マンションオーナーの仕事内容と収入を解説!注意点・リスク・対策事例も紹介

2025.11.13

既にマンションオーナーの方、またはこれからマンションを保有し、マンションオーナーとして事業を行っていこうと考えている方の中には、マンションオーナーとして成功するためにはどのような知識が必要なのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。マンション経営は、副業が禁止されている公務員や会社員でも取り組める事業の一つです。

本記事を読めば、マンションオーナーの業務内容や、マンション経営におけるメリットに加え、リスクと対策など、成功するためにはどうすればよいかが分かるでしょう。マンションオーナーになることを検討している方や、賃貸経営がうまくいかず悩んでいる方はぜひご一読ください。

▼この記事の内容

●マンションオーナーになるために資格は不要だが、「マンション経営に関する知識」「金融機関に対する信用力」「自己資金」が必要

●マンション投資には区分マンションと1棟マンションの2種類があり、目的や資金力などに応じて選択する

●マンション経営のメリット・デメリットを把握したうえで、自分に合った物件を選ぼう

●物件選びの際は、事前の情報収集と収支シミュレーションを入念に行い、出口戦略まで考えておくことが重要

●マンション経営を成功させるためには、信頼できる賃貸管理会社をパートナーに選び、賃貸管理を委託するのがおすすめ

目次

マンションオーナーについて

マンションオーナーについて解説していきます。マンションオーナーになるために何が必要なのかわからない、と考える方も少なくないでしょう。以下ではマンションオーナーの種類や、マンションオーナーになるのに必要なことを紹介します。

賃貸経営を行うにあたって、マンションとアパートのどちらを選ぶか迷っている方やマンション投資の詳細は、下記の記事を参考にしてください。

■参考記事

アパート経営とマンション経営の違いとは? メリット・リスクと投資戦略

マンション投資を徹底解説!成功のポイントとメリット・デメリット!

投資用マンションの基本! 保有戸数別の収益と不動産投資の成功ポイント

マンションオーナーとは?

マンションオーナーは、保有物件の種別により大別できます。「区分マンションオーナー」と「1棟マンションオーナー」の2種類あるため、それぞれの特徴をお伝えします。

区分マンションオーナー

区分マンションオーナーとは、マンションの1室を購入して賃貸経営を行うオーナー様のことです。専有部分となる所有マンションの1室管理のため、管理範囲が狭く不動産投資の中では物件価格も少額であることから、マンションオーナーの入り口として始める方が多い点が特徴です。

区分マンションオーナーの場合、買増しを行い複数戸所有している方も多くいらっしゃいます。また、保有している区分マンションを売却して、1棟アパートのオーナーや1棟マンションのオーナーにステップアップする方もいるなど出口戦略にも影響するため、はじめての区分マンションの購入はしっかりと吟味する必要があります。

複数戸保有するマンションオーナーは、賃貸管理会社へ管理業務を委託することで大幅な業務効率を実現できるでしょう。注意点としてマンションの大規模修繕の履歴や、お部屋の設備が入居者ニーズを満たすものかなど、今後発生が予想される費用を把握しておくと安心です。

以下に紹介する区分マンションの売買事例も、ぜひ参考にしてください。

■参考記事

区分マンションオーナー購入事例

区分マンションオーナー売却事例

1棟マンションオーナー

1棟マンションオーナーとは、1室のみ所有する区分所有ではなく、マンション1棟を保有し賃貸経営を行うオーナー様のことです。区分マンションと比較すると収益を生み出すお部屋が多くなり、家賃収入の金額が大幅に増加します。

区分マンションで1室のみ保有する場合は空室になると賃料が発生しませんが、複数戸保有するマンションでは入居者様の入れ替わりがあっても安定的に賃料収入が発生します。ただし、購入金額が大きくなり、共用部などマンション全体の管理を行うため大規模修繕や建物全体の維持管理費などの費用負担も大きくなるでしょう。

不動産は実物資産になるため、所有額が大きいと節税効果も大きくなります。銀行の融資を受けて購入することにより、高いレバレッジ効果を発揮するでしょう。計画的な修繕計画により収支を最適化することも、1棟マンションオーナーの仕事の一つです。

不動産投資では所有戸数が多くなるほど収益が増加する反面、管理の煩雑さや大規模修繕などの工事対応、売却、相続など、賃貸経営をトータルサポートする幅広い対応力が求められるでしょう。

以下の1棟マンションの購入に関する記事や事例もご一読ください。

■参考記事:アパート一棟買い・マンション一棟買いを数字で判断!一棟投資成功に向けたポイントを解説

■参考事例

1棟マンション購入事例

誘致開始から1ヶ月で医療機関のテナント契約した新築賃貸マンション

年300万円の収入増加!老朽化したアパートの建て替えをフルサポート!

