不動産投資は誰に相談する? 損をしないための準備と売却・相続事例から学ぶポイント
2026.01.01
はじめての不動産投資には、さまざまな不安があるものです。運用をスタートしてからも、思わぬ事態に遭遇して悩むことがあることでしょう。そんなとき相談できる相手がいると分かっていれば、安心して不動産投資にチャレンジできるし、安定した賃貸経営ができるのではないでしょうか。
この記事では、不動産投資に関する主な相談先と、よくある相談事例、不動産投資の入り口になる不動産投資会社の見極め方について解説します。
▼この記事の内容
●不動産投資のよくある相談相手としては、不動産投資・不動産売買会社、不動産投資の先輩、不動産投資系インフルエンサー、大家の会(オーナーズクラブ)、ファイナンシャルプランナー(FP)、税理士、信託銀行、行政書士などがいる。
●収益不動産の相続の相談相手としては、弁護士、司法書士、税理士、不動産会社がいる。
●不動産投資を相談する際に準備・整理しておくべきものとしては、投資目的・投資目標、年収、自己資金、物件情報などの資料、描いているプラン、などがある。
●不動産投資について相談するメリットとしては、セカンドオピニオンになる、専門的な知識を効率よく学べる、自分では気づかない視点を提案してくれる、などがある。
●信頼できる不動産会社を見極める視点としては、実績があるか、賃貸管理や入居者募集にも対応しているか、リスクも含めた説明をしてくれるか、契約を急かしていないか、などがある。
目次
不動産投資のよくある相談相手
不動産投資に関する悩みごと・困りごとは千差万別です。的確なアドバイスを受けられるよう、どこに(誰に)どのような相談ができるのかを把握しておきましょう。ここでは、不動産投資でお悩みの方が選ばれる7つの相談相手について解説します。
● 不動産投資・不動産売買会社
● 不動産投資の先輩
● 不動産投資系インフルエンサー
● 大家の会(オーナーズクラブ)
● ファイナンシャルプランナー
● 税理士
● 信託銀行
● 行政書士
不動産投資全般については、以下の関連記事をご参照ください。
失敗しない不動産投資の秘訣とは?メリットとリスクを徹底検証!
不動産投資ローンと住宅ローンの違い!審査基準や注意点を徹底解説
あなたにおすすめの不動産投資はどれ? 成功ポイントを徹底解説
【必読】不動産投資の初心者向けに基礎知識を網羅!注意点も徹底解説
【種類別】収益物件からみた不動産投資の特徴!購入時の確認ポイント
【事例付】中古マンション投資のメリットとリスク!注意点と対策まで徹底解説
不動産投資・不動産売買会社
収益用物件を購入する際、その窓口となるのが不動産投資会社です。仲介のみを行う会社では物件引渡しまでのつきあいとなりますが、購入後の入居付けや物件管理など賃貸経営のサポートをしてくれる会社もあります。
さらに相続や資産運用の相談にも対応できる会社など、内容はさまざま。定期的にセミナーを開催している会社も多く、「すぐにでも不動産投資を始めたい」という方はもちろん、「将来的にチャレンジしてみたい」「ちょっと興味がある」という方の学びの場としてもおすすめです。いくつかのセミナーに参加して、自分と相性の良さそうな不動産投資会社を選んでみてはいかがでしょうか。
なお、いうまでもありませんが相手はボランティアではなく商売です。無料セミナーには潜在客発掘の目的もあります。「セミナー後にしつこく営業された」という話もよく聞かれるので注意してください。信頼できる不動産投資・不動産売買会社の見分け方については、本記事の後半で解説します。
不動産投資の先輩
不動産投資の経験者が身近にいる場合は、本人から直接リアルな体験談を教えてもらうとよいでしょう。不動産投資を始めたきっかけ、不動産投資会社とのやりとり、購入を決めたポイント、金融機関の選び方など、参考になることがたくさんあるはずです。成功したことだけでなく失敗や反省なども聞くことができれば、同じ轍を踏まずにすむでしょう。
ただし、年収や資産状況、投資の目的などは人によって異なるため、欲しいアドバイスが得られない可能性や、あなたにとって最善ではない場合もあります。また、意見に偏りがあったり不確かな情報であることもあるため、全部を鵜呑みにしないよう注意が必要です。
