アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産したら?倒産の兆候と対策を事例で紹介

2025.08.10

アパート・マンション経営では、オーナー様が1棟または複数戸の区分マンションを所有する場合、管理業務を賃貸管理会社に委託するケースがほとんどです。

賃貸管理会社を選ぶときは、対応可能な業務範囲やサポート体制などを比較し、信頼できる会社をしっかりと見極めることが大切です。加えて「賃貸管理会社が倒産したときはどうなるのか」「責任範囲はどうなるのか」など、賃貸管理会社の倒産リスクについてもチェックしておくことをおすすめします。

本記事では、アパート・マンションの賃貸管理会社を選ぶうえで、重要な倒産リスクについて紹介します。賃貸管理会社の倒産によってオーナー様・入居者様が受ける影響や、対処法などをまとめました。また、賃貸管理会社を変更し、リスクを回避したオーナー様の事例も紹介するので、あわせて参考にしてください。

▼この記事の内容

●アパート・マンションの賃貸管理会社は基本的に倒産リスクは低いが、別事業の資金繰りやトラブルなどが倒産の原因になることがある

●賃貸管理会社が倒産すると、オーナー様・入居者様どちらにも影響があるため、倒産リスクを未然に防ぐことが大切

●賃貸管理会社が倒産するときは、いくつかの兆候が見られることがある。複数当てはまる場合は管理の切り替えを検討するとよい

●倒産リスクの低い安全な賃貸管理会社は「管理物件数が多い」「事業継続年数が長い」などの特徴がある。切り替え先は慎重に検討することが大切

目次

アパート・マンション賃貸管理会社の倒産の可能性

アパート・マンションの賃貸管理会社は、以下のような理由により倒産リスクが低いといわれています。

●管理手数料が毎月安定して入ってくる
●毎月の支出がある程度決まっており、変動が少ない
●担当者1人あたり数百件の対応が可能なため、人件費を削減できる
●在庫を抱えず借入の必要がない など

しかし、マンション開発を行っている賃貸管理会社の場合は開発に大きなコストがかかるため、管理のみを行う会社と比較すると、倒産リスクが高いといえるでしょう。借入によってコストをまかなっている場合は経営が悪化すると返済が滞り、倒産に追い込まれる可能性もあります。

賃貸管理会社を選ぶときの会社の財務内容を確認する方法については、以下の記事を参考にしてください。

■参考記事:賃貸経営を成功に導く不動産管理とは? 信頼できる管理会社の選び方を解説

アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産する主な理由

本来、アパート・マンションの賃貸管理会社は倒産リスクが低いといわれています。しかし先述のとおり、ほかの事業の影響や予期せぬトラブルなどによって倒産を余儀なくされるケースもあります。アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産する主な理由は、以下のとおりです。

●ほかの事業の資金繰りに行き詰まる
●トラブルにより会社運営に支障が生じる

それぞれのケースについて、詳しく紹介していきます。

ほかの事業の資金繰りに行き詰まる

一般的に、管理業務を専業で行っている賃貸管理会社であれば、倒産リスクは低いと考えてよいでしょう。

しかし、賃貸管理会社の中には、グループ会社や親会社でマンション開発・別事業を行っているケースがあります。ある程度規模の大きい会社であれば問題ないものの、マンション開発や別事業での負債が膨らみ、倒産の原因になるケースも少なくありません。

トラブルや廃業により会社運営に支障が生じる

賃貸管理会社は、オーナー様や入居者様に関する多くの個人情報を取り扱っています。会社や担当者の情報管理が十分でないと、情報漏洩などのトラブルが発生する可能性もあるでしょう。

中にはトラブルによって会社の信頼度が下がり、経営が悪化して倒産につながるケースも見受けられます。また、廃業になる可能性もあります。賃貸管理会社を選ぶときは、過去に大きなトラブルを起こしていないか、担当者の対応や管理体制は丁寧か、企業の運営体制は安全かなど、十分に確認することが大切です。

アパート・マンション賃貸管理会社が倒産した際にオーナー様が受ける影響

アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産すると、オーナー様は以下のような影響を受ける可能性があります。

●未回収の家賃が送金されない
●入居者様の契約関連内容が不明のままになる
●管理業務が停止する
●入居者様に家賃の振込先変更の連絡ができない
●保証会社の保証契約が切れる可能性がある
●修繕積立金が回収できない可能性がある

それぞれの詳しい状況について紹介していくので、あらかじめ倒産リスクについて理解しておきましょう。

未回収の家賃が送金されない

賃貸管理会社は、オーナー様に代わって家賃回収を行います。通常、賃貸管理会社が回収した家賃は、オーナー様の銀行口座に送金されます。送金日はあらかじめ契約時に決められており、毎月一定の日に管理手数料を差し引いて振り込まれるのが一般的です。

