【事例付】ワンルームマンション売却の注意点!売却時期と売却手順も解説

2024.09.03

ワンルームマンション投資は、はじめての不動産投資におすすめとされる方法です。運用のコツをある程度つかんでくると、次のステップにチャレンジしたいと考えるオーナー様も少なくありません。

しかし、ワンルームマンションのような投資用物件は、実需(マイホーム)向けの物件とは異なり買主が投資家に限られます。売り方のコツや適切な売りどきを判断する方法など、事前に押さえておく必要があるでしょう。

そこで本記事では、ワンルームマンションを売却するタイミングや全体の流れ、売却価格の決め方、より高値で売却するコツなどについて解説します。ワンルームマンションの売却を検討中のオーナー様はもちろん、ワンルームマンション運用を始めたばかりのオーナー様も出口戦略を考える参考にしてください。

以下で紹介するのは、オーナー様が考える売却の目的や状況に寄り添って売却した成功事例です。あわせてご一読ください。

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ワンルームマンションを売却するタイミング

近年、不動産価格は全国的に上昇傾向にあります。特にマンション価格の高騰は著しく、国土交通省データによれば、2023年10月時点のマンション価格指数は2010年の2倍近い値になっています。

出典:不動産価格指数(令和5年10月・令和5年第3四半期分)|国土交通省

あくまで平均値であり、すべてのマンションに当てはまるとはいえませんが、立地や建物の状態がよい物件であれば売却益が出る可能性は高いでしょう。まずは不動産会社に売却査定を依頼してみてください。

査定の結果、売却益が期待できる場合は所有期間に注意が必要です。売却益に対して課される譲渡所得税の税率は、以下のとおり所有期間によって定められています。

所有期間区分所得税住民税
5年を超える長期譲渡所得15%5%
5年以下短期譲渡所得30%9%

出典:土地や建物の譲渡所得に対する税金|国税庁

所有期間は売却した年の1月1日時点でカウントします。例えば2019年5月に購入した物件を2024年6月に売却した場合、実質的な所有期間は5年を超えていますが、2024年1月1日時点では4年しか経っていません。短期譲渡所得の税率が適用されるので、翌年まで待って売却するのが賢明です。

一方、収支がマイナスの状態が続いてローン返済が計画的に進まない場合は、高く売れるタイミングを見計らうよりも早めの売却を検討するほうがよいでしょう。投資用物件を所有する目的は利益を出すことです。ローンの返済が厳しいようでは利益どころか家計を圧迫しかねません。

できるだけ損失を押さえて売却するには、さまざまな視点を踏まえた判断が必要です。適切な売却タイミングをつかむために、以下に紹介する記事も参考にしてください。

【参考記事】
投資用マンションの売却時期は?出口戦略を見据える高値売却ポイント

不動産投資における減価償却とは?節税額の計算方法と注意点を解説!

ワンルームマンション売却の流れ

投資用のワンルームマンションを売却する流れは、マイホーム売却とほとんど変わりません。ただし、賃借人が入居中の物件に関しては入居者様にオーナー変更の通知が必要です。ここからは、ワンルームマンションを売却する流れを解説します。

なお、相続した物件の場合は、売却活動に入る前に相続手続きをすませておく必要があります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

【参考記事】
相続した不動産の売却手順!売却基準や注意点・税金の特別控除も解説

事前準備

まず、事前準備として以下の点を整理しましょう。

● 相場を把握する
● 希望条件をまとめる
● ローンの残債を確認する

相場については物件情報サイトなどを利用して、同じマンション内や近隣の似たような物件がいくらで売り出されているかを確認してください。不動産会社の出す査定額が妥当かどうかを判断する材料にもなります。いつ頃までに売却したいのか、いくらで売却したいのかといった希望条件も明確にしておきましょう。不動産投資ローンの残債を確認する理由については、後ほど解説します。

ワンルームマンションの査定・媒介契約

次に、複数の不動産会社にワンルームマンションの査定を依頼しましょう。査定額や条件などを比較検討するために、少なくとも3社程度に依頼することをおすすめします。不動産会社の中には投資用物件の取り扱いがないところもあるため、一括査定サイトなどで投資用マンションの売却を条件に絞り込むと、不動産会社を探す手間がかかりません。