話を聞いたからといって、その先輩と同じ道を進む必要はありません。あくまでも参考程度にとどめ、教えてもらった情報については自分なりに吟味するようにしてください。
不動産投資系インフルエンサー

不動産投資系インフルエンサーも相談先のひとつになります。SNSやブログ、動画配信サイトなどで不動産投資のノウハウを発信し、人気を集める方たちです。目標にしているインフルエンサーがいる方も多いのではないでしょうか。オンラインサロンなどのコミュニティを形成しており、投資家同士の交流ができることも魅力のひとつです。
ただし、不動産投資系インフルエンサーの中には「成功者」をブランディングしているケースもあります。「家賃収入○○万円」と謳っていてもローン返済前の額だったり、「資産○億円」といってもほとんどが負債だったりすることもあるので注意が必要です。
また、インフルエンサーが提供する情報がすべて正しいとはかぎりません。不動産会社からギャランティをもらって情報を発信しているケースもあります。憧れの存在とはいえ妄信しないことが大切です。
大家の会(オーナーズクラブ)
大家の会は不動産賃貸業を営んでいるオーナー様を中心としたコミュニティで、オーナーズクラブとも呼ばれています。すでに不動産投資を行っているオーナー様はもちろん、これから不動産投資を始めたい方や相続で親の不動産を引き継いだ方なども集まっている会です。
賃貸経営にまつわる貴重な情報が得られたり、不動産会社や金融機関を紹介してくれたりもします。同じ賃貸経営を行うオーナー様との人脈を広げられるメリットがあり、情報交換ができるのも入会するメリットです。
ただし、大家の会では不動産投資会社に紐付いた収益目的のイベントを開催していることや、マージンを取っているケースが散見されるため、利用する際は内容をよく見極める必要があります。
ファイナンシャルプランナー(FP)

お金の悩みや疑問について相談するなら、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するという手もあります。現在の収支は適切か、家計にムダがないかなどを相談すれば、投資にあてる資金を捻出できる可能性が広がります。購入しようとしている物件が自分に合っているかも、収支シミュレーションをもとにアドバイスしてくれます。
本来、お金について中立的な意見を期待できる存在ですが、日本では独立した第三者の立ち位置で活動しているファイナンシャルプランナーはそれほど多くありません。不動産会社や保険会社などと提携して、その企業の商品を薦めることもあるので注意してください。また、不動産に特化しているわけではないので、物件購入の見極めなどは別の専門家への相談が必要です。
税理士
不動産投資と税金は切っても切れない関係です。物件購入時には不動産取得税、所有する間は固定資産税や都市計画税、売却時には譲渡所得税、相続時には相続税など、多額の税金が発生します。少しでも負担を少なくするには、税金のプロフェッショナルである税理士に相談するのが一番です。
また、不動産投資を始めると確定申告の義務が生じますが、税理士に依頼すれば手間がかかりません。税理士を味方につけることで、安心して不動産投資を行えるでしょう。
ただし、税理士にも得意・不得意があります。税理士は税金のプロですが不動産投資のプロではありません。相談する前に不動産投資への知見があるかどうかを確認してください。自分でも不動産投資の経験があるか、顧客に不動産投資家がいるか、不動産関連のご紹介をよく受けているかなどを尋ねてみることをおすすめします。
信託銀行
信託銀行とは、通常の銀行業務に加えて「信託業務」と「併営業務(へいえいぎょうむ)」を行う金融機関です。信託業務は、個人や企業から信託を受けた財産を定められた目的にしたがって受益者のために管理・運用することをいいます。
また、併営業務では、遺言書の保管や遺言執行業務などの相続関連、企業の株主名簿を管理するなどの証券代行業務、不動産売買の仲介業務などを行います。なお、併営業務は信託兼営(しんたくけんえい)の金融機関でしか行えない業務です。
信託銀行での融資相談は、専門の不動産投資アドバイザーがいることもあり、話が早いというメリットがあります。
行政書士
