不動産投資成功の鍵はリフォームにある! 戦略的なリフォーム投資で資産価値向上を

2023.04.10

不動産投資を始めると、必ず物件のリフォームという問題にぶつかります。費用がかかることですが、中長期視点でみると、収益向上につなげる空室対策や入居者様に快適な生活を送っていただき長くお住まいいただくための工夫としても必要な対応になります。

不動産投資を成功させるためには、リフォーム・リノベーションの基本をふまえておくことが大切です。この記事では、不動産投資を成功させるためのリフォームのポイントを解説します。

不動産投資にリフォームは避けられない

不動産投資として賃貸住宅を所有すると、リフォーム・リノベーションは避けられません。いかに実施するかが不動産投資の成否を決めるといってもいいでしょう。まずはリフォームの効果について解説します。

退去時の原状回復工事

できるだけ優良な入居者様に長く住んでもらえることが理想になりますが、アパートやマンションなどの賃貸住宅では必ず入居者様の入れ替わりが生じます。退去の際には、次の入居者様を迎えるためにも原状回復工事が必ず発生します。入居者様が毎日生活していれば、汚れたり傷がついたりすることはあります。また、時間が経過すると自然に劣化してくる箇所も増えてくるでしょう。

入居者様が住んでいる間は、特別な対応が必要でないかぎりリフォームなどは行いませんが、入居者様が退去するタイミングで原状回復工事は必ず行われます。原状回復工事にかかる費用は、入居者様の負担分とオーナー様の負担分があります。原状回復工事については後述しますので、後ほどチェックしておいてください。

空室対策・老朽化対策になる

賃貸住宅を経営していくために、退去時の原状回復工事や一般的なリフォーム等の工事対応は必ず発生します。加えて、経年変化や状況によっては物件に新たな価値を付与するリノベーションも検討したほうがいいケースもあります。

不動産投資にはいくつかのリスクがありますが、最大のリスクといえるのが「空室リスク」です。入居者様の入れ替わりで短期間空室が発生するのはどの賃貸住宅でもあり得ることであり、すぐに新しい入居者様が決まればそれほど大きな損失にはなりません。しかし、いつまで経っても空室が埋まらない状況が続くと、キャッシュフローにも影響が出てしまいます。

入居希望者のお部屋探しでは、必ずしも築年数だけが重視されるわけではありません。欲しい設備がそろっている、使い勝手のいい間取り、おしゃれな雰囲気の空間などの付加価値が決め手になることもあります。

経年変化や環境の変化に対応することで老朽化対策にもなります。「老朽化リスク」としても、入居者ニーズにマッチしないお部屋は、空室リスクが高まり、資産性の低下や耐震性などの安全面のリスクが発生します。

「空室リスク」と「老朽化リスク」をあらかじめ把握しておき、リスクに備えるためにも、しかるべき時期にリフォームやリノベーションの検討をしましょう。

気になる工事費用の工面ですが、賃貸経営をサポートする一部の賃貸管理会社には、「初期投資0円でリフォーム」して「お部屋を借上して確定収益を得る」サービス提供をする会社もあります。状況を鑑みながら、その会社に相談してみるといいでしょう。

家賃下落スピードを緩やかに抑制できる

アパートやマンションなどの賃貸住宅では、入居者様の入れ代わりは定期的に起こるものなので、入替のタイミング時点では一時的な空室が発生すること自体は避けられません。入居者様の退去後すぐに原状回復工事を行い、次の入居者様が決まれば影響はあまり大きくないでしょう。しかし、空室がなかなか埋まらない状態が続くとなると、さまざまな空室対策を行う必要が出てきます。

いろいろ手を尽くしても空室が埋まらないようであれば、家賃を下げることも検討しなくてはならなくなります。

時間が経過するうちに、建築時と現在では入居者様がお部屋に期待する設備や住まい方に変化がある場合もあるため、退去時の原状回復工事で一工夫加える対策もおすすめです。快適に過ごせる空間や使いやすい設備など、少し変えるだけでもお部屋探しをするお客様の目にとまりやすくなります。

「入居者ニーズ」を捉えたリフォームや、魅力的なリノベーションによって物件の資産価値が上昇すれば、空室が出たとしても入居の決定率が改善できるでしょう。少し手を加えるだけで空室率の改善が望めるのなら、家賃を下げる必要もありません。

節税が可能になる

リフォーム・リノベーションの工事費用は、経費計上すれば節税効果が期待できます。リフォーム・リノベーションにかかった費用は取り扱いが2とおりに分かれます。修繕費として処理できれば全額その年の経費としての扱いが可能です。リフォーム費用として経費計上した金額分、利益を圧縮することになるため節税になります。

