公務員の副業に不動産投資は向いているのか?メリットと注意点を解説!

2022.12.22

年金制度や退職金制度が整っているといわれる公務員でも、「将来年金だけでは今の生活レベルを維持することができなくなるのではないか…」「老後資金が足りなくなるかもしれない」と不安を感じる方が少なくありません。また、信用力が高いとされる職業柄のため、いわゆる住宅ローン審査で優位性を感じた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、公務員は不動産投資に向いているのかどうか、公務員が不動産投資を行うメリットや注意点について解説します。

目次

副業禁止の公務員でも不動産投資を行うことは可能なのか?

公務員が副業禁止であることはよく知られていますが、不動産投資は公務員でも行うことができる数少ない副業の一つとされています。公務員の副業禁止規定や過去の判例を基に、公務員の兼業・副業が認められる条件を確認してみましょう。

公務員の副業禁止規定とは?

地方公務員は国家公務員同様、副業することを強く制限されています。

理由は、一般企業と同じで『職務専念義務』『守秘義務』『信用・イメージ』が損なわれる可能性が高いためです。

また、公務員は職務を公正中立な立場で職務を遂行することが求められるため「国家公務員法」「地方公務員法」で厳格に規定されており、公務員の副業禁止は、国家公務員法103~104条、地方公務38条に明記され、国家公務員法第96条、地方公務員法第30条に公務員としての仕事に専念させるためと記されています。

◆国家公務員の副業禁止規定とは?

(私企業からの隔離) 第百三条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
 前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。
 営利企業について、株式所有の関係その他の関係により、当該企業の経営に参加し得る地位にある職員に対し、人事院は、人事院規則の定めるところにより、株式所有の関係その他の関係について報告を徴することができる。
 人事院は、人事院規則の定めるところにより、前項の報告に基き、企業に対する関係の全部又は一部の存続が、その職員の職務遂行上適当でないと認めるときは、その旨を当該職員に通知することができる。
 前項の通知を受けた職員は、その通知の内容について不服があるときは、その通知を受領した日の翌日から起算して三月以内に、人事院に審査請求をすることができる。
 第九十条第三項並びに第九十一条第二項及び第三項の規定は前項の審査請求のあつた場合について、第九十二条の二の規定は第四項の通知の取消しの訴えについて、それぞれ準用する。
 第五項の審査請求をしなかつた職員及び人事院が同項の審査請求について調査した結果、通知の内容が正当であると裁決された職員は、人事院規則の定めるところにより、人事院規則の定める期間内に、その企業に対する関係の全部若しくは一部を絶つか、又はその官職を退かなければならない。
(他の事業又は事務の関与制限) 第百四条 職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。  

出典:国家公務員法103~104条

(服務の根本基準) 第九十六条 すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
 前項に規定する根本基準の実施に関し必要な事項は、この法律又は国家公務員倫理法に定めるものを除いては、人事院規則でこれを定める。  

出典:国家公務員法第96条

◆地方公務員の副業禁止規定とは?

(営利企業への従事等の制限) 第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。
 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。

出典:地方公務員法38条

(服務の根本基準) 第三十条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

出典:地方公務員法第30条

副業がバレる原因と回避策とは?

副業が勤め先にバレる主な原因は、住民税の特別徴収制度といわれています。住民税の特別徴収制度とは、月割りの住民税を給与から天引きする仕組みで、給与に対して住民税が多すぎると、副業をしているのではと疑われてしまうのです。

住民税が原因で副業がバレることを避けるためには、所得税申告書にある自分で納付の欄にチェックを入れることで、普通徴収となり、6月に届く納付書で住民税を納めるという方法をとることができます。しかし、副業が雑所得や事業所得ではなく、アルバイトなど給与所得である場合はこの方法は使えず、天引きされる住民税の金額で副業が判明するケースも珍しくありません。

確定申告を自分で行い、確定申告書の第二表の住民税欄で「自分で納付」にチェックをつけ、ご自身で住民税を納めましょう。住民税のほか、副業先で社会保険に加入したり、副業中に知人に遭遇してしまったりすることでも副業が勤め先にバレてしまうケースも多いようです。

公務員でも行える副業とは?

