アパート経営のランニングコストとは?相場・内訳・節約のポイントを事例で解説
2026.02.08
アパート経営は、家賃収入によって安定した利益を得られる一方で、維持管理に多くの「ランニングコスト(運営費)」が発生します。固定資産税や修繕費、管理委託料など、さまざまな費用が毎年かかるため、これらを正確に把握しないと想定外の出費で利益を圧迫してしまうこともあります。
アパート経営の収益性を高めるためには、費用の全体像を理解し、どの支出を経費計上できるのか、またどこを削減できるのかを見極めることが重要です。
本記事では、アパート経営における主なランニングコストの内訳とその相場、さらに節約のポイントを事例とともに詳しく解説します。無理のない経営を続けるための費用最適化のヒントを、【リロの不動産】の専門知見をもとに紹介します。
▼この記事の内容
●賃貸管理におけるランニングコストは、OPEX(Operating Expense)とも呼ばれる。目安は家賃収入の15~20%とされ、これ以上かかる場合は節約を意識する必要がある。
●アパート経営で経費計上できる税金は、固定資産税、都市計画税、個人事業税がある。
●経費計上できるランニングコストとしては、管理委託手数料、共用部の光熱水費、不動産投資ローンの利息、修繕費、保険料、広告宣伝費、専門家の報酬、通信費、旅費・交通費、情報収集・勉強のための費用、交際費、減価償却費などがある。
●経費計上できないが必要になるランニングコストとしては、不動産投資ローンの元本返済分、大規模修繕積立金、所得税・住民税がある。
●ランニングコストを抑える方法としては、管理委託手数料を適正化する、不具合が発生する前から収益物件のメンテナンスを実施する、入居者審査を厳格に行う、資産管理会社を設立するなどがある。
アパート経営については、以下の関連記事もご参照ください。
【アパート経営・賃貸経営入門】メリット・リスク・成功の秘訣をわかりやすく解説!
家賃収入を増加するポイントとは?節税効果・確定申告・損益通算を知る
目次
アパート経営におけるランニングコストとは
まずは、アパート経営におけるランニングコストの概要について簡単に確認しておきましょう。
アパート経営の費用については、以下の関連記事もご参照ください。
アパート経営の費用完全ガイド|新築・建売・中古別に費用を徹底解説
アパート経営の初期費用を節約!アパート経営のコスト削減術と実践事例
賃貸管理では運営費用は必ず必要
アパート経営におけるランニングコストとは、建物を維持・管理し、入居者様へ安定した住環境を提供するために継続的に発生する運営費用のことです。
これらは事業運営における「OPEX(Operating Expenses)」に該当し、固定資産税や修繕費、管理委託料、共用部の光熱費、保険料などが代表的な項目です。事業の基本は「売上-経費=所得」であり、経営効率を上げるには、いかに運営費用を抑えつつ安定した家賃収入を維持できるかが重要です。
アパート経営では、経費を抑えすぎると建物の劣化や入居者満足度の低下につながり、結果的に空室率が上がって収益悪化を招くリスクもあります。コスト削減だけを目的とせず、必要な支出と不要な支出を見極め、バランスの取れた運営を行うことが成功の鍵です。
運営費用を「必要経費」として計上することで税負担を軽減することも可能であり、これらの費用管理は経営者にとって欠かせない重要なスキルといえます。
目安は家賃収入の15~20%
一般的に、アパート経営におけるランニングコストは年間家賃収入の15~20%程度が目安とされています。年間家賃収入が600万円の物件であれば、90万円~120万円前後が運営費として必要になる計算です。
この範囲を超えるようであれば、修繕費の過剰な支出や管理委託料の高額設定などが起きている可能性が高く、コストの見直しを検討する必要があるでしょう。ただし、築年数や立地条件、入居率などによって費用割合は変動するため、一律で判断するのではなく、物件の状況に合わせて定期的に収支を点検することが大切です。