売却を依頼する不動産会社を決めたら、売却活動を始める前に媒介契約を締結します。

媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、オーナー様がより自由に動きやすく幅広く募集をかけたい場合は一般媒介契約、オーナー様の行動に制限はかかるものの、手厚く売却活動のサポートをしてもらいたい場合は専属専任媒介契約を選ぶなど、目的に合わせて契約の種類を選択するとよいでしょう。

売却を依頼する不動産会社を決めるコツを知りたい方は、以下の記事にも目を通してみてください。

【参考記事】
不動産売却はどこがいい? 大手・地域密着の特徴と仲介会社の選び方

不動産売却の見積もりとは? 査定のポイントと注意点を徹底解説!

ワンルームマンションの販売活動

売り出し価格を決めたら、実際に売却活動を開始します。チラシ配布やインターネット上での広告掲載などの売却活動は、媒介契約を結んだ不動産会社が行います。空室時は購入希望者の内見が行われることもありますが、内見対応も不動産会社に任せておきましょう。

運用や管理の現状について「オーナー様から話を聞いてみたい」と要望されるケースもあるので、可能であれば同席するか、要点をまとめてあらかじめ不動産会社に伝えることをおすすめします。

ワンルームマンションの売買契約

購入希望者から購入申込書が提出されたら条件を確認し、折り合いがついたところで売買契約を結びます。契約日には物件や契約条件の確認、重要事項説明書についての質疑応答などを行い、問題がなければ契約書に署名・捺印をして契約完了です。

なお、契約時には手付金として売買代金の一部を買主から受領し、残金の決済日を決めます。買主がローンを組んで購入する場合、金融機関の審査期間を考慮して、決済日まで1ヶ月程度の期間を設けるのが一般的です。

ワンルームマンションの決済・引渡し

契約時に取り決めた決済日に残りの売買代金を受け取り、固定資産税などの清算を行います。売買代金の支払いが完了し、必要書類や物件の鍵を買主に引き渡したら決済・引渡しの完了です。このとき、不動産投資ローンの残債がある場合は受け取った売買代金から完済し、抵当権抹消登記と所有権移転登記を法務局に申請します。

一般的には登記に関する手続きは司法書士に依頼することが多く、司法書士へ書類などの引き渡し、報酬の支払いを同日に行います。

賃貸人の地位承継通知

オーナーチェンジ物件の場合、売却後に入居者様に宛ててオーナー(賃貸人)変更の通知を書面で行います。書面に記載する内容は以下のとおりです。

● 物件の譲渡日(引渡し日)
● 変更後の賃料振込口座情報
● 新しいオーナーまたは賃貸管理会社の連絡先

賃貸人の地位承継通知は物件の仲介を行った不動産会社が作成・送付するのが一般的で、オーナー様が自ら行うことはありません。

ワンルームマンションを売却したら確定申告

オーナー様は、ワンルームマンションを売却した翌年に確定申告を行いましょう。基本的には売却によって得た利益を申告しますが、損失が出た場合も確定申告を行ったほうがよいケースがあります。不動産所得は損益通算の対象であり、ほかの所得から不動産所得の赤字を控除することで、所得税・住民税が軽減される可能性があります。

確定申告の期間は定められているので、売却が完了して申告まで時間がある場合でも事前に準備を進めておきましょう。

ワンルームマンションの売却時にかかる費用

ワンルームマンション売却には、次のような諸費用がかかります。現金で支払う項目もあるため、売却代金の5~7%程度を目安に事前に準備しておきましょう。

● 仲介手数料
● 登記費用(抵当権抹消)
● 司法書士報酬
● ローン一括返済手数料
● 印紙税
● 譲渡所得税(売却益が出る場合)

それぞれの詳細は以下の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

【参考記事】
収益物件を高値で売却する秘訣と注意点|出口戦略の立て方も解説!