公務員は、全ての兼業・副業が一律禁止されているかというと、実はそうではありません。

なかでも、不動産投資といわれる、アパート経営やマンション経営などの不動産賃貸業は、家業や相続で受け継ぐこともあれば、投資として本業に支障なく行えるため、公務員でも容認されることが多い副業として、広く知られています。

社会情勢や環境の変化により、従来の枠組みで対応しきれない事態に発展しています。いままでよりも柔軟に地域の問題を解決するため、NPO・地域活性化につながる活動など一部の副業を解禁する動きも見られます。

2017年に神戸市が、一定の条件を満たした職員が許可を得て副業として報酬を得て社会貢献活動を認めました。神戸市が発端となり、複数の自治体が追随し、2018年度の地方公務員の兼業許可件数は約4万件に達しています。副業に対する取り組みは公務員の間でも広がりつつありますが、先述のとおり公務員法による厳格な規定により自由な副業活動は難しい状況です。

公務員の兼業・副業が認められる条件とは?

人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について(最終改正:2020年12月15日)によると、公務員でも承認を得ることで、兼業・副業が認められる可能性があるのは「不動産又は駐車場の賃貸」「農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏等」「太陽光電気の販売」の3種類とされています。

第1項関係  
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合  
 イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。   
 ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。   
 ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。  
 ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。  
 ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
(2)駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合   
 イ 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であること。   
 ロ 駐車台数が10台以上であること。  
(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合  
(4)(1)又は(2)に掲げる不動産等の賃貸と同様の事情にあると認められる場合  

出典:人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

また、2019年3月の内閣官房内閣人事局の資料によると、上記の家業の手伝いや投資のほか、非営利団体における副業を認める旨の記載があります。

ただし、副業が承認されるには一定の条件があります。

アパート経営・マンション経営といわれる不動産投資では、5棟10室以上、年間の賃料収入500万円以上などの基準を超える場合には許可を受ける必要があるとされています。5棟10室を超える事業的規模であっても、相続で家業を継承した場合などであれば、兼業が承認される場合があるということです。

一方で、事業的規模未満でも自主管理などで本業に支障をきたす可能性が高いと判断された場合は処罰の対象となる可能性も否めません。一定以上の関与度や規模で副業・兼業を行う場合は、自営兼業承認申請書を提出し、承認を得てから副業を始めるのが賢明です。

公務員の副業に不動産投資が向いている理由とは?注意点も解説!

不動産投資(不動産賃貸業)を副業にしている公務員は少なくありません。公務員の副業に不動産投資が向いている理由に加えて、公務員が副業として不動産投資を選ぶ上で知っておきたいメリット・デメリット・注意点を解説します。

不動産投資は公務員でも可能な副業だから

公務員が本業以外で収入を得る方法は限られています。しかし、副収入を得たい、将来のために私的年金を準備しておきたいと考える公務員の方は少なくありません。

不動産投資であるアパート経営やマンション経営は公務員の副業として認められており、節税対策と合わせて取り組んでいる方が多くいらっしゃいます。

不動産投資は手間をかけずに行うことが可能な投資だから

不動産投資が手間をほとんどかけずに行うことができるという点も、本業に専念したい公務員の方に向いています。例えば、投資と聞いてイメージする方が多い株式投資は毎日株価が値動きするため、頻繁に値動きを気にする必要がありますが、不動産投資では毎日値動きを気にする必要はありません。

また、不動産は管理に手間がかかるというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、それも信頼できる管理会社に任せることでオーナー様ご自身はほとんど手間をかけずに行うことが可能です。

安定収入を得られる生命保険となるから

投資用不動産から得られる家賃収入は、長期的かつ安定的な収入となり、老後資金の不足などを補う役割を発揮します。また、団体信用生命の効果で、万が一のことがあった場合には、アパートローンの残債がなくなるため、ご家族に負債を残す心配がなく、家賃収入をご遺族の生活保障とすることができます。

団体信用生命保険が生命保険代わりになるため、団体信用生命保険付きのローンを組んで投資用不動産を購入されたことが、生命保険を見直すきっかけとなり、大幅に保険料が安くなったという事例もあります。

信用が高く、融資審査で有利だからレバレッジ効果が高い

不動産投資であるアパート経営・マンション経営を行う場合の多くは、金融機関から融資を受けます。融資を受けるためには収益性の高い賃貸経営が見込める不動産の担保力や、債務者の属性や信用力などを総合的に判断し、融資実行の有無や条件が確定されます。よい物件に出会えても資金調達ができず、購入を諦めなければいけないケースも少なくありません。レバレッジ

