信託受益権とは？
信託受益権とは、信託の受益者が持つ権利で、信託において信託財産から得られる利益を受け取る権利のことです。
不動産においては、信託した不動産が生み出した経済的利益を受け取る権利のことを言います。信託受益権は他人に売却することや担保にすることも可能。その権利の内容は、信託契約等において個別に定められています。
信託受益権について
信託は、原則として以下の「三者間の契約」となります。
・委託者…信託財産を預ける人
・受託者…信託を預かって具体的に管理する人
・受益者…信託契約による受託者の管理行為によって利益を受ける立場として指定された人
この受益者が持っている権利のことを信託受益権と言います。
通常、資産そのものを売買する場合は、資産の所有権が売主から買主へ譲渡されます。これが、従来の不動産売買の一般的な形態であるのに対し、「資産を一旦信託銀行などに信託し、それによって取得したその資産から発生する経済的利益を受け取る権利を売買する」という取引形態が近年増加しています。まさにその「資産から発生する経済的利益を受け取る権利」のことを信託受益権と言うのです。
信託の中でも、「不動産信託」を例に挙げてみましょう。通常、不動産財産を自分で活用しようとすると、物件管理や賃貸借契約などの専門知識が必要です。その規模が大きくなればなるほど自力で活用することは困難になるはず。その点、不動産信託は信託銀行などの専門業者に不動産の管理や運営を委託しながら、不動産活用による利益を受ける仕組みなので素人でも安心。プロが不動産運用や管理をしてくれるため、従来よりも運用利益を上げられる可能性もあります。
