不動産売却の査定ポイント!見積もり取得前に確認するポイントと注意点を事例で解説!

2026.02.03

不動産を売却しようとする際、通常はまず見積もりをしてもらいます。不動産がどのくらいの価格で売れるのか算出することを、不動産の用語では「査定」といいます。

この記事では不動産売却で必ずといっていいほど行われる査定について、仕組みや方法はもちろん、チェックされる箇所や依頼するときの注意点についても詳しく解説します。

▼この記事の内容

●不動産売却で査定が必要な理由は、不動産には一つとして同じものがない、取引時点が変わると価格も変わる、相対取引で価格が決まる、査定価格は売出価格の根拠になるから。

●不動産査定の流れは、①机上査定を依頼する、②訪問査定を依頼する、③訪問日時を確定する、④査定で必要な書類を準備する、⑤査定結果を提示してもらう。

●訪問査定でチェックされやすいポイントは、戸建て住宅の場合、築年数、土地の境界の確認、建物の外観、建物の室内、日当たり・眺望・風通し、周辺環境。マンションの場合、築年数、耐震性能、ブランド・販売会社、室内の状況、日当たり・方角・眺望・風通し、管理の状態と管理費・修繕積立金。

●不動産査定を依頼するときの注意点は、複数の不動産仲介会社に依頼する、高すぎる査定額を提示する会社に注意、不都合なところを隠さない。

目次

不動産の売却でなぜ査定が必要なのか

不動産の売却で必ず査定というプロセスがあるのは、価格の決まり方に特性があるからです。まずはその理由を把握しておきましょう。

不動産には一つとして同じものがない

不動産を売却する際、物件ごとに査定を行うのは、不動産には一つとして同じものがないからです。同じ地域に建っている戸建て住宅でも、建てたハウスメーカーや間取り、方位などが全く同じものはないでしょう。

たとえ同じハウスメーカーが建築した建売住宅であっても、土地の形や面積、接する道路の状況などが少しずつ違っています。間取りが同じマンションでも、階数や部屋の方位で査定価格は異なるのが一般的です。

また、戸建て住宅かマンションかにかかわらず、建物や管理状況も査定に影響をおよぼします。長年きれいに使用していた物件と損耗が酷い物件では、査定価格が同じであるわけがありません。

経済学の概念では同じ商品やサービスなら、価格は一つであるという「一物一価の法則」がありますが、それぞれの物件に個性がある不動産では成り立ちません。実際に不動産の売却を行う場合は、立地条件や物件自体の特徴を踏まえ、物件ごとに売出価格の設定をする必要があります。

取引時点が変わると価格も変わる

不動産価格の相場は常に変動する流動的なものです。そのため、同じ物件であっても、売りに出す時期が違えば、価格が大きく変わることがあります。個別の要因のほか、経済的な環境の変化や需要と供給のバランスなども不動産の価格に影響を与える要因です。

建物は築年数が経過するほど価格は下がり、逆に築浅であればあるほど高くなるのが一般的です。ただし、人気のあるエリアや汎用性の高い間取りや設備など、物件に強みがあれば査定価格が高くなる可能性はあります。

公示地価など土地の価格の指標となる価格や金利の動向、景気動向のような経済環境も変動の要因になるため、同じ物件であっても取引の時期がズレると価格が上下するのも不思議ではありません。また、都市開発が行われて生活の利便性が高まると、不動産の価格は上昇します。

人口の減少は不動産が供給過多になりますが、逆に人口が増加すると不動産の需要が高まります。物件自体は変わらなくても、取引時点で価格が変わることを理解しておきましょう。

相対取引で価格が決まる

不動産の価格は相対取引(あいたいとりひき)で決まるのも理由の一つです。証券取引所に上場されている株式の場合は市場で価格が決まり、取引も取引所を通じて行います。上場株式のように不特定多数が市場で取引する方法は市場取引と呼ばれます。

