一棟マンションの売却は価格上昇局面が鉄則!不動産市況と出口戦略も解説

2026.01.01

近年は、ビジネスパーソンとして働きながら不動産投資をしている方も増えています。中には、マンションを一棟まるまる購入し、居住用の賃貸物件として貸し出して収入を得ている方もいるのではないでしょうか。

一棟マンションを所有している方は、正しいタイミングを見計らって売却すれば多額の資金を一度に手にすることができます。ただし、一棟マンションを売却する場合、分譲マンションの一室のみを売却するケースとは売却額も購入者層も大きく異なるため、事前に正しい知識を備えておくことが重要です。

この記事では、一棟マンション投資において一区切りとなる売却について、高く売るコツや注意点などを交えながら詳しく解説していきます。

▼この記事の内容

●一棟マンションは区分マンションよりも売却相場が高額で買い手が限定されるため、売却しにくい傾向にある

●一棟マンションの売却を成功させるには、立地や入居率向上、管理状態の維持が重要なポイント

●スムーズに売却を進めるために、事前準備から確定申告までの流れを把握することが大切

●複数の不動産会社に査定を依頼し、収益物件や一棟マンションの売却に強い会社を選ぶこと、信頼できる会社に依頼することが成功の鍵

目次

一棟マンションと区分マンションの違い

一棟マンションとは、マンションのすべての部屋と共用部分を含めた建物全体を指します。不動産投資には、マンションの建物全体を購入する「一棟マンション投資」と、マンションの部屋単位で購入する「区分マンション投資」の2種類があります。

まずは、不動産投資における一棟マンションと区分マンションの違いについて、確認しておきましょう。

一棟マンション投資と区分マンション投資

一棟マンション投資では、賃貸マンションを一棟丸ごと購入して、賃貸物件として貸し出して家賃収入を得ます。

それに対して区分マンション投資とは、マンションの1室を購入し、その部屋を賃貸して家賃収入を得る投資方法です。

一般マンション投資と区分マンション投資は、いずれも賃貸物件として家賃収入を得るという点は同じですが、それぞれメリット・デメリットがあり、以下のように比較できます。

一棟マンション投資は、投資や運営のコストはかかりますが、安定した収入を得やすく自由度の高い運営ができるという点が特徴です。

売却の側面から見た一棟マンションと区分マンション

次に、一棟マンション投資と区分マンション投資について、売却の側面について比較してみましょう。

一棟マンションの売却・売却時の相場は数千万〜数億円
・売却時に買い手が見つかりづらい
区分マンションの売却・売却時の相場は数百万〜数千万円
・流動性が高く売却しやすい
・近年は価格上昇が顕著でキャピタルゲインを狙える立地もある

賃貸物件として運用して家賃収入を得るという点では、一棟マンション投資のほうが安定した収益を期待できますが、売却の際には買い手が見つかりづらいなどのリスクもあります。

一棟マンションの売却を考える際には、適切なタイミングを見定めつつ、少しでも高く売るためのコツを抑えておく必要があると覚えておきましょう。

マンション売却の基本的な流れについては、以下を記事を参考にしてください。

■参考記事:マンション売却の流れ&注意点!高く売るコツと税金特例を事例で解説

不動産市況から見た一棟マンション売却

不動産の市場価格は、社会情勢の変動を受けながら常に変化し続けています。ここで、近年(2025年12月現在)の不動産市況を鑑みながら一棟マンションの売却タイミングについて確認していきましょう。

マンション価格が上昇している局面で売却するのが鉄則

一棟マンションと区分マンションどちらについてもいえることですが、不動産投資においては、不動産市況が好調でマンションの価格が上昇している局面で売却をするのが鉄則です。

近年では一棟・区分ともに投資用マンションの価格は上昇傾向にあるため、売却タイミングとしては適していると言えます。

不動産の売却については、以下の記事も参照ください。

■投資用不動産・収益物件の売却に関連する記事
不動産売却の見積もりとは? 査定のポイントと注意点を徹底解説!

