不動産売却時の税金を無料相談!譲渡所得税の基本知識と相談先の選び方を解説

2024.10.01

所有する不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、所得額に応じた譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)を納める必要があります。今後、不動産売却を検討している方の中には、譲渡所得税がどのようなものでどれくらいかかるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、不動産売却時にかかる譲渡所得税の基本知識を解説するとともに、不動産売却でかかる税金に関する相談先も紹介します。最後まで読めば、不動産売却にかかる税金に関する不安を払拭できるでしょう。

なお、不動産売却時にかかる税金の事例、不動産売却に必要な基本知識については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

▼賃貸経営・不動産投資の改善事例

不動産投資における減価償却とは?節税額の計算方法と注意点を解説!

賃貸経営・不動産投資の売却事例・お客様の声

▼賃貸経営・不動産投資コラム

不動産売却はどこがいい? 大手・地域密着の特徴と仲介会社の選び方

不動産売却の見積もりとは? 査定のポイントと注意点を徹底解説!

収益物件を高値で売却する秘訣と注意点|出口戦略の立て方も解説!

投資用マンションの売却時期は?出口戦略を見据える高値売却ポイント

収益物件をできるかぎり早く・高く売る秘訣|パートナー選びのポイントは?

不動産売却税とは?信頼できるパートナーと考える効果的な節税対策

不動産売却時の譲渡所得税の仕組み

不動産売却時に譲渡所得が発生すると、所得に対して譲渡所得税がかかります。譲渡所得税とはどのような仕組みの税金なのか詳しく見ていきましょう。

譲渡所得税とは

「譲渡所得税」と紹介していますが、実際にこのような名前の税金があるわけではありません。譲渡所得とは、不動産を売却した際に出る売却益のことを指し、売却価格と取得費用の差から取得時・売却時にかかった諸費用などを差し引いて算出します。

年間の譲渡所得に対しては、所得税・住民税・復興特別所得税の3つの税金が課せられる決まりとなっています。この譲渡所得にかかる3つの税金を総称して「譲渡所得税(不動産譲渡税)」と呼んでいるのです。

譲渡所得税は所得額に所定の税率をかけて計算されるため、売却益が大きくなるほど税額も高くなるのが基本。いかに譲渡所得税を減らせるかで、手元にどれだけお金を残せるかが決まります。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得は単に売却価格から取得費用を差し引いただけではありません。さらに、取得時・売却時にかかった諸費用などを差し引くことで求められます。これを計算式に表すと次のようになります。

譲渡所得 = 不動産の売却価格 −(取得費用 + 譲渡費用)

取得費用に含まれるのは物件の購入費用のほか、購入時に納めた登録免許税・不動産取得税などの税金、建物付きの土地を購入した場合の建物解体費用、土地の造成費用など、物件を取得するのにかかった費用全般が含まれます。

通常、不動産投資において物件を売却するケースでは、物件を購入してから一定の年月が経過しているはずです。経年によって建物の資産価値は目減りしていると考えられることから、不動産の譲渡費用算出においては、取得費用から「建物を取得してから売るまでの毎年の減価償却費の合計額」を差し引くものとされています。

譲渡所得税の税率

譲渡所得税の税率は、対象不動産の所有期間によって設定が異なります。譲渡(売却)した年の1月1日時点を基準とし、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、所有期間が5年超の場合は「長期譲渡所得」として扱われます。

短期譲渡所得・長期譲渡所得それぞれの税率をまとめたものが下の表です。

 所得税住民税復興特別所得税合計
短期譲渡所得
(所有期間5年以下)
30%9%0.63%39.63%
長期譲渡所得
(所有期間5年超)
15%5%0.315%20.315%

短期譲渡所得に比べ、長期譲渡所得の税率は半分程度になっています。このことより、原則どおりに税金を支払うとすれば、不動産は所有期間が5年を超えてから売却したほうが節税につながるといえるでしょう。

譲渡所得の特別控除・特例

不動産売却において課税される譲渡所得税ですが、多くの特別控除や税制上の特例が設けられています。上手に活用すれば節税につながるため、適用できる制度がないかチェックしながらご覧ください。

