占有権とは?
占有権とは、物を所持するという事実状態が権利として認められることを言います。物を支配する権利のことです。
法的に所有権が認められているにも関わらず、土地などの物を事実上保持あるいは支配している状態を保護しようという権利を意味します。
占有権について
所有者が法令の制限内において、その所有物を直接的かつ全面的に支配し、使用、収益、処分をする権利を「所有権」というのに対して、「占有権」は人が物に対して事実上支配する状態を認める権利のことを言います。所有する意思を持って物を所持する場合を「自主占有」、他人のものを借りたり、預かったりして所有する場合を「他主占有」と呼びます。
土地の所有者は、その土地を所持しているため「占有権」を有しており、土地の賃借人はその土地を使用する権限があるので同じく「占有権」を有していることになります。例えば、Aさんがある住宅に住んでいる場合、Aさんはその土地と家、家財道具に対しての占有権を持っていると認められます。そして、その占有権は、住宅の購入や賃借など適法な手段に基づくものだと推定されます。この場合、その住宅の所有権がBさんにあったとしても、Bさんがそれを法的に証明できなければ、Aさんに対して所有権を主張して家の明け渡しなどを求めることはできません。
加えて、Bさんがその住宅の所有権が自分にあることに気づかないまま、Aさんが20年間、所有の意思を持って住宅を占有した場合、Aさんはその住宅の所有権を取得することができると定められています。