行政書士には不動産投資そのものの相談というより、賃貸経営にまつわる書類の作成や手続き全般を依頼するイメージです。さらに、不動産投資に詳しい行政書士に出会えれば、安心しておまかせすることができるでしょう。
相続のよくある相談相手
相続の発生により、突然、収益物件を相続した場合は、誰に相談すればいいのか分からないのではないでしょうか。相続の手続きは多岐にわたるため、各分野の専門家やコーディネーター役が必要になります。主に以下で解説する士業や、不動産会社に相談するのが一般的です。
相続に関連する記事は、こちらをご参照ください。
認知症の親御さんの不動産を売却する際の注意点!成年後見制度と売却の流れ
ご生前に行う相続税対策とは? 賃貸不動産の認知症・遺産分割・節税・納税資金対策
相続税を抑える決め手は?不動産評価制度の仕組みと注意点を解説
知っておくべき相続税対策! 不動産を活用した節税の仕組みを解説
不動産売却時の税金を無料相談!譲渡所得税の基本知識と相談先の選び方を解説
弁護士

不動産の相続でトラブルが起こっていたり、調停や裁判に発展することが予想されたりする場合には、弁護士に依頼するのが賢明です。不動産は等分に分割するのが難しく、共有で相続した場合は管理の方針や家賃収入の配分などで争いになり、相続人同士で意見が合わないケースも珍しくありません。
親しい親族間でのトラブルはこじれると問題が長期化し、修復が難しくなる場合もあります。弁護士に法的な視点から解決策を提示してもらい、納得したうえで遺産分割協議や相続放棄などの手続きを進められると、不要なトラブルも避けられます。
法律的に紛争を解決できるのは、弁護士のみです。弁護士以外が行うと非弁行為になるため、争いが起きやすいことが予想されるのであれば、弁護士に相談してみてください。
司法書士
司法書士は、不動産登記の専門家です。相続が発生した際は、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する「相続登記」の手続きが必要になります。以前は相続登記を申請する義務はありませんでしたが、2024年4月の法改正で義務化されました。
相続登記が完了していない物件では、家賃を受け取れない可能性があります。被相続人の死亡を金融機関が把握すると、家賃が振り込まれる口座が凍結されることがあるため、相続人が賃貸経営を引き継ぐ場合は速やかに相続登記を済ませる必要があります。
司法書士は遺言書に関する手続きの支援や相続放棄、成年後見などの手続きについても相談に応じます。相続が発生した際の各種手続きや疑問点は、まず司法書士に相談するとよいでしょう。
税理士
相続財産の調査や評価、遺産分割協議書の作成や相続税の申告が必要になるケースでは、税理士に相談するのがおすすめです。相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲内であれば、相続税を支払う必要がなく、税理士に依頼する必要はありません。
アパートや賃貸マンションなどの収益物件を所有しているオーナー様の場合は、課税遺産総額が基礎控除額を超えるケースが多くあります。相続税の計算は複雑で難しい面があるため、申告ミスを防ぐためにも税理士に相談するのがおすすめです。
また、不動産投資そのものに詳しい税理士に相談すれば、相続後の賃貸経営においても節税などで適切なアドバイスをもらえるでしょう。
不動産会社

相続した不動産を売却するのが前提ならば、当該不動産の査定や相続後の売却などで相談できるのが不動産売買の仲介を担当する不動産会社(宅地建物取引業者)です。
賃貸経営を行う場合、管理業務を任せられるのは賃貸管理会社です。不動産会社の中には、仲介業務と管理業務を兼任しているところもあります。被相続人が管理を依頼していた賃貸管理会社があれば、まずはそちらに相談してみるのもいいでしょう。
相続後に売却するにしても、賃貸経営を継続するにしても、相続に精通した会社であれば、コーディネーター的存在になってくれます。不動産会社は各士業とも提携しているケースも多いため、必要に応じて紹介してもらえるでしょう。
不動産投資でよくある相談事例・Q&A
ここからは、不動産投資でよくある相談事例を紹介します。主な5つの相談をQ&A形式にまとめたので参考にしてください。
Q1.自己資金はいくら必要か?