一棟マンション

一棟マンションの価格変動について、統計をもとに解説します。

国土交通省の「不動産価格指数(2025年第2四半期分)」によると、一棟マンションおよびアパートの売却価格は、2010年以降上昇を続けています。対前期比で1.8%増、三大都市圏(南関東圏・名古屋圏・京阪神圏)では2.0%の増加が見られました。

出典:国土交通省 Press Release

不動産投資と収益物件の情報サイト健美家のレポートも確認してみましょう。

出典:健美家 収益物件 市場動向 年間レポート 2024年

一棟マンションの価格は全国的に上昇しているものの、仙台市・名古屋市では前年に比べて下落傾向にあります。

区分マンション

続いて、比較のために区分マンションの価格推移についても確認しておきましょう。

一棟マンション同様に、区分マンションも2010年頃から価格上昇を続けており、2010年と比較すると約2.1倍の価格で取引されています。

出典:国土交通省 Press Release

次に、主要都市別の価格推移を、不動産投資と収益物件の情報サイト健美家のレポートで確認します。

出典:健美家 収益物件 市場動向 年間レポート 2024年

区分マンションの価格は、前年に比べて全国的に上昇しています。特に、千葉主要都市と大阪市の値上がりが著しく、いずれも前年比20%超という結果でした。

区分マンションの売却事例や売却時の注意点などは、以下の記事を参考にしてください。

■参考記事

【事例付】ワンルームマンション売却の注意点!売却時期と売却手順も解説

【事例付】区分マンション売却の注意点!売却手順や売却時期も徹底解説

価格上昇以外の一棟マンション売却のタイミング

不動産投資においては、市場価格が上昇しているタイミングで売却するのが一つの鉄則です。しかし、一棟マンションの売却は、区分マンションとは規模や購入希望者の層も異なるため、市場の価格上昇のみを判断基準にするのはおすすめできません。

具体的には、価格上昇に加えて、以下のような状況であれば、一棟マンションの購入に踏み切ることを検討するべきと言えます。

・大規模修繕実施の前
・周辺環境の変化が予想されるとき
・一棟マンションの減価償却期間が終了したとき
・資産整理で一棟マンションを手放そうと思ったとき

それぞれ簡単に解説していきます。

大規模修繕実施の前

大規模修繕とは、一定の周期(13~15)年で建物の外壁や共用施設など規模が大きい修繕を行うことを指します。

大規模修繕は、建物の劣化を防ぎ資産価値を維持するためには必須の取り組みですが、一棟マンションの大規模修繕ともなると数千万円以上の多額の資金が必要になるケースがほとんどです。

すでに大規模修繕が済んだばかりのマンションであれば買い手が見つかりやすくなるという考え方もありますが、そのためだけに数千万円という資金をつぎ込むのはリスクがあるでしょう。

現在所有している一棟マンションが築10~15年ほどで、そろそろ大規模修繕を検討しなくてはいけないタイミングになったら、建物自体の売却も視野に入れるべきといえます。

周辺環境の変化が予想されるとき

不動産投資では、「経年劣化」だけではなく「経年優化」についても考慮する必要があります。

建物自体については、経年劣化しかあり得ませんが、立地や周辺環境については以下のような要因により経年優化が起きて、売却価格が上昇する可能性があります。

・周辺に新しく大規模な商業施設ができる
・周辺に新しく大学やオフィスなどができる
・最寄駅に快速や特急が止まるようになる
・都市の再開発により商店街が活性化する

これらの変化が起きた際には、建物自体の需要が大きくなるために売却価格が上がる可能性があります。価格が上がったタイミングで売却をして、その資金を元手にさらに利回りのいい物件に乗り換えるなども一考の価値があります。

逆に、商業施設の撤退が予測されたり、周辺住民が遠のくような都市開発が行われるなどの事情があった際には、空室リスクが増加するため売却価格が下がってしまいます。売却価格の低下が見込まれる際にも、実際に下がる前に売却をしてしまうべきです。

不動産投資の中でも、特に一棟マンション投資においては、周辺環境やニュースなどに敏感になって、売却価格に影響する情報を見逃さないようにしておくことが大切です。

投資用マンションの売却時期については、以下の記事も参照してください。

■投資用マンション売却時期の関連記事
投資用マンションの売却時期は?出口戦略を見据える高値売却ポイント

一棟マンションの減価償却期間が終了したとき

マンションの建物や設備などは償却資産と呼ばれ、年数が経過するにしたがって資産価値が下がっていきます。その下がっていく部分は、減価償却費として必要経費に計上でき、減価償却費は所得から差し引けるため、マンション投資は節税効果があるとご存知の方も多いのではないでしょうか。

