賃貸住宅を使用することができることとは?
賃貸住宅を使用することができることは、賃貸契約を交わしている賃借人とって当たり前の権利です。
つまり、賃貸住宅を直接に利活用して利便を得ることを意味し、「使用収益」とも言います。
賃貸住宅を使用することができることについて
民法601条では、賃貸借契約について、「賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた者を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。」と規定しています。
つまり、賃貸人は賃料を受け取ることにより、賃借人に建物を使用・収益させる義務を負うものとされているのです。そのことから、賃借人に建物を使用・収益させるために必要となる目的物の修繕義務を負っています。
なお、賃貸人の「使用・収益させる義務」とは、賃貸物を賃貸借契約の目的が達成できるように適切に使用収益させる義務=賃貸住宅として賃貸借契約を締結した場合に、賃貸人にはその物件の居室を住居として使用収益できるように配慮する義務があるということです。
例えば、雨漏りが発生していて、居室が水浸しになっている状態では、本来の使用収益の目的を果たすのは困難でしょう。その場合は、速やかにオーナー様が修繕を行う必要があります。排水設備が故障した場合も同様にオーナー様に修繕義務が発生します。
逆に経年劣化によって壁紙が変色しているなどのケースでは、通常の生活を送ることに支障はありませんので、賃貸住宅を使用することができる(使用収益の目的が果たせる)と判断し、オーナー様に対する修繕の義務は発生しません。