A1.物件の種類、築年数、投資家の属性、金融機関の融資姿勢などによって異なりますが、一般的には物件価格の1~3割の自己資金が必要といわれています。不動産購入時には、物件価格のほかに登記費用や印紙代、仲介手数料などを現金で用意しなくてはなりません。諸費用の目安は、新築で物件価格の3~7%、中古は6~10%ほどです。
頭金の目安は金融機関によって異なりますが、物件価格の2割程度あると融資審査にとおりやすい傾向にあります。フルローンが組めるケースもないわけではありませんが、その分リスクが高くなるので、投資経験のある方以外は避けたほうがよいでしょう。
賃貸経営がスタートしてからは、家賃収入がローンの返済や維持費の原資になります。ただし、思うように入居付けができず、しばらく家賃収入が得られないということも考えられます。物件購入に自己資金の全額を使い果たしてしまっては、生活費などから支払いを続けなくてはなりません。事業資金として、ある程度のお金は手元に残しておくようにしてください。
Q2.不動産投資を始める年収の基準はあるか?
A2.金融機関が評価する投資家の属性のひとつに「本業の年収」があります。賃貸経営が不調になったときも、本業の収入からローン返済が継続できるだろうという理由からです。年収の基準は、一般的に「区分マンションで年収500万円以上」「一棟もので年収1,000万円以上」といわれています。
ただし、金融機関の姿勢、投資家の保有する金融資産額、不動産投資の経験の有無などによっても異なります。個人の年収が低くても世帯年収が基準を超えていたり、担保にできるご自宅を保有されている場合は、審査に通る可能性が上がります。融資審査に通るかどうか不安な方はお金をしっかりためて、十分な自己資金があることをアピールするとよいでしょう。
なお、購入しようとしている物件も審査対象になります。「担保価値が低い」「返済比率が高い」などの理由で融資を断られるケースがあるので、注意してください。返済比率とは「年収に占める年間返済額の割合」のことで、不動産投資においては「家賃収入に対するローン返済額の割合」を表します。返済比率が低いほど投資の安全性は高くなるため、50%以下を目安に物件を選ぶようにしましょう。
Q3.おすすめの金融機関はあるか?

A3.不動産投資に前向きな金融機関と、あまり積極的ではない金融機関があります。不動産投資会社が紹介してくれる金融機関は融資に前向きであり、比較的有利な条件でローンを組める可能性があるので、相談してみるとよいでしょう。また、投資家の属性や購入しようとしている物件の資産価値などによっても利用できる金融機関が違ってきます。
現在、不動産投資ローンを可能とする主な金融機関は以下のとおりです。年収別に利用できる金融機関をまとめたので、参考にしてください。

Q4.新築と中古、どちらがよいか?
A4.自分で住むのなら新築を選ぶ方が多いでしょうが、投資として考える場合は目的によって選ぶべき物件が違ってきます。例えば、数万円でも家計にプラスになればいいのか、将来に向けて資産形成をしたいのか、現在の納税額を抑えたいのかなど、投資に期待することは人それぞれです。
資産状況によっては購入できる物件もかぎられるため、どちらがよいかは一概にいえません。新築と中古それぞれの主なメリット・デメリットを以下に簡単にまとめますので、自分が選べる物件・選ぶべき物件の判断材料にしてください。

Q5.一棟ものと区分マンション、どちらがよいか?
