不動産運用は資産形成の王道! リスクを抑えメリットを活かす不動産投資

2023.04.17

近年、不動産運用が改めて注目を集めています。将来の備えとして政府がiDeCoやNISAを推奨することを背景に、株式以外の投資手法も広く知られるようになりました。

今回は、不動産運用が注目される理由と魅力について深掘りしたいと思います。不動産運用のメリットを活かし、リスクを抑える方法なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。

不動産運用とは何か

はじめに、資産運用が行われる背景と不動産投資と不動産運用の違いからどのような収益が発生するのかまで解説します。

資産運用とは

自分の持っているお金(資産)を預貯金や投資に配分・運用して、効率よく増やしていくことを「資産運用」といいます。

預貯金は「お金を貯める」ことを重視した資産運用です。元本が保証されていることがメリットで、万一金融機関が破綻することがあっても、保険制度により預金は保護されます。ただし、現在のように超低金利が続く状況では利息がほとんどつかず、お金を増やすことはできません。なお、預金保護は一人当たり1,000万円までとなり、外貨預金は保護されないためご留意ください。

一方の投資は「お金を増やす」ことを重視した資産運用で、代表的なものには株式、債券(国債・社債など)、投資信託などが挙げられます。近年では政府が主導するiDeCoやNISAも一般的に普及しはじめています。投資のメリットは、預貯金より効率よくお金をふやせる可能性があることです。ただし、元本保証はないため、お金を増やすどころかマイナスになるおそれもあります。

このように預貯金と投資にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、リスクを把握した上で手持ちのお金をバランスよく配分・運用していくことが大切です。マイナスになる可能性があることから、投資に対してネガティブなイメージを持つ方も多いですが、娯楽目的の投機(ギャンブル)とは仕組みが異なります。

株式会社が創設された歴史的背景を鑑みても、国や企業を応援するためにお金を出し、その対価として利益を受け取るのが投資です。ほとんど運任せの投機と違い、リスクに備えてリターンを得るために必要な知識を備え、適切な対策を取ることで、健全な資産運用が可能になります。

不動産運用とは不動産投資

不動産運用とは、手持ちの資産である不動産を利用した資産運用のことを指します。不動産投資という呼び方のほうがポピュラーかもしれません。不動産運用にはさまざまな種類・方法がありますが、アパートやマンションなど居住用不動産を第三者に貸し出し、入居者様から支払われる家賃で利益を出す手法が一般的です。

キャピタルゲインとインカムゲイン

資産運用の収益には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類があります。キャピタルゲインは資産の売却によって得られる利益、インカムゲインは資産を保有していることで得られる利益です。

不動産投資や不動産運用におけるキャピタルゲインは、物件を購入時点の価格より高く売ることで得られる譲渡益のことを指します。インカムゲインは物件の借主から得られる定期的な家賃収入です。どちらの利益も狙うことはできますが、現在の日本ではインカムゲイン重視の運用が主流となっています。

不動産運用が注目される理由

数ある資産運用方法の中でも、近年は不動産運用に注目が集まっています。ここからは、その理由について解説します。

老後2,000万円問題で高まる将来への不安

少子高齢社会を迎えた日本では、多くの方が「公的年金だけでは豊かな老後生活を送れない」との不安を抱えています。ご存じのとおり、日本の年金制度は現役世代から集めた保険料によって運営されています。しかしながら、少子化により現役世代が激減し、年金生活者を支えることが難しくなりつつあるのが現実です。

ちなみに、国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表した「日本の将来推計人口」では、2015年時点では現役世代2.3人が高齢者1人を支えていたのに対し、2023年には2人で1人、2065年には1.3人で1人を支えることになるとされています。年金制度そのものが維持されるのかを不安に感じる方も多いでしょう。

また、老後と呼ばれる期間が長いことも不安要素になります。年金で不足する分は貯蓄で補うとして、「自分が生きている間に貯蓄が枯渇しないか」という不安です。日本の平均寿命は世界でもトップクラスの水準。同資料によれば、平均寿命は2040年に男性83.27年・女性89.63年、2065年には男性84.95年・女性91.35年と予測されています。