ワンルームマンションの売却価格の算出方法

不動産会社の査定には「簡易査定」と「訪問査定」の2種類があります。机上で試算するのが簡易査定、現地に赴いて立地や物件の状態を確認して算出するのが訪問査定です。より正確な査定額は訪問査定を受けないと分かりません。

検討段階では簡易査定、売却の意思が固まり売却先を決めるには訪問査定、といったように使い分けるとよいでしょう。ここでは、査定時に用いられる3つの方法について解説します。

収益還元法

収益還元法は投資用物件の査定に用いられることの多い方法で、収益率から物件価格を算出します。直接還元法とDCF法の2種類があり、簡易査定では直接還元法で査定額を算出するケースがほとんどです。

直接還元法では、年間家賃収入から年間経費を差し引き、還元利回りで割って物件価格を求めます。還元利回りの求め方は不動産鑑定評価基準によって定められており、簡易査定では近隣の類似物件の平均的な利回りを参考にするのが一般的です。

取引事例法

取引事例法とは、近隣の類似物件の取引事例をもとに査定額を出す方法で、投資用よりも実需向け物件の査定に用いられます。できるだけ近い地域から条件が似ている物件を選び、取引事例から坪単価を割り出します。坪単価に査定対象の物件の面積を掛けて、査定額を算出するという方法です。

原価法

原価法とは、再調達価格をもとに物件価格を割り出す方法で、金融機関が担保価値を算出する際などに利用されます。再調達価格とは、売却予定の物件をもう一度建築するのにかかる原価のことです。戸建て住宅の建物部分や土地の査定に有効な方法ですが、マンションで再調達価格を把握するのは難しいため、投資用かつマンションであるワンルームマンションの査定ではほとんど使われません。

ワンルームマンションを高値で売却するコツ

実際にワンルームマンションを売却するとなれば、少しでも高く売りたいと考えるのが自然です。ここからは、ワンルームマンションを高値で売却するコツを紹介していきます。できるだけ早く・高く売るために、以下の記事も参考にしてください。

【参考記事】
収益物件をできるかぎり早く・高く売る秘訣|パートナー選びのポイントは?

低金利のタイミングで売却する

低金利のタイミングで売却すると、高値で売れる可能性が高くなります。2024年現在の日本では超低金利が続いており、ローン金利も比較的低い水準で推移しているため、不動産を購入しやすく投資家が資金調達しやすい状況といえるでしょう。

賃貸需要の高い地域かつ人気のワンルームマンションであれば、購入希望者様が多く現れる可能性があります。金利が下がり需要が集まれば相場も上がるため、高く売れるチャンスといえるでしょう。

売却後の税金を算出する

売却後に支払う譲渡所得税(所得税・住民税)がどのくらいになるかを意識しましょう。譲渡所得税は、売却代金から購入時にかかった取得費や売却時の諸費用、控除を差し引いた金額がプラスになったときに課税されます。また先述のとおり、譲渡所得税の税率は所有期間によって異なります。

所有期間などを考慮して売却後の税金をあらかじめ計算し、売却後に税金がかからないことや安く抑えられることが分かれば、売却代金や売却時期を決めやすくなるでしょう。譲渡所得税の計算方法は以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

【参考記事】
不動産売却税とは?信頼できるパートナーと考える効果的な節税対策

査定は複数の不動産会社に依頼する

査定額の妥当性を判断するためにも、売却査定は複数の不動産会社に依頼するのが基本です。査定額は不動産会社によって異なるため、複数社に査定してもらい、高い値を付けてくれた不動産会社に仲介を依頼するのがよいでしょう。

ただし、媒介契約を結びたいがために高い査定額を出す不動産会社もあるので、安易に高い金額だからと選ばずに、査定額の根拠を聞くなどして判断することをおすすめします。

ワンルームマンションを売却する際の注意点

ワンルームマンションの売却にあたり、売却価格に注意が向きがちですが、高値にこだわりすぎると最適な売却のタイミングを逃す可能性があります。ワンルームマンションを売却する際は、以下で紹介する点に注意しましょう。