経費削減を意識する場合は、共用部分の光熱費や保険の見直し、賃貸管理会社の変更など、無理のない範囲での最適化を進めるようにします。ランニングコストを適正にコントロールできれば、安定したキャッシュフローを確保し、長期的な収益性を維持できるでしょう。
アパート経営で経費計上できる税金
アパート経営では、所有する不動産に応じて課税される各種税金の負担は避けられませんが、一部の税金については経費計上が可能です。
ここでは、アパート経営において経費計上できる主な3つの税金について詳しく解説します。
固定資産税

固定資産税は、アパート経営を行う上で毎年必ず発生する税金の一つで、土地や建物といった固定資産に課される地方税です。固定資産税は土地や建物を所有している限り毎年課税される税金であり、アパート経営者にとって代表的な支出となりますが、全額を経費計上(損金参入)可能です。
課税対象は毎年1月1日時点で所有している不動産であり、市町村から送付される納税通知書に基づいて支払います。税額は「固定資産税評価額×1.4%」が原則ですが、自治体によって異なる場合もあります。
固定資産税を経費として計上すれば課税所得を減額でき、所得税・住民税の節税につながります。「新築住宅減税」「住宅用地の特例措置」などの軽減措置が適用されるケースもあるため、該当するか必ず確認しておきましょう。
都市計画税
都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業に必要な費用をまかなうために課される地方税で、固定資産税と同様に土地や建物の所有者に対して課税されます。
課税対象は市街化区域内にある不動産で、税率は「固定資産税評価額×0.3%」が上限とされており、自治体の条例によって決められています。
都市計画税もアパート経営において必要経費として計上できるため、確定申告の際に忘れずに処理しておきましょう。とくに複数物件を所有しているオーナー様ほど、経営全体のコスト管理のために税金の内訳をしっかり把握しておくことが重要です。
個人事業税
個人事業税は、アパート経営を「事業」として行っている個人オーナー様に課される税金で、都道府県税に分類されます。課税対象となるのは「不動産貸付業」であり、原則として年間の所得金額が290万円を超える場合に、290万円を超える部分に対して5%の税率で課税されます。個人事業税も経費として計上できるため、確定申告時には忘れずに処理しましょう。
ただし、アパート経営が個人事業税の課税対象となるかどうかは、不動産の貸付が「事業的規模で行われているかどうか」によって判断されます。貸し付けているアパートの部屋数が10室に満たないなど、事業規模が小さい場合は「事業」とみなされず、課税されないケースもあります。
アパート経営が軌道に乗り、規模が拡大するほど税負担も増えるため、早めに税理士など専門家へ相談し、適切な税務戦略を立てることが重要です。
アパート経営で経費計上できる税金以外のランニングコスト
アパート経営では、税金以外にも様々なランニングコストが発生しますが、多くの費用が経費として計上可能です。具体的には、経費計上できるランニングコストとして以下が挙げられます。
●管理委託手数料
●共用部の光熱水費
●不動産投資ローンの利息
●修繕費
●保険料
●広告宣伝費
●専門家の報酬
●通信費
●旅費・交通費
●情報収集・勉強のための費用
●交際費
●減価償却費
それぞれ、具体的な内訳や費用を抑えるためのポイントなどについて解説します。
不動産投資における経費については、以下の関連記事もご参照ください。
不動産所得を節税するには?減価償却費など代表的な経費【一覧表】
管理委託手数料
管理委託手数料とは、入居者募集や家賃の集金、クレーム対応、建物の定期点検など、物件の管理業務を賃貸管理会社に委託した際に発生する費用です。
一般的な相場は家賃収入の3〜5%前後で、入居者対応をすべて任せる「一括管理方式」ではやや高く設定される傾向にあります。オーナー様自身で管理を行えばコストを抑えられますが、対応の手間やトラブルリスクを考慮すると、専門会社に委託したほうが結果的に安定運営につながります。
