取引事例比較法とは?
取引事例比較法とは、原価法、収益還元法と並ぶ不動産鑑定手法の一つです。対象となる不動産の近隣不動産や類似した物件の取引事例をもとに、地域やその他の個別要因を加味することによって価格を算定します。
取引事例比較法による試算価格を「比準価格」と呼びます。
取引事例比較法について
取引事例比較法は、実際に売買された取引事例をもとに価格を判定する手法です。そのため、近隣地域や同一需給圏内の類似地域などにおいて、対象不動産と似た不動産取引が行われている場合に有効です。
なお、実務では土地や区分マンションなどの価格を求める際に用いられます。対象不動産が土地・建物一体の複合不動産の場合、規模・構造・用途などが似ている取引事例の収集や比較を行うことは非常に難しいため、適用されることはごく稀です。
また、「取引事例比較法」は実際に行われた取引事例に基づき価格を査定するため、「市場性」に着目した手法であると言われています。そのほかの不動産鑑定手法である「原価法」は建築費等のコストから導き出す手法であり「費用性」に着目した手法、「収益還元法」は不動産の生み出す収益から価格を査定する手法のため、「収益性」に着目した手法として考えられています。