公務員は「失業の可能性が低い」「収入・賞与が安定している」「退職金で一括返済が可能」などの理由から社会的信用が高いとされています。金融機関の融資審査において、物件の積算価格や収益力も加味して融資の可否が検討されるのが一般的です。社会的信用が高い公務員という属性上、融資が通りやすくなることもあります。審査が通りやすいのは不動産投資を行う上で非常に有利なポイントになるでしょう。

融資を利用することで、投資利回りを高める効果が期待できるレバレッジ効果が期待できます。社会的信用の高い公務員が、高い収益性が期待できる物件に投資する場合、年収をはるかに超える金額の融資を受けられることも珍しくありません。

相続税や所得税の節税効果も期待できるから

不動産投資で得られる節税効果は、資産家や高所得者が不動産投資を始める理由の1つと言われています。株式投資などと大きく違うポイントになるため、不動産投資で節税対策ができる理由を詳しく説明します。

不動産投資が相続税対策になる理由「相続税評価額」

不動産投資が相続税対策になるのは、例えば3000万円の現金と3000万円で購入した不動産の相続税評価額が異なることが原因です。

不動産は流動性が低く、相続後にすぐに現金化して使うことが難しいため、一般的に不動産の相続税評価額は現預金の70~80%程度です。不動産を投資用物件として他人に貸していると、すぐに売りにくいため、さらに流動性が低いと考えられ、投資用不動産の相続税評価額は居住用不動産の場合の70~80%程度となります。

それぞれ70%と仮定すると、3000万円×0.7×0.7=1470万円になる計算です。

このように、現金を投資用の不動産に変えることで、相続税評価額が現金で保有している場合の半分以下になることも珍しくなく、相続税対策になるのです。

不動産投資で所得税・住民税が節税できる理由「損益通算」

不動産投資が所得税の節税になるといわれている理由は、公務員としての本業で得た所得(給与所得)と不動産所得を損益通算することができるためです。損益通算とは、本業の収益とほかの所得で得た収益もしくは損失を合算して、課税所得を計算する仕組みです。

不動産投資の場合は、実際に不動産投資でかかった費用や、減価償却費などの帳簿上の経費を損金計上することができるため、手元の収支は黒字でも、帳簿上は赤字になることが多く、損益通算による節税効果が高いといわれています。不動産所得の赤字分を本業の利益から差し引いて税金を計算することができるため、所得税・住民税の節税につながります。

本業の収入が所得税率23%(住民税とあわせて33%)の範囲内の方を例に計算をしてみましょう。
不動産所得が▲300万円の赤字と仮定すると、課税所得が300万円少なくなり、300万円×33%で約100万円所得税・住民税が安くなります。

※法令は毎年変化があるものです。不定期でも、ご自身の状況を専門的なパートナーに確認してみることをおすすめします。

損益通算が可能な所得は、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得のみで、副業としてほかの事業を営むことが認められていない公務員の方の場合、不動産所得が最も有力な選択肢と考えられます。

公務員が物件選びで注意すべきポイントとは?

不動産投資において物件選びは非常に重要です。物件選びで正しい選択ができれば、入居者選びで苦労する可能性が低くなるなど、不動産投資にかかる手間が少なくなり、安定した賃貸経営ができるでしょう。

公務員の方が物件選びでどのような点に注意すべきなのかについて解説します。

高利回り物件よりも、空室リスクが低く賃貸需要が高い物件を選ぼう

公務員の方は、副業の制約があるため、団体信用生命保険を付ければ生命保険となり、節税効果も見込めます。

需要が高い物件は高額になりがちですが、副業の制限がある公務員の場合、無制限に物件を増やし続けられるわけではなく、5棟10室以内に抑えなくてはなりません。保有する物件の稼働状況を高くキープし空室を生まないことが収益向上の肝となるため、融資で有利であるという公務員のメリットを生かして、団体信用生命保険の効果や節税効果を見越して物件を選ぶとよいでしょう。

