【事例付き】マンションの原状回復工事で収益改善!相場と工事内容を解説
2026.02.28
投資用マンションや賃貸アパートなど収益物件と切っても切れない関係の原状回復。原状回復と合わせて検討される工事としてリフォーム/リノベーションがありますが、この3つにはどんな違いがあるのかご存じでしょうか。
今回は原状回復工事で、投資用マンションの収益性をアップする方法を解説します。ミニマムリフォームによって収益改善を果たした事例も合わせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
▼この記事の内容
●賃貸経営では、マンションの原状回復工事は避けて通れない。区分マンション投資でも、一棟マンション投資でも原状回復工事はある。
●原状回復工事では、自然損耗や経年劣化部分の復旧にかかる費用をオーナー様が負担し、故意・過失が理由の復旧にかかる費用を入居者様が負担するのが原則。
●マンションには原状回復工事のほか、リフォーム、リノベーションがあり、それぞれ違いがある。
●マンションの原状回復工事にリフォームをプラスすると、入居者様の顧客満足度を高め、空室対策につながる。
目次
賃貸経営で避けて通れないマンションの原状回復工事
投資対象が区分マンションであれ一棟マンションであれ、避けて通れないのが退去後の「原状回復工事」です。原状回復においては、オーナー様も入居者様も当事者であるということを念頭に置く必要があります。
原状回復工事と入居者様の善管注意義務
国土交通省では賃貸物件の原状回復を下記のように定義しています。
原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること
出典:国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)
賃貸借契約を締結する際、賃借人には「物件を引き渡すまで、社会通念上要求される程度の注意を払って部屋を使用する」義務(善管注意義務)が課せられます。
原状回復工事では、自然損耗や経年劣化部分の復旧にかかる費用をオーナー様が負担し、入居者様の故意・過失などにより発生した損耗・毀損の復旧にかかる費用を入居者様が負担することになります。
自然災害による損耗については、入居者様によって防げたものであるかどうかが判断基準です。例えば大雨によって建物や設備が劣化した場合は、自然現象として判断されオーナー様負担になります。しかし窓を開けたまま外出したことにより浸水し設備が故障した場合は、入居者様の責任とみなされ復旧費用も入居者様負担となります。
原状回復にかかる工事費用は、入居者様が預け入れた敷金から充当するのが原則です。ただし敷金を預け入れていない場合や、敷金だけでは工事費用が足りない場合は、入居者様の負担分として費用請求が発生します。
居室の原状回復は区分でも一棟でも変わらない
区分マンションと一棟マンションでは所有する部屋数に大きな差があるため、原状回復の内容も異なるのでは、と考えている方もいらっしゃいます。しかし原状回復はあくまでも居室ごとに行う工事のため、区分マンションの場合と一棟マンションの場合で違いはありません。
原状回復の適用範囲はもちろん、使用する壁紙や床材などの種類が同じであれば原状回復費用も同じです。賃貸借契約締結時に特約を設定する場合も、区分・一棟に関わらず対象の部屋に対してのみ適用されます。
しかし不動産投資・不動産経営的な観点から考えると、一棟マンションの場合は同じ時期に複数の居室の退去と原状回復工事が重なると、一時的に支出が膨らむ可能性はあります。
原状回復費用は契約時に入居者様から預かる敷金で充当しますが、工事内容によってはオーナー様の負担で実施する工事も存在します。特に引っ越しシーズンと言われる2月~4月の間は、次の入居者様を迎え入れるために原状回復工事も短期間で行う必要があるため、まとまった支出が発生してもいいように余剰金の準備をしてくことが重要です。
ただし区分所有の場合でも、複数の部屋を保有している場合であれば同様のことが起こります。運転資金として一定の金額を確保しておくと安心できます。
原状回復費用負担の特約

原状回復費用の負担については、賃貸借契約の締結時に「特約」を設けることが一般的です。特約とは、通常の原状回復の考え方に一定のルールを加える契約上の取り決めを指し、オーナー様・入居者様双方の認識を事前に揃える役割を果たします。
