあります。

空き家の活用方法が地域のニーズにマッチしているかどうかも調べる必要があるでしょう。住居と店舗とでは必要な設備が異なり、リノベーションの内容も変わるため費用にも違いが出てきます。

リノベーションする際は、リノベーションの内容だけを考えるのではなく、空き家を活用する目的を明確にするようにしましょう。目的によっては補助金制度や減税制度が利用できるかもしれません。設備のグレードを下げたり資材を再利用したりと工夫することで、リノベーションにかかる費用を抑えることも可能です。

空き家リノベーションの費用相場

リノベーションにかかる費用は、建物の状態や工事規模・内容、使用する素材・設備などで異なります。部分的な補修や設備の交換など間取りの変更を伴わないケースでは、300万円~500万円程度を目安にするといいでしょう。

建物全体に手を加えるフルリノベーションでは、1,000万円前後が相場となります。骨組みの状態まで解体して作り直すスケルトンリノベーションでは、2,000万円以上かかるケースも珍しくありません。

躯体の状態がいい場合はリフォームで十分快適な空間にできる可能性もあります。賃貸経営を行う前提であれば、リフォーム費用を家賃から差し引くサービスを提供する会社もあるので、活用方法や目的を十分に考えて依頼するパートナーを選定しましょう。

例えば、賃貸経営を前提にした空き家のリノベーションをするなら、工事対応をした後に賃貸経営を行うサポートをしてくれるパートナーを選定する。売却目的なら市場価格から乖離せず売却にも強いパートナーを選定すると安心できるでしょう。

築年数の古い建物は解体途中で修繕や補強が必要な箇所が見つかることが多いため、予算には余裕を持たせておくことをおすすめします。

空き家をリノベーションするなら3つのポイントに注目

ここからは、空き家をリノベーションする際に押さえておきたい3つのポイントについて解説します。空き家をリノベーションするなら、リスクを最小限に抑えつつ、メリットを最大限に活かしたいものです。以下の3つのポイントが空き家のリノベーションを成功に導くため、ぜひ活用してください。

空き家の活用方法・目的を明確にする

リノベーションの範囲や度合いを決めて最小限のコストで必要な分の施工を施すためにも、目的を明確にしておくことが重要です。先述のとおり、自分で住むのか賃貸経営を行うのか、または店舗・事務所として使用するのかで、リノベーションの内容や範囲が変わってきます。

費用対効果の高いリノベーションにするためにも、空き家の活用方法や目的を明確にしておきましょう。ビジョンがはっきりしているほど、設計士や施工業者や不動産関連のパートナーから有益なアドバイスを受けられる可能性が高くなります。

補助金・助成金制度を活用する

補助金・助成金の制度は積極的に活用しましょう。お伝えしたとおり、空き家のリフォームやリノベーション、解体に対しては、国や自治体で補助金制度を設けています。特に断熱性や耐震性を高める工事は適用されやすいため、条件や申請期限などを事前に確認するようにしてください。

なお、施工業者を通して申請するものもあるので、補助金・助成金制度を利用したい旨をあらかじめパートナーに伝えるようにしましょう。

リノベーションを依頼する業者は複数比較・検討する

リノベーションを依頼する際は、複数の業者を比較・検討して決めるようにしましょう。業者によってサービス内容や対応範囲は異なります。工務店やハウスメーカー、リフォーム・リノベーションの専門業者など複数社から見積もりをとり、目的や予算に合わせて依頼先を選ぶとよいでしょう。

空き家を賃貸物件として活用するのであれば、リノベーションにも賃貸経営の視点が必要です。ご入居される方のニーズが工事内容に反映されているのか、賃貸経営に必要な対応が含まれているか、近隣の賃貸競合物件と比較した優位性をつくれるかなど様々な観点から検討しておきましょう。施工業者を決める前に、信頼できるパートナーを見つけて相談することをおすすめします。

まとめ 空き家のリノベーションを成功させるなら【リロの不動産】に相談しよう

空き家をリノベーションすれば、リスクを軽減してさまざまなメリットを得られることがわかりました。使い道がなく持て余していた空き家も、リノベーションで新しい価値を加えれば利益を生む大切な資産に生まれ変わります。

【リロの不動産】では、コストを抑えつつ目的に合わせた賃貸経営リノベーションを提案しています。私たちの目的はリノベーションではなく賃貸経営を軌道に乗せることです。近隣の競合物件の付帯設備も考慮し、入居者様のニーズを反映したリノベーション工事完了後に、入居者様をご案内し、適切な管理を行うアフターフォローも対応可能です。

躯体の状態が良ければ、『1部屋から収益確定する借上』『持ち出し費用0円の割賦』『賃貸需要を抑えたリフォーム対応』でリスクを抑えた賃貸経営を行う独自サービス『リロの満室パック』もご用意しております。

空き家を活用した賃貸経営に興味をお持ちの方や資金面に不安のある方は、ぜひ一度【リロの不動産】にご相談ください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。