端的な表現をすれば、田舎の高利回り物件よりも、都市部の立地がよく、不動産の積算評価や収益力が高い物件を選ぶのがおすすめです。

需要が高い物件を選ぶと、退去が発生したとしてもすぐに次の入居者様が見つかるため、心理的負担も少なくてすむでしょう。立地だけではなく、構造や設備、間取りなどが地域の需要とマッチしているかという点もポイントとなります。

周辺環境の調査は入念に行おう

立地や周辺の都市計画や道路拡張、スーパーマーケットや新駅が新設される計画の有無などの需要変化を確認し、地域の人口推移や世帯の変化などマーケット調査をするなどを行い、建設計画や将来性などの情報を基に投資判断をすることが大切です。不動産会社の協力を得て、周辺に似たような不動産の建設計画があり供給過多になる可能性はないか、将来的に人口が大きく減る地域ではないかなどを事前に調べるようにしましょう。

不動産投資で物件を購入する際には、素早い意思決定も必要になります。日頃からある程度投資したいエリアに目星をつけておけば、よい物件に出会ってから、周辺環境の調査に時間をかけることなく、迅速な判断が可能になります。安心して不動産投資を行うためにも、日頃から投資したいエリアの情報にアンテナを張っておきましょう。

不動産業者選びで必ず確認しておきたいポイントとは?

どのような不動産業者から物件を購入し、管理を任せるといいのでしょうか。不動産業者と話をする際には、次の4つのポイントに注目して、任せてもよい相手なのかどうかを判断しましょう。

地域の情報に詳しいか?

周辺環境の情報を知るにあたって、不動産業者はとても頼りになる存在です。投資判断の肝となるエリアの人口推移や世帯の変化は国の調査などで知ることができますが、細かな立地や周辺の都市計画やスーパーマーケットや新駅が新設されるといった細かな情報は、個人が本業の傍らで集めようと考えても限界があります。投資を検討している地域情報に詳しい、地域の老舗業者をパートナーに選び、地域の情報を積極的に教えてもらうとよいでしょう。

収益物件の売買ネットワークを保有しているか?

不動産業者の中には、メリットばかりを説明して契約を促す業者も存在します。メリットばかりではなく、リスクや対処法もあわせて伝えてくれるかという点は、よい不動産業者を選ぶうえで欠かせないポイントです。

不動産は、安く購入し、高く売却するのが理想です。理想に近づけるための努力や仕組みを構築している会社かどうかも会社探しのポイントになります。

銀行や士業のほか、投資用物件を取り扱う不動産会社や事業拡大を目指す不動産オーナー様、社宅等を探している企業とのつながりが強く、リノベーションなどで付加価値を付けて高く売る方法なども提案してくれるような、多くの独自売買ネットワークや選択肢を保有している企業を選ぶとよいでしょう。

『4つの空室対策』に強い不動産業者か?

不動産の管理をしている企業の中にも、空室対策やリーシング(入居者募集・賃貸仲介)に強い会社、不動産の賃貸経営戦略を一緒に立ててくれる会社、法人契約に強い会社、オーナー様の関与度を低くできる会社など、異なる強みを持った不動産業者があります。

不動産投資にはいくつかリスクがありますが、多くはコントロールすることが可能で、特に空室リスクは、収益悪化の最も大きな要因となるため、空室対策に強い会社をパートナーに選びましょう。『4つの空室対策』は空室発生の代表的な要因を解決するフレームワークとなります。

①入居者募集力。②賃貸仲介力。③管理対応力(入居者管理/建物管理)。④設備・工事対応力を備えたパートナーを選定してリスクヘッジを行うなど、不動産会社の強みを知り、任せられるところはパートナーに委託することが公務員の本業と不動産投資を両立する秘訣です。

不動産投資を任せられる幅広いサポートと実績があるか?

不動産投資は購入してからが本番です。公務員の方が安心して業務に専念し、安定収益を生み出すためには、「収益物件の売買」「空室対策に強い賃貸管理」「ミニマム投資で費用対効果を向上する工事・修繕対応」「節税対策・相続対策・資産活用」などの幅広いサポートが必要となります。

賃貸経営をトータルでサポートできるパートナーは複数あっても、オーナー様のご事情を理解し、賃貸経営の目標達成に貢献するパートナーは限られてくるはずです。実益を考えたシミュレーションを考える際にも、対応業務の範囲でシミュレーション結果の意味合いが全く異なります。安心して任せるためにも、不動産投資や賃貸経営をまるごとお任せできる業務範囲を、確認しておきましょう。

特に、賃貸経営を安定し、収益最大化を図るためには、実績や経験の豊富な賃貸管理会社に任せるのがよいでしょう。では、賃貸管理のパートナーをどのように探せばよいのでしょうか?