しかし、不動産取引は株式売買のように、市場で決まるものではありません。売主様と買主様が個別に価格交渉を行い、合意したときにはじめて価格が確定します。

不動産の売却を行うときは、近隣の似たような物件がどのくらいで売れているのか、相場を参照するとよいでしょう。あまりにも相場とかけ離れていると買主様が見つからない可能性も考えられます。しかし、当事者同士で価格を自由に決められる相対取引では、絶対的な価格が存在しません。買主様からの値引き交渉が入ることも想定されますが、最終的には買主様と売主様の合意で価格が決定されます。

査定価格は売出価格の根拠になる

相対取引が一般的な不動産売買では、市場で自動的に価格が決まるわけではありません。不動産の売却では、まず売主様が売出価格を決めます。しかし、決まった価格があるわけではないため、どのくらいの価格で売り出すのが適切なのか把握するのは難しいでしょう。

そこで売出価格の根拠となるのが、不動産仲介会社の算出する査定価格です。不動産仲介会社の出す査定価格は、実際に売りに出したときに売れる価格を想定しています。

売主様によって所有している不動産を売却する理由はさまざまですが、どのくらいの金額で売れるのか知っておくことは、その後の資金計画を建てるうえでも重要です。住宅ローンが残っている場合は、売却した代金で残債を返済できるかどうか把握しておく必要があります。

住み替えを検討し、新しい物件を購入するための頭金にしようと考えているケースもあるでしょう。具体的に売却できそうな金額を知っておくことで、無理のない資金計画を建てることが可能です。

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収益物件の売却事例 区分マンション

収益物件の売却事例 1棟アパート

相続に関する各種事例 一覧

不動産査定と不動産鑑定の違い

不動産の見積もりでは、不動産査定とは別に不動産鑑定もあります。両者がどう違うのか、どう使い分けされるのかも知っておいてください。

不動産査定は「無料見積もり」・不動産鑑定は「有料見積もり」

不動産査定は不動産仲介会社が仲介業務の一環として行っているもので、不動産を売却するときには必ず実施されます。不動産仲介会社がそれぞれ独自に行うほか、一括査定サイトで複数の不動産仲介会社の査定価格を確認できるサービスも増えてきました。一般的な不動産の売却で活用するのは、これらの不動産査定でしょう。

買主様を探してもらうために媒介契約を結ぶと、不動産仲介会社は販売活動を行ってくれますが、報酬が発生するのは売買契約が成立したときの仲介手数料だけです。不動産査定は契約を成立させるために必要な営業業務であり、見積もりは原則として無料で行われます。

査定の方法はいくつか種類がありますが、具体的な算出の根拠はそれぞれの不動産仲介会社によるため、査定価格にはバラツキが出る可能性があります。

一方で、不動産鑑定は10万円以上のコストがかかる有料の見積もりになります。土地や建物などの不動産の適正な価格を評価するもので、後述する不動産鑑定士にしかできません。

不動産鑑定は不動産鑑定士による独占業務

不動産鑑定と不動産査定は同じ不動産にまつわる業務で、しかも名称が似ているため、詳しい違いが分からないという方もいるでしょう。しかし、両者には明確な違いがあります。不動産鑑定では不動産鑑定士による土地や建物などの不動産について経済価値の判定や適正な地価の判断を行い、最終的に結果を不動産鑑定評価書として提示します。不動産鑑定士は国家資格者で、不動産鑑定は独占業務です。

同じ不動産にかかわる仕事ですが、不動産の売買や賃貸の業務を行う不動産仲介会社の仕事とは異なります。不動産鑑定は「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づいて行われ、結果が分かるまで早くても2週間、遅くとも1ヶ月程度かかります。

一方、不動産仲介会社による不動産査定は、書類をもとにした机上査定なら早ければ当日、遅くても数日で結果がでます。担当者が現地調査をする訪問査定でも、期間は長くて2週間ほどです。

また、不動産査定は公益財団法人不動産流通推進センターが提供する「価格査定マニュアル」に沿って行われることが多いものの、不動産鑑定ほど厳格なルールがあるわけではありません。不動産会社が独自に持っている取引事例やルールが反映される余地があります。

