遺留分侵害額請求とは？
遺留分侵害額請求権とは、遺留分を侵害された法定相続人が、受遺者または受贈者に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる権利です。
簡単に言うと、不公平な遺言や生前贈与が行われて納得できないときに、お金で清算するよう求めることを言います。
遺留分侵害額請求について
相続には、「法定相続よりも遺言による相続が優先される」という原則がありますが、法定相続人が相続できる最低限度の「遺留分」が認められています。仮に、ほかの相続人の相続分が、自分に認められている遺留分を侵害している場合、それを主張することで遺留分を金銭で支払うよう請求することができます。
この手続きを「遺留分侵害額請求」といいますが、相続開始および遺留分の侵害を知った日から1年以内に行わなければなりません。相続の開始および遺留分の侵害を知っていたにもかかわらず1年以上放置した場合は、遺留分侵害額請求を行えなくなります。ちなみに相続の開始および遺留分の侵害を知らなかった場合、遺留分侵害額請求権は10年で消滅します。
遺留分侵害額請求は、昔は「遺留分減殺請求」という名前でしたが、2019年の法律改正により内容が変更されています。遺留分減殺請求では、不動産を共同所有することによりトラブルに発展するケースが多かったため、遺留分侵害額請求では、金銭請求に一本化されました。