一方で、建物の価値を向上させるようなリノベーション工事は「資本的支出」となり、単年の経費として扱うことはできません。一定期間をかけて減価償却することになります。

修繕費として経費計上できるのか、資本的支出となるのか、工事内容によって違ってきます。エアコンの修理のような不具合の出た設備の工事や、壁紙・クロスの張り替え、ハウスクリーニングのような明らかに維持管理、または原状回復のための支出は修繕費として経費計上が可能です。

金額の目安として、1件当たりの修理・改良のために要した費用が20万円に満たない場合は経費に該当します。

原状回復工事

先述したように、賃貸住宅で入居者様が退去する際は必ず原状回復工事が必要になります。まず原状回復とは何かを、把握しておく必要があります。検討の価値があるプラスアルファのリノベーションについても解説します。

原状回復とは

原状回復は一般的に、現在の状態から元の状態に戻すことを指します。賃貸住宅では入居者様が退去する際、原状回復工事を実施して入居時の状態に戻すことです。従来は原状回復で入居者様が費用負担する割合が大きく、トラブルになることがありました。そこで国土交通省から1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が発表され、原状回復の費用負担について見解が出されています。

退去時の原状回復では経年劣化や通常の生活をしていて発生するような汚れ・傷などは、原則としてオーナー様の負担となることが明確化されました。ただし、民法では善管注意義務があり、入居者様は退去時に引渡すまでの間、社会通念上要求される程度の気を使って生活しなければなりません。万一、故意・過失によって発生した損耗や破損は善管注意義務違反となり、入居者様の負担となります。

プラスアルファの価値提供をも

必ず必要になる原状回復工事や一般的な設備の入れ替えを伴うリフォームだけではなく、プラスでミニマムなリノベーションを実施することで物件価値を向上させることも可能です。大きな予算をかければ、大規模なリフォームやリノベーションができるでしょう。しかし、小さな予算でも、工夫次第で入居者様候補に選んでもらえるお部屋作りができます。

例えばアクセントクロスを入れることで、工事前とは部屋の印象をがらりと変えることも可能です。おしゃれで、住まう方々のライフステージに応じたオリジナリティのある空間にすることで、競合物件と差別化するアピールポイントになります。また、浴室のリフォーム時にバリアフリーにしたり、浴室乾燥機を取り入れたりなど、設備をグレードアップすることも入居者様に喜ばれるリフォームです。

大規模修繕

退去時の原状回復工事とは別に、十数年かに1回は建物全体の大規模な修繕も必要になります。大規模修繕とはどのような工事を行うのか、スケジュールや資金計画はどうすればいいのかなども把握しておくことが大切です。

大規模修繕とは

建物も年数が経過すれば、さまざまな箇所が劣化してきます。そこで一定の年数ごとに屋根や外壁、階段や廊下、給排水管などの共用施設に対し、規模の大きい工事を実施するのが大規模修繕です。大規模修繕は建物の劣化を防ぎ、物件の資産価値を維持するために行います。

日常的な点検やメンテナンスは徹底していても、さまざまな箇所に傷みが出てくるのは避けられません。設備にも寿命があるため、そのうち修理や部分的な交換だけでは対処できなくなり、新しいものへの取り替えが必要になります。

各箇所で修繕が必要になる時期を把握し、大規模修繕の計画を立てておくことが大事です。費用も高額になるため、大規模修繕のタイミングを考えるとともに資金の確保もしておく必要があります。

大規模修繕のスケジュール例

国土交通省が発行している「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」では、負のスパイラルに陥らないための計画修繕の流れが具体的に提案されています。立地や使われている資材、建て方などで多少の違いはありますが、一般的に5~10年経過するとベランダや階段、廊下の塗装、室内設備の整備や排水管の高圧洗浄などが必要になるとされています。

築11~15年になると屋根や外壁の塗装工事、ベランダ・階段・廊下の塗装・防水工事もしなければならない時期です。給水管の高圧洗浄は5~10年で一度実施していますが、この時期になりますと再び不具合が発生する可能性があるため、再び対象の修繕を検討する範囲に該当します。給湯器などの室内設備も修理や部分交換、交換など状況に合わせた対応が必要です。

築16~20年目でもベランダ・階段・廊下の塗装、室内設備の修理のほか、外構の修繕も加わってきます。給排水管は高圧洗浄を行うのはもちろん、交換も必要な時期です。築20年以降も以上のような修繕は必要になります。