マンションオーナーになるには?

『区分所有』および『1棟所有』のマンションオーナーになるには、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか。マンションオーナーになる方法を、必要な年収や注意点とあわせて以下で解説します。

以下の記事でもマンションオーナーになるまでの流れを詳しく解説していますので、参考にしてください。

■参考記事

マンション経営に必要な初期費用の目安|事例で知る費用経費や注意点

不動産オーナーになる方法!仕事内容や収入、メリット・リスク、注意を解説

不動産投資は難しい?向いている方の目的や属性から分かる特徴とは

収益物件となる不動産を所有する

マンションオーナーになるには、まず収益物件となる不動産を所有する必要があります。不動産を所有するきっかけは人それぞれです。例えば、マンションを相続したというケースや相続した土地にマンションを建設するというケース、ほかには節税効果を得るためや相続税対策としてマンションを建設・購入するケースなども考えられるでしょう。

また、原則として副業が禁止されている公務員や会社員でも取り組める事業のため、資産形成の一つとして始めたいと考える方も少なくありません。このように、マンションオーナーになるきっかけや目的によって、賃貸経営のプランニングは大きく変わってくるのです。

これからマンションオーナーになろうとお考えの方は、まだ収益物件となる不動産を保有していない場合がほとんどではないでしょうか。収益物件を所有することがマンションオーナーのスタートラインとなるため、新築・中古を問わず収益物件を購入する代表的な流れを以下で紹介します。

大切なことは物件を保有する目的です。賃貸経営を行う目的と言い換えてもいいでしょう。マンションオーナーになる目的が明確であれば、必要な戸数や将来のプランニングを具体的に描けるようになり、判断する指針も固まります。賃貸経営でいい物件は、一般の物件よりも早いスピードで売買が確定するため、迅速な意思決定ができるように準備を進めることが大切です。

不動産購入までの流れを簡潔にまとめると、以下のとおりです。

●収益物件の条件を決める
●収益物件や空室対策に強い不動産会社・賃貸管理会社に相談し、物件を探す
●現地確認などを行い、最終的に購入する物件を決める
●ローンを利用して購入する場合はローンの申し込み、審査を受ける
●不動産売買契約を締結し、ローン利用の場合は金銭消費貸借契約書を締結する
●決済および物件の引渡し

なお、購入する物件の種類によって注意すべきポイントが少し異なるため、以下の記事・事例も参考にしてください。

■参考記事

現金購入で始める!区分マンション投資のメリットとデメリット

賃貸マンションの一棟買いはあり? アパート経営・区分マンション経営との徹底比較

アパート一棟買い・マンション一棟買いを数字で判断!一棟投資成功に向けたポイントを解説

■参考事例:収益物件の購入事例

資格や年収

マンションオーナーになるにあたって必要な資格はあるのでしょうか。実際には必要な資格はありませんが、持っておくことで役に立つ資格はあります。

例えば不動産業務に関する法律知識が身に付く宅建士や、入居者トラブルの対処法などマンション管理に必要な知識を学べるマンション管理士、賃貸住宅の管理に関する知識が習得できる賃貸不動産経営管理士、長期的なキャッシュフローを考える際にも役立つファイナンシャルプランナーなどです。

マンションオーナーを始める方の年収は、区分マンションオーナーであれば500万円以上、1棟マンションオーナーであれば1,000万円以上が多い傾向にあります。年収と目的は賃貸経営のプランニングに密接に関係します。例えば、将来の年金対策として区分所有を希望することもあれば、高額所得者の方が節税で1棟マンションを購入することもあるでしょう。

公務員の方なども、安定資産として活用することが多い不動産投資では注意点があります。賃貸経営の規模によっては副業と認められない場合があるため、地方自治体や関係各所の規定をご確認のうえ、ご注意ください。

