無料インターネットで空室対策!管理会社が入居者ニーズの高い設備を紹介

2023.08.31

空室対策にはさまざまな方法がありますが、手軽に対応できる無料インターネットの導入を考えているオーナー様も多くいます。では、実際に無料インターネットを導入することは、空室対策としてどのくらい有効なのでしょうか。

この記事では、無料インターネットのメリット・デメリット、導入する際の注意点について詳しく紹介します。無料インターネットとあわせて導入を検討したい設備も徹底解説しますので、空室対策の参考にしてください。

無料インターネットとは

賃貸経営における無料インターネットとは、インターネット回線およびプロバイダーの設備・環境をオーナー様が用意し、無料で入居者様に提供することを指します。インターネット回線には、光回線とケーブルテレビ回線の2種類があります。

居室内の設備としては、Wi-Fi(無線LAN)のみの場合のほか、有線LANのみの場合、無線・有線の両方を使える環境がそろっている場合の3パターンがあります。

光回線

光回線は石英ガラスやプラスチックなどでできた光ファイバーを使い、光の反射や屈折を利用してデータを送信する通信回線です。電波などのノイズの影響を受けにくく、比較的インターネット環境が安定しています。長距離の通信になるからといって、速度が低下することもありません。

何よりも光回線は少なくとも最大速度が1Gbps以上という、通信速度の速さが大きな特徴です。光回線の中でも新しいバージョンのIPv6を用いた「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」という接続方式では、より回線の安定と速度向上が望めます。

ケーブルテレビ回線

ケーブルテレビ回線は、テレビ放送のためのテレビ線である同軸ケーブルを使用してインターネットを有線接続する技術です。光の反射や屈折などの光信号でデータを送受信する光ファイバーとは違い、同軸ケーブルは電気信号でデータをやり取りします。

光回線よりも処理速度は遅いものの、有線であるため通信は安定しているのが特徴です。ケーブルテレビの事業者が提供しているサービスは、一般的に光回線に比べて低価格で利用できます。

ちなみに、インターネット回線には電話回線を利用したADSL回線やISDN回線もありますが、2024年までに順次すべてのサービスが終了される予定です。

無料インターネットを導入するメリット

無料インターネットを導入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは無料インターネットを導入する具体的なメリットを3点解説します。

今では必需の設備だから

総務省が発表している「令和4年版 情報通信白書」によると、国内のスマートフォン世帯保有率は2010年にわずか9.7%だったものが、2021年には88.6%にまで伸びました(※)。

現代ではデジタル端末が必需品となったことで、それを駆使するためのインターネット環境もライフライン化しています。コロナ禍でリモートワークやオンライン授業が一般的になったことは、さらにこの傾向を後押しする要素にもなっています。

金融取引やフードデリバリー業界など、インターネット環境がなくては成り立たないビジネスでは、インターネット環境の充実は欠かせません。プライベートにおいても、特にデジタルネイティブ世代ではSNSや動画配信サービス、オンラインゲームなどのエンタメを楽しむのは当たり前になっており、インターネット環境は生活に必須の環境となっています。

今後はIoTや高画質の動画配信、メタバースなど、さらに大容量のデータのやり取りが可能なサービスが伸びると予想されています。

※出典:総務省「令和4年版情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/pdf/n1400000.pdf

不動産ポータルサイトで露出が増える

不動産ポータルサイトでは、物件の詳細な条件が掲載されています。入居する賃貸物件を探している方にとって、不動産ポータルサイトは物件の情報を得る主要な情報源になっています。特に日常生活でインターネットを利用する方にとって、インターネット環境は気になるポイントでしょう。

詳細条件には「バス・トイレ別」や「都市ガス」などに加え、「無料インターネット」という項目があるのも当たり前になってきました。近年ではインターネットを使い、「無料インターネット」のキーワードで部屋探しをしている方が多くなってきています。