しかし、賃貸管理会社が倒産すると、オーナー様への家賃の送金が止まる恐れがあります。すでに入居者様から家賃を回収していたとしても、送金日までに会社が倒産した場合、家賃の送金が行われない可能性が高いでしょう。

オーナー様は、家賃収入からローンの返済を行うケースが多いため、家賃収入がなくなると返済が困難になるリスクがあります。

入居者様の契約関連内容が不明のままになる

入居者様の賃貸借契約書など、アパート・マンションの契約書類は賃貸管理会社がまとめて保管するのが一般的です。

賃貸管理会社が倒産し、担当者とも連絡が取れない場合は入居者様の契約書類が確認できなくなってしまいます。「入居者様の連絡先がわからない」「家賃の振込先変更の通知ができない」など、さらなるトラブルの原因になる可能性があるため注意が必要です。

管理業務が停止する

賃貸管理会社が行っていたすべての業務が停止し、アパート・マンションの管理が行き届かなくなる可能性があります。

例えば、建物の清掃や入居者様のクレーム対応、入居・退去時の手続きなどです。管理が行われない期間が長くなると、建物の美観を保てなくなったり、設備に不具合が生じたりと、入居者様の満足度低下にもつながりかねません。

入居者様に家賃の振込先変更の連絡ができない

賃貸管理会社が倒産した場合、ただちに入居者様に連絡を入れ、家賃振り込み口座を賃貸管理会社からオーナー様の口座へ変更する必要があります。振込先を変更できなければ家賃収入を得られず、大きな損失となってしまいます。

先述のとおり、入居者様の契約書類を賃貸管理会社が保管していた場合は、オーナー様は入居者様の連絡先を知ることができません。また、入居者様を直接訪問する場合や通知をする場合は、オーナー様であることの証明が求められる可能性があり、スムーズに回収することが難しいでしょう。

保証会社の保証契約が切れる可能性がある

一般的に、家賃保証会社は賃貸管理会社と連携して業務を行っています。賃貸管理会社が倒産した場合、契約内容によっては提携する家賃保証会社との契約が解除される可能性があるため、注意が必要です。

家賃保証会社の契約が切れると、万が一入居者様が家賃を滞納した場合、オーナー様は収入を得ることができません。家賃滞納リスクが高くなるほか、新たな家賃保証会社を契約する手間が入居者様の負担となる可能性もあるでしょう。

修繕積立金が返還されない可能性がある

賃貸管理会社が倒産時に修繕積立金が返還されない理由を解説します。

1.修繕積立金の法的な保全義務が不十分

    分譲マンションの管理組合であれば、修繕積立金は「管理組合」の口座にあることが多く比較的安全ですが、賃貸アパートや賃貸マンションでは、オーナー(大家)様が自分で修繕積立金として賃貸管理会社に預けているケースが多く、信託口座や分別管理がされていないと、倒産時にほかの債権と一緒に処理されてしまいます。

    2.区別管理が行われていない(資金の混同)

      賃貸管理会社が「賃料収入・敷金・修繕積立金」などを一つの口座で管理している場合、実質的に『使い込み』と同じ状態になり、倒産管財人が賃貸管理会社の「一体の財産」と見なす可能性が高くなります。

      3.破産法に基づく「一般債権」扱いになる

        修繕積立金が信託やエスクロー、明確な契約書上で区分管理されていない場合は、破産債権(無担保一般債権)扱いとなり、回収率は数%~ゼロになることも珍しくありません。

        多くの賃貸管理会社は然るべき対応を行っていますが、契約前に適切な対応をしているか事前に確認を行いましょう。

        アパート・マンション賃貸管理会社が倒産した際に入居者様が受ける影響

        アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産したとき、影響を受けるのはオーナー様だけではありません。入居者様には、以下のような影響がおよぶ可能性があります。

        ●敷金が返還されない可能性がある
        ●修繕やトラブル対応が滞る

        特に、修繕・トラブル対応が滞る状況が長期間続くと、入居者様がストレスや不信感を抱き、退去してしまうケースも少なくありません。以下で、入居者様が受けるリスクについても把握しておきましょう。

        敷金が返還されない可能性がある

        通常、入居者様は原状回復費用や家賃滞納時の立て替え費用として、契約時に敷金を預けます。賃貸管理会社が敷金の管理を行い、退去時に清算して残額を返還するのが一般的です。

