財産開示手続とは?
財産開示手続とは、債務者が持つ財産の情報を開示させる制度のことです。
債権者が裁判所に申立てをして、裁判所で債務者本人から債務者自身の財産について陳述させ、差押えに必要な情報を取得します。強制執行の対象にする財産を特定するために必要な手続きです。
財産開示手続について
裁判に勝っても、相手が頑なに弁済せず、債権を回収できないこともあります。その際、裁判所に「強制執行」の申立てを行い、相手の財産を強制的に差押え、債権を回収します。
しかし、相手の財産を差押えるにはまず、相手がどういった財産を持っており、どの財産を差押えられるかを特定しなければなりません。とはいえ、相手がそうした情報を自ら快く提供してくれるはずがないため、裁判に勝ったのに差押えができないケースが多く見られます。
この問題を解決するために、債務者が持つ財産の情報を開示させる制度である「財産開示手続」が生まれたのです。財産開示手続は、債務者に自己の財産を陳述させることで、債権者は、債務者の有する財産の所在等の情報を知ることができます。
そして、債権者は債務者が陳述した財産の情報を基に、その財産に対して強制執行をすることができるのです。ところが、財産開示手続は当初の期待通りにはいかず、債務者が裁判所からの呼び出されても出頭しないこともあるのです。
そこで改正法では、債務者が不出頭や虚偽の陳述をした場合は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される、というように厳罰化されました(改正民事執行法第213条第1項)。