出典:日本の将来推計人口(平成29年推計)|国立社会保障・人口問題研究所

低金利が続き、預貯金だけではお金が増えない

現在の日本は歴史的な低金利状態が続いていて、預貯金だけではお金を増やすことができません。1991年のバブル崩壊後、不景気対策としてゼロ金利政策が導入されましたが、低成長を脱することが難しく、すでに30年を超える長期の経済停滞状態です。非正規が増えるなど雇用情勢も悪化を続け、給与の上昇も望めなくなっています。給与が増えないとなると別の方法で収入を増やすしかありません。

2001年10月1日に「個人型確定拠出年金」、通称「iDeCo」が、2014年にはNISAがはじまりました。老後の生活をより豊かに過ごすために、少子高齢化が進む日本では将来の公的年金の不足分を補う必要があります。誰もが老後の準備をできるように国が整備した制度が誕生したのです。

2018年には厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、副業を解禁する企業も増えてきました。選択肢が増えるのはよいことですが、現実的には、本業以外の時間を利用して仕事を増やすのは、体力的・精神的に厳しいこともあります。

その点、不動産投資では管理会社が不動産運用をサポートするため、手間をほとんどかけずに毎月一定の副収入が期待できます。副業として取り組む会社員・公務員が多いことも、不動産運用が注目される理由の一つといえるでしょう。

インフレの懸念

ポスト・コロナの状況下、世界各国でインフレが進んでいます。日本でもエネルギー価格の高騰にともなうガソリン代や電気代などの値上がりに加え、食料品や日用品の価格高騰が続き、ダメージを受けているご家庭は少なくありません。

インフレになるとお金の価値は減少し、預貯金は実質的に価値が減っていきます。特に、現在の日本は「スタグフレーション(インフレ下の不況)」に陥る危険性もあります。手持ちの現金は価値の下がりにくい実物資産に変えておいたほうが安全との考えから、不動産運用に興味を持つ方が増えています。

不動産運用の魅力とメリット

資産運用にはいくつもの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。では、不動産運用にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、不動産運用の魅力とメリットについて解説します。

安定した家賃収入が得られる

住まいは生活の基盤であり、景気動向に関わりなく賃貸住宅に入居する方は一定数存在します。そのため、賃貸経営が軌道に乗れば、家賃収入として月々決まった額の安定した収入を得ることができます。入居時の家賃は原則として退去されるまで同じ金額で設定されます。

途中で入居者様から家賃の値下げ交渉がある可能性もありますが、家賃は景気や物価の動向に影響を受けにくいものといえます。近隣の競合物件と比較しながら適切な対応を取ることで、賃料下落リスクを減少し、築年数に応じた賃料推移での運用が可能です。

節税対策になる

家賃収入などの不動産所得は、給与所得や事業所得などとの損益通算が認められています。損益通算とは、一方の赤字を他方の黒字と相殺できるという会計上のルールです。賃貸経営にかかる諸費用が家賃収入を上回って帳簿上赤字になった場合、他の所得から赤字分を差し引くことができるため、所得の合計額は少なくなります。その結果、所得税・住民税を抑えられるという仕組みです。

また、不動産は相続税対策にも効果があります。現金・預貯金は額面そのままが課税評価額になるのに対し、不動産の評価額は時価の8割程度です。賃貸用不動産にはさらに借地権割合・借家権割合・賃貸割合が加算され、最終的に5割程度にまで圧縮されます。

インフレに強い

実物資産である不動産は現金と違い、インフレで価値が下がることはありません。むしろ他の物価と同じく価値が上昇する傾向にあります。

国土交通省では、2022年第3四半期分の不動産価格指数を次のように発表しています。

 価格指数
(2010年を100とする)
前月比
全国総合113.8+0.8%
住宅地112.9+1.8%
戸建住宅114.1-2.3%
区分マンション186.4+0.8%

出典:国土交通省 不動産価格指数(令和4年10月・令和4年第3四半期分)

不動産価格指数とは、不動産価格の動向を指数化した統計データのことです。2013年にオリンピック・パラリンピックの東京開催が決まったあたりから、不動産価格は緩やかに上昇をはじめました。特に大きく数値を伸ばしているのがマンションで、2010年の1.86倍となっています。

単純に計算すると、2010年に3,000万円で購入したマンションの価値が5,580万円になったことになります。基本的に建物は築年数が経つほど劣化して価値が下がると考えられますが、価値が上がる可能性もあることが不動産運用の魅力といえるでしょう。