A.どちらにも、メリット・デメリットの両方があります。
一棟アパートや一棟マンションのような一棟ものは、空室リスクを分散できるのが大きなメリットです。もし、空室が発生しても、残りの部屋の家賃収入である程度は空室分をカバーできるため、収益のダメージを最小限に抑えられます。
規模が大きい分、利回りも高くなる傾向があり、資産形成を大規模に行えます。ただし、初期費用が高額になり、融資の審査が厳しいのはデメリットです。
区分マンション投資では購入するのがマンション1室だけであるため、比較的少額からでも投資を始められます。物件の価格とオーナー様の資金状況によっては、ローンを利用しなくても購入できる可能性があります。
しかし、1室だけしか所有していない場合、空室が発生すると家賃収入はゼロになるため、一棟ものに比べると空室のダメージが大きいのはデメリットです。不動産投資では空室であっても最低限の維持費がかかるうえ、ローンを利用している場合は返済も必要です。利回りも一棟ものに比べると低めになっています。
Q6.物件の管理はどうすればよいか?

A5.物件の管理方法には、オーナー様が自らが管理を行う「自主管理」と、賃貸管理会社に管理業務を委託する「管理委託」の2種類があります。どちらかに決める前に管理業務について理解しておく必要があるでしょう。賃貸物件の管理業務には、次のようなものが含まれます。
【入居者管理】ヒトの管理
● 入居者募集・審査
● 契約書の作成と契約締結の仲介業務
● 家賃回収
● 入居者様からの問い合わせ・クレーム対応
● 退去時の立ち会い など
【建物管理】建物やお部屋の管理
● 原状回復工事の手配
● 共用部分の清掃や修繕
● 共用設備の点検・修理・交換
● 大規模修繕工事の計画・実施
● 室内リフォーム など
ざっと並べただけでもかなりの仕事量であり、専門的な知識を要するものも多数あります。管理委託では家賃収入の3~5%程度の手数料が毎月発生しますが、賃貸運営の専門知識を持つプロに管理を任せられるという安心感から、ほとんどのオーナー様が管理委託を選択しています。
Q7.物件はいつ売却するべきか?
A7.不動産投資では、所有している収益物件をいつ・どのように売却するのかを「出口戦略」と呼び、キーポイントとしています。売却時期として適切なタイミングのひとつとして、不動産市場の動向が好調な時期があります。不動産価格が上昇していれば、キャピタルゲインを得ることも可能です。
所有期間によって判断するケースもあります。売却時に譲渡所得が発生すると譲渡所得税が課税されますが、譲渡所得税は譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下か、5年を超えるかで税率が変わります。5年以下だと短期譲渡所得で、税率は所得税・住民税・復興特別所得税を合わせて39.63%です。5年を超えると長期譲渡所得となり、税率は20.315%のため、5年を超えてから売却したほうが節税になります。
売却と出口戦略については、以下の関連記事もご参照ください。
一棟マンションの売却は価格上昇局面が鉄則!不動産市況と出口戦略も解説
【保存版】不動産投資の損益分岐点で着目するポイントは運用と売却!
収益物件を高値で売却する秘訣と注意点|出口戦略の立て方も解説!
