債務引受とは?
債務引受とは、債務の同一性を維持したまま、第三者が債務者の債務を引き受けることを意味します。
例えば、個人事業から法人成りをすると、以前に個人で負っていた債務は法人が引継ぎます。
不動産投資事業にあてはめると「不動産投資ローンを法人名義で引継ぐ」ということです。このような債務の引継ぎのことを、法律用語で「債務引受」と言います。
債務引受について
「債務引受」は、債権者側(お金を貸す側)の金融機関から見た場合、お金を返す人(債務者)が個人から法人に変更される(あるいは追加される)ことを意味しますので、金融機関側(債権者)の「承諾」が法的要件となっています。
債務引受のかたちとしては、以下の2つのパターンが一般的です。
・免責的債務引受
新法人が個人の債務を全て引き受けるかたちを取るもので、わかりやすく言えば債務者を個人から法人へと交代する方法です。
・併存的債務引受
個人事業主本人に追加して法人も債務者に加わることで、債務(ローン返済分)を共に負担します。
実務上多いのは、金融機関にとってのリスクを分散できる「併存的債務引受」です。なお、法人に対する新たな融資審査の際には、オーナー様が法人の連帯保証人につくかたちで融資実行されることが通例となっています。
法人化さえしてしまえばローンも自動的に法人に受け継がれるわけではありませんから、この点にはご注意ください。債務引き受けの中身について、債権者の金融機関や保証人となる「信用保証協会」などと調整する必要があります。