具体的な指標として事前に確認することをおすすめしたいのが、「管理戸数」と「仲介件数」です。

「入居率(空室率)」を参考にする場合もありますが、賃貸管理会社の実績や経験を正しく比較できない可能性もあります。例えば、首都圏にある人気の高い物件ばかりを管理していれば、入居率が高くても当然でしょう。一方で、地方にある物件は空室対策が難しいことが多いため入居率は低めになります。

このように、入居率は参考になっても賃貸管理を任せる判断材料としては不足しているのです。賃貸経営の運用実績に直結する「管理戸数と仲介戸数」も見るべき数字に加えてみてください。

後述する不動産業者の種類と特色も加味して、オーナー様に寄り添えるパートナーをお探しください。

購入後に委託する賃貸管理会社の種類と特徴

賃貸管理会社は主たる事業内容により得意分野も異なり、複数の種類に分けることができます。代表的な会社の種類には、ハウスメーカー系、デベロッパー系、不動産投資会社系、さらには地元密着型の中小企業の不動産会社、賃貸管理専門の会社、などがあります。それぞれの会社のタイプにより特色が異るため、各タイプの大まかな特徴を解説しましょう。

ハウスメーカー

全国的に知名度の高いハウスメーカーの系列会社で、自社で建築した物件を管理しています。その大きな特徴は、設計から建築、管理に至るまで一貫して行うという点。自社が建てた建物なので建物の構造を熟知し、建物や設備の維持管理については安心して任せられます。

「サブリース契約」での管理運用が基本となり、オーナー様の負担も少なく、安定した賃貸経営を実現できます。一方で、「サブリース契約」特有の手数料の高さといったデメリットも存在します。建築物の品質を担保するために、基本的にハウスメーカーの指定した工事内容を選択する必要があり、これに応じないと家賃の減額見直しが行われるケースもあります。

大手不動産デベロッパー

全国展開する大手不動産会社などのデベロッパーが、子会社や関連会社に管理業務を委託するケースです。大企業の系列会社も多く、知名度を生かした高いブランド力を持ちます。誰もが知っている会社名を生かした集客力は高く、空室を埋めるスピードも速い点が大手不動産デベロッパーをパートナーに選ぶメリットです。

一方で、ブランドの品質を担保するため、手数料を含めた管理コストがやや高めで、たくさんの管理物件を扱っているため、入居者のクレームや突発的なトラブルに対しては画一的な対応に終始する傾向もあり、オーナー様に対しての積極的な提案が少なめといったデメリットもあります。

投資用不動産専門の不動産販売会社

投資用不動産の販売を中心に行っている会社には、新築・中古・アパート・マンション・戸建て・都市部・地方などそれぞれがメインで取り扱っている得意分野が存在します。サポートが手厚い会社であれば、節税や相続対策などのアドバイスを受けられる場合もありますが、売って終わりで購入後のサポートがほとんどない会社も存在するため、手厚いアフターフォローを行っている会社かどうかの見極めが重要です。

建物管理専門の不動産会社

賃貸物件の建物管理だけを請け負う会社です。不動産オーナー様と直接契約を締結する場合や、大手のハウスメーカーや不動産デベロッパーから管理業務の委託を受け、多数の不動産を管理している場合もあります。建物や設備の維持管理に特化した会社が中心ですので、建物管理に関しては質の高いサポートを期待できます。

その一方で、「空室対策」や「入居者対応」など、賃貸経営に関連する重要な業務へのサポートを得意としていない企業が多いというデメリットもあります。もともと賃貸経営に関する業務を行う会社ではないため、賃貸経営の根幹に関わる業務のノウハウに乏しい傾向にあります。

地域密着型、街の不動産屋さん

駅前や商店街などで見かける個人や家族経営の不動産屋さんの中には、長年地域密着型で経営してきた実績があるため、地域の情報に詳しく、親身になってサポートしてもらえる不動産屋さんもあります。