不動産鑑定はどんなときに必要か

一般的な不動産の売却では、不動産仲介会社による不動産査定で相場を把握し、売却価格を決定することが多いでしょう。しかし、公的に適正な評価額が求められる以下のようなケースでは、不動産鑑定を依頼します。

その一つが裁判所に対して不動産の適正な評価額を提示する必要があるときです。例えば相続や離婚の際の財産分与などで不動産が絡んでくる場合、不動産仲介会社によって幅がある不動産査定は公的な証明にはならず、きちんとした権利の調整ができません。

調停や裁判などに発展したとしても、不動産鑑定評価書があれば不動産鑑定士によって適正な価格を調査したという根拠を持って臨めます。反論があったとしても対処が可能です。

不動産を担保として金融機関から融資を引き出したい場合も、適正な担保価値を提示する資料として有効です。法人と経営者の間、または法人間での不動産売買などでも、適正な評価額を提示するために不動産鑑定が行われるケースがあります。

不動産査定における机上査定と訪問査定

不動産仲介会社による査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。会社によって細かな違いはあるものの、2つの査定の大まかな特徴はほぼ共通です。

机上査定

現地には訪れず、物件の情報から価格を算出する方法です。簡易査定とも呼ばれます。

対象となる不動産の周辺地域の価格相場や路線価、公示価格、同等スペックの不動産のこれまでの取引実績、不動産市場の動向など、公開情報や不動産仲介会社の蓄積データをもとに、机上で査定価格を出す手法です。

現地で把握できる詳細な情報、例えば実際の周辺環境や建物の状態、データで表れにくい
動線の状態などは確認しませんので、あくまでも物件の基礎スペックを判断する材料として活用します。

査定の申し込みはインターネットから手軽にできるうえ、数時間から1営業日で査定価格を提示してもらえる点が大きなメリットです。ネット上での申し込みなので遠方からでも査定依頼を出せます。売却の検討段階で、とりあえず物件の相場を知りたい場合には便利な方法です。

訪問査定

訪問査定は、不動産仲介会社の担当者が現地の状況を目視で確認し、査定価格を算出する方法です。実査定とも呼ばれます。データ上の方法をベースに、土地の広さや境界の状態、道路に対する建物の向き、日当たり、近隣地域の状況など、現地に行かなければわからない情報も調査したうえで、査定結果を出してもらいます。

中古マンションや戸建ての売買では、建物の具体的な劣化状況や設備の状態などは、売買価格への影響の大きいチェック事項です。また、隣地との「境界杭」を確認し、隣地への越境状態などが生じていないかなども確認します。

訪問査定は担当者に現地に来て1時間ほど調査してもらいます。査定結果が出るまで2営業日から1週間ほどかかります。実際の売出価格設定には、必要不可欠な工程です。

不動産査定の流れ

不動産の売却をスムーズに進めるためには、査定の手順を一通り把握する必要があります。一般的に行われる不動産査定の流れについて、順を追って解説します。

机上査定を依頼する

物件情報や周辺の相場データにもとづいた概算価格を算出する机上査定(簡易査定)を依頼します。インターネット上で査定依頼できるうえ無料、メールアドレス以外に個人情報を出す必要はありません。複数の査定サービスを活用して相場感を把握することもできます。

ただし、実際の物件状況を確認しないうえでの机上での査定ですから、あくまでも参考値を知るために利用するものとお考え下さい。最近ではAIによる査定サービスなども増えています。

訪問査定を依頼する

次に、不動産仲介会社の担当者に現地に来てもらう訪問査定を依頼します。

訪問査定は現地での査定が1時間前後、査定結果が出るまで2営業日後から1~2週間程度の時間がかかります。そのかわり、建物の劣化状況や周辺環境など、データだけでは分からない要素を加味して算出されるため、実際の売出価格の決定に直結する精度の高い査定価格がわかります。

訪問査定も無料です。査定は複数の会社に依頼すると良いので、スケジュール設定や段取りを計画的に行いましょう。

訪問日時を確定する

依頼した不動産仲介会社と連絡を取り、実際に物件を見てもらう日時を調整します。

オーナー様と担当者のスケジュールのすり合わせが最優先となりますが、可能であれば日中の明るい時間帯が良いでしょう。日中であれば、活動時間帯の近隣地域の状況や実際の日光の当たり具合なども確認できるからです。