しかし、建物自体や設備などの資産には、減価償却ができる期間である法定耐用年数が定められています。それを過ぎると経費計上ができなくなり節税メリットはなくなってしまうため、マンションの減価償却期間が終了したタイミングで売却を検討するのもおすすめです。

不動産の建物や設備の減価償却期間は以下のとおりです。

一棟マンションの場合は、RC・SRC造が多いため、建物自体の減価償却期間の終了を待たずに売却をするケースが多いです。

マンションに含まれる各設備については15年で減価償却が終わるものも多いため、設備の減価償却が終わる築15年のタイミングで売却を検討するのもひとつの手と言えます。

不動産売却については、以下の記事も参照ください。

■投資用不動産・収益物件の売却に関連する記事
不動産売却税とは?信頼できるパートナーと考える効果的な節税対策

資産整理で一棟マンションを手放そうと思ったとき

資産整理とは、所有する資産をすべて洗い出して、財産目録を作成することです。資産整理の目的としては「相続の準備」「自己破産などの債務整理」の2つが考えられますが、資産整理のタイミングで、一棟マンションなどの不動産を現金に換えておくケースもあります。

収益物件などの不動産は、複数の相続人がいた場合に遺産分割が難しいため、現金化をしておいたほうがトラブルを防げる可能性が高くなります。

また、一棟マンション経営に行き詰まったり、賃貸経営以外の事業がうまくいかずに大きな借金を背負ったなどの理由で債務整理の手続きに入った場合には、所有する物件を売却して負債の返済にあてることを余儀なくされます。

出口戦略の考え方

一棟マンションの売却は単なる物件の取引ではなく、これまでの不動産経営の結果と将来的な投資判断が問われる重要なプロセスです。利益を最大化するには、経営指標の理解や最適なタイミングの見極めといった「出口戦略」に関する知識が欠かせません。ここでは、一棟マンション購入時に意識しておきたい出口戦略の考え方について解説します。

損益分岐点の指標

損益分岐点とは、利益と損失がちょうどイコールになる、つまり営業利益がゼロになる地点を指します。この指標が低ければ低いほど、少ない売上でも黒字を出せる安定した経営状態にあるといえます。損益分岐点(BER)の計算方法は以下のとおりです。

BER =(ADS + Opex)÷ GPI

・ADS:年間ローン返済額
・Opex:年間運営費(固定費)
・GPI:満室時年間家賃収入

不動産投資は、基本的に売上(家賃収入)を安定的に継続することを目的とします。利益を伸ばし続けるのが難しいビジネスモデルであるため、満室状態のキープと固定費をできるだけ抑えることが重要です。上記の計算で「BER=1」を上回る場合、将来的な家賃上昇余地など特別な魅力や事情がないかぎりは、その物件への投資を見送ったほうがよいでしょう。

最適な売り時の見極め

物件の売り時を誤ると、大きな損失となる可能性があります。空室や予期せぬ修繕費の増加など、不動産経営のさまざまなリスクに対して適切な対策が取れていなければ、想定よりも早く売却を検討しなければならない事態に陥るかもしれません。いざ売却しようとしても、希望金額で売却できなかったり、そもそも売却自体が難しくなったりする可能性もあります。

そのため、売り時のタイミングとはどのような時期に起こり得るのか、また、どのような売却方法が最適なのかを、物件購入時から詳細にシミュレーションしておくことが大切です。

保有を続けて相続するケース

将来的に不動産投資を引き継ぐ相続人がいる場合は、売却せずに保有し続け、相続を検討するのも出口戦略の一つです。相続時精算課税制度などを活用した生前贈与も、選択肢に含まれます。不動産は現金に比べて相続税評価額が低くなる傾向があるため、相続税対策として有効です。