投資用マンションの売却時期は?出口戦略を見据える高値売却ポイント
【事例付】アパート売却の流れと売却時期の見極め方!相続時の注意点も解説
【事例付】一棟アパート売却の成功術!売却時期と諸経費・税金を解説
不動産投資を相談する際に準備・整理しておくべきもの
不動産投資について相談する際は、相談したい内容が伝わるように準備しておく必要があります。具体的には以下で解説する「投資目的・投資目標」をはっきりさせておくこと、「年収、自己資金、物件情報」が分かる資料、オーナー様が「描いているプラン」の3つです。
投資目的・投資目標

不動産投資の第1段階は投資目的や投資目標の設定です。不動産投資をする目的には節税や相続税対策、老後に備えるための資産形成、キャッシュフローの獲得など、オーナー様によって違いがあります。目的によって選ぶべき物件の種類や規模、投資の方法などが異なるため、目的をしっかり定めておくことが重要です。
例えば、節税を目的とするのであれば築古の一棟アパートを購入し、減価償却費を多く計上して損益通算すると効果があります。将来的な老後の備えとして投資するのなら、法定耐用年数が長く、長期・安定的に収益を生む物件を選んだほうがいいでしょう。
目的に合わない物件を選んでしまうと、資金を増やすどころか、かえって損失を出してしまう懸念もあります。そもそも、漠然と不動産投資がしたいと相談されても、相談される側は適切な答えが出せません。
不動産投資の相談をする際は、目的とともに「毎月数万円の副収入を得たい」、「将来大きな資産を遺したい」のように具体的な目標も決めておくと、道筋を定めやすくなります。
投資目的や投資目標に関連する内容については、こちらもご参照ください。
【必読】不動産投資・賃貸経営の目的が明確なほど成功確率が上がる理由
不動産投資は難しい?向いている方の目的や属性から分かる特徴とは
収益物件の買い方!不動産投資の物件購入は目的設定と情報収集が重要な理由
年収、自己資金、物件情報などの資料
投資対象となる不動産は、基本的に高額です。区分所有マンションや戸建て賃貸住宅1戸であれば、自己資金だけでまかなえる方もいるかもしれませんが、多くは金融機関の融資を受けて投資を開始します。ただし、融資を受けるにしても、いきなりフルローンを受けるのは難しく、ある程度の自己資金が必要です。
不動産投資で利用できるローンは、事業用の不動産投資ローンです。オーナー様本人の収入や資産状況、属性などが審査の対象となるため、申し込みに備えて事前に年収や自己資金が分かる資料を用意しておきましょう。
事業用の不動産投資ローンは、一般的な住宅ローンとは審査項目に違いがあり、物件の収益性や事業性も重視されるのが特徴です。そのため、オーナー様の個人属性の情報のほか、物件の概要書やレントロールといった、候補となる物件の詳細な情報が記載された資料も用意する必要があります。
関連記事は、こちらもご参照ください。
投資用マンションの基本! 保有戸数別の収益と不動産投資の成功ポイント
アパート経営の年収と暮らしとは?アパート経営の収入を上げる方法
【徹底解説】不動産投資の利回り計算! 賃貸経営を成功に導く指標とは
描いているプラン

専門家に不動産投資の相談をする前に、オーナー様なりの投資計画を描いておくようにしましょう。不動産は多額の金額が動くこともあり、人生設計との兼ね合いも考えなければなりません。
賃貸経営をしていくうちに予期せぬ事態が起こることもあり得ますが、予想ができる変化はあらかじめ投資計画に反映させられます。若い世代ならば、結婚や出産、子どもの教育などのライフイベントごとにまとまった支出が想定できます。
例えば、子どもが1人なのか、複数人いるのかによって、教育にかかる費用も違ってくるでしょう。子育てに見通しがついている世代でも、定年後にリタイアしたいのか、再就職する予定なのかによって、資金計画は違ってくるはずです。
自分や家族の今後のライフイベントについて具体的にイメージし、まとめておくことが重要です。いつまでにどのくらいの資産を築きたいのか、どのタイミングでどのくらい支出がありそうかなどを明確にしておくと、長期的な目線で投資計画を立てられます。
不動産投資について相談するメリット
不動産投資は物件を購入する前の準備段階から、最終的に売却するまで、さまざまな判断をしなければなりません。その判断を誤らないためにも、専門家に相談するのがおすすめです。不動産投資について相談するメリットとして、3つのメリットを紹介します。