担当者の訪問にはオーナー様も立ち会いましょう。査定結果だけでなく、売却に関するアドバイスを得られることもありますし、担当者の人柄などを知ることもできます。

査定で必要な書類を準備する

担当者の訪問前には不動産を購入したときの重要事項説明書や売買契約書、マンションであれば利用規約や修繕積立金に関する書類なども準備しておきたいところです。物件に関する資料がそろっていれば、より正確な査定結果を得られやすくなります。

ほかに、登記識別情報、間取り図、測量図、固定資産税納税通知書なども準備しておきましょう。公的手続きに関する書類は物件の権利関係を把握できるため、今後の売買の方向性を決めることに役立ちます。

担当者からあらかじめ必要書類の指定がありますので、日程を決める段階から早めに準備しておくことをおすすめします。

査定結果を提示してもらう

訪問査定から数日から2週間後に、不動産仲介会社から査定価格の提示を受けます。

書式は特に決まっていませんが、不動産仲介会社から物件の概要や査定額、査定の根拠説明、さらに売却方法の提案などが記載された不動産査定書が送付されますので、これを元に売却の方向性を決めます。

査定内容に疑問がある場合は、金額の根拠や類似物件の成約事例について説明を求め、信頼して任せられる会社かどうかを見極めます。

不動産査定の3つの方法

不動産価格を評価・査定する方法は主に以下の3種類です。それぞれ算出の仕方を解説するとともに、採用される場面も紹介します。

取引事例比較法

取引事例比較法は、査定する不動産に条件が近い物件の取引事例を集め、その取引価格をもとに評価する方法です。比較に使われる取引事例は、基本的に近隣地域にある物件が選ばれ、土地の形状などの条件や日当たりなどの個別的要因を比較できる必要があります。多少離れている場所でも、類似した特性の地域であれば採用されることがあります。

ただし、条件が近いとはいえ、全く同じとはいかないため、事情補正や時点補正を加えたうえで比較します。売り急いで取引された、特殊な使用方法が前提で取引されたなど、個別の事情が取引価格に影響をおよぼしていると考えられる場合に、増額補正や減額補正を加えるのが事情補正です。

時点補正は事例が古い場合、取引時点までの価格変動を修正することを指します。以上のように条件が近い物件を選び、必要に応じて補正を加えたうえで、地域要因や個別的要因も含めて比較し、評価するのが取引事例比較法です。

取引事例比較法は不動産の取引自体が少ない地域や、事例がほとんどない学校や神社仏閣など特殊な取引には適用するのが困難です。一般的な不動産では全般的に適用できますが、特に土地や戸建て住宅の土地部分、マンションなどの売買でよく用いられています。

原価法

原価法は、査定する不動産の再調達原価をもとに評価する方法です。原価法では、まず対象の物件をもう一度造成したり建築したりするのにかかる再調達原価を割り出します。そのうえで建築後の経年劣化で価値が低下する分については減価修正を行い、現在の価値を推定する方法です。

建築資材や工法が当時とは変わっていることも考えられますが、同等のものに置き換えられる場合は再調達原価とみなされます。

原価法で求められる試算価格は土地の価格と建物の価格をそれぞれ計算し、合計して評価額を算出するため積算価格と呼ばれます。建物の再調達原価は使用可能な状態で引き渡されることを想定して支払う標準的な建設費に通常の付帯費用を加算した価格です。土地の再調達原価は建物とは別に計算し、標準的な取得原価に造成費と付帯費用を加算して求めます。

原価法は戸建て住宅の建物部分の査定によく採用されます。また、再調達原価の割り出しや減価修正を適切に行えれば採用できるため、造成地や埋立地などの土地の査定にも有効な方法です。ただし、すでにある市街地では現実的に再調達原価を把握するのが難しいこともあり、市街地にある土地では原価法が採用されることはほとんどありません。