出典:国土交通省 民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック

長期修繕計画と資金計画

大規模修繕は建物全体におよぶ工事が多く、規模も大きいので、多額の資金が必要になります。アパートやマンションなどの賃貸住宅を経営していれば、原状回復工事とは別に、大規模修繕にも必ず対応しなければならなくなります。賃貸経営を始めたときは、大規模修繕などまだ先のことだと考えがちですが、将来に備えて長期修繕計画を立てることが大事です。

計画を立てておくことで、高額な費用がいつ必要になるのかも把握できます。大規模修繕を実施しなければならない時期になって、資金的な余裕がないということにならないよう、新築・購入当初から積み立てを行う必要があります。定期点検の状況によって費用の概算や修繕のタイミングが分かれば、積立金の額を調整することも可能です。

収益物件を相続する場合では、タイミングによって費用の捻出が重なり当初の計画から時期が大きくずれることもあるでしょう。「老朽化リスク」に対応するため、焦らずに計画を見直して、問題が起こる前に適切な対応をしましょう。

賃貸管理会社には、大規模修繕の費用を分割対応してくれる企業もいます。賃料からの支払いが可能なので、賃貸経営の目的や税制や相続などの事情を鑑みながら、オーナー様の理想に近い対応ができるパートナーを見つけると安心できるでしょう。

物件価値を高めるリフォーム

物件をよりバリューアップさせるためのリフォームも、適宜実施していくのがおすすめです。さまざまなリフォームの方法があるため、ここでは部分リフォームと戸建て賃貸リフォーム、1棟全体のリフォームを事例とともに紹介します。

部分的リフォーム

アクセントクロスを入れるなど、部分的なリフォームでも物件の魅力は向上させられます。退去にともなう原状回復工事で壁のクロス張り替えをしなければならないとき、アクセントクロスを取り入れるのも選ばれる部屋づくりの方法のひとつです。

落ち着いた色合いのアクセントクロスでシックな雰囲気を作り出したり、華やかな色合いで明るくなったりなど、少しの工夫で、もともとの部屋とは違った印象になります。

キッチンやバス・トイレなどの水回りを一新することでも、イメージは随分変わります。キッチンにこだわりを持つ方にも納得のレイアウトや使い勝手のいい設備、収納や導線を意識した造りにするなど、部分的なリフォームでもアピールポイントになるでしょう。

【事例】予算を抑え、階段に手すりを設置

リフォームに適した箇所は内装だけではありません。2DKの部屋が4戸ある1棟マンションで、階段に手すりを設置した部分リフォームの事例です。

築年数が30年のこの物件では、3階に住んでいるご高齢の入居者様に、共用設備である階段の傾斜が急なため、ご不便をかけていました。今回は、安全面も考慮したうえで、階段に手すりを設置したいとの要望をオーナー様から受けてリフォームを行いました。

部分的なリフォームを実施した結果、入居者様の満足度がアップしました。なお、手すりの位置や設置場所を決めるにあたり、入居者様にも協力してもらっています。この事例では補修工事も同じ時期に実施しているため、かかった費用は材料費のみです。

改善事例:入居者様の安全面も考えたミニマムリフォームで顧客満足度を向上!

戸建て賃貸のリフォーム

不動産投資といえば、アパートやマンションなどの集合住宅を思い浮かべる方が多いかも知れません。一般的に戸建て賃貸はそれほど数自体が多くないため、ニーズのある地域では希少性の高い物件になります。

特に子育て中のファミリー層が多い地域などでは、戸建て住宅に住みたいという家族も少なくありません。生活の基盤となりやすい戸建て住宅では、一度入居すると長期間住んでくれるケースが多い傾向があり、安定的な賃貸経営にも向いています。

築年数が経っている戸建て住宅であっても、入居者様のニーズに合う内容のリフォームをすれば、少ない投資で近隣の競合物件と差別化できる可能性が高まります。例えば現代的な間取りに変更することで、今のライフスタイルにマッチし、充実した暮らしを提供できる住まいに変革できるでしょう。

【事例】長期空室古屋の内装を再生し即成約!