セカンドオピニオンになる
不動産投資会社や不動産販売会社以外に相談すると、セカンドオピニオンになるのがメリットのひとつです。
収益物件を提案する不動産投資会社は、当然ながら当該物件のメリットを強調するでしょう。ただし、紹介してくれる物件がオーナー様の資産状況や人生設計に合っているとはかぎりません。扱っている物件が、その会社が得意とするタイプに偏っている可能性もあります。
複数の会社に相談したり、別分野の専門家に相談してみたりすると、多角的な視点で投資物件を見定めることが可能です。詳細にシミュレーションすると収益が出ない「投資不適格案件」であったり、最悪の場合は「詐欺案件」であったりすることも判明します。
専門的な知識を効率よく学べる
不動産投資を始めるときは、物件の選定や資金の問題、賃貸経営で大事なポイントなど、分からないことばかりであっても、各分野の専門家や投資経験者に相談することにより、不動産投資に関する専門的な知識を効率よく学べます。
例えば、税理士に相談すれば、不動産投資にまつわる税金の問題について専門的な知識を得るのに役立ちます。不動産投資に詳しい税理士ならば、不動産に特化した税金の知識を効率よく学べます。
将来の人生設計とも連動して投資を考えたいというのであれば、ファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめです。ライフステージに応じた投資の考え方について、知るきっかけになるでしょう。
不動産投資では想定外の事態が発生したり、こうすればよかったという反省点が出てきたりなど、やってみてはじめて直面することもあります。投資経験者ならば、実際に不動産投資を行っている方ならではの実情を聞くことが可能です。
不動産投資の学習には、以下のサイトがおすすめです。
自分では気づかない視点を提案してくれる

専門家に相談すれば不動産投資について理解を深め、専門知識を蓄積できるのはもちろん大きなメリットでしょう。しかし、単に知識を得るだけにとどまらず、誰かに相談したことがきっかけで、視点が変わることもあります。
専門的知識ではなくても、各分野の専門家や不動産投資経験者の話を聞いているうちに、自分では意識していなかった視点に気づかせてもらえる可能性もあります。
自分の現状を客観的に把握できていなかったことにより、投資対象として適切な物件を選べていなかったということもあるでしょう。区分マンション投資しか検討していなかったとしても、実は一棟ものに投資したほうがよいと気づくこともあるかもしれません。
誰かのちょっとしたアドバイスが気づきにつながり、投資計画が大きく変わる可能性もありえます。「相談」というプロセスを経て、不動産投資の具体的なイメージを描けるようになることもあるのです。
信頼できる不動産会社を見極めるポイント
不動産投資の総合的な相談先となるのが不動産投資会社です。しかしながら、良質な会社でなければ不動産投資は成功しません。信頼できる不動産会社を見極めるために、少なくとも以下の4つのポイントを押さえるようにしてください。
● 実績があるか
● 賃貸管理や入居者募集にも対応しているか
● リスクも含めた説明をしてくれるか
● 契約を急かしていないか
関連記事は、こちらもご参照ください。
賃貸経営を成功に導く不動産管理とは? 信頼できる管理会社の選び方を解説
賃貸管理会社の探し方と6つのポイント!賃貸経営の収支を握る管理とは
【必読】賃貸管理会社の選び方!運用益と出口戦略を見据える賃貸管理
【賃貸管理会社】大手と地域密着型のどっちがおすすめ?管理会社の選び方
賃貸管理会社の選定基準は手数料の安さか、収益性を高める管理か
管理会社の変更はあり?賃貸経営安定化のためにオーナー様がなすべきこと
実績があるか
まずは不動産投資会社のWebサイトを検索してください。Webサイトのない会社がすべて怪しいというわけではありませんが、なるべくなら選択肢から外すことをおすすめします。
会社のWebサイトが見つかったら、業歴、販売実績や管理戸数・仲介実績などをチェックしましょう。業歴が長く取引件数が多い会社は、豊富なノウハウとお客様の信頼を蓄積している会社といえます。「お客様の声」も重要なチェックポイントのひとつです。ポジティブな感想だけでなく、クレームなども掲載されている会社のほうが信頼できるのではないでしょうか。
Webサイトだけでなく、ネット上でクチコミを検索するとより確実です。また、「区分マンションしか扱っていない」「一棟投資のみ」といったように会社ごとに対応範囲が異なるため、どのような物件を取り扱っているかも確認してください。