代表的な例としては、退去時のハウスクリーニング費用を定額で設定し、実際の汚れ具合に関わらず一定額を入居者様負担とするケースが挙げられます。また、襖・障子の張替え、畳の表替え、電球の交換などを消耗品費として入居者様負担とするケースも一般的です。
特約によって、退去後の精算時に「どこまでが通常使用か」「費用はいくらか」といった細かな争いを避けやすくなります。
ただし、入居者様に一方的に不利な内容や、原状回復の基本原則を大きく逸脱する特約は、法的に無効と判断される可能性があります。そのため、特約を設ける際には、専門家の意見を取り入れながら法的に有効な内容を検討しましょう。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
原状回復をめぐっては、これまでオーナー様と入居者様の間で多くのトラブルが発生してきました。
特に「どこまでが自然損耗で、どこからが入居者負担なのか」という判断をめぐり、裁判に発展した事例も少なくありません。こうした状況を受け、国土交通省は1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発行し、原状回復費用の考え方や負担区分の目安を示しました。このガイドラインは、その後の実務や裁判においても重要な判断基準として活用されています。
出典:国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)
さらに2020年には民法が改正され、第621条において賃借人の原状回復義務が明文化されました。これにより、通常の使用による損耗や経年劣化については賃借人が原状回復義務を負わないことが法律上も明確になっています。
原状回復トラブルを防ぐためには、契約内容の整備だけでなく、法律や公的なルールを踏まえた対応が求められるといえるでしょう。
関連記事については、以下もご参照ください。
賃貸住宅の原状回復とは? トラブルになりやすい費用負担の考え方
【事例付き】原状回復とリフォーム費用を解説! トラブル回避と収益改善
原状回復工事/リフォーム/リノベーションの違い
マンションの室内工事の種類としてよく耳にする「リフォーム」や「リノベーション」といった言葉は、原状回復工事とは異なる意味を持ちます。原状回復の具体的な工事内容を見ながら、リフォームやリノベーションと工事内容の違いを見ていきましょう。
マンションの原状回復工事
マンションから入居者様が退去した際に必要になるのが「原状回復工事」です。原状回復の目的は「室内を入居時の状態に戻すこと」であり、「室内を新品の状態にすること」ではありません。つまり居住年数によって原状回復工事を実施する箇所や程度も異なるという点は押さえておきましょう。
一般的な居室の原状回復工事に含まれる内容は下記のとおりです。
1)ハウクリーニング
2)壁紙・天井クロスの張り替え
3)床材の張り替え
4)畳の交換
5)設備機器の修理・交換
下記で詳しく解説します。
【マンションの原状回復工事】ハウスクリーニング
室内に修繕が必要な個所がない場合には、部屋全体を清掃するハウスクリーニングのみで終わらせることもあります。
ハウスクリーニングにかかる費用は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」においては、オーナー様が負担すべきものとされています。しかし実際の賃貸借契約書では、特約で入居者様が負担するものと定めるケースも少なくありません。
費用相場は清掃を行う業者によっても異なりますが、ワンルームマンションの場合で20,000~30,000円程度です。
【マンションの原状回復工事】壁紙・天井クロスの張り替え
損傷した壁紙や天井クロスは、損傷の原因が経年劣化なのか入居者様の責任によるものかによって、程度に合わせた張り替えがおこなわれます。
日焼けなどによる経年劣化のみの場合はオーナー様の費用負担により張り替えられ、入居者様の故意・過失による損傷や汚損が見られる場合は入居者様が費用を負担します。
壁紙・天井クロスの張り替え費用の相場は、使用するクロスの材質にもよりますが、ワンルームマンションの場合で30,000〜50,000円程度です。
関連事例については、以下もご参照ください。
アクセントクロスや高級感を演出したモデルルーム!賃料UPでも即成約
入居促進のためターゲットを見直し花柄のアクセントクロスで成約に!