売却するタイミングを見極めて適正価格で売り出す

売り出し価格はオーナー様が自由に設定することが可能です。相場を把握して、タイミングを見極めたうえで適正価格で売り出すようにしましょう。相場よりも高すぎる物件はなかなか売れず、長く市場に留まってしまう可能性があります。

ネガティブなイメージがついてしまうと値引きをしても売れにくく、最終的には相場よりも安く手放すことにもなりかねません。適正価格を設定するには、以下の記事で紹介する方法を参考にしてください。

【参考記事】
投資用マンションの売却時期は?出口戦略を見据える高値売却ポイント

空室を埋めた状態にしておく

投資用のワンルームマンションは入居者様がいる状態、いわゆるオーナーチェンジ物件のほうが売れやすい傾向にあります。購入後からすぐに家賃収入が発生する状態であれば、想定賃料で考える必要はなく、運用実績があり投資判断がしやすいなどのメリットがあるからです。

安易に賃料を下げると利回りに影響するため、収支があわず購入を見送られる可能性があります。売却時に空室の状態となってしまい慌てることのないよう、普段から空室対策に強い賃貸管理会社に管理委託しておくと安心です。

媒介契約の種類を慎重に選ぶ

3種類の媒介契約の特徴を理解し、自分にとってどの方法がベストかをよく考えるようにしましょう。不動産会社は、拘束力の強い専属専任媒介契約や専任媒介契約を勧めることが多いですが、一般媒介契約のほうが購入希望者様を探すための間口が広がり、早く売れる可能性もあります。

ただし、複数の不動産会社と一般媒介契約を結ぶと、各不動産会社の販売活動にかける力が弱かったり、活動内容が見えづらかったりと早期売却に逆効果となる可能性もあるでしょう。それぞれのメリット・デメリットを比較して、目的に合う媒介契約を選ぶようにしてください。

信頼できる不動産会社に売却を依頼する

ワンルームマンションをできるだけ早く高く売るには、信頼できる不動産会社に売却を依頼することも重要です。査定依頼時には提示された査定額の根拠を聞いたり、想定している販売戦略について確認したりするようにしてみてください。

査定額に納得でき、かつ売却を依頼してからの販売活動を安心して任せられるようにするためには、できるだけ投資用ワンルームマンションの販売実績が多い不動産会社を選ぶことが大切です。売却成功事例については以下を参考にしてください。

■投資用不動産・収益物件の売却事例
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ローンの残債を把握する

ローン返済中のワンルームマンションを売却する場合は、価格を設定する前に残債がいくらあるのかを確認しましょう。不動産を売却する際は、ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。

売却代金を上回る残債がある場合は、自己資金で補填しなくてはなりません。売却代金でローンを完済でき、かつ売却にかかる諸費用も賄えるのが理想です。値引き交渉の可能性も考えて、希望価格は少し高めにしておくとよいかもしれません。

売却前のリフォーム・リノベーションは慎重に判断する

空室の状態でワンルームマンションを売却する際、リフォームやリノベーションを行うかどうかは慎重に判断したほうがよいでしょう。購入者様の中には「なるべく安く購入して自分の思うように手を加えたい」と考える方もいます。いくら新しい住宅設備が揃っていたりおしゃれな内装に変わっていたりしても、購入希望者様が思い描くリフォーム・リノベーション内容であるとはかぎりません。

また、リフォームやリノベーションにかかった費用をそのまま売却価格に反映できるともかぎらないため、まずはプロに相談するようにしましょう。適切な補修やハウスクリーニング、ホームステージングを行ったほうが、スムーズに売却できることもあります。

まとめ ワンルームマンションは売却時期や不動産会社で売却価格が大きく変わる

ワンルームマンションを売却する際は、売却時期や依頼する不動産会社を安易に決めないように気をつけましょう。深く考えず適当に決めてしまうと、より高値で売却できる可能性を潰してしまいかねません。売却の検討段階で信頼できる不動産会社を見つけることができれば、判断に迷ったときに相談できて安心です。

【リロの不動産】では、投資用物件の購入・売却はもちろん運用中の賃貸管理にも対応します。出口戦略や相続対策などの相談も可能で、オーナー様のさまざまなお困りごとを解消できる体制が整っているため、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。