契約内容を定期的に見直し、不要なオプション費用を削減したり、複数社で見積もりを比較したりして、費用の最適化を図ります。
共用部の光熱水費
共用部の光熱水費は、アパートの共用スペース(廊下、階段、駐輪場、外灯など)の照明・給水設備にかかる電気代や水道代です。
共有部の光熱水費は、入居者様が安心して暮らせる環境を保つためには欠かせない支出です。夜間照明や自動点灯設備のある物件では、電気代がかさみやすい傾向があります。この費用も経費として計上可能なため、確定申告の際に忘れずに処理しましょう。
節約のポイントとしては、LED照明への切り替えや人感センサーの導入が有効です。水道費については、散水栓に鍵をかけるなど無駄な水使用を防ぐ仕組みを整えておきます。環境にも優しく、長期的に見れば運営コストの削減にも大きく貢献します。
不動産投資ローンの利息

アパート購入時に利用した不動産投資ローンの返済額のうち、「利息部分」は経費として計上することができます。
元本の返済は資産の取得にあたるため経費にはなりませんが、利息は運営上のコストとして扱われ、節税効果を得ることが可能です。ローン残高が大きい初期段階では利息の割合が高くなるため、経費としてのインパクトも大きくなるでしょう。
経費計上の際は、金融機関から送付される「年間返済予定表」や「支払利息証明書」を基に正確に処理します。
低金利ローンへの借り換えが実現できれば、利息負担を軽減し、長期的なキャッシュフローを改善できます。
修繕費
修繕費は、建物や設備の劣化・故障を修理・補修するための費用であり、アパート経営において重要なランニングコストの一つです。
具体的には、外壁塗装、屋根の補修、給湯器やエアコンの交換、共用部の清掃などが含まれます。一つの修理・改良の金額が20万円未満など、修繕の規模が小さいものは「修繕費」に区分され、維持・補修に該当する工事は経費としてその年に計上できます。
一方で、資産価値を向上させるリフォームなどの改修工事などは「資本的支出」として、減価償却の対象となり、毎年の経費計上とは別の会計処理が必要となるので注意しましょう。
【参考】No.1379 修繕費とならないものの判定 – 国税庁
リフォームについては、以下の記事と改善事例もご参照ください。
■収益物件のリフォームについて
アパート経営で設備投資やリフォームする理由とは?ミニマム投資の秘訣
保険料

アパート経営における保険料とは、火災や自然災害、事故などによる損害に備えるための支出であり、経費として計上できる重要なランニングコストの一つです。
火災保険・地震保険が該当し、建物本体(構造部分、壁、床、設備など)の損害をカバーします。オーナー様向けの「施設賠償責任保険」や「家賃補償保険」なども経費計上可能で、入居者トラブルや家賃滞納といった経営リスクにも対応しつつ節税効果が期待できます。
保険料の費用を抑えるには、補償の重複を避け、複数の保険会社で見積もりを比較することが効果的です。保険は万が一の際に経営を守る「リスクヘッジ費用」として位置づけ、適切に選定・経費処理を行うことが大切です。
広告宣伝費
広告宣伝費は、空室を埋めるための入居者募集活動にかかる費用で、経費として計上可能です。
広告宣伝費には、不動産仲介会社に支払う広告掲載料や、入居促進のためのキャンペーン費用、物件紹介用の写真撮影・チラシ作成費などが該当します。入居率を維持するためには欠かせない支出であり、競合物件との差別化を図るうえでも重要です。繁忙期(1〜3月)は広告投資の効果が高まるため、タイミングを見極めた運用がポイントとなります。
近年ではポータルサイト掲載やSNS広告など、デジタル媒体を活用することで低コスト・高効果の集客も可能です。無駄な広告費を抑えるには、成果の出ていない媒体を定期的に見直し、費用対効果を分析することが求められます。
空室対策については、以下の改善事例もご参照ください。
専門家の報酬
アパート経営においては、税理士・司法書士・弁護士など、専門家への報酬も経費として計上できます。税理士への顧問料や確定申告書類の作成費用、不動産登記や相続手続きに関する司法書士報酬、トラブル発生時の弁護士相談料などが該当します。