しかし、対策に有効な物件とするためには、収益性だけでなく相続税評価額を抑えられる物件であるかどうかを物件購入時に選定し、戦略的に運用していく必要があります。

不動産の相続税評価額については、以下の記事を参考にしてください。

■参考記事

不動産の相続税評価額の計算方法とは? 相続税が節税できる理由を解説

土地の評価額とは? 相続した土地の評価額算出方法と節税の仕組みを解説

デッドクロス

不動産投資におけるデッドクロスとは、「減価償却費」よりも「元金返済額」が上回るときを指します。デッドクロスが発生すると会計上は黒字にもかかわらず、手元の現金が減っていく現象が起こり、税負担も重くなります。

物件購入前でも購入後でも、ローンの組み方などを工夫することでデッドクロスを遅らせることは可能です。デッドクロスを避けられなくなったときは、物件の収益性や保有目的に応じて、売却を含めた見直しを検討する一つの判断材料となるでしょう。

物件選び

物件のインカムゲイン(家賃収入)を継続して得られるかどうかは、売却価格に大きく影響します。そのため、物件選びの時点で以下のような点に着目することが重要です。

・家賃が下がりにくい物件
立地や設備が充実しており、将来も競争力を維持できる

・自己資金を適切に入れて購入できる物件
無理のないローン設定で、キャッシュフローを安定させられる

・融資難易度の低い物件
次に購入する投資家も融資を受けやすく、売却がスムーズに進む

不動産投資の出口戦略については、以下の記事も参考にしてください。

■参考記事

不動産売却の成功法!流れ・査定・売却理由別の成功事例で徹底解説!

【保存版】不動産投資の損益分岐点で着目するポイントは運用と売却!

不動産投資における減価償却とは?節税額の計算方法と注意点を解説!

一棟マンション売却の流れ

高額な取引となる一棟マンションの売却を成功させるためには、事前準備から契約、そして売却後の手続きまで、流れをしっかりと把握しておくことが重要です。ここでは、一棟マンション売却の具体的な7つのステップを解説します。

事前準備

事前準備として、物件にかかる残債を確認し、売却に必要な登記簿謄本などの書類を揃えます。また、事前に周辺の取引事例を調べて、売却価格の相場を把握しておきましょう。売却戦略を立てるうえで欠かせない情報となります。

査定依頼

事前準備が整ったら、不動産会社に査定を依頼します。査定方法は、過去の事例や資料から概算を出す「机上査定」と、実際に物件を見て詳細な評価を行う「訪問査定」の2種類です。事前準備で調べた相場と比較して高額な査定額を提示してくる業者には、その根拠をしっかりと確認し、冷静に見極めることが大切です。

媒介契約の締結

査定結果や担当者の信頼性などをチェックし、仲介を依頼する不動産会社を選定したら媒介契約を締結します。媒介契約には、「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があります。それぞれに特徴とメリット・デメリットがあるため、一棟マンションの売却が得意な業者を見極め、売却戦略に応じて最適な契約形態を選ぶようにしましょう。

売却活動の開始

媒介契約締結後、不動産会社による売却活動が始まります。不動産会社は、インターネット上への物件情報掲載、既存顧客へ物件を紹介、広告チラシの作成・ポスティングなどを行って、購入希望者を集めます。一棟マンションのような投資用物件は購入者層がかぎられるため、売却活動には6ヶ月程度かかるのが一般的です。

売買契約の締結

購入希望者が見つかり、価格や引渡し時期などの条件が折り合ったら、売買契約を締結します。契約締結時には、買主から売主へ、売買代金の一部として手付金が支払われるのが通例です。契約を締結する前に、重要事項説明書に基づいて契約内容を慎重に確認し、疑問点があれば解消しておきましょう。

決済・引渡し

売買契約締結から一定期間が経過した後、残代金決済と物件の引渡しを行います。売買価格から手付金を差し引いた残代金の支払い、税金や仲介手数料の支払い、各種清算を行うと同時に、司法書士によって所有権移転などの登記手続きが実行されます。すべての支払いが確認されたら物件の鍵を買主に渡し、正式に引渡し完了です。

確定申告

一棟マンションの売却で利益が生じた場合、翌年の確定申告で譲渡所得税を納めます。一方、売却によって損失が出た場合は確定申告は不要ですが、「損益通算」でほかの不動産所得と損失を相殺できる可能性があるため、状況に応じて確定申告を行うことをおすすめします。