        しかし、賃貸管理会社が倒産すると、たとえ家賃滞納や部屋の損傷などがなかったとしても、敷金が返還されない可能性があります。入居者様はオーナー様に返還請求を行うことができますが、経営状況などによってはスムーズな返還が難しいかもしれません。

        修繕やトラブル対応が滞る

        アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産すると、物件の管理業務が行われなくなります。「部屋のトイレが使えない」「雨漏りが発生した」など、緊急性の高いトラブルが発生した場合、入居者様が一時的に修繕費用を負担する必要があるかもしれません。

        また、騒音や臭いなどによる入居者間でのトラブルが発生した場合、入居者様が自分で対応を行うことになります。トラブルが改善しない場合は、入居者様にとって大きなストレスとなってしまうかもしれません。

        アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産する兆候

        アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産するとき、以下のような兆候が見られる場合があります。

        ●顧客対応が悪化した
        ●オーナー様・入居者様との契約更新対応が雑になった/遅くなった
        ●賃貸管理会社の事業規模が縮小した
        ●賃貸管理会社の事務所が移転した
        ●賃貸管理会社の従業員の退職が増えた
        ●会社の経営情報に異変がある
        ●担当者が頻繁に交代する・連絡がつながりにくくなった
        ●家賃の送金が遅れるようになった
        ●親会社・グループ会社が不祥事を起こした・経営不振に陥っている
        ●外部からの評判・口コミが悪化した
        ●他社から「管理切り替え」の営業が増える

        突然倒産することもあるため一概には言い切れないものの、上記の多くの項目に当てはまる場合は注意が必要です。以下では、それぞれの詳しい状況を紹介していきます。

        顧客対応が悪化した

        経営が悪化し、従業員のモチベーションが下がって顧客対応が悪化するケースがあります。はじめは問題がなかったものの、「著しくサービスの質が低下している」「不自然に対応が悪化した」と感じる場合は注意が必要です。以下の項目に複数当てはまる場合は、倒産の兆候ともいえるでしょう。

        ●電話やメールの対応が著しく遅い
        ●クレーム対応が雑になる
        ●マンションの清掃・点検が行き届かなくなる
        ●修繕の見積もりや実施が遅れる など

        上記に当てはまる場合は業務が正常に回っていない可能性が高く、中には外注費を支払えない状態に陥っているケースも考えられます。これだけでは倒産の兆候とは言い切れないため、サービス改善の依頼を賃貸管理会社に行いましょう。

        オーナー様・入居者様との契約更新対応が雑になった/遅くなった

        オーナー様・入居者様との契約更新対応がずさんになったり、対応が遅くなったりするケースもあります。以下のようなトラブルが頻繁に発生する場合は、賃貸管理会社が何らかの問題を抱えているサインかもしれません。

        ●契約書類の不備や誤記
        ●更新手続きの遅延や失念
        ●礼金・敷金返還の遅延 など

        トラブルをそのままにしておくと、入居者様に不信感を与えたり信頼を失ったりする恐れがあります。また、賃貸管理会社が法的トラブルを抱えている可能性もあるため、注意が必要です。

        賃貸管理会社の事業規模が縮小した

        賃貸管理会社の事業規模が著しく縮小している場合、経営状況の悪化が懸念されます。以下の項目に複数当てはまる場合は、会社の収益が低下しており、経営の立て直しを図っている状況かもしれません。

        ●管理物件数の減少
        ●新規契約の停止
        ●営業所・支店の撤退
        ●別事業の廃業 など

        上記のような状況が見られる場合は、賃貸管理会社のホームページや決算公告などを確認し、財務状況をチェックするとよいでしょう。前期に比べて売上高が減少していたり、負債が増加したりしている場合は要注意です。

        賃貸管理会社の事務所が移転した

        「都市部にあった事務所が郊外に移った」「事務所の規模が縮小した」など、賃貸管理会社の事務所が移転するケースもあります。経営が悪化すると、まずは事務所の賃料を下げて固定費を減らそうと考えます。以下のような兆候が見られる場合は、注意が必要です。

        ●賃料が安い地域に事務所を移した
        ●マンションの1室など、事務所の規模を著しく縮小した
        ●不自然なタイミングで事務所を移転した
        ●人員を減らし、コンパクトな事務所へ移った など

        変化に気づくためにも、賃貸管理会社のホームページやIR情報などをこまめにチェックし、事務所の所在地や従業員数などを確認するとよいでしょう。

        賃貸管理会社の従業員の退職が増えた

        会社の経営が悪化し、不安を感じた従業員が退職することで離職率が高くなるケースがあります。特に財務事情に精通している役員や経理、管理職などの退職が目立つ場合は、会社が倒産に追い込まれているサインかもしれません。