国税庁が定める7つの特別控除

土地や建物を売却した場合の譲渡所得に関して、国税庁は以下7つの特別控除を設けています。

  1. 公共事業などのために土地や建物を売った場合の5,000万円の特別控除の特例
  2. マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例
    (被相続人の居住用財産(空き家)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例)
  3. 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除の特例
  4. 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1,500万円の特別控除の特例
  5. 2009年および2010年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1,000万円の特別控除の特例
  6. 農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円の特別控除の特例
  7. 低未利用土地等を売った場合の100万円の特別控除の特例

出典:国税庁 譲渡所得の特別控除の種類

以下では、活用できる範囲の広い4つの特別控除や特例について詳しく解説しましょう。

マイホームを売却したときの3,000万円特別控除

マイホームを売却する際に活用を検討したいのが「マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例」です。この特例が適用されると、マイホームの所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円を控除することが可能となります。3,000万円控除できれば譲渡所得がかなり圧縮できるため、大幅な節税を実現できるでしょう。

3,000万円特別控除の適用を受けるには、次の要件をすべて満たしている必要があります。

● マイホームを売るか、住まなくなってから3年が経過する年の12月31日までに売却すること。
● 売却した年の前年・前々年に、定められた特例の適用を受けていないこと。
● 売主様と買主様が親子や夫婦などの特別な関係ではないこと。
● 対象となるマイホームへの入居が一時的な目的でないこと。
● おもに趣味や娯楽、保養のために使用する別荘やセカンドハウスではないこと。

要件をクリアしている方で適用を希望する場合、確定申告時に必要書類を添えて申請が必要です。

10年以上居住したマイホームを売却したときの特例

10年以上所有していたマイホームを売却したとき、一定の要件に当てはまるケースでは、長期譲渡所得の税率からさらに軽減された税率が適用されるという特例があります。

特例は譲渡所得のうち6,000万円以下の部分に対して適用され、6,000万円を超える分に関しては通常の税率が適用されます。6,000万円以下・6,000万円超それぞれの税率をまとめると次のとおりです。

課税譲渡所得所得税住民税復興特別所得税合計
6,000万円以下10%4%0.21%14.21%
6,000万円超
※通常の長期譲渡所得と同様
15%5%0.315%20.315%

この特例で大きなポイントとなるのが、1つ目に紹介した3,000万円特別控除との併用ができることです。要件を満たすマイホーム売却による課税所得から3,000万円を控除した残りの所得額について、6,000万円まで軽減税率が適用できます。課税所得が3,000万円を超えるようなマイホーム売却を行った方であれば、3,000万円特別控除との合わせ技で大きな節税効果が期待できるでしょう。

2009・2010年に取得した土地を売却したときの1,000万円特別控除

収益物件を売却した場合でも活用できる譲渡所得の特別控除として挙げられるのが、「2009年・2010年に取得した土地を売却したときの1,000万円特別控除」です。

この制度は、2008年に発生したリーマン・ショックによる景気悪化への対策として創設されたもので、2009年1月1日から2010年12月31日までの間に取得した国内の土地などが控除対象となります。2009年に取得したものは2015年以降、2010年に取得したものは2016年以降に売却した場合、譲渡所得の金額から1,000万円の控除が可能です。

控除の適用を受けるには、ほかの特例と同様に親子や夫婦など特別な関係にある者から取得したり、相続や贈与などで得たりした土地でないことが求められます。また、対象となる土地に関しては、ほかの譲渡所得の特例と併用できないため注意しましょう。

農地保有の合理化などのために土地を売却したときの800万円特別控除

農地を売却する場合や、所有する土地を農地として活用できるよう売却する場合、一定の要件を満たすと、譲渡所得から800万円の特別控除を受けられます。800万円の控除が受けられるのは次のケースに当てはまる土地売却です。

● 農地中間管理事業の推進に関する法律に基づく農用地利用集積等促進計画により農用地を売却した場合
● 農業委員会のあっせんなどで農用地区域内にある農用地を売却した場合
● 農地中間管理機構に売却した場合

この制度は、農業経営の大規模化や集団化を進めて日本の農業を立て直すことが目的であるため、単純に農地を売却したり、農地活用のために譲渡したりしただけでは控除を受けられません。