不動産購入や経営に必要なもの

マンションオーナーになるために必要なのは、主に以下の3つの要素です。

1.マンション経営に関する知識

立地や築年数など収益性の高い物件を選ぶ知識に加え、売買・賃貸の法律や、税金(経費・会計処理)などの基礎知識が不可欠です。不利な契約を避け、適切な経営判断をするために、最低限の知識は身につけておきましょう。

2.信用力

高額な不動産投資ローンを借りるため、金融機関の審査に通過する返済能力が必要です。勤務先、年収、勤続年数などの属性や、これまでのローン返済状況がチェックされます。安定した家賃収入を得られる物件の収益性も重要です。

3.自己資金

主に、融資を受ける際の頭金(物件価格の10〜20%が目安)として求められます。自己資金が多いほど審査で有利になり、借入額が減るメリットがあります。また、空室や修繕費などの予期せぬ出費に備え、安定経営を続けるための準備資金としても重要です。

マンションオーナーになる際の手順

これからマンションオーナーを目指す方は、「何をどのように準備すればいいのか」「どのような手順を踏めばよいのか」といったところから、不安や戸惑いを感じるのではないでしょうか。ここでは、投資用マンションを購入して運用を開始するまでの一般的な流れを、順を追って分かりやすく解説します。

予算や物件の条件を設定する

マンションオーナーになる最初のステップは、投資の目的と物件に求める条件を明確にすることです。区分所有か1棟所有かによっても必要資金が大きく変わるため、まずは投資の目的にそって予算や地域などの条件を設定しましょう。目的が明確であれば、物件を選定しやすくなります。

不動産会社に相談して物件を探す

予算と条件が固まれば、本格的な物件探しを始めます。インターネットで検索するだけでなく、不動産投資会社にも相談しましょう。一般公開されている物件情報だけでなく、条件のいい非公開物件を紹介してもらえるかもしれません。

いい物件が見つかったら、現地調査で賃貸需要や周辺環境などを確認し、収益性を見極めます。購入の意思を固めたら売主に対して「買付証明書」を提出し、正式に買い付けを行いましょう。

金融機関で融資の審査を受ける

次に、金融機関で融資の審査を受けます。審査は二段階あり、まず大まかな条件を確認する仮審査から始まり、仮審査に通過するとより詳細な書類を提出する本審査へと進みます。不動産会社が提携する金融機関を紹介してもらうと、融資の申し込みからサポートを受けられるため、不安な方は相談するとよいでしょう。審査期間は、1~2ヶ月程度かかるのが一般的です。融資の承認が下りたら、いよいよ購入手続きに進みます。

不動産売買契約・金銭消費貸借契約を締結する

融資の本審査に通過後、不動産売買契約を結びます。契約前には、宅地建物取引士から重要事項説明を受け、契約書の内容を十分に確認することが大切です。内容を理解・納得したうえで契約書に署名・捺印し、手付金を売主に支払います。

売買契約後には、借入を行う金融機関と金銭消費貸借契約(ローン契約)を締結し、資金調達の手続きを完了させます。

決済・引渡しを行う

売買契約とローン契約が完了したら、残金決済と物件の引渡しです。決済日には残代金の支払いと、司法書士立ち会いのもと、物件の所有権移転登記の手続きを行います。決済・引渡しの手続きが完了した時点で、マンションオーナーとなります。

賃貸管理会社を決める

マンションの管理を委託する場合は、賃貸管理会社の選定を行いましょう。入居者募集や家賃の集金、クレーム対応など、マンションオーナーの業務は多岐にわたります。オーナー様が一人で行うには限界があるため、賃貸管理会社に業務委託するのが一般的です。

賃貸管理会社によって入居者様の満足度や入居率が大きく変わるため、賃貸管理会社は慎重に選びましょう。特に、物件管理を本業としている独立系の賃貸管理会社は、オーナー様の収益向上と利害が一致しやすく、入居者様に長く住んでもらうための努力を惜しみません。信頼できるパートナーになる可能性が高いでしょう。

マンション経営における管理業務の重要性については、以下の記事を参考にしてください。

■参考記事:マンション経営の管理業務で収益を最適化!賃貸管理会社の業務を事例で解説

マンションオーナーの業務内容と収入・支出

マンションオーナーが賃貸経営で押さえておきたいポイントとは何でしょうか。マンションオーナーの業務内容や、オーナー様が得られる収入、そして賃貸経営に係る支出を紹介しながらお伝えします。