賃貸管理や入居者募集にも対応しているか
物件を購入する不動産投資会社とは別に、管理委託する賃貸管理会社を選ぶ必要がありますが、はじめから購入後のフォローまで、賃貸経営に必要な対応を全てしてくれる会社を選べば手間がかかりません。
ただし、会社によって業務の範囲や内容が異なるため、どこまでフォローしてくれるのかはきちんと確認しておきましょう。理想は購入から賃貸管理、経営サポート、売却まで一気通貫で対応してくれる会社です。
賃貸経営が成功するかどうかは、賃貸管理会社によって決まるといっても過言ではありません。安定した経営を行うために、『4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)』を意識している会社を選ぶようにしてください。
リスクも含めた説明をしてくれるか

どのような方法でも投資にリスクはつきものです。不動産投資には主に次のようなリスクがあります。
● 空室リスク、家賃滞納リスク:想定していた家賃収入が得られない
● 老朽化リスク:老朽化により建物の資産価値が下がる
● 修繕リスク:建物や設備の不具合・故障で予定外の修繕費がかかる
● 自然災害リスク:台風や地震などで建物が被害をうける
● 金利上昇リスク:金利の上昇によりローンの返済負担が増える
こうしたリスクがあることを伝えず、メリットばかりを並べる不動産投資会社には注意してください。予想されるリスクやデメリット、さらに具体的な対策まで説明してくれる会社を選ぶようにしましょう。
一見良さそうな物件でも、意外なリスクが隠れている可能性があります。購入してから「こんなはずではなかった…」と悔やむことがないように、不安や疑問は遠慮せずに質問し、納得するまで説明してもらうことが重要です。
契約を急かしていないか
担当者が成績稼ぎに走り、物件を売りたいばかりに無理に契約を急がせるケースもあります。こうした不動産投資会社はお客様のことを考えていないので避けたほうがよいでしょう。特に「絶対に稼げます」「確実に儲かります」などの営業トークには要注意です。以下のとおり、宅地建物取引業法では「絶対」「確実」といった断定的表現を禁止しています。
第四十七条の二 宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。
ほかにも「掘り出し物」「早い者勝ち」などといって契約を急かすケースがあります。とはいえ、一般的な住居の住宅もそうですが、本当に魅力的な収益物件はすぐに売買が完結します。投資に期待する効果は人によって異なるため、中には自分にとってのよい物件があることも事実です。
大切なことは、判断基準を明確にして置くことです。自分に最適な物件を手に入れ易くするために、あらかじめ条件を明確にして判断基準をクリアにしましょう。条件が明確なほど、有益な情報も集まりやすくなります。
まとめ

不動産投資の相談は、まずは購入先である不動産投資・不動産売買会社にすることになります。世の中には数多くの不動産投資会社が存在しますが、どこでもいいというわけではありません。会社のWebサイトなどを確認して、自分に合う会社を選ぶようにしてください。
仲介・販売業務だけでなく、購入後のフォローをしてくれる会社が望ましいです。賃貸管理や賃貸経営全般についても相談できるかを確認しましょう。
相続によって収益物件を取得した場合は、相談したい内容に応じて弁護士や司法書士、税理士などに相談すると適切なアドバイスをもらえます。誰かに相談することにより、自分では気づかない視点を得ることもできるでしょう。
【リロの不動産】は、物件選びにはじまり空室対策に強い賃貸管理、出口戦略のアドバイスなど、賃貸経営のトータルサポートが可能です。そのほかにも資産活用・相続・節税対策など、不動産に関するお悩み全般に対応できます。お困りの際は、おひとりで悩まず、ぜひお気軽に【リロの不動産】にお問い合わせください。誠心誠意、伴走させていただきます。
関連する記事はこちら
【必読】不動産投資の初心者向けに基礎知識を網羅!注意点も徹底解説
不動産を相続するには誰に相談すればよいのか? 相続手続きの期限も解説
不動産投資のリスクとは? リスクを正しく認識すればヘッジはできる
おすすめのサービス
おすすめのお役立ち情報
この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。
