資本的支出とは?
資本的支出とは、不動産の価値を向上させる・耐久年数を延ばすための経費のことです。
建物の修繕や室内のリフォームなどを行った際、通常は修繕費として会計処理を行うのが一般的ですが、その支出が建物の“価値を向上させた”場合は、資本的支出として処理する必要があります。
資本的支出について
収益物件が老朽化してくると修繕や改修工事が必要となります。そうしたケースでかかる費用は、「資本的支出」と「修繕費」に分かれます。
例を出してみると、最近人気の「リノベーション」は住む人のライフスタイルに合わせて、間取りやキッチンを変更するなど、物件の価値の向上につながるようなアップグレード工事です。一方「リフォーム」は、古くなったり不具合が出たりした部分を回復させる復旧工事です。価値を高めるというよりも住居として使い続けるために必要な工事と言えるでしょう。
つまり、価値を向上させるアップグレード工事(リノベーション)の費用は「資本的支出」となり、復旧工事(リフォーム)のために使う費用が「修繕費」と区別されるのです。
1つの修理・改良にかかる金額が20万円未満の場合の支出は「修繕費」となり、たとえ使用可能年数を延ばしたり価値を向上させたりするものでも少額の支出であれば一括で必要経費に算入できます。
ただ、修繕費でも20万円を超える部分については、「その資産の価値を高める工事費用」とみなされ、資本的支出として扱う場合があります。「資本的支出」と「修繕費」の判断は3年以内の周期で行われているものかなど様々な判定要素がある為に都度どちらに該当するか確認する必要があります。資本的支出は一括して経費計上することはできないため、資産計上して減価償却をする必要があります。