主要駅からはバスでアクセスする必要があり、立地の問題が影響して長期間空室だった戸建て賃貸の事例です。築年数も28年と経過していたものの、まだまだ賃貸物件として活用できる状態でした。

そこで、各部屋が小ぶりな4DKだった間取りを余裕のある3LDKに変更し、室内を明るくナチュラルな雰囲気に一新しました。縁側や外回りも合わせて整備して「ゆとりのある生活空間」を創り出したところ、即成約となりました。長期間空室でも、リフォームがきっかけで即満室にできることもある典型的な例です。

改善事例:長期空室の古屋を再生し即成約!工事費と想定収支を加味した投資回収計画

一棟リフォーム

アパートやマンションなどを1棟まるごとリフォームするとなると、当然リフォームの対象になる戸数や範囲が広がり、高額な費用が発生します。あらかじめ計画されていた大規模修繕の場合は積立金を貯めているかもしれませんが、予測していなかった理由でリフォームが必要になれば大変です。

しかし、物件の集客ポテンシャルを競合物件と比較し、ターゲットにマッチするリフォームをミニマムコストで実施すれば、建て替えや大規模なリノベーションほど費用はかかりません。

例えば学生や若い社会人の単身者が多い地域なら、主要ターゲット向けの部屋に変更することで入居者様を獲得しやすくなります。ほかにも女性向けや若い夫婦向けなど、周辺環境と賃料相場をみながら、ターゲットに合うリフォームで間口を拡大することが大事です。

【事例】一括貸ししていたアパートが解約。最低限の減収に抑えるリフォームと集客施策

1Kの間取りが24戸ある木造の1棟アパートの事例です。このアパートは、もともと大手法人の社員寮として活用されていましたが、一括貸しの契約が解約になったことでリフォームを実施しました。。

幸い大学に自転車で通学できる範囲という立地条件であったことから、大学の住まい探し相談会で紹介するなど集客チャンネルを駆使できたことで、多くの新入学生が入居されています。

外壁塗装により雰囲気を刷新し、一人暮らしに向く1Kの間取りを活かした入居者ニーズを反映するリニューアル対応を行ったことで社会人の契約にもつなげ、最低限の減収にとどめることが出来ました。

賃貸経営のリフォームでは、工事以外にリーシング活動(入居者募集・賃貸仲介)をする客付けのスキルが重要である典型的な事例と言えるでしょう。

改善事例:大変だ! 一括借上の大手法人から解約の申し出が…

賃貸経営リノベーション

適切な建物管理により建物の躯体に問題がなくても、競合物件の増加や周辺環境や社会の変化により、入居される方の思考や居住空間に求める優先順位も変化します。賃貸需要の変化に対応していない場合は、リノベーションを検討されることをおすすめします。

一般の住宅と異なり、賃貸経営リノベーションのポイントは2つあります。「①収益のバランス」を取り「②入居者ニーズを満たす物件価値の向上」を行うことです。

賃貸経営リノベーションは単に築年数が経過したから手を加えるというのではなく、オーナー様が考える不動産投資の目的から逆算してリノベーションを行い、収支の改善を目指すものです。コストや工事期間を抑えたい場合は、ウィークポイントの改善やワンポイントの魅力づくりなどの部分リフォームが向いています。暮らしの変化に合わせるなら、間取り変更も有効でしょう。

一方で、フルリノベーションは一部の改修ではなく、間取りも含めて内装をゼロから造り直せる方法です。改修部分が多い部屋に向き、大きく間取りを変更したり、一度スケルトン状態にしてから部屋のイメージを刷新できたりします。一貫性のあるデザインで統一感を演出することもできるため、ターゲットの変化も期待できます。

「現状の改善」と「出口戦略」の視点から実施有無や対応範囲をご検討ください。

【事例】近隣物件でNO.1の広さと明るさに差別化したリノベーション

もともとお子様の多いファミリー層向けの4DKの部屋がある物件でした。少子化の影響を受けて1年以上空室が続いていたため、空室保証付きのリノベーションを提案し、初期費用を一切かけずに工事が行われました。

8.3畳のDKを20.3畳のLDKに変更し、4DKから2LDKにリノベーションしています。明るい北欧ナチュラルテイストで開放感のある空間に生まれ変わったことで、近隣物件とは差別化が図れ、3人家族のお客様には広いリビングが決め手になったようです。完成から1ヶ月でたくさんの方にご見学いただき、無事成約しました。

改善事例:近隣物件と差別化!初期費用は一切ない空室保証付きのリノベーション

不動産投資におけるリフォーム成功のポイント

不動産投資におけるリフォームをどう捉えるのか、どのようにして実行すればいいのかなど、成功のポイントも把握しておくことが大切です。

お部屋の問題を放置しない

リフォームにはそれなりにまとまった費用がかかることもあり、実施を先延ばしにしてしまうケースもあり得ます。

しかし、劣化や不具合が発生した箇所を放置すればさらに老朽化が進み、競争力の低下につながります。そのうち空室が埋まらなくなり、修繕費の確保すら困難になってしまうかもしれません。そうなればさらなる老朽化や競争力の低下を招き、家賃の値下げも視野に入れなくてはならなくなります。