【マンションの原状回復工事】床材の張り替え
壁や天井と同様に、床材も状態に応じて張り替えがおこなわれます。経年劣化や通常の使用による摩耗の場合はオーナー様の費用負担ですが、ペットがつけた傷や家具を移動させるときについた凹みなど、入居者様の不注意によってできた傷は入居者様の費用負担です。
床材にはさまざまな種類があり、フローリングを張り替える場合は1畳あたり2万~6万円程度が相場。そのほかクッションフロア・カーペットなど、素材やグレードによっても費用は異なります。
【マンションの原状回復工事】畳の交換
畳の交換が必要な場合、裏返し・表替え・新調のいずれかの方法で原状回復をおこないます。
畳の片面がきれいな状態であれば「裏返し」をおこない、費用は4,000円程度です。
畳の芯の部分(畳床)がしっかりしていて両面がほつれている場合は、「表替え」で畳の外側だけつけかえます。表替えにかかる費用は5,000円程度です。
畳床の部分も劣化してしまっている場合は、畳自体を新調する必要があります。費用はグレードによってもまちまちですが、賃貸物件では1畳1万円程度が目安です。
【マンションの原状回復工事】設備機器の修理・交換
室内に設置してるエアコン・IHクッキングヒーター・給湯器といった備え付けの設備の修理や交換もおこないます。
これらの設備にはそれぞれ「耐用年数」というものが定められています。耐用年数が経過したのちに故障した設備については、オーナー様の費用負担によって交換・修理します。ただし入居者様が誤った使い方をするなどして故障した場合には、入居者様が費用を負担するケースもあります。
交換にかかる費用はエアコンが8万~10万円、給湯器が13万~20万円、ウォシュレットが3万~5万円程度が相場です。
関連事例については、以下もご参照ください。
【集合ポストリニューアル】入所者アンケートに対応して満足度が向上
【ゴミストッカー新設工事】カラスに荒らされるごみ問題に効果抜群!
マンションのリフォーム
マンションの工事には、退去後に必要となる「原状回復工事」のほかに、「リフォーム」や「リノベーション」と呼ばれる工事があります。
原状回復はあくまで入居前の状態に戻すための最低限の工事であるのに対し、リフォームやリノベーションは物件の価値維持・向上を意識した工事です。
リフォームとリノベーションには法律上の厳密な定義があるわけではなく、不動産業界や建築業界の慣習として使い分けられています。
まずはリフォームという言葉の定義や、リフォームにあたる主な工事などについて確認していきましょう。
関連記事については、以下もご参照ください。
不動産投資成功の鍵はリフォームにある! 戦略的なリフォーム投資で資産価値向上を
満室経営にする賃貸経営リフォームとは? 4つのリフォーム事例を紹介
リフォームの定義
リフォームとは、老朽化した住宅や設備を修繕・交換し、新築時に近い状態へ戻すことを目的とした工事を指します。古くなった設備の交換や、傷んだ内装の修繕などが該当します。
英語の「reform」は「改革」「改善」といった意味を持ちますが、日本のように建築分野で住宅改修を表す言葉として使われるケースはほとんどありません。リフォームという言葉自体が、日本独自の用法として定着している点は押さえておきたいポイントです。
マンションのリフォームの主な工事
マンションのリフォームでおこなわれる工事内容は多岐にわたりますが、主に設備の更新や内装の修繕が中心となります。
水回り設備の交換
リフォーム工事の中でも代表的なのが、キッチン・浴室・トイレといった水回り設備の交換です。
水回りは使用頻度が高く、劣化や不具合が発生しやすい箇所であるため、入居者様の満足度に直結します。特に築年数が古いマンションでは、設備のデザインや機能が現在のニーズと合わなくなっていることも少なくありません。
水漏れや臭いなどのトラブルを防ぐ意味でも、一定の築年数を迎えたタイミングで交換を検討する価値があります。最新設備にすることで清掃性や使い勝手が向上し、結果として空室対策や賃料維持にもつながる点は、賃貸経営における大きなメリットといえるでしょう。
関連事例については、以下もご参照ください。
壁紙・床材(フローリング)の張り替え

壁紙や床材(フローリング)の張り替えも、マンションリフォームで頻繁におこなわれる工事の一つです。
長年の使用によって汚れや色あせが目立つ内装は、室内全体を古く暗い印象にしてしまいます。壁紙や床材を張り替えることで、見た目を一新し、清潔感のある空間を取り戻すことができます。比較的短期間で施工できる点も特徴で、コストを抑えながら物件の印象を大きく改善できる工事といえるでしょう。
内装の色や素材を工夫することで、ターゲットとする入居者層に合わせた演出も可能となり、入居率向上を目的としたリフォームとして高い効果が期待できます。
関連事例については、以下もご参照ください。
マンションのリノベーション
