仮処分とは？
仮処分とは、民事保全手続きの１つで、金銭以外の権利を保全する目的で利用されるものです。
訴訟結果を待っていれば金銭以外の権利で何らかの不利益が生じるような場合、仮処分によって権利を譲渡・移転などができないようにすることができます。
仮処分について
民事保全手続きとは、民事訴訟の結論が出るまでの期間を待たずに暫定的措置を行うための手続きです。一般的な民事訴訟において、その判決が出るまでの数カ月～数年という長い期間の間に、相手が財産を隠してしまうなどの不利益が生じる可能性があります。
そのような場合に、民事保全手続きによる暫定的な処分や差押えを行うことができる可能性があります。この民事保全手続きには、大きく分けると「仮処分」と「仮差押」の手続きがあり、「仮差押」が金銭債権を保全する目的とする場合に利用されるのに対し、「仮処分」は金銭以外の権利を保全する目的で利用されます。
また、仮処分は大きく分けて以下の「係争物に関する仮処分」と「仮の地位を定める仮処分」の2種類（民事保全法第23条）。
・係争物に関する仮処分
物に関する給付請求権（物の引渡請求権、明渡請求権、移転登記手続請求権等）の強制執行を保全するために、目的物の現状を維持する処分です。
・仮の地位を定める仮処分
争いのある権利関係について、暫定的な処分を行うことによって、債権者の現在の危険を除去し、将来の終局的な権利の実現が不可能となることを防止するため処分です。