収益還元法

収益還元法は査定する対象の不動産が将来生み出すと予測される純利益をもとに、現在価値の総和を求めて評価する方法です。原価法で算出される価格が積算価格といわれるのに対し、収益還元法で算出される価格は収益価格と呼ばれます。

具体的に収益価格を求める方法には「直接還元法」と「DCF法」の2種類があります。直接還元法は、1年間などの一期間の純利益を還元利回りで割って求める方法です。不動産の種類や条件により異なりますが、還元利回りの目安は一般住宅で5~7%、事業用では8~10%とされています。例えば1年間の純利益が100万円、還元利回りが5%だった場合、「100万円÷5%」で収益価格は2,000万円です。

DCF法は連続する複数の期間に発生する純利益と、期間満了時点に得られると予測される価格(復帰価格)を現在価格に割り引いて総和を求めることで収益価格を算出します。DCF法のDCFは「Discounted Cash Flow」の略です。

収益は不動産の経済価値の本質を形成するものとして、基本的に市場性のない不動産以外のすべてに適用されなければならないとされています。収益還元法は収益物件の査定で用いられることが多いものの、自宅用の不動産でも賃貸を想定して適用するとの考えから、マイホームの査定でも使われることがあります。

不動産査定で特にチェックされる箇所

不動産の訪問査定では、物件を細部にわたりチェックされます。特にチェックされる重要箇所について、戸建て住宅とマンションそれぞれのケースに分けて紹介しましょう。

マンションの不動産査定場合

マンション査定においては、専有部分の状態だけでなく、共用部分やマンション全体の管理状況が見られます。住民の属性、ゴミ捨て場や駐輪場、駐車場の管理状況、マンションそのものの立地、管理組合の運営状態、修繕積立金の財務状況などもチェックされるポイントです。

築年数

マンション査定においても、築年数は価格を左右する最大の要因です。しかし、木造の戸建て住宅と異なり、多くのマンションは鉄筋コンクリート(RC)造なため、法定耐用年数が47年と長く設定されています。建物全体の価値が急激に下がることは少なく、戸建てに比べて価格下落のカーブが緩やかなのが特徴です。

一般的に、築20年前後までは段階的に値下がりしますが、それ以降は下げ止まる傾向にあります。近年はリノベーション需要の高まりにより、築年数が経過していても、適切に管理・維持されている物件は高値で取引されるケースも増えています。

耐震性能

築年数の古いマンションの市場も活性化していますが、中古マンションの取引で必ずチェックするポイントが耐震性の評価です。

1981年6月1日以降に建築確認された「新耐震基準」のマンションなのか、もしそれ以前の建築の場合は耐震補強工事が実施されているかを必ず確認されます。

ブランド・販売会社

大手デベロッパー「メジャー7」が分譲した有名ブランドのマンションは、施工の質や管理体制への信頼性が高いために全体的な査定額が高くなりやすい傾向です。誰もが知るようなデベロッパーによるブランド力は、中古市場において買い手に安心感を与える付加価値となります。

メジャー7とは

・住友不動産
・大京
・東急不動産
・東京建物
・野村不動産
・三井不動産レジデンシャル
・三菱地所レジデンス

の7社です。この7社で新築分譲マンション市場の23.6%を占めます(2023年段階)。

出典:不動産経済研究所 全国 新築分譲マンション市場動向 2023年

メジャー7クラスのデベロッパーは土地の取得からマンションのコンセプト設計、建設と販売までを一貫して担当しており、強固な経営基盤をベースに高品質のマンションを提供できる点が強みです。

一般的なマンションよりも高額で取引されることが多く、資産価値が保たれる傾向にあります。

室内の状況

室内の状況については、間取りや設備などを中心にチェックします。間取りについては生活動線を確保しやすい正方形や長方形を中心とした間取りが評価されやすくなります。

リノベーション工事で図面と異なる間取りになっていないかなどもチェックし、売出しの際に正確な間取り情報を出せるように準備しなければなりません。

水回りを中心に、住宅設備などが新しいものに更新されているかどうかも評価を上げるポイントです。特に評価対象となる設備はシステムキッチン、独立洗面台、トイレなどです。