一棟マンション売却時にかかる諸費用

一棟マンションを売却して手元にいくら残るのかを正確に把握するためには、売却価格だけでなく、売却にかかる諸費用を理解しておく必要があります。ここでは、売却時にオーナー様が負担する主な費用について詳しく解説します。

仲介手数料

仲介手数料とは、売却を依頼した不動産会社に支払う費用のことです。原則として成功報酬であり、売買契約が成立しなければ仲介手数料は発生しません。

宅地建物取引業法で上限が定められており、売買価格が400万円を超える場合の計算方法は「売買価格×3%+6万円+消費税」です。例えば、売却価格が2億円の場合、仲介手数料は約660万円となるため、諸費用の中でも特に大きな割合を占める項目といえます。

印紙税

印紙税とは、売買契約書などの課税文書に課せられる税金で、契約書に収入印紙を貼り付ける形で納付します。税額は売買契約書に記載された金額によって異なり、売買価格が高くなるほど税額も上がります。例えば、売買価格が2億円の場合は6万円(軽減措置適用後)の印紙が必要です。

出典:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

譲渡所得税

譲渡所得税とは、購入金額よりも高値で売却できた際に、その差額(売却益)に対して課せられる税金のことです。計算方法は「譲渡所得(売却益)×税率」です。マンションの所有期間によって税率が異なり、所有期間5年以下の短期譲渡は約39%、5年超の長期譲渡では約20%が適用されるため、売却のタイミングに注意が必要です。

繰上返済手数料

繰上返済手数料とは、ローンを一括返済する際に金融機関に支払う手数料です。一括返済は契約上「期日前繰上返済」にあたるため、金融機関やローンの契約内容によっては繰り上げ返済手数料が発生する場合があります。手数料の金額は金融機関やローンの契約内容によって異なりますが、数万円程度または「残債の〇%」という形で設定されています。

登記費用

登記費用とは、所有権移転や抵当権抹消などの登記にかかる費用です。国に納める登録免許税と、登記手続きを司法書士に依頼した際の報酬が含まれます。売却時の抵当権抹消登記は売主の義務であり、登録免許税は不動産1件につき1,000円、司法書士への報酬はケースバイケースです。

その他費用

上記以外にも、状況に応じて次のような費用が発生する可能性があります。

●ハウスクリーニング費用
●修繕費用
●測量費用:境界が不明確な場合

物件の状態や売却条件、買主との交渉によって「何にいくらかかるか」が大きく変わるため、事前に予算を確保しておくことが大切です。

不動産売却で発生する税金については、以下の記事を参考にしてください。

■参考記事

不動産売却時の税金を無料相談!譲渡所得税の基本知識と相談先の選び方を解説

不動産売却時の譲渡所得税計算には取得費が必要!土地建物の取得費も解説

【事例付】不動産売却の譲渡損失の損益通算!基本知識と注意点を解説

一棟マンションを高く売却するためのコツ

一棟マンションは売却価格が数千万〜数億円と高く、買い手がつきにくいというリスクがあります。一棟マンションを少しでも高くかつスムーズに売却するためには、以下のようなポイントを押さえておく必要があります。

・一棟マンションの入居率を高めておく
・一棟マンションの建物の外観や管理状態を良好にしておく
・時代のニーズに合った設備を一棟マンションに導入する
・信頼できる不動産会社に仲介を依頼する
・相場や市場の動向を把握しておく
・売却のタイミングを見極める
・複数の不動産会社に査定依頼する

それぞれ確認していきましょう。

一棟マンションの入居率を高めておく

少しでも買い手がつきやすくするためには、一棟マンションの入居率を100%に近づけておくことが重要です。

不動産物件の価格は、収益還元法で算出されることが基本であり、利回りを上げておけばそれだけ売却価格も高くなります。入居率が高いマンションであれば、買い取った後もすぐに収益化できると判断できるため、その分買い手からしても魅力的に映るといえるでしょう。

積極的に入居者様募集の広告を打ったり、退去者が出た場合にルームクリーニングなどの作業を迅速に対応するなど、空室が出ないような運営を心がけておくことが、売却時にも必ず役立ちます。