無料インターネットを完備している物件は不動産ポータルサイトでも露出が増えてきているため、訴求効果が上がることが期待できます。別の見方をすると無料インターネットの導入がされていなければ、検索条件に表示がされずお部屋探しをされる方に探していただけない可能性が高まります。

長期入居につながる

インターネットを使うのが当たり前の生活になっている入居者様にとって、無料インターネットは欠かせない条件になりつつあり、ライフラインの一つとして完備されていれば顧客満足度の向上につながります。無料インターネットが完備している環境に慣れている方がお引っ越しをしようと考えた際に、あえてインターネット環境が有料の物件は選ばないのではないでしょうか。

もし、無料インターネットの環境が整っていなければ自分で契約の手続きをしなければならず、しかも余分な費用も支払わなければなりません。引っ越しにかかる手間や費用を考えると、更新をしたほうが良い判断も加わるため、結果として長期入居につながる傾向もあります。

無料インターネットを導入するデメリット

さまざまなメリットがある無料インターネットですが、デメリットがないわけではありません。ここからは無料インターネットを導入するデメリットも挙げておきます。

初期費用・月額費用が発生する

オーナー様にとっては、無料インターネット導入のためのコストを負担しなければならない点がデメリットです。無料インターネット導入コストには、工事費を含む初期費用(イニシャルコスト)と、導入後に毎月支払う費用(ランニングコスト)があります。無料インターネットを導入することで入居率が上がれば、確かに空室対策としては有効です。

ただ、たとえ空室が発生したとしても、ランニングコストは支払わなければなりません。場合によっては導入時に大規模な工事が必要になることもあるため、費用対効果を考えて決めることが大事です。初期費用は無料というケースもあるなど、料金体系はサービス会社によって異なります。導入を検討する際は、相見積もりを取るなどして比較してから決めましょう。

入居者様がプロバイダーを選べない

無料インターネットは手間や費用をかけずに入居後すぐインターネットを利用できるため、入居者様にとってはメリットです。ただし、利用したいプロバイダーが決まっている方にとって、自分でプロバイダーを選べないのはかえってデメリットになるでしょう。

インターネットを提供する多くのサービス会社では、利用者を獲得するためにポイントの還元やセット割引などの特典を用意しています。例えば携帯電話とインターネット回線、プロバイダーをそろえて契約することで割引になるといった、携帯電話のキャリア会社が提供するサービスです。特典を受けたいと考えている方にとって、自分でプロバイダーを選ぶことができない物件は選択肢から外れてしまう可能性もあります。

通信速度が遅いとクレームにつながる

無料インターネットの導入を考えるなら、非常に大事なポイントです。インターネットの普及が進み、インターネット環境がライフライン化すると、無料でインターネットが使えるというだけではメリットにならなくなることも考えられます。

同じインターネットを利用するのなら、より通信環境が整っているほうが快適であることに違いありません。そうなると通信環境の良し悪しが、物件の良し悪しにも直結します。

特に仕事や金銭のやり取りなど、重要な局面で通信環境が悪いと、無料であっても入居者様のご利用状態に耐えられず、ご利用できないためクレーム対象になることがあります。回線が混む時間帯などに通信速度が遅くなれば、ストレスを感じることもあるでしょう。

そのため、働き方改革やコロナ禍でリモートワークをする方やインターネットでエンタメを楽しむ方などは、部屋探しで通信環境の良さを重要視するケースが増えています。

無料インターネットを導入する際の注意点

では、無料インターネットを導入する際、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。次に無料インターネット導入の注意点を5つ紹介します。

費用対効果をしっかりと試算する

賃貸不動産に無料インターネットを導入すれば、入居を検討している方の目に触れるチャンスが増えたり、顧客満足度が向上したりするメリットがあります。だからといって、無計画に導入してもうまくいくとはかぎりません。入居者様が無料でインターネットを使える分、当然その費用はオーナー様が負担するコストになるからです。