        大手企業であれば、ホームページに記載されているIR情報で離職率を確認できます。中小企業の場合は、求人サイトや転職サイトに離職率が記載されている場合があります。賃貸管理会社の担当者と信頼関係が築けており、従業員の入れ替わりなどについて異変を感じる場合は、それとなく聞いてみるのもよいでしょう。

        会社の経営情報に異変がある

        経営情報に以下のような異変がある場合、会社の内部で何らかの問題が発生している可能性があります。

        ●法人登記簿で役員の変更が頻発する
        ●帝国データバンクなどの調査会社が提供する信用情報で「要注意先」扱いとなっている
        ●税金の滞納情報が官報に掲載される など

        帝国データバンクでは、企業の財務情報や取引先などの基本情報、信用調査報告書などを確認できます。帝国データバンクの信用調査は、銀行融資の判断材料になることも多く、企業の経済力や支払い能力などを確認する手段として有効です。

        帝国データバンク以外にも、独自の調査を行う信用調査会社があります。信用調査会社は独自の特徴があるため、目的に合った会社に調査を依頼することをおすすめします。

        担当者が頻繁に交代する・連絡がつながりにくくなった

        賃貸管理会社の担当者が何度も変わったり、交代が多く誰が責任者かわからなかったりする状況が発生している場合には、注意が必要です。以下の項目に複数当てはまるのであれば、人員不足などで組織が機能していない可能性が高いでしょう。

        ●担当者が何度も変わるようになった
        ●担当者の不在が増え、電話に出なくなった
        ●連絡を入れても折り返しの連絡がない
        ●事務所に行っても従業員が常駐していない など

        家賃の送金が遅れるようになった

        オーナー様への家賃送金の遅延が目立つ場合は、賃貸管理会社の財務状況の悪化が深刻化しているサインかもしれません。以下のような対応が頻発している場合、家賃の振り込みが途絶えたり、担当者と連絡がつかなくなったりする恐れもあるため注意が必要です。

        ●設定された家賃送金日に入金がない
        ●連絡もなく、送金が数日ずれたり遅れたりする
        ●家賃が数ヶ月分まとめて送金される
        ●理由を聞いても説明が曖昧で、担当者が「確認中」などと濁すことが頻発する など

        理由としては、回収した家賃を負債の返済や運用費用などに充てている場合や、人手不足により対応が追い付いていない場合などが考えられます。家賃の送金遅延は契約違反に該当するため、しっかりと原因を説明してもらうことが大切です。

        親会社・グループ会社が不祥事を起こした・経営不振に陥っている

        親会社やグループ会社が不祥事を起こし、その影響を受けて子会社である賃貸管理会社の業績が悪化するケースもあります。

        一般的に、中小企業よりも大手企業の子会社のほうが経営が安定しやすいといわれています。しかし、親会社で以下のようなトラブルが発生した場合は、子会社の賃貸管理会社の名前にも傷が付き、評判が落ちる原因となる点に注意しましょう。

        ●親会社・グループ会社の経営が悪化した
        ●親会社・グループ会社の不祥事がテレビや新聞などで扱われた
        ●親会社・グループ会社が行政処分を受けた など

        外部からの評判・口コミが悪化した

        賃貸管理会社との新規契約を検討しているオーナー様は、できるだけ評判のよい良質な会社に依頼したいと考えます。GoogleレビューやSNS、不動産掲示板などの口コミを参考に、賃貸管理会社を選ぶ方も多いでしょう。

        「家賃が振り込まれない」「電話がつながらない」などの悪い口コミがネット上で散見されると、賃貸管理会社が新規契約を取りづらくなる可能性があり、徐々に賃貸管理会社の収益が悪化していくケースも少なくありません。一概に口コミだけで判断できるとはかぎりませんが、依頼している賃貸管理会社の口コミを定期的に確認し、長期間にわたって悪評が目立つ場合には、賃貸管理会社の経営状況などにも注意してみましょう。

        他社から「管理切り替え」の営業が増える

        ほかの賃貸管理会社から、やたらと管理切り替えの営業を受けるようになるケースがあります。同じ賃貸管理会社に賃貸管理を任せているさまざまなオーナー様が、管理切り替えを同じようなタイミングで一斉に行うと、同業他社の中で「●●社の引き継ぎ案件が多い」などと業界内で倒産の噂が出回る可能性があります。

        単純に営業を受けることも多い業界ですが、営業される頻度が多い場合には、業界内で経営不振の噂が広まっている可能性があることも考慮し、管理業務に心配な点はないか確認してみましょう。