マンション経営の収益性を計る指標の「利回り」にはいくつかの種類があります。詳しくは以下の記事にてご確認ください。

■参考記事:マンション経営の利回りを徹底解説!指標の種類・平均値・計算方法を事例で確認

業務内容

マンションオーナーの具体的な業務内容は、以下のように多岐にわたります。

●入居者募集
●入居者様の契約や更新手続きの仲介・契約関連業務
●家賃の回収および滞納している場合の催促など
●退去手続き
●共用部分の清掃、点検、修繕業務

オーナー様が自由に使える時間もかぎられているため、業務を全て自分で行う「自主管理」や、賃貸管理会社へ管理を委託する「一般管理」や「サブリース契約」など、オーナー様にマッチする管理委託の選択を行います。物件やオーナー様の状況によりますが、多くのオーナー様は「一般管理」を選択されます。

管理委託の方法である「一般管理」と「サブリース契約」の大きな違いは、一定の収入が確約されるか否かです。一般管理の場合、賃貸管理会社はオーナー様から一部または全部の業務を委託されて行いますが、空室があるとオーナー様の収入に直接影響することになります。

サブリース契約の場合はオーナー様に代わって貸主という立場で不動産賃貸経営を行い、契約期間中は毎月決まった金額の収入が確約される、という仕組みになっています。

以下の記事でも、マンションオーナーの業務内容について詳しく解説しています。ぜひあわせてお読みください。

■参考記事

マンションの修理・修繕内容とは?賃貸経営におけるトラブル防止の対応方法

【事例付き】マンションの原状回復工事で収益改善!相場と工事内容を解説

大家さんが直接賃貸管理する際の業務とは?よくあるトラブルや改善事例も紹介

賃貸経営サポートとは? 不動産投資の成功を左右する管理会社の実力

収入

マンションオーナーになることで得られる収入は、「毎月収入になるインカムゲイン」と「売却時に得るキャピタルゲイン」の2つあります。

インカムゲインとは、収益物件を運営することで得られる利益になり、毎月安定して利益を得られるという特徴があります。インカムゲインの代表的なものは、以下の4つです。

●家賃(駐車場および駐輪場使用料含む)
●共益費
●敷金および礼金
●更新料

賃貸経営ではインカムゲインの収支で計画を作成することになります。

補足となりますが、キャピタルゲインとは売却することで得られる利益のことです。マンションオーナーの場合は資産である収益物件を売却することで、大きな収益を得られることもあります。

支出・経費

マンション賃貸経営には、収入だけでなく多くの支出がともないます。どのような支出が発生するのか、把握しておきましょう。

(初期費用)
●土地や建物代金の全部または一部(借り入れをする場合)
●仲介手数料
●登録免許税
●不動産取得税
など

(ランニングコスト)
●維持管理費および修繕費
●固定資産税
●火災保険料
●減価償却費
●通信費
など

また、マンション賃貸経営を行うことによって節税効果が得られる点を上述しましたが、節税効果を得るために計上できる経費については、以下のとおりです。

●物件をローンで購入した場合の借入金の利息分
●減価償却費
●税金
●保険料
●修繕費(元の状態に戻す修繕)
●通信費

「マンション経営のために使用する費用」は経費計上が可能です。そのほか、支出の中には長い目で見ると売却や相続にかかってくるコストがあることも覚えておきましょう。

マンションオーナーのメリット・リスク

マンションオーナーになると家賃収入を得られるなどメリットが大きいように感じますが、同時にリスクが発生する可能性もあります。以下では、マンションオーナーのメリットと考えられるリスクについて解説します。

マンション経営のメリット・デメリットをしっかりと把握しておきたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてください。

■参考記事

【事例付き】マンション経営のリスクと対策!不動産投資に欠かせない考え方とは

【完全ガイド】賃貸経営の成功法則!不動産投資で稼ぐための全知識

【アパート経営・賃貸経営入門】メリット・リスク・成功の秘訣をわかりやすく解説!