日当たり・方角・眺望・風通し

マンションは階層や配置位置によって、同じ間取りであっても評価が変わります。角部屋や上層階、南向きの部屋は採光や通風が良いため、同じマンション内でも査定額が高くなる傾向です。

採光の向きや南向きの部屋かどうかなどは、図面やデータ上でもある程度評価できますが、訪問査定では実際の眺望や日当たりの状況については現地で詳細に調べることになります。

眺望が開けていて、将来的に目の前に建物が建つ可能性が低い立地であるなど、現地での調査によって意外な高評価を得られることも多くあります。

管理の状態と管理費・修繕積立金

エントランスや廊下の清掃状況、ゴミ捨て場の状態などから普段の管理状況がわかります。外壁や配管、そのほかの各設備状況の劣化具合からは、修繕工事の運用状況なども推測できます。マンションの状態と管理費、修繕積立金の積立額などのバランスを見て、きちんと管理、運営されているマンションかどうかを見極められます。

管理費が高すぎず、かつ修繕積立金も適正に運用されていると評価されたマンションは、買い手からも高く評価される傾向です。

戸建て住宅の不動産査定

戸建て住宅の査定では、土地の評価と建物の評価を合算して査定価格が決定されます。資産価値の下がりやすい建物部分だけでなく、敷地の条件や法令上の制限、インフラの整備状況などもチェック対象です。

築年数

築年数は不動産の資産価値を決める大きな要素です。一般的に築年数が経過すればするほど建物の価値は下がります。木造の場合、法定耐用年数を超えると評価はゼロに近づきます。

現地査定では築年数だけでなく、建物の実際の状態や性能評価なども合わせた総合的な評価を行ないます。外壁の塗装状態やシロアリ対策の有無、設備の状況や耐震性なども重要なチェック事項です。

リフォーム・リノベーションが行なわれた住宅も増えていますので、リフォーム工事の履歴なども確認します。特に直近5年以内に行われたリフォーム工事などは、査定評価では有利な材料となりやすいです。

土地の境界の確認

土地の境界が明確になっているかどうかも重要なチェック事項です。土地の周りには、「境界標」という隣地との境界に設置される標識が地面に埋まっています。この境界標と土地の売買時に交付される「確定測量図」を照らし合わせ、隣地への越境状態がないかを確認します。

万が一越境状態のままになっていたり、土地の境界があいまいなままであったりすると、隣地の所有者とトラブルになる可能性があります。通常、土地や建物の売買では確定測量図の提示が求められますので、もし確定測量図が見つからない場合はあらためて確定測量図を作成しなければなりません。

確定測量図の作成には半年以上を要することがあるため、訪問査定の日の前までに確定測量図があるかどうか必ず確認しておきましょう。

建物の外観

外壁や屋根の塗装状態、基礎部分のひび割れの有無などが現場でチェックされます。写真から確認しにくい箇所などもチェック対象です。外壁の塗装工事や屋根の修理工事などがきちんと行われている物件は建物の寿命が長いと判断され、プラスの査定につながりやすくなります。

定期的なメンテナンスが行われていなくても、売却の際に強みとなる効率的なリフォーム工事の提案など、今後の売却へ向けたヒントを得られることがあります。万が一重大な欠陥があるとそのまま売ることはできませんので、この段階で修繕すべき箇所があるかを見つけておくことが重要です。

建物の室内

室内のフローリングや壁紙の汚れ、雨漏りの跡、シロアリ被害の有無などもチェックされます。水回りの設備状態は重要なチェックポイントで、リフォーム履歴がある場合は工事契約書なども含めて詳細を伝えなければなりません。

雨漏りやシロアリ被害などは物件の評価に致命的なダメージを与えかねません。仮にこれらの欠陥を買主に伝えないまま売却すると、「契約不適合責任」を問われ、売却後に買主からの契約解除や賠償請求、追完(修補)請求などの受けることもあります。