比較的軽微で部分的な改修であるリフォームに対して、リノベーションは間取り変更などをともなう大規模改修を指すことが一般的です。
リノベーションの定義
リノベーションとは、既存の建物に対して新たな価値を付加し、性能や居住性を向上させることを目的とした工事を指します。
老朽化部分を直すだけにとどまらず、間取りの見直しや設備の刷新、デザイン性の向上などを通じて、建物全体の質を引き上げる点がリフォームとの大きな違いです。明確な法的定義があるわけではありませんが、一般的には大規模かつ包括的な改修をリノベーションと呼びます。
賃貸経営においては、ターゲット層のライフスタイルに合わせた住空間を提供する手段として活用されることが多く、築古物件でも「選ばれる理由」をつくるための有効な選択肢となります。
マンションのリノベーションの主な工事
マンションのリノベーション工事として、代表的な3つを紹介します。
間取りの変更
リノベーションで代表的な工事の一つが、間取りの変更です。既存の壁を撤去してLDKを広くしたり、部屋数を減らして開放感のある空間にしたりと、現代のライフスタイルに合わせた再構成がおこなわれます。和室の押し入れをクローゼットに変更するなど、収納の使い勝手を改善する工事も含まれます。
築年数の古いマンションでは、現在のニーズに合わない間取りが空室の原因となることもあるため、間取り変更は空室対策になる可能性があります。
水回り設備の全面交換
キッチン、浴室、洗面台、トイレなどの水回り設備を最新のものに全面交換する工事も、リノベーションの主要な内容です。
部分的な交換とは異なり、デザインや機能を統一することで、住戸全体に一体感と高級感を持たせることができます。節水性能や清掃性に優れた設備を導入することで、入居者様の満足度向上にもつなげることも可能です。
水回りは生活の質を左右する重要な要素であり、全面交換を行うことで築年数の古さを感じさせにくくなる点は大きなメリットです。
フルスケルトンリノベーション

フルスケルトンリノベーションとは、室内の壁・床・天井・設備をすべて解体し、建物のコンクリートの骨組みである躯体だけの状態にしてから再構築する大規模なリノベーションです。
間取りや内装デザインだけでなく、給排水管や電気配線まで一新できるため、性能面・安全面を含めて全面的な刷新が可能となります。
フルスケルトンリノベーションは、自由度が非常に高い反面、工事期間が長く、費用も大きくなるのが特徴です。賃貸マンションでは、長期的な運用を前提とした再生策として選択されることが多く、物件の価値を根本から高めたい場合に検討されます。
リノベーションの税法上の区分
リノベーションを検討する際には、工事内容そのものだけでなく、税法上どのように扱われるかを理解しておくことが重要です。税務上、建物に関する工事費用は大きく「修繕費」と「資本的支出」の2つに区分され、それぞれ経費計上の方法やタイミングが大きく異なります。
修繕費とは、建物や設備を元の状態に戻したり、機能を維持したりすることを目的とした支出を指します。壊れた設備の交換や、劣化した部分の補修などが該当します。修繕費として認められた場合は、支出した年度に全額を経費として計上できるため、当期の所得を圧縮しやすいという特徴があります。
一方、資本的支出は、建物の価値を高めたり、耐久性や性能を向上させたりすることを目的とした支出です。大規模なリノベーションや間取り変更、設備のグレードアップなどは、資本的支出に該当するケースが多くなります。資本的支出は一括で経費計上できず、法定耐用年数に応じて減価償却費として数年にわたり分割して経費計上します。
一般的な考え方として、原状回復や軽微な改修を中心とするリフォームは修繕費、物件の価値向上を目的としたリノベーションは資本的支出と整理されることが多いですが、実際の判断は工事の内容や規模によって異なります。税務上の扱いを誤ると、後に修正申告が必要になる可能性もあるため、事前に専門家へ相談し、工事内容に応じた適切な区分を検討することが重要です。
マンションの原状回復工事にリフォームをプラスするメリット
退去後の居室は原状回復工事を行うだけでも、次の入居者様を迎え入れる準備は整います。しかし賃貸経営の観点では、「元に戻す」だけの原状回復工事にリフォームをプラスすることで、下記でご紹介するようなメリットを得られます。
入居者様の顧客満足度を高める原状回復工事とリフォーム

賃貸経営において安定した収益を得るためには、なんといっても入居者様の顧客満足度を最優先に考えなければなりません。
賃貸マンションにおける顧客満足度は「入居者様の暮らしやすさ」や「生活の快適さ」という言葉に置き換えられます。顧客満足度を高めることで、後に解説する空室対策や家賃下落リスクの緩和にも繋がります。
原状回復の際に古いエアコンをそのままにしたり、明らかに古い仕様の浴室設備を交換せずにいると、値引き交渉が入る場合や、せっかく入居者様が決まっても住み心地がいまいちという印象を持たれてしまう可能性があります。
