高度地区とは?
高度地区とは、建物の高さを制限する地区のことです。都市計画法に基づき定められる地区の一つで、市街地の環境維持や土地利用の増進などを目的として、建物の高さの最高限度が定められた地区のことを言います。
建物の高さの最低限度を定める「最低限度高度地区」と、最高限度を定める「最高限度高度地区」の2つに分けられます。
高度地区について
都市計画法第9条において、「用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とする」と規定されています。
最高限度が定められている場合、日照や採光、通風を確保することを目的とした、一定の傾斜を持つ直線に応じ建物の部分ごとに高さの上限が決まる「斜線型高さ制限」、もしくは市街地環境の維持を目的として、敷地に対して一律で絶対的な高さの上限が定められる「絶対高さ制限」のいずれかの規定が用いられます。それにより、それぞれその高さを超える建物を建築することができません。
同様に、建物の最低限度が定められている場合も、その高さを下回る高さの建物を建築することができません。主に駅前や街の中心地などに定められるケースが多いです。なお、自治体ごと、敷地の所在地ごとに高度地区の制限がかかるかどうかは異なるため、建築を行う対象の敷地が高度地区にあるのかどうかを事前に調べることが重要です。
同じく都市計画法に規定され、似ている言葉として「高度利用地区」というものがありますが、これは土地の容積率や建蔽率、壁面の位置の制限について定められたもので、物理的な高さに制限を設けるものではありません。