マンションオーナーになるメリット

1棟マンションは複数ある不動産賃貸経営の中でも規模が大きく、得られるメリットも多くあります。具体的に、収益性の高さ以外にどのようなメリットがあるのでしょうか。マンションオーナーになるメリットは主に以下の6つです。

安定した収入が期待できる

家賃という安定収入が期待でき、副収入や節税のメリットも得られます。新築より中古は賃料が下落傾向ですが、空室対策などリスク対応で収入安定化が可能です。アパートより大規模で耐用年数が長いマンションは、長期的な家賃収入(インカムゲイン)が期待できます。ただし、維持管理費などの支出も多く、収支計画の注意が必要です。

実物資産になる

株などの金融資産と異なり、不動産は実物資産です。特にマンションは耐用年数が長く、長期のローン借入や資産の長期保有に適しています。1棟所有の場合、建物の価値が下がっても土地が資産として残るため、相続対策にも効果的です。

節税対策として有効

不動産は現金よりも相続税評価額が低く、特に相続税・贈与税の節税に高い効果があります。また、不動産所得の赤字は給与所得などと損益通算できるため、所得税・住民税の節税にもつながります。

生命保険がわりになる

マンションをローンで購入する場合、団体信用生命保険(団信)に加入すると、債務者死亡時にローン残債が免除されます。その結果、残された遺族は無借金のマンションを資産として受け継ぎ、賃貸経営を継続して家賃収入を得ることが可能です。

インフレに強い

不動産賃貸経営はインフレに強いというメリットもあります。仮に景気が悪くなったとしても、住居のニーズがなくなるわけではありません。景気の影響を受けて家賃が変動することも少なく、安定した収入が期待できるでしょう。

地域活性化に貢献し社会貢献になる

マンションの満室経営により、地域の人口増加や活性化に貢献します。また、建物の美観を保つことは街の景観維持や防犯につながり、地域住民に愛される街のシンボルとなる可能性もあります。健全なマンション経営は、地域貢献にもつながる大切な事業といえるでしょう。

マンションオーナーになるリスク

多くのメリットがある一方で、マンションオーナーになるリスクは何が考えられるのでしょうか。賃貸経営のリスクは適切な対応でコントロールできます。代表的な5つのリスクを対処方法とあわせて紹介します。

リスクを回避してマンション経営で成功するために、以下の記事もご一読ください。

■参考記事:【保存】不動産経営の種類や収支を学ぶ!リスク回避する成功の秘訣とは?

物件の取得費用・ランニングコストがかかる

マンションオーナーになるには、物件購入・取得費や毎月の運営費が必要です。初期費用(物件購入時の頭金※自己資金を除く)の目安は物件価格の約7%で、相続にも費用がかかるため、収益物件の取得・運営・売却・相続など、目的に応じた事前のシミュレーションが欠かせません。目的達成のために、専門家の意見も踏まえた計画的なプランニングを行いましょう。

空室・家賃滞納の可能性がある

マンション経営では、空室・家賃滞納リスクに備える必要があります。最重要の空室対策は、リーシングや管理に強い賃貸管理会社をパートナーに選ぶことです。管理戸数が多く、サービス範囲が広い会社を選びましょう。また、安易な賃料変更や想定外の支出を避けるため、相場調査に基づき、必要な修繕・リフォームを計画的に行うことが大切です。

マンション経営における効果的な空室対策については、以下の記事や事例も参考にしてください。

■参考記事:満室経営を実現する4つの空室対策とは?賃貸経営オーナーの事例で解説

■参考事例:マンションの空室改善事例

資産の流動性が低い

株などの金融資産に比べて不動産は流動性が低く、売却には3〜6ヶ月程度の期間がかかるのが一般的です。「収益性が高い」「人気の立地」など魅力的な条件がなければ、スムーズな売却は難しいかもしれません。予期せぬ事態で現金が必要になる場合に備え、早期現金化が可能な買取についても調べておくとよいでしょう。

災害リスクがある

地震や台風、火災などの災害は予期せぬタイミングで発生し、マンションに損害を与える可能性があります。最低限の備えとして火災保険や地震保険に加入し、万が一の損害に備えましょう。さらに、物件選びの段階で地盤調査を行ったり、ハザードマップを確認したりして、リスクの少ない物件を選ぶことも重要です。