不動産売却に関する税金については税理士に相談

不動産売却にかかる税金に関して疑問や不明点がある場合には、税金のプロである税理士に相談するのが望ましいでしょう。以下では、税理士への相談についての詳細を解説します。

不動産売却に関する税金以外の相談先については、以下の記事を参照ください。

■投資用不動産・収益物件の相談先に関連する記事
不動産投資は誰に相談する?相談事例から考える不動産会社の見極め方

不動産売却時の確定申告サポートに

不動産売却で譲渡所得が発生する場合はもちろんのこと、先ほど紹介した譲渡所得税に関する特別控除や特例の適用を受けるケースでも確定申告が必須です。マイホームの売却程度であれば自分でも確定申告書類を作成することは可能かもしれませんが、不動産投資の事業規模が大きくなり、一定規模以上の不動産売却を行う場合は自力での作成が困難となります。

譲渡所得の計算や書類作成を無理に自分で行ってミスがあれば、最悪の場合、所得漏れになり罰則を課せられるリスクもあるでしょう。

賃貸経営が一定以上の規模になったら、普段の帳簿付けから決算書作成、確定申告手続きまで、税務全般を任せられる税理士と契約する必要があります。煩雑な作業をプロに任せることで業務を効率化するだけでなく、税金に関するミスを極力なくし、税務上問題のある手続きがないかチェックする存在としても重宝するでしょう。

不動産投資に強い税理士

税理士にはそれぞれの専門分野があります。相談したい内容に応じて、その分野に強い税理士を選ぶことが問題解決に向けての重要な一歩です。

不動産投資や不動産売買に関する税務の相談をしたいのであれば、その分野を専門とする税理士を探しましょう。賃貸オーナー様が相談する場合、不動産投資を得意分野とする税理士に依頼すると心強いパートナーになります。

不動産売却時の税理士にかかる費用

税理士に税務全般を依頼する場合、当然のことながら費用を支払わなければなりません。おもな業務ごとの大まかな費用相場は次のとおりです。

業務項目費用の目安
顧問契約料(1ヶ月あたり)1万〜3万円
確定申告手続き5万〜10万円
仕分け作成、記帳代行(1ヶ月あたり)1万円

項目ごとの費用を合計すると、税理士への依頼費用としては年間20〜30万円程度を見込んでおく必要があります。確定申告業務を税理士に依頼すべきかどうか判断がつかないときは、費用相場を参考に収支とのバランスで検討してもよいでしょう。

確定申告の時期には無料相談会が開かれる

確定申告に関する税務上の相談であれば、確定申告時期に開催される税理士会主催の無料相談会を活用するのも一つの方法です。会場まで出向いて対面で直接相談することもできるほか、電話相談窓口も設けられているので、確定申告で不安なことがあるときでも気軽に利用できます。

無料相談会は多くの場合「相談時間は30分まで」など時間制限が設けられており、細かな相談をするのには適していません。それでも、無料で税理士に直接相談できる数少ない機会なので、積極的に活用するとよいでしょう。

なお、確定申告時期には国税庁による「確定申告電話相談センター」が開設されます。確定申告のやり方や税制度に関する疑問であれば、こうした国税庁の窓口や税務署に相談してみるのもおすすめです。

不動産売却に関する全般のことは不動産会社に相談

不動産売却の際、パートナーとなるのが仲介を依頼する不動産会社です。不動産売却に関して分からないことがあれば、まずは不動産会社に相談するのがよいでしょう。

不動産売却時に相談できる内容

不動産会社には、不動産売却に関わることであれば何でも相談してみましょう。事前相談として、そもそも物件を売却すべきなのか、売却タイミングとはいつが適当なのか、売却した場合の想定価格(査定価格)はいくらになるのか、売却時にかかる税金や諸費用がいくらなのかなど、分からないことがあれば不動産会社に聞いてみるのが基本です。

不動産会社との関わりは、売却を検討するにあたっての事前相談からスタートします。売却するかどうかを判断するため、複数の不動産会社に査定を依頼することになるでしょう。その後、信頼できる不動産会社と媒介契約を締結します。