これらの費用は、経営の透明性を担保したり法的リスクを回避したりするために必要な支出です。規模の大きい物件や法人経営の場合、専門家のサポートによって税務処理や契約管理が効率化され、結果的に経営の安定化に寄与するでしょう。
信頼できる専門家と長期的な関係を築くことが、健全なアパート経営の土台になります。
通信費

通信費は、アパート経営に関する事務連絡や情報管理に利用するインターネット回線、携帯電話料金、クラウドサービス利用料などの費用を指します。
賃貸管理会社や入居者様とのやり取りをメールやチャットで行う場合や、収支管理をクラウド会計ソフトで行っている場合、その利用料は経費として計上可能です。オーナー様専用のWi-Fiを導入している場合や、物件情報をネット広告に掲載するためのデータ通信費も含められます。
これらの支出は比較的少額ですが、継続的に発生するため、管理を怠ると無駄なコストが膨らむこともあります。契約プランを見直し、不要なオプションを削除するなどの工夫で節約が可能です。
旅費・交通費
旅費・交通費は、アパート経営に関連する移動や出張にかかる費用であり、経費として計上できます。
物件の現地調査、賃貸管理会社や修繕業者との打ち合わせ、税理士との面談など、経営上必要な移動で発生した交通費が該当します。電車・バス・タクシー代、ガソリン代、高速料金、駐車料金などが代表的な項目です。遠方の物件を視察する際の宿泊費や出張費も、経費として認められるケースもあります。
ただし、私的な旅行や娯楽目的の支出は経費にならないため、業務関連であることを証明できるよう領収書や出張記録を保管しておきます。複数物件を運営しているオーナー様にとっては、交通費の管理が大きな節税効果をもたらすこともあります。
情報収集・勉強のための費用

アパート経営を安定的に続けるためには、税制改正や不動産市場の動向、最新の管理ノウハウなどをつねに学び続けることが欠かせません。
事業に関連する書籍購入費、セミナー参加費、オンライン講座の受講料などは「研修費」「新聞図書費」として経費計上が可能です。不動産投資セミナーへの参加費や、不動産関連資格(宅建士、賃貸不動産経営管理士など)の勉強に使用する教材費などが該当します。
これらは知識の習得を通じて経営力を高め、結果的に収益向上につながる支出といえます。支出時には、領収書やセミナー案内などを保存し、業務と関連する支出であることを明確にしておきましょう。
交際費
交際費は、アパート経営に関係する取引先や賃貸管理会社、専門家との関係を維持・構築するための費用を指します。具体的には、管理担当者との打ち合わせ時の食事代、税理士や不動産業者との懇親会費用、贈答品などが含まれます。
交際費は、事業に関わる人たちと良好な人間関係を築き、スムーズな経営を行う上で重要な役割を果たします。ただし、私的な交際や家族・友人との飲食代は経費として認められないため、支出内容が業務上必要なものであることを明確に記録する必要があります。会食相手・目的・日付などをメモしておくと、確定申告時の説明にも役立つでしょう。
過剰な支出は避けつつ、必要な交際費を上手に活用することで、信頼関係の維持と経営の安定化が期待できます。
減価償却費
減価償却費とは、アパートの建物・設備の購入費用を一度に経費とせず、耐用年数に応じて分割して計上するための費用です。
建物や設備は時間の経過とともに価値が減少していくため、その減少分を毎年の経費として処理することで、収支を正確に反映できます。アパートの構造によって耐用年数は異なり、木造は22年、軽量鉄骨造(3mm超4mm以下)は27年、重量鉄骨造(4mm超)は34年、鉄筋コンクリート造は47年です。
減価償却を適切に行うことで、課税所得を抑え、節税効果を得られます。エアコンや給湯器などの設備交換費も資産として計上し、耐用年数に応じて償却できます。
減価償却の計算は複雑なため、税理士に相談しながら正確に処理することが、長期的な資産管理と節税の両立につながります。
減価償却については、以下の関連記事もご参照ください。
不動産投資における減価償却とは?節税額の計算方法と注意点を解説!