重大な欠陥については訪問査定の段階でしっかりとチェックし、売り出す戦略を練るようにします。

日当たり・眺望・風通し

日当たりや眺望、通風などの住環境についてもチェックされます。南向きの道路に面しているか、周辺に高い建物があまりなく採光が確保できているかなどは、居住快適性を大きく左右する環境要因となります。

日当たりの良さや眺望の素晴らしさ、風通しの良さなどは安定して需要が高く、想定より高値での売却も期待できるでしょう。

住宅へのアクセスの良さも重要なチェックポイントです。駐車場の有無、土地の入り口から玄関までの動線なども評価対象となります。

周辺環境

最寄り駅までの距離や、スーパー、病院、学校などの生活利便施設が近くにあるかなどもチェック事項です。周辺環境については、プロの目の判断によって意外な強みが見つかることも少なくありません。

ネガティブな情報についても確認されます。騒音や異臭などがないか、迷惑施設が周囲に存在しないか、などが点検されます。ネガティブ要素の把握も、売り出しへ向けた対策に必要となります。

アパートの不動産査定

アパートの査定は、マイホームのように「住み心地」や個人の嗜好が重視される実需向け不動産とは異なり、「どれだけ安定的に収益を生み出せるか」という投資対象としての価値が評価軸となります。

査定時にチェックされるポイントも、収益性・管理状況・将来リスクといった、より客観的でビジネスライクな視点にもとづくものが中心となります。

アパート売却査定に必要な書類

アパート査定において、書類は「経営状態を証明するエビデンス」です。一般的な不動産売却で必要な登記識別情報や測量図に加え、アパート特有の書類が欠かせません。

まず必須となるのが、レントロール(貸借条件一覧表)です。各部屋の現在の家賃、敷金の預かり状況、入退去の履歴などが詳細に記載されたもので、収益性を裏付ける重要な根拠となります。

過去の修繕履歴をまとめた書類も重要です。いつ、どの箇所を、いくらで修繕したかが明確であれば、買主は将来の維持コストを予測しやすくなり、査定価格の安定につながります。

これらの書類が不足していると、管理体制に懸念があると判断され、減点対象になることもあるため、早めの準備が推奨されます。

立地条件

アパートの査定においても、立地条件は最重要のポイントです。最寄り駅からの距離はもちろん、周辺の生活利便施設、大学や企業の集積状況などは、将来にわたる賃貸需要の安定性に直結します。

収益物件の場合、単に「現在満室か」だけでなく、「エリアとしての賃貸需要が持続するか」という観点で評価されます。将来的にも空室リスクが低いと見なされる良好な立地ほど、高い資産価値として査定される傾向にあります。

収益性と稼働状況

アパートの査定価格は、主に収益還元法によって試算されます。参照される指標は、満室想定の表面利回りではなく、空室損失や運営諸経費を差し引いた実質利回りが重視されます。

現在の家賃設定が周辺相場と比較して適正か、特定の入居者様に依存しすぎていないか(例:法人の一括借り上げなど)といった稼働の質も精査されます。直近の稼働率だけでなく、過去数年間の稼働推移もチェックの対象となります。

建物の維持管理状態と修繕履歴

建物全体のコンディションは、資産価値に直結します。査定時に注視されるのは、屋上の防水状態、外壁のクラック(ひび割れ)、鉄部(共有階段やベランダ)の腐食状況など、構造に関わる劣化です。

修繕費用が高額になりやすいため、放置されていると買主の購入意欲を削ぎ、大幅な指値(値下げ交渉)の口実となります。逆に、修繕が適切に行われていれば、建物の耐用年数が実質的に延びたと判断され、プラス評価につながります。

共用部の清掃状況やゴミ置き場の管理状態など、日常的な管理の質も、運営状況を測る重要な指標として細かく確認されるのがアパート査定の大きな特徴です。

不動産査定を依頼するときの注意点

最後に注意点を解説します。不動産仲介会社に不動産査定を依頼するときは、特に以下の3点に気をつけてください。

複数の不動産仲介会社に依頼する

不動産査定価格は、算出する不動産会社によって異なります。ときには数百万円の差が出ることもあるほどバラツキがあるため、必ず複数の不動産仲介会社に依頼してください。不動産仲介会社が行う査定では、公益社団法人 不動産流通推進センターが提供している価格査定マニュアルを活用していることも多く、それほど相場とかけ離れた査定価格になることはないでしょう。