顧客満足度を高めるためには、日頃から入居者様の声に耳を傾けたり、周辺の賃貸事情を把握しておくことをおすすめします。人気の設備にはどのようなものがあるか、どうすれば快適に暮らしてもらえるかを考えることが、賃貸経営で成功するためには非常に重要です。
「賃貸経営はサービス業である」という意識を持つことで、より部屋を借りる人の目線で原状回復やリフォームについて考えられるようになります。
空室対策につながる原状回復工事とリフォーム
リフォームにより入居者様の顧客満足度が高まった賃貸マンションは、退去の頻度が減ることにより空室率が低くなるという特徴があります。
原状回復時に古い設備や内装を「まだ使えるから」という理由でそのままにしてしまうと、新しい入居者様が決まったとしても早期の段階で物件に対する不満が出てくるようになり、一度も更新することなく退去してしまうという可能性もあります。
逆に室内が綺麗で設備も新しいものであれば、快適な住み心地が長期間続くため退去の頻度を減らせるということです。しかし、過剰な設備投資は不要です。
例えば、空室が発生した場合でも、必要最低限のリフォームを合わせておこなっておくことで、追加工事の費用を抑えながら、近隣の物件よりも優位な立場で入居者募集ができ、空室期間を最小限に抑えるような取り組みがいいでしょう。
賃貸経営で安定した収益を得るためには、利益の創出機会の損失に直結する空室の発生を極力抑えなければなりません。空室対策には大きく分けて「入居者募集対応」・「賃貸仲介対応」・「管理対応(入居者・建物管理)」・「設備・工事対応」という4つの対策があります。原状回復時のリフォームは、この4つのうちの管理対応と設備・工事対応の2つを満たしてくれます。
家賃下落リスクを緩和できる原状回復工事とリフォーム
建物は経年劣化により資産価値が低下するため、家賃も少しずつ下落していくというのが一般的な考えです。単なる原状回復工事だけでは、大きな破損はないもののなんとなく古いデザインの壁紙が貼られていたり、古い型のエアコンで空調効率が悪かったりと、新しく借りる部屋としてはいまいち魅力に欠けます。
近隣の物件として魅力的だと思われる要素がない物件は、家賃を下げなければ新しい入居者様を入れることも難しくなってしまいます。つまり原状回復工事を行うだけでは、資産価値の減少に抗うことはできないのです。
リフォームを行うことで、家賃の下落スピードを緩和できます。劣化した部分を修繕したり、設備を最新のものに交換したり、ニーズのある設備を導入することで、築年数が経っていても住みやすい物件として貸し出すことが可能になります。
そればかりかリフォーム工事の内容によっては、リフォーム前の部屋よりも賃貸需要のある居室に仕上げることもできるため、家賃アップすることも不可能ではありません。
また、リフォームや設備投資を検討すべきタイミングについては、以下の記事をご参照ください。
アパート経営で設備投資やリフォームする理由とは?ミニマム投資の秘訣
マンションの原状回復工事にミニマムリフォームをプラスして成功した事例
原状回復工事と合わせてリフォームを行うことで、賃貸経営を有利に進められるということを解説してきました。ここからは実際にミニマムリフォームをプラスすることにより成功した、賃貸経営の4つの事例をご紹介します。
区分マンションを原状回復時にプチリフォーム

築年数の経過による家賃の下落にお悩みだったこちらのお部屋は、リフォーム完成後すぐに入居が決まり、家賃も55,000円から60,000円にアップを果たしました。
コンセプトは「自転車通勤しているおしゃれな男性社会人」。賃貸部分が1階で、かつ渋谷まで自転車で10分という立地を生かし、大がかりなリフォームではなく低予算でおこなえるプチリフォームを選択されました。
大理石風クッションフロア・アクセントクロス・ダウンライトを採用することで、シックでモダンな雰囲気を演出。見事ターゲットとしていた社会人男性にお借りいただき、なかなか埋まらず苦労していた空室の解消に成功した事例です。
改善事例:ちょっとしたアクセントが効果てきめん!プチリフォームで賃料アップ
給湯器修理の早期対応でトラブルを防止

一棟マンション投資をされているこちらのオーナー様からは、入居者様が安心して暮らせるマンションを目指したいということで、全入居者様への不満点のヒアリングと対応を依頼されました。
ヒアリング実施の結果、給湯器の不具合があるお部屋があることが発覚。ほかのお部屋でも同様のトラブルが発生している可能性もあったため、一棟全戸の訪問と点検・修理を実施いたしました。トラブルを事前に防止できたことで、入居者様の顧客満足度向上に繋がった事例です。
賃貸管理会社も日常的に入居者管理や建物管理をおこなっていますが、オーナー様自らのご提案やご協力があると、より先回りした対策が可能になります。
改善事例:早期対応により入居者様の不満を満足に変える入居者管理と建物管理!