副業として取り組むことも可能

入居者や物件の管理、家賃回収、クレーム対応など、賃貸物件のオーナー様にはさまざまな実務が発生します。これらを自分でやるとなると時間と手間がかかりますが、業務を賃貸管理会社に委託すればオーナー様が日常的に行うことはほとんどありません。そのため、会社員や公務員、自分で他に事業を行っている方が副業として取り組むことが可能です。

金融機関の融資を活用できる

不動産は高額だから、相続した土地・建物でもなければ始められないと思う方もいます。マイホームを購入するのと同じように、収益物件の購入も金融機関からの融資が受けられます。融資を利用することで比較的少額からスタートでき、資産拡大がスピードアップする効果があります。

これを「レバレッジ効果(テコの原理効果)」といいます。株や投資信託などは融資を受けて行うことはできないため、不動産運用ならではのメリットといえるでしょう。

なお、収益物件を購入する際は「アパートローン」や「不動産投資ローン」などと呼ばれる事業用ローンを利用します。一般的な住宅ローンで購入した物件で不動産投資を行うとローン契約違反となり、一括返済を求められることがあるので注意してください。

不動産運用が持つリスクとその対策

ここまで不動産運用の魅力とメリットを紹介しましたが、行ううえで注意すべき点もあります。ここからは、不動産運用の代表的なリスクと対策法について解説します。

ミドルリスク・ミドルリターン

資産運用において、リスクとリターンは比例関係にあり、ノーリスクで資産を大きく増やせる方法はありません。不動産運用は「ミドルリスク・ミドルリターン」に分類される方法です。預貯金や債券のように元本が保証されるものではなく、損失を出す可能性もあります。

しかしながら、注意すべきリスクを予測して対応できるように備えておけば、損失を少なく抑えることは可能です。

空室リスク

空室リスクとは、なかなか入居が決まらず空室状態が続くことをいいます。不動産運用におけるインカムゲインは家賃収入とお伝えしましたが、賃貸経営にかかる諸費用やローンの返済金などを差し引いた分が実際の利益です。

ところが、入居者様がいなければ家賃収入は得られないため、経費も自己資金から捻出しなくてはなりません。空室期間が長引くほど自己資金を圧迫することになるため、不動産運用においては最大のリスクといえるでしょう。

空室リスクの対策としては、以下を意識した物件選び・賃貸管理を行う必要があります。

● 賃貸需要のある地域で物件を選ぶ(人口の多い都市部、利便性の高い立地など)
● 丁寧な物件管理やメンテナンスを行う
● 時代のニーズに合う設備・仕様を整える
● 入居付けに強い賃貸管理会社に管理を委託する

空室発生の代表的な要因を解決する考え方に『4つの空室対策』があります。『4つの空室対策』とは、①入居者募集対応、②仲介対応、③管理対応(入居者管理/建物管理)、④設備・工事対応という賃貸経営に必要不可欠な4つの要素に関連する対策を指します。

『4つの空室対策』を意識することで、不動産運用の最大のリスク・空室リスクをコントロールすることが可能になります。

老朽化リスク・工事/修繕リスク

老朽化リスク・工事/修繕リスクとは、経年劣化から建物の資産価値を回復させるために工事や修繕のコストが発生するリスクをいいます。壁のひび割れなどを放置しておくと雨水が入り込み、建物の劣化を早めます。老朽化を食い止めるには定期的な大規模修繕が必要です。また、室内の設備も新しいものに入れ替えていかないと入居率が下がります。

資産価値の回復と賃貸経営向上のため、老朽化リスク・工事/修繕リスクに対しては次のような対策を講じることが大切です。

● 修繕積立金を積み立てておく
● 収支を考えた設備交換・リフォーム・リノベーションを計画/実施する

家賃滞納リスク

家賃滞納が続いて収益が下がることを家賃滞納リスクといいます。空室と同じく長引くほど収益に響くため早期に解決するのが望ましいのですが、悪質な家賃滞納者の場合、回収にかかる労力は膨大なものになります。レアなケースではありますが、精神的・経済的に大きなダメージを受けるため、回避したいところです。