媒介契約締結後は、広告活動・販売活動といった売却活動全般を不動産会社に任せることになります。購入希望者が見つかってからの不動産売買契約、引渡しなどもすべて不動産会社が主体で行ってくれるため、その間に生じた疑問や不安なことはまず不動産会社に相談すべきでしょう。引き渡し後の確定申告に関しても、不動産会社の担当者が相談に乗ってくれるはずです。

不動産会社は資金計画の立案もしてくれるほか、税理士・司法書士・弁護士といった相談内容に応じた専門家の紹介もしてくれます。

なお、賃貸経営をしている収益物件に関しては、近隣相場や入居者様のニーズをよく把握している賃貸管理会社に相談したほうがいいケースもあるでしょう。

不動産会社に相談した際にかかる費用

「まず不動産会社に相談すべき」とするのは、不動産会社であれば相談そのものは無料だからというのも理由の一つです。媒介契約を締結した不動産会社の目的は、売買契約を成立させて成功報酬として仲介手数料を得ることにあります。そのため、契約期間中の相談やアフターフォローはサービスの一環として丁寧に対応してくれるでしょう。

なお、仲介手数料には上限が設けられています。売買契約が成立したときは、上限額の範囲内で設定された手数料を支払う必要があります。

成約価格仲介手数料上限額の計算式
200万円以下成約価格(税抜) × 5% +税
200万円超400万円以下成約価格(税抜) × 4% +2万円 +税
400万円超成約価格(税抜) × 3% +6万円 +税

信頼できる不動産会社を選ぶことが重要

先述したとおり、不動産売却のスタートからゴールまでをともに走るパートナーとして、不動産会社の担う役割は非常に大きいものです。不動産売却の成功は、不動産会社の力によるところが大きいといえるでしょう。それだけに不動産会社選びは重要です。

不動産会社を選ぶ際に見るべきポイントは、強固な販売ネットワークを持っていることと信頼できる担当者がいることです。

また、住むための実需物件と投資用の収益物件では売買における性格が異なります。収益物件を売却する際は、収益物件の売却に強みを持つ不動産会社を選ぶようにしましょう。

まとめ

不動産は金額が大きいため、個人にとって不動産売却は大きなライフイベントです。譲渡所得の額によっては税金も多くかかるので、税理士をはじめとした専門家への相談も欠かせません。不動産売却に関して悩みがあるときは、まずパートナーとなる不動産会社に相談しましょう。

【リロの不動産】は、マイホームなどの実需物件のみならず、収益物件の売却にも長けているのが強みです。賃貸オーナー様との強固なネットワークもあるので、売却から税務対策・相続対策まで幅広くサポートできます。

不動産売却に関して相談する先をお探しの方は、ぜひお気軽に【リロの不動産】までお問い合わせください。

【リロの不動産】TOP

【リロの不動産】賃貸経営に関するお問い合わせ

関連する記事はこちら

不動産投資に税理士への依頼は必要? 費用や不動産に強い税理士の見つけ方

不動産売却税とは?信頼できるパートナーと考える効果的な節税対策

【事例付】不動産売買に必要な基礎知識!売却・購入・用途別に徹底解説

収益物件をできるかぎり早く・高く売る秘訣|パートナー選びのポイントは?

不動産の相続税評価額の計算方法とは? 相続税が節税できる理由を解説

土地の評価額とは? 相続した土地の評価額算出方法と節税の仕組みを解説

収益物件を高値で売却する秘訣と注意点|出口戦略の立て方も解説!

不動産を相続するには誰に相談すればよいのか? 相続手続きの期限も解説

【徹底解説】不動産投資の利回り計算! 賃貸経営を成功に導く指標とは

あなたにおすすめの不動産投資はどれ? 成功ポイントを徹底解説

【保存版】不動産投資で節税する仕組み!節税が向いている方を徹底解説

【必読】不動産投資のレバレッジ効果!基礎知識や計算・注意点も解説

不動産売却時の譲渡所得税計算には取得費が必要!土地建物の取得費も解説

【事例付】不動産売却の期間を短縮方法!自宅や収益物件の注意点を解説

【事例付】不動産売却の譲渡損失の損益通算!基本知識と注意点を解説

おすすめのサービス

売りたい・買いたい

アバター画像

この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。