しかし、評価に利用する取引事例が各社で異なると査定価格には当然バラツキが出ます。もし、査定価格が低いところだけの見積もりしか知らないまま売却してしまったら、大きく損をするかもしれません。

逆に、本当に売却可能な金額と離れた高額の査定額を提示する企業に依頼をしてなかなか売却できない可能性もあります。1社のみに限定してしまうと判断を間違える可能性があるため、必ず複数の不動産仲介会社に査定を依頼し、価格を比較するようにしてください。

複数の不動産仲介会社にそれぞれ査定を依頼するのは手間も時間もかかりますが、一括査定サイトを利用すると一度の入力で複数の不動産仲介会社の査定価格を把握できます。

また、ご相続に関連する売却の場合、いつまでに販売したいなど時期が決まっている場合もあり得ます。この様な場合に対処できるように、買取対応ができるかも併せて確認しておくと先々の見通しが立ちやすくなるでしょう。

高すぎる査定額を提示する会社に注意

査定価格が低すぎると損をする可能性がありますが、高すぎる査定額を提示する会社にも注意する必要があります。不動産仲介会社の中には、高い価格を提示することで売主様の注意を引き、専任媒介契約・専属専任媒介契約を結ぼうとするところもあるからです。

宝石やブランド品の査定価格では、実際にその会社が買い取り可能な金額を提示してくれます。しかし、不動産の査定価格は売れそうな価格というだけで、実際に売れることまでは保証していません。

もし、適正な価格から大きく外れた高い価格で売り出したとしても、なかなか売れない可能性が高いでしょう。結局は値下げを提案され、思い描いていた価格で売却できなかったという自体に陥ることもあります。適切な査定額を出すためには地域の需要を熟知していることや、競合物件の把握、データドリブンな査定など一定の根拠があるはずです。

また、査定で出した価格で売却する力がなければ、提示はできないでしょう。明らかにほかの不動産仲介会社に比べて高すぎる場合は、査定額の合理的な根拠を聞くようにしてください。

不都合なところを隠さない

誰でも不動産をできるだけ高く売りたいと思うでしょう。しかし、査定額を高くしたいがゆえに、マイナスになりそうなところを隠すのはおすすめできません。もし、不都合な情報を隠して高い査定額になったとしても、売買契約の締結後に欠陥や不具合などが見つかった場合は「契約不適合責任」を問われることも考えられます。

契約不適合責任とは、物件の品質や面積などに関して契約内容に適合しない引渡しを行った売主様が負う責任を指します。物件情報は隠さず伝えることが大事です。そもそも不動産の売却では、売主様が買主様に対して欠陥や不具合があれば知らせておく告知義務があります。

リフォームが必要な箇所があれば隠さず、正直に伝えましょう。リフォームの必要がないと思って購入した買主様ならば、購入後すぐのリフォームは想定していないはずです。あとで余分なリフォームの費用がかかれば、不信感を持つかも知れません。査定額が高くなればいい、売れてしまえば関係ないというのではなく、あとでトラブルの火種になるようなことは隠さず伝えるようにしましょう。

まとめ 不動産を売却するなら【リロの不動産】におまかせを

不動産は一つとして同じものがないため、物件ごとに売出価格を決める必要があります。不動産を売却するときは売出価格を決めるためにも、まずは不動産仲介会社に査定をしてもらうのが一般的です。

リロの不動産・リロの売買】は大手と地域密着の両方の強みを持つ賃貸管理会社として地域特性を熟知し、長年地域に根ざして培ってきたノウハウを発揮しながら不動産の売却ができます。

不動産の売却を検討しているのなら、まずは見積もりでデータドリブンな査定をしてもらうところからはじめましょう。アパート経営やマンション経営をしている収益物件の不動産査定なら、賃貸管理オーナーのネットワークを保有するリロの不動産におまかせください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。