家賃滞納への対策としては、次のようなものが挙げられます。

● 入居審査をきちんと行う
● 家賃保証会社への加入を契約条件にする
● 家賃回収のノウハウを持つ賃貸管理会社に任せる

不動産運用の目的から選ぶパートナー選定

不動産運用を始める場合、不動産投資会社を通じて物件を購入するケースがほとんどです。購入時に勧められて同じ会社で管理委託契約を結ぶ方も多いですが、物件購入と賃貸管理は別の視点でチェックする必要があります。不動産投資のリスクを回避するためにも賃貸管理を行う会社の種類と特徴を以下にまとめましたので、参考にしてください。

【不動産投資会社】

物件を購入した不動産投資会社の場合、営業の担当者と何度も顔を合わせているため、相談しやすいというメリットがあります。

ただし、自社で管理会社を保有していない場合や、不動産投資会社が親会社で賃貸管理会社は子会社といったケースで、営業部門と賃貸管理部門の交流が少ないケースにおいて、部門間で情報共有ができていないことがあります。そのため、賃貸経営に関する包括的なアドバイスよりも優良な収益物件を保有したい目的の方に向いているでしょう。

【デベロッパー】

全国的に名を知られる大手不動産会社などのデベロッパー(不動産開発会社)は、社員教育が徹底しています。安心感のある上質なサービスを提供するため、入居者様の満足度は高く、入居率の維持・向上に役立ちます。また、知名度が高く集客力があることも魅力です。

ただし、管理委託費がやや高めなことや、業務が体系化されているがゆえに柔軟な対応には時間がかかりがちなことに注意が必要です。また自社の品質を満たすための工事対応が必要なこともあります。賃貸経営の収支よりも、賃貸経営に関連するすべての対応力を備え、一定の品質を担保して安定運用を望まれる方にマッチするでしょう。

【地域密着型】

地域の情報に詳しく、居住者の特性やニーズも把握しているため、賃貸経営に有益な情報を得られる可能性があります。小回りが利き、突発的なトラブルにもスピーディーな対応が期待できるうえ、管理委託費は大手に比べて控えめです。

地域密着型の賃貸管理会社への依頼を検討する際は、集客力もチェックするようにしてください。大手のように広告に費用や手間がかけられず、入居付けに弱い会社もあるためです。

また、規模の小さな会社では業務がマニュアル化されていないことが多く、担当者の経験に頼りがちです。経験の少ない担当者がついた場合は、対応に不満を感じることがあるかもしれません。ネット集客が主流の時代なので、年齢のバランスがよいチーム編成だと安心でしょう。ただし、賃貸経営の対応範囲には限界もあるので、依頼目的が明確な方に向いています。

【ハイブリッド型】

前述のように、大手と地域密着型の管理会社では、管理業務の対応力に大きな違いがあります。大手は広告や宣伝による集客力・仲介力が高く、安定して入居者様を供給することができるという大きな強みがありますが、基準を満たすためのガイドラインがあり画一的な対応になりやすいという側面があります。

地域の不動産会社は臨機応変な対応力や、地元のネットワークを生かした仲介力など、賃貸経営のパートナーとしては心強い面も多いです。しかし、経済基盤が弱く、与信や事業承継を考えた場合は不安があります。

それぞれのメリットを併せ持つハイブリッド型の賃貸管理会社も存在します。一つの施策だけではなく、オーナー様が求める賃貸経営を実現するパートナーをお探しいただくのが良いでしょう。

不動産運用の成功の鍵は信頼できる賃貸管理会社

比較的少額からスタートでき、レバレッジが効かせられる不動産運用は、資産運用の王道の一つです。賃貸経営に関わるいくつかのリスクはありますが、信頼できる賃貸管理会社をパートナーに選び管理を委託することが、最も有効な対策になります。

大切な資産を守り、不動産運用を成功に導くために、管理戸数と仲介件数実績を元に『4つの空室対策』を実践する賃貸管理サポート。管理オーナー様の売買ネットワークを保有する収益物件の購入・売却サポート。老朽化による課題は、持ち出し費用0円で1室から借上できる『リロの満室パック』や『賃貸経営リノベーション』による工事・修繕サポート。

大手と地域の良さを併せ持ち経験・実績が豊富な【リロの不動産】にお任せください。賃貸経営の流れに合わせて、幅広い対応力で伴走させていただきます。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。