一棟マンションの建物の外観や管理状態を良好にしておく

一棟マンションの買い手は、数千万円〜数億円の資産をつぎ込むことになるため、建物の外観や管理状態をすみずみまでチェックするはずです。

日頃のメンテナンスを行いつつ、売却前に物件の外観を整える工事を行うことで、買主の心証がよくなり、購入に繋がりやすくなるでしょう。逆に、破損している設備があったり、外観が古くなっているなど、管理状態が悪い物件の場合には、購入後にメンテナンスや修繕のために費用がかかることも考えられるため、買い手がつきづらくなります。

また、手入れや管理が行き届いている物件であれば、必然的に入居率も高くなってくると考えられます。入居者管理と建物管理を並行して行い、良好な状態に保つことで買主の満足度を向上させられると覚えておきましょう。

時代のニーズに合った設備を一棟マンションに導入する

何ごとにも流行はつきものですが、一棟マンションなどの不動産においても同じことがいえます。

新築時は最先端の設備であったとしても、時代の変遷によってニーズが変わり、現代では陳腐になってしまっているものもあります。時代のニーズに合った設備を一棟マンションに導入すれば、入居率や家賃の上昇に繋がり、売却時にも有利に働く可能性が高まります。

ターゲットにしている住民層によっても異なりますが、現在では以下のような設備が人気です。

・エントランスのオートロック
・宅配ボックス
・風呂の追い焚き機能
・浴室乾燥機
・無料インターネット
・カメラ付きインターホン など

ただし、近隣の競合物件との兼ね合いもあるため、設備の導入やリフォーム・リノベーションはむやみに行なわず、現在の入居者様のニーズを抑えて対応することがおすすめです。

信頼できる不動産会社に仲介を依頼する

一棟マンションを売却する際に、自分で買い手を探す方はほとんどおらず、多くの方が不動産会社に仲介を依頼するはずです。その際に、一棟マンション売却を得意とする信頼できる不動産会社に仲介を依頼するのが大切です。

不動産の売却が成功するかどうかは、不動産仲介会社の販売力によるところが大きいです。不動産会社はたくさんありますが、それぞれ「実需物件の売買が得意」「中古物件の買取に特化している」「投資家向けのネットワークを持っている」など特色が異なります。

一棟マンションは収益物件なので、分譲マンションなどの実需物件とは異なり、基本的に投資家が購入層となります。そのため、一棟マンションを売却するには、投資家向けに販売するノウハウを持っている不動産会社に仲介を依頼するのが重要です。

投資用不動産・収益物件の売却については、以下の記事も参照ください。

■投資用不動産・収益物件の売却に関連する記事
収益物件を高値で売却する秘訣と注意点|出口戦略の立て方も解説!

不動産売却はどこがいい? 大手・地域密着の特徴と仲介会社の選び方

収益物件をできるかぎり早く・高く売る秘訣|パートナー選びのポイントは?

相場や市場の動向を把握しておく

一棟マンションの売却を進める前に、地域の相場や不動産市場全体の動向を把握しておくことが極めて重要です。市場価格を知ることで、不動産会社からの査定価格が妥当かを判断しやすくなり、売出価格を適切に設定できます。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や、大手不動産ポータルサイトの取引事例などを定期的に確認し、所有物件の価値に対する客観的な視点を持つようにしましょう。

売却のタイミングを見極める

所有する一棟マンションを高く売却するためには、売却の最適なタイミングを見極めることが大切です。現在の市場動向を把握し、所有する物件の稼働率や修繕状況などを考慮して売り出す時期を決めましょう。

一般的に、不動産価格が上昇傾向にあるタイミングは投資家の購入意欲が高く、高値で売却できるチャンスといえます。自己判断が難しい場合は、一棟マンションの売却実績が豊富な不動産会社などの信頼できるパートナーに相談し、客観的な見地からアドバイスを受けるのも有効な手段です。

複数の不動産会社に査定依頼する

一棟マンションを高く売るための基本は、複数の不動産会社に査定を依頼することです。はじめから1社に絞ってしまうと、提示された価格が本当に妥当な査定価格なのかを判断する基準が持てません。複数社の査定結果を比較することで、より適切な査定価格や、その会社の販売力を判断しやすくなります。