アパート経営の節税戦略!減価償却・法人化・相続税対策の全てを解説
経費計上できないが、アパート経営で必要になるランニングコスト
ここでは、アパート経営で確実に発生するものの、原則として経費計上できないランニングコストについて、経費として落とせない理由もあわせて解説します。
不動産投資ローンの元本返済分
アパート経営でローンを利用している場合、毎月の返済額には「元本」と「利息」が含まれます。このうち、利息部分は経費として計上できますが、元本返済分は経費として扱うことはできません。
なぜなら、元本の返済は借入金の返済であり、事業の損益ではなく資産(現金)と負債の減少に該当するからです。会計上は、ローンで取得した建物や土地が資産として計上されており、その元本を返す行為は資産と負債のバランスを調整するだけの取引になり、経費にあたりません。
アパート経営の実質的な利益を判断する際は、経費ではないものの「元本返済による現金流出」を含めたキャッシュフロー分析を行うことが重要です。
大規模修繕積立金
大規模修繕積立金とは、将来的な外壁塗装や屋上防水、共用設備の交換など、大規模な改修工事に備えて毎月積み立てておく資金のことです。大規模修繕は、おおよそ12〜15年に一度行う必要があるため、そのためにオーナー様が費用を積み立てておくのが一般的です。
将来の修繕に備えるために極めて重要な費用ですが、実際に工事が行われるまでは「支出」ではなく「積立(資産)」とみなされるため、経費として計上することはできません。
つまり、積み立てている間は経費ではなく、実際に工事を行って支払いが発生したタイミングで修繕費、または資本的支出として処理されます。
大規模修繕積立金は原則として経費計上できませんが、「賃貸修繕共済」を利用すれば、経費として計上しながら大規模修繕にかかる費用の積み立てが可能です。賃貸修繕共済は共済金が出る修繕が限られていたり、解約返戻金がなかったりするなどのデメリットもありますが、一度利用を検討してみるのもおすすめです。
大規模修繕については、以下の関連記事もご参照ください。
賃貸アパートの改修工事や大規模修繕費用はいくら?改修項目別に解説
賃貸アパート・マンションの大規模修繕!長期計画策定と出口戦略を解説
大規模修繕工事はアパート・マンションになぜ必要?工事内容と費用を把握【総集編】
所得税・住民税
所得税や住民税は、アパート経営によって得た所得に対して課される税金であり、経費として計上することはできません。所得税や住民税などは事業の利益(所得)に対して課税されるものであり、収益を得るための支出ではないため、経費にはあたりません。
所得税や住民税は、家賃収入から必要経費を差し引いた後の不動産所得に対して課税されます。所得税は累進課税であり、所得が増えるほど税率も上昇するため、経費を適切に計上して課税所得を抑えることが節税のポイントとなります。
これらの税金は経費にならないものの、納付時期や税率を把握し、資金繰りに組み込むことで、急な納税負担を回避し、安定した経営を維持することができます。
アパート経営でランニングコストを抑える方法

アパート経営では、様々なランニングコストがかかりますが、工夫次第で圧縮が可能です。ここでは、アパート経営のランニングコストを抑える方法をいくつか紹介します。
管理コストの削減については、以下の改善事例もご参照ください。
管理委託手数料を適正化する
アパート経営におけるランニングコストの中でも、管理委託手数料は比較的大きな割合を占めます。一般的に家賃収入の3〜5%が相場とされますが、委託内容によってはそれ以上になるケースもあります。
手数料を抑えるためには、契約内容を見直し、不要なオプションや委託業務がないかを確認します。複数の賃貸管理会社から見積もりを取り、手数料だけでなくサービス内容や対応品質も比較して、コストパフォーマンスの高い会社を選定するようにしましょう。賃貸管理会社は、手数料の安さだけではなく、賃貸経営全体にプラスになるかどうかで決めるのがポイントです。