街の不動産屋さんは、フットワークの軽さを生かして比較的柔軟な対応をしてもらえる点がメリットですが、担当者次第で管理業務の質にばらつきが出やすく、当たりハズレが大きいというデメリットがあります。さらに集客面では知名度や資金力に勝る大手に後れを取りがちです。経営基盤も大手と比べて盤石ではないため、将来的に長い間管理業務を任せられるかという点も懸念されます。

地域密着型の街の不動産屋さんを選ぶ場合は、集客力やトラブル対応力、担当者との相性、さらには会社の経営基盤の安定性、といった点に注目するといいでしょう。

フランチャイズ展開を行っている大手不動産仲介会社

ネットやテレビでも頻繁に目にする、大手FC不動産仲介会社の系列賃貸管理会社です。立地のよい場所に店舗を構え、知名度が高いため、高い集客力が期待できます。

仲介業務が中心で、管理業務はその派生という位置づけで対応することも多く、管理業務全般のクオリティーに物足りなさを感じる場合もあります。特に大手FCは膨大な数の物件を扱っているので、個々の案件に対しても本社のマニュアルに準じた画一的な対応が目立ち、管理業務の範囲にも明確な規定があることで、柔軟な対応が難しいケースもあるでしょう。

ハイブリッド型の賃貸管理会社

ハイブリッド型の賃貸管理会社とは、大手の賃貸管理会社と地元密着型の賃貸管理会社、両方の強みを持つ不動産会社のことです。大手の賃貸管理会社の持つ「集客力」と「安定性」、地元密着型の賃貸管理会社が持つ「情報力」と「迅速で柔軟な対応力」をあわせ持つ賃貸管理会社になります。

ハイブリッド型の賃貸管理会社は、賃貸経営の流れを包括的にサポートする点が大きな特徴です。賃貸経営で収益を生み出すために必要となる、「入居者を募集する力」「物件と入居希望者様をマッチングし契約する仲介力」「入居者様と建物の管理対応力」「賃貸経営に必要なミニマムの設備投資と工事への対応」といった一連の流れを、俯瞰的にサポートしてくれます。

さらに、息の長い賃貸経営をサポートするために、保証サービスや相続、節税対策のアドバイスといった、多岐にわたるサポート内容を用意する心強いパートナーも存在します。賃貸管理業務をメインに発展した会社も多いため、賃貸経営に関わるあらゆる管理業務に関するエキスパートといえるでしょう。

このように、地域の賃貸管理会社が持つ強みと大手の持つ信頼性の両面で、賃貸経営に必要なサービスを包括して提供してくれるのが、「ハイブリッド型」の賃貸管理会社です。賃貸管理会社選びの際にはぜひご注目ください。

公務員の不動産投資は本業に専念できる環境づくりが成功の秘訣

不動産投資で成功するには、事前の情報収集や購入後の空室対策などのポイントを押さえる必要がありますが、公務員の仕事をしながら賃貸経営をご自分で行うことは難しいでしょう。無理なく本業と不動産投資を両立するためには、賃貸経営に関わることを「まるごと」お任せできる賃貸管理会社を見つけることが成功への近道です。

理想的な賃貸管理会社の特徴は、大手の得意とする「集客力」や「ノウハウの豊富さ」と、地元の不動産会社が得意とする「柔軟な対応力」、「地域に精通した情報力」をあわせ持ち、オーナー様の細かなニーズに対応できる「業務範囲の広さ」があるという点です。

【リロの不動産・リロの賃貸】は、全国6位の仲介力と、多くの管理戸数による実績をベースに、オーナー様の賃貸経営を全力でサポートする「ハイブリッド型」の賃貸管理会社です。

これまでに培った豊富なノウハウを活かしながら、オーナー様の大切な不動産の資産価値を向上させるため、『4つの空室対策(募集力/仲介力/管理対応/設備・工事対応)』や、入居者ニーズを反映したミニマム投資で費用対効果を追求する「賃貸経営リノベ―ション」、手持ち資金0円から工事に着手できる「割賦工事」、相続、税金対策のアドバイスなど、豊富なサービスメニューをご用意しています。

賃貸経営を俯瞰して、客観的にトータルサポートできる賃貸管理会社をパートナーに選び、不動産投資で成功する確率を高めましょう。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。