オーナー様には導入時の工事費用を含む初期費用(イニシャルコスト)はもちろん、導入後に月々支払わなければならない費用(ランニングコスト)が発生します。それだけの費用をかけたとしても、入居者様の獲得や顧客満足度の向上が見込めるのなら、無料インターネットを導入した効果があるでしょう。

一方で、インターネットをあまり利用しない層の方が多い物件の場合は、あまり効果を感じられないかもしれません。導入には費用対効果を考えて決めることが大切です。初期費用は無料など、サービス会社によって料金体系は異なるため、相見積もりを取りながら比較してみましょう。

回線の種類を比較検討して決める

先述したようにインターネット回線の種類は大きく分けて、光回線とケーブルテレビ回線の2種類です。各居室への配線も有線回線と無線回線(Wi-Fiによる回線)を選択できますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。有線回線は居室まで有線ケーブルを引き込むため、回線が安定しているのがメリットです。

無線回線は共有部分までの引き込み工事で済み、費用も抑えられるものの、回線は有線回線ほど安定性を保てるとはかぎりません。建物の構造や規模によっては、Wi-Fiの電波が届かないケースもあるため必ず確認をしましょう。地域性はあるかもしれませんが、多くの入居者様は無料Wi-Fiに接続してインターネットをご利用されることが多いです。

各部屋への配線をどう選択するのか、メリット・デメリットの双方を比較検討したうえで決めるようにしましょう。

入居者様への事前案内を必ず行う

実際に無料インターネットの導入を決めた場合は、入居者様への事前案内をきちんと行う必要があります。インターネットが普及して久しく、入居者様がすでに自前でインターネット回線を用意し、利用していることも考えられるでしょう。

無料インターネットが導入されれば、入居者様にとっても選択肢は広がります。中にはすでに利用しているプロバイダーの契約を解約し、無料インターネットの利用を検討してくれるかもしれません。

各お部屋に有線回線引き込みが必要な場合は、必然的に、各居室内の工事も必要になってきます。入居者様に連絡を取り、日程を調整して工事の日を決めるなど手間もかかります。トラブルを避けるためにも、事前に案内と説明をしておくことが大切です。

通信環境は速度を重視!品質担保は譲らない

インターネット回線の速度が遅いとストレスになるため、通信環境の品質については、必ず確保しておきましょう。働き方改革の推進やコロナ禍で、リモートワークを進めている企業やオンライン授業を行う学校も増えました。4K画質のコンテンツやオンラインゲーム、動画やSNSやメタバースなどを楽しむデジタルネイティブな若い世代にとっても、通信速度は重要なポイントです。

とても大事なことなので改めてお伝えします。無料でインターネットが使えると思っていたところ、あまりにも通信速度が遅いとなれば、クレームの原因にもなります。入居者様にとって利用できないレベルであれば、ご入居されている方が自分で対応しなければならなくなり、空室改善策として導入する意味がなくなります。

インターネット環境がライフラインの一つになっている現代では、安いサービスを選んでクレームを招くくらいならば、やらないほうがマシといえます。

サポート体制を確認する

無料インターネットは導入して終わりというわけではなく、導入後のことも見据えておく必要があります。インターネットを提供してくれるサービス会社との契約では、サポート体制をしっかりと確認しておきましょう。トラブルが発生したときすぐに対処できなければ、やはり入居者様のストレスになってしまいます。

例えば、大事な仕事などでインターネットがつながらないというトラブルが起こった場合、オーナー様ではなかなか対処ができません。トラブルに対応しているサポート体制が整っているサービス会社が望ましいため、導入前にどのようなサポートを提供しているのか確認してください。

無料インターネットと同時に採用したい空室対策の設備

空室対策や空室改善を目的として設備導入や交換をご検討されているなら、お住いになる入居者様のニーズを意識しつつ、適切なコストで導入することが大切です。ここからは無料インターネットと同時に採用したい空室対策の設備を紹介していきます。