限られた予算でマンションリフォーム実施。半年で満室を達成

会社の寮として一棟借上契約をしていた賃貸マンション、突然解約されてしまったとお困りだったオーナー様。全36部屋が一度に空室になってしまったため、早急に内装工事をおこない入居者様を募らなければいけませんでした。
36部屋も一度に工事を行うとなると相当な支出が伴います。そのため営業店舗と管理部門のスタッフが連携し、限られた費用の中で満室へつなげる、入居者ニーズの高いリフォームを優先順位をつけて、必要最小限に抑えて実施することになりました。実際におこなった工事はTVモニターインターホンの設置やアクセントクロスの敷設など。かかった費用は1部屋平均16万円程度です。
一度は、36部屋あった空室が半年で満室となり、オーナー様にも大変ご満足いただいた事例です。
改善事例:36部屋の1棟借上が解約に!東都さんどうしたらいい?に応えて満室経営
入居者ニーズを反映した宅配ボックスで選ばれる物件に

築8年のこちらの一棟マンションは、ご相談時でも既に需要の高い室内設備はほとんど揃っている状態でした。しかし通販の利用頻度が増加により宅配ボックス付きの物件が人気を集める中、こちらの物件には宅配ボックスがありませんでした。
より入居者ニーズに応える物件にするため、共用部の一部に宅配ボックスを設置。その後当物件にお申込みいただいたお客様が決め手として挙げたのが、「宅配ボックスがあること」だったのです。
築年数が経った物件だけでなく比較的新しい物件であっても、入居者様のニーズをいかに満たすかを考えることで、賃貸経営をより有利に進めることが可能になります。
改善事例:物件比較時に選ばれる決め手!入居者ニーズを反映した宅配ボックス!
また、空室の原因を解決し、満室経営につながる戦略的なリフォームについては、以下の記事をご参照ください。
不動産投資成功の鍵はリフォームにある! 戦略的なリフォーム投資で資産価値向上を
満室経営にする賃貸経営リフォームとは? 4つのリフォーム事例を紹介
空室の原因を解決する『4つの空室対策』とは?14種類の手法を徹底解説!
まとめ

マンション投資を行うオーナー様にとって、原状回復工事は避けられない取組の一つです。そして投資という観点からは、原状回復のタイミングでリフォームやリノベーションをおこない、居室をよりきれいで快適な空間にすることで物件の価値を高めることも有効です。
物件の価値を高めることで空室の発生を最小限に抑えるだけでなく、場合によっては家賃を上げて収入を伸ばすことも可能になるからです。
コストパフォーマンスの高い原状回復工事やリフォーム・リノベーションを行うためには、経験や実績の豊富な賃貸管理会社に任せることが重要です。
【リロの不動産】は原状回復をはじめとした建物管理はもちろん、入居者様の管理や募集なども一貫してサポートしております。お持ちの投資用物件の収益性を高めたいなら、ぜひ一度【リロの不動産】にご相談ください。
関連する記事はこちら
【マンション経営入門】失敗から学ぶマンション経営成功のポイント
マンションオーナーで成功するには?仕事内容とメリット・リスクを確認!
マンションの修理・修繕内容とは?賃貸経営におけるトラブル防止の対応方法
【事例付き】原状回復とリフォーム費用を解説! トラブル回避と収益改善
賃貸住宅の原状回復とは? トラブルになりやすい費用負担の考え方
満室経営にする賃貸経営リフォームとは? 4つのリフォーム事例を紹介
賃貸用物件の工事トラブルを防止!入居者満足度を高めるアパート経営
【事例付き】アパート経営の修繕と費用相場!収益を生み出す修繕内容
おすすめのサービス
おすすめのお役立ち情報
この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。