一定期間ごとに契約条件を再交渉することも有効です。賃貸管理会社との契約期間が長期にわたると、相互に緊張感が薄れ、契約内容が形骸化する可能性があります。一定期間ごとに契約条件を見直すと管理委託手数料を適正化でき、支出の無駄を省きながら安定した運営を実現できます。
不具合が発生する前から収益物件のメンテナンスを実施する

建物や設備の不具合が発生してから修理を行う「事後対応型」の管理は、一時的な出費が大きくなりがちです。これに対し、定期点検や小規模修繕を計画的に実施する「予防保全型メンテナンス」は、長期的に見てランニングコストを抑える効果があります。
外壁や屋根、防水層の劣化などを早期に発見できれば、多大な費用がかかる大規模修繕を未然に防げる可能性があります。給湯器やエアコンといった設備も、定期的な点検・清掃に努めます。
物件の状態を良好に保てば、入居者様からのクレームや退去原因を減らすことにもつながるため、結果的に空室リスクの低下にも寄与するでしょう。
入居者審査を厳格に行う
入居者審査を厳格に行うことは、長期的なランニングコストの削減に直結します。家賃滞納の未然防止だけではなく、設備の破損や乱暴な使用による原状回復費用の増加などは、審査が甘いことで発生するコストといえるでしょう。
信頼性の高い入居者様を確保するためには、収入状況、勤務先、連帯保証人の有無、過去の入居履歴などを総合的にチェックする必要があります。
入居前の説明や契約書の明確化も重要です。物件のルールを丁寧に伝えることで、内装や設備の破損・故障などを未然に防げます。適正な入居者様を選定することで、退去やトラブルにともなう修繕費・清掃費・再募集費用といった余分な支出を減らし、結果的に収益性の高いアパート経営を実現できます。
資産管理会社を設立する
一定規模以上のアパート経営を行っている場合、資産管理会社を設立して運営を法人化すると、税負担の軽減とコスト管理の効率化が期待できます。
法人化すると経費として計上できる範囲が広がり、通信費や車両費、出張費などの事業関連支出をより柔軟に処理できるようになります。
個人経営では累進課税により所得が増えるほど税率が上がりますが、法人化すれば法人税率は一定で抑えられるため、節税効果が見込めます。家族を役員や従業員にして役員報酬・給与を支払うことで、所得分散による追加の節税も可能です。
ただし、会社設立には登記費用や会計処理の手間が発生するため、経営規模や収益状況をふまえて判断することが大切です。税理士と相談のうえ、効果的な法人化スキームを構築することで、長期的に安定した経営と節税を両立できます。
資産管理会社については、以下の関連記事もご参照ください。
不動産購入は法人と個人どっちがお得?法人化するタイミングも解説
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【高額納税者必見】高所得者向け節税対策とは? 不動産投資と資産管理会社
アパート経営は相続対策に有効!資産管理会社の活用でメリット拡大
実際の改善事例については、以下をご参照ください。
まとめ

本記事では、アパート経営で発生するランニングコストについて、経費計上の可否も含めて詳しく解説しました。
アパート経営では、固定資産税や管理委託料、修繕費などのランニングコストが継続的に発生します。これらを正確に把握し、経費計上できる支出とそうでない支出を区別することが、収益性を高める第一歩です。
さらにコストを抑えるには、管理手数料の見直しや定期的なメンテナンス、入居者審査の厳格化、法人化による節税など、長期的な視点での経営改善が欠かせません。費用を単に削減するのではなく、「必要な支出」と「削減できる支出」を見極めることが成功の鍵です。
【リロの不動産】では、経費最適化から税務・管理の相談までトータルでサポートしています。無理のない運営で収益性を高めたいオーナー様は、ぜひ一度ご相談ください。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。