宅配ボックス

ネット通販が当たり前になっている今、宅配ボックスも必需品になりつつあります。常に誰かが家にいるのなら必要はありませんが、特に単身者向けの物件では入居者様が仕事や学校で家を空けている時間が多いはずです。

ファミリー向けの物件であっても共働き世帯が増え、やはり宅配ボックスが求められるようになっています。宅配会社が抱えている荷物の再配達による負担は、社会問題にまで発展しています。まだ設置されていないのならば、導入を検討してみましょう。

エントランスのオートロック

日本は比較的治安が良いといわれているものの、現代では窃盗や強盗事件などの報道も多くされるようになってきました。お住まいに安心・安全を求める声は強く、セキュリティへの入居者ニーズが高まっています。中でも人気が高いのは、オートロック付きの物件です。

導入にはそれなりの費用がかかりますが、部外者の侵入防止に効果を見込めます。特に大学生や新社会人をターゲットにする物件の場合は注力したい設備です。

TVモニター付きインターホン

TVモニター付きインターホンもセキュリティ面の理由から、入居後者様が重視する設備です。ネット通販の利用が増え、宅配会社とのやり取りが増えたこともニーズが高まる理由になっています。TVモニター付きインターホンがあれば、玄関のドアを開ける前に誰なのかを確認できるため安心です。表で不審な音がしたときなども、モニターで様子を確認できます。

防犯カメラ

オートロックと同様の理由で、やはり防犯カメラが設置されているようなセキュリティのしっかりしている物件が選ばれています。防犯カメラがあることで監視体制がしっかりしていることを示せるため、犯罪や不法投棄などのマナー違反の抑止になります。万一、犯罪が発生した際には証拠にもなるため、防犯カメラの導入も検討してみてください。

スマートロック

セキュリティに関する設備も日々進化し、エントランスのオートロックではさらに進化したスマートロックを備える物件も出てきています。スマートロックはスマートフォンにダウンロードした専用のアプリで、各居室の施錠・解錠ができるシステムです。

一般的にオートロック機能も備わっているため、閉め忘れがありません。遠隔でも操作ができるリモート操作付きや通常の鍵との併用ができるタイプなど、さまざまなスマートロックがあるため、システムの詳細をご確認ください。

浴室換気乾燥機

単身者向けの物件、ファミリー向け物件にかかわらず、入居者様に人気のある設備の一つが浴室換気乾燥機です。浴室の乾燥やカビ対策に効果が高いのはもちろん、雨の日や花粉が気になる季節の洗濯物干しの対策として浴室換気乾燥機が選ばれています。機能も充実してきているため、ニーズを踏まえつつ検討してみるといいでしょう。

24時間利用可能ゴミ置き場

決まった曜日にしかゴミ出しができなければ、指定の日時までゴミを室内に溜めておかなければなりません。生活スタイルが多様化している現代では、決められた曜日や時間にしかゴミを出せないのは不便だと感じる方もいます。早朝・夜間勤務が多い方は、そもそも指定の曜日や時間にゴミを出すのが難しい可能性もあるでしょう。

条件などを見極める必要がありますが、忙しい入居者様にとっては24時間利用可能ゴミ置き場のニーズはあります。メリット・デメリットを踏まえたうえで、導入するかどうかを判断しましょう。

無料インターネットは空室対策として有効 導入の際は賃貸管理会社に相談を

無料インターネットは現代の入居者ニーズに応えられる設備として、空室対策に有効です。もちろんメリットばかりではなくデメリットも存在するものの、空室対策を考えているオーナー様には前向きにご検討して頂きたい設備になります。

実際に無料インターネットを導入する際には、賃貸管理会社への相談が不可欠になります。賃貸不動産の管理や空室対策での実績・経験が豊富、かつ信頼できる賃貸管理会社に相談できると心強いでしょう。確かな空室対策で実績のある【リロの不動産】に、ぜひご相談ください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。