金利上昇リスクがある

変動金利でローンを組んでいる場合、市場金利が上昇すると月々の返済額が増加し、当初の資金計画が狂う可能性があります。収支バランスが崩れてしまうことを防ぐためにも、事前に金利上昇時の返済シミュレーションを行い、余裕を持った資金計画を立てるなどの対策を講じることが大切です。

マンションオーナーの収入シミュレーション

マンションオーナーはメリットが多い反面、コストやリスクもともなうため、収入が気になる方が多いのではないでしょうか。ここでは、1棟マンションと区分マンションそれぞれの収入シミュレーションを行います。

マンション経営の大切な指標である「利回り」については、以下の記事を参考にしてください。

■参考記事:マンション経営の利回りを徹底解説!指標の種類・平均値・計算方法を事例で確認

区分マンションオーナーの収入シミュレーション

ここでは、一般的なワンルームマンションを想定して試算します。

【シミュレーション条件】

項目条件設定備考
物件価格2,000万円中古区分マンション1室
家賃収入(満室時)8万円/月年間96万円
自己資金(頭金)200万円物件価格の10%
借入金額(融資額)1,800万円 
融資期間30年 
金利1.8%変動金利
経費率年間家賃収入の15%管理費、修繕積立金、固定資産税など

【年間の収入と経費】

項目計算式金額
年間家賃収入(A)8万円×12ヶ月96万円
年間経費(B)年間家賃収入×経費率96万円×15%=14.4万円
年間ローン返済額(C) 約77.6万円 (約6.47万円/月)

住宅保証機構|返済額の試算

【手元に残る家賃収入】A−(B+C)

年間:96万円−(14.4万円+77.6万円)=4万円

月々:4万円÷12ヶ月=3,333円

1棟マンションオーナーの収入シミュレーション

次に、1棟マンションも同様に試算します。

【シミュレーション条件】

項目条件設定備考
物件価格1億円8戸のRC造マンションを想定
家賃収入(満室時)8万円/戸×8戸
(計64万円/月)
年間768万円
自己資金(頭金)1,000万円物件価格の10%
借入金額(融資額)9,000万円 
融資期間30年 
金利1.8%変動金利
経費率年間家賃収入の20%管理委託費、修繕積立金、固定資産税、設備点検費用など

【年間の収入と経費】

項目計算式金額
年間家賃収入(A)64万円×12ヶ月768万円
年間経費(B)年間家賃収入×経費率768万円×20%=153.6万円
年間ローン返済額(C) 約388.4万円(約32.37万円/月)

住宅保証機構|返済額の試算

【手元に残る家賃収入】 A−(B+C)

年間:768万円−(153.6万円+388.4万円)=226万円

月々:226万円÷12ヶ月≈18.83万円

マンションオーナー成功のための4つの対策

マンションオーナーとして成功するには、主に4つの対策を取れば成功につながるといわれています。しかし、成功に導く対策方法を知らなかったり、実際に賃貸経営がうまくいかなかったりと悩んでいるオーナー様が多いのも事実です。以下では、重要な4つの対策について解説していきます。

マンションオーナーを目指すにあたって、土地探しから始めるのと所有する土地を活用するのとでは、注意点がやや異なります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

■参考記事

【マンション経営入門】失敗から学ぶマンション経営成功のポイント

【事例付き】地主さんが行う賃貸経営での資産の増やし方とトラブル回避術

事前の情報収集・収支シミュレーションを入念に行う

マンションオーナーとして成功するための最大のポイントは、徹底した事前準備と情報収集です。不動産投資には、空室や災害、金利上昇などさまざまなリスクが伴います。あらゆるリスクを最小限に抑えるには、入念なシミュレーションが欠かせません。特に重要なのは物件選びです。周辺環境や交通アクセス、家賃相場などを多角的に調査し、賃貸需要の高い物件を選びましょう。高い入居率を維持できれば、安定した家賃収入が期待できます。

また、投資の成果を正確に測るためには、「実質利回り」で計算することが重要です。表面利回りだけでなく、管理費や修繕積立金、固定資産税などの諸経費を差し引いた実質利回りで収益を計算することで、より正確な収益予測ができ、適切な投資判断が可能になります。