ただし、査定価格が高額だからといって安易に選ぶのは得策ではありません。価格の根拠や販売戦略をしっかりと聞き取り、総合的に判断しましょう。

一棟マンション売却時の注意点

一棟マンションの売却は、区分マンションや戸建ての売却とは異なる特有の難しさがあります。高額な取引であるため、スムーズに進めるには事前に注意点を理解しておくことが重要です。

ここでは、一棟マンションのオーナー様が売却を成功させるために、押さえておきたい4つの注意点について解説します。できるだけ早期に売却するには、以下の記事も参考にしてください。

■参考記事:【事例付】不動産売却の期間を短縮方法!自宅や収益物件の注意点を解説

売却理由・目的を伝える

一棟マンションの売却を依頼する際、なぜ売却したいのかという理由や目的を不動産会社に明確に伝えることが重要です。

一棟マンションの買主は基本的に投資家であり、ターゲット層が狭まるため、一般的な売り方ではスムーズに売却できない可能性があります。「資金繰りのため」「相続対策のため」「別の物件に買い替えるため」など、その背景を共有することで、不動産会社は最適な売却戦略を考えて提案してくれるでしょう。

「査定価格=売却価格」ではないことを理解する

不動産会社が提示する査定価格は、あくまで物件の過去の成約事例や相場から導き出した想定価格であり、必ずしも提示された価格で売れるわけではありません。媒介契約を取りたいがために、相場よりも高額な査定価格を提示するケースもあるため、注意が必要です。

最終的に売却価格を決めるのはオーナー様です。複数の査定価格を比較し、根拠をしっかりと確認したうえで、自分の売却戦略に合わせて売り出し価格を決めましょう。

区分マンションや戸建てと比べて売却しにくいことを理解する

区分マンションや戸建てと比べて一棟マンションは金額や規模が大きいため、必然的に購入できる方がかぎられ、売却しづらい傾向にあります。

売却価格や売り出すタイミングが市場のニーズと合っていなければ、いつまで経っても買い手が見つからず、売れ残ってしまうリスクがあることを覚えておきましょう。少しでも売りやすくするために、一棟マンションの売買に強い不動産会社を選び、プロのサポートを受けると安心です。

必要に応じて買取も検討する

上述のとおり、一棟マンションは売却のハードルがやや高めです。事情があり売却を急いでいる場合は、「買取」もあわせて検討するとよいでしょう。不動産会社に直接買い取ってもらうため、仲介手数料はかかりません。

ただし、買取の場合は売却金額が相場よりも安くなる傾向にあります。ローン残債がある場合は、買取金額でローンを完済できるかどうかの確認が必要です。買取の仕組みについての詳細は、以下の記事を参考にしてください。

■参考記事:不動産買取で利益を生む方法とは?後悔しない買取と仲介の選択を

まとめ 一棟マンションの売却に強いパートナーに相談を

一棟マンションは区分マンションに比べ、売却相場が数千万~数億円と高額であり、買い手が投資家に限定されるため、売却難易度が高いという特性を理解しておく必要があります。複数の不動産会社に査定依頼したうえで、一棟マンション売却のノウハウを持った信頼できる不動産会社を選ぶと、高額な取引を円滑に進められるでしょう。

また、売却を成功させて利益を最大化するためには、日頃から高い入居率を維持し、建物の外観や管理状態を良好に保つことが重要です。

リロの不動産】は、一棟マンションの管理から売却まで、オーナー様のパートナーとしてお悩みに寄り添ったご提案を行っています。まずはお気軽にご相談ください。

関連する記事はこちら

収益物件を高値で売却する秘訣と注意点|出口戦略の立て方も解説!

【事例付】区分マンション売却の注意点!売却手順や売却時期も徹底解説

【事例付】ワンルームマンション売却の注意点!売却時期と売却手順も解説

不動産買取で利益を生む方法とは?後悔しない買取と仲介の選択を

投資用マンションの売却時期は?出口戦略を見据える高値売却ポイント

おすすめのサービス

売りたい・買いたい

アバター画像

この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。