負のスパイラルに陥ると、手放したいと思っても売却すらできなくなり、改善が極めて難しい状態になる可能性も出てきます。賃貸経営を継続するかぎり、入居者様を定期的に獲得していくために必要な投資の1つとして、リフォームを捉えるとよいでしょう。

部分的なリフォームや間取りの変更、フルリフォームなど、リフォームする程度は個別の事情や時期などによって異なりますが、賃貸住宅を所有している以上、設備の対応は避けることはできません。節税やキャッシュフローの状況を把握すると同時に、各箇所で修繕が必要になる時期を把握し、大規模修繕の計画と合わせた計画的な対応が満室経営を行う上で大事な考えになります。

最小限の対応を適切に行い、問題が大きくなる前に対処しましょう。

割賦工事やリフォームローンを検討する

本来なら新築・中古を問わず、購入や保有する当初から、長期修繕計画を建てて費用も積み立てておく必要があります。しかし、想定したとおりにはいかないこともあるでしょう。リフォームが必要な時期にまとまった資金がすぐ用意できない場合は、リフォームローンなどの融資や割賦工事を検討してみてください。

さまざまな金融機関や住宅金融支援機構などではマイホーム向けの住宅ローンだけではなく、賃貸住宅向けのリフォームローンが提供されています。賃貸管理会社やリフォーム・リノベーションを行う会社が、提携先の金融機関を紹介してくれることもあります。

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」のような特定の目的のために行うリフォームでは、条件を満たせば国や地方自治体などの補助金制度を活用することも可能です。

リフォーム・リノベーションを割賦工事で実施してくれるところならば、一度に大きな支払いの負担がありません。分割手数料が抑えられると、負担はより少なくなるでしょう。加えて費用の支払いを家賃収入でまかなえる方法なら、資金面で悩みを抱えるオーナー様のリフォームにも非常に有効です。

物件選びが最重要

不動産投資を行う際は物件の価格や利回りに注目するかもしれませんが、アパートやマンションなどの収益物件はなによりも立地が命です。リフォームやリノベーションをすることで物件の価値を向上させることは可能ですが、立地を変えられるわけではありません。不動産投資を成功させるためには、最初の物件選び、特に立地の選定は重要です。

例えば駅からの距離があります。特に都市部では自動車を所有せず、公共交通機関を利用する方が多いため、最寄り駅へのアクセスが重要視されます。具体的には駅から徒歩10分以内の立地、できれば複数路線を利用できる場所が選ばれやすいでしょう。急行や特急の停車駅なども人気があります。

スーパーマーケットや病院など、日常生活で利用する施設が近くにそろっているかどうか、ファミリー層がターゲットなら学校や公園が近いかどうかも入居者様に選ばれやすいポイントになります。

一方で、マイカー移動がメインの地方の場合は、駅からの距離が必ずしも重要視されるとはかぎりません。地域の実情を踏まえ、不動産投資に適した立地を選ぶことが大切です。

リフォームに強い賃貸管理会社に管理委託をする

アパートやマンションなどを対象に不動産投資をする場合、物件を一棟丸ごと自分で管理するのは難しいことが多く、賃貸管理会社に依頼することがほとんどでしょう。賃貸管理会社を選ぶ際、日常的な建物の管理や客付け、入居者様対応などをしっかり行ってくれることが大事なのはいうまでもありません。

加えて将来的にリフォームやリノベーションが必要になることを考えれば、最初からリフォーム・リノベーションの経験が豊富な賃貸管理会社に管理を委託するのがおすすめです。

アパートやマンションなどの賃貸住宅の経営では、入居者様のニーズを把握しておくことが大事です。周辺の競合物件とも比較し、どうすれば選ばれる物件になるのかを考慮しながら適宜、リフォームやリノベーションを実施していくことがポイントになります。

賃貸管理会社に管理を委託する際は、リフォーム・リノベーションでどのくらい実績があるのかも確認しましょう。割賦工事を引き受けてくれるところならば、さらに重宝します。

まとめ

アパートやマンションなどの建物は、年数が経過すると劣化や不具合が出てきます。賃貸住宅では入居者様の退去時に原状回復工事も必要になるなど、不動産投資にリフォームはつきものです。費用対効果を意識した賢い戦略が不動産投資を成功に導くポイントになるため、賃貸管理会社選びは慎重に行いましょう。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。