表面利回りと実質利回りの違いや計算方法などは、以下の記事にてご確認ください。

■参考記事

レントロールとは? 収益物件の購入前に必ず確認したい確認事項を解説

【徹底解説】不動産投資の利回り計算! 賃貸経営を成功に導く指標とは

マンション経営の利回りを徹底解説!指標の種類・平均値・計算方法を事例で確認

出口戦略まで立てておく

マンションオーナーとして成功するために、購入時から出口戦略を立てておきましょう。出口戦略とは、最小限の損失で物件を手放すための計画のことで、一般的には売却を指します。高額なローンを完済できたとしても、いざ売却する際に市場価値が低ければ、希望する金額で売却できるとはかぎりません。

あらかじめ「何年後に」「いくらで」売却したいかを設定し、その目標達成に向けた最適な不動産経営を行うことで、リスクを最小限に抑えられるでしょう。

売却の選択肢には、「居住用物件」「投資用物件」「更地」などがありますが、経営状況に応じて最適な戦略は異なります。事前に出口戦略を決めておけば、計画的に資産を増やした状態でマンションまたは土地を売却し、その利益を次の投資に活用することも可能です。

投資用マンション売却の実例や注意点などは、以下の記事・事例を参考にしてください。

■参考事例:収益物件の売却事例

■参考記事

不動産売却時の税金を無料相談!譲渡所得税の基本知識と相談先の選び方を解説

一棟マンションの売却は価格上昇局面が鉄則!不動産市況と出口戦略も解説

投資用マンションの売却時期は?出口戦略を見据える高値売却ポイント

購入または保有する不動産を見極める

購入または保有する不動産の見極めは重要なポイントの一つです。不動産賃貸経営を始めようと思っても、どのような物件でもいいわけではありません。目指している将来の暮らしや不動産賃貸経営をはじめたい目的により、注力する内容や優先順位が変わります。

購入価格帯はもちろん、地域や立地条件、築年数、見た目、利回り、物件取得による保有戸数、管理形態など、総合的に考えてバランスのいいプランニングが必要です。

一部の不動産会社は自社の利益を優先した物件紹介を行う傾向にありますが、一方で、オーナー様に寄り添った提案および物件紹介をしてくれる不動産パートナーも存在します。

例えば、賃貸管理会社は収益物件の運用収益を把握しています。入居者募集や仲介を含むリーシング活動で空室を改善する強みも保有しています。賃貸管理と収益物件の販売をしている不動産会社に依頼すれば、不動産賃貸経営を行うサポートも期待できるでしょう。

なお、相続により不動産を保有する場合は購入とは別の視点が必要です。減価償却費やローン残債額、相続税対策の実施の有無、大規模修繕費用の対策、建物やお部屋の老朽化対策など確認するべき項目が多岐にわたります。さらに、相続税対策として土地にマンションを建てる場合は借地権なのか所有権を確認し、建て替えをする場合は小規模宅地等の特例を活用できるか確認しましょう。

賃貸経営全般に強い賃貸管理会社を選定する

区分マンションで少数の管理戸数であればまだしも、1棟マンションオーナーの場合は管理が大変な戸数になることもあるため、賃貸管理会社に管理業務を委託するのがおすすめです。委託先の賃貸管理会社にもさまざまな特色や強みが存在します。

一般的にハウスメーカーやフランチャイズ系の店舗、建築会社は自社の利益に誘導しがちな特徴があり、管理だけの会社はリーシングや『4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)』に弱いなどといった特徴があります。

物件の管理戸数が多くなるほど、点のサポートではなく購入と売却、不動産賃貸経営の運営サポート、相続や節税まで、賃貸経営をトータルサポートできるパートナーのほうが、オーナー様目線で対応できるため安心できるでしょう。

賃貸管理会社の業務内容や選び方など、詳細は以下の記事・事例にてご確認ください。

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本記事では、マンションオーナーに関する基礎知識やメリット、リスクから考えられる成功に必要なポイントを紹介しました。【リロの不動産・リロの賃貸】は不動産の購入・募集・仲介・入居者管理・建物管理・工事対応・売却支援まで補完しており、相続や節税のご相談まで、賃貸経営に必要な一連の流れをトータルサポートしています。

オーナー様の理想の姿を実現することは、地域活性化の一助となると考えながら、日々の業務に取り組んでおります。マンションオーナーに興味を持った方や賃貸管理会社の選定に悩んでいる方は、ぜひ一度【リロの不動産・リロの賃貸】にご相談ください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。