        アパート・マンション賃貸管理会社が倒産した後にオーナー様が行うこと

        アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産した場合、オーナー様は迅速な対応が求められます。以下の流れを参考に、万が一の事態に備えておくことが大切です。

        ●新しい賃貸管理会社を探し、契約する
        ●家賃の回収・敷金の返還請求をする

        ここから、アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産したときに行う行動について、詳しく紹介します。なお、賃貸管理会社を変更する詳しい手順については、以下の記事を参考にしてください。

        新しい賃貸管理会社を探し、契約する

        物件の管理状況を回復するために、まずは新しい賃貸管理会社を探しましょう。契約していない期間が長くなるほど、オーナー様が賃貸経営に割く時間や労力が増えてしまい、日常生活に支障が出る可能性があります。

        アパート・マンションの賃貸管理会社を選ぶときは、複数の候補先をピックアップして、条件を比較することが大切です。管理手数料の安さなどで即決せず、入居者募集から物件の管理、空室対策まで任せられる、充実したサポート体制の会社に依頼するとよいでしょう。

        家賃の回収・敷金の返還請求をする

        未回収の家賃がある場合や、入居者様が預けている敷金が返還されていない場合は、倒産した賃貸管理会社に返還請求を行いましょう。

        しかし、倒産した会社から金銭を回収するのは難しく、「担当者と連絡が取れない」「事務所の所在がわからない」といった場合も多くあります。オーナー様が自分で家賃や敷金を回収できない場合は、弁護士に相談して法的措置を取ることも検討しましょう。

        ■参考記事

        管理会社の変更はあり?賃貸経営安定化のためにオーナー様がなすべきこと

        アパート・マンション賃貸管理会社の倒産リスクを防ぐ有効な対策

        アパート・マンションの賃貸管理会社が倒産すると、オーナー様や入居者様にさまざまな影響がおよびます。リスクをできるだけ抑えるために、以下のような対策を行うことが大切です。

        ●倒産の兆候をいち早く察知して対処する
        ●倒産に関する契約内容を確認しておく
        ●倒産リスクの低い賃貸管理会社を選ぶ
        ●賃貸住宅管理業者登録制度に基づいた賃貸管理会社と契約する

        契約した賃貸管理会社が倒産しなければ、そもそも被害を受けることもありません。ここから、倒産リスクを未然に防ぐポイントについて紹介します。

        倒産の兆候をいち早く察知して対処する

        先述のような倒産の兆候が見られる場合は、できるだけ早く現在の賃貸管理会社に見切りを付け、管理の切り替えを行うことをおすすめします。

        また、倒産の兆候は少ないものの、「対応を依頼しても改善しない」「対応に不満がある」といった場合も、切り替えを検討する十分な理由になり得るでしょう。迷っているときは賃貸管理会社の財務状況を確認し、収支を見たうえで判断することが大切です。

        倒産に関する契約内容を確認しておく

        賃貸管理会社と契約をするときは、契約書の中にある「倒産に関する条項」や「責任範囲」などをよく確認しておきましょう。「未払い家賃や預かり金はどうなるのか」「回収できない場合の保証はあるのか」などを確認し、記載されていない場合は項目を追加してもらう必要があります。

        万が一、賃貸管理会社が倒産した場合でもオーナー様のリスクを極力抑えられるように、契約段階から対策を行うことが大切です。

        倒産リスクの低い賃貸管理会社を選ぶ

        アパート・マンションの賃貸管理会社と契約するときは、できるだけ倒産リスクが低い会社を選びましょう。倒産リスクの低い賃貸管理会社には、主に以下のような特徴があります。

        ●管理物件数10,000戸以上など、多くの物件を手がけている
        ●10年以上など長期にわたって事業を継続している実績がある
        ●顧客満足度が高い
        ●財務健全性が高く安定している など

        上記の点を前もって確認し、見極めることが大切です。なお、賃貸管理会社を選ぶときのより詳しいポイントは、以下の記事も参考にしてください。

        ■参考記事

        【必読】賃貸管理会社の選び方!運用益と出口戦略を見据える賃貸管理

        【賃貸管理会社】大手と地域密着型のどっちがおすすめ?選び方とは

        賃貸管理会社の探し方と6つのポイント!賃貸経営の収支を握る管理とは

        賃貸住宅管理業者登録制度に基づいた賃貸管理会社と契約する

        賃貸住宅管理業登録制度とは、200戸以上の住居を管理する賃貸管理会社が加入する制度です。登録業者はオーナー様と入居者様の利益を守るために、一定のルールにそって業務を行う必要があります。

        例えば、本制度に加入している賃貸管理会社は、オーナー様への重要事項の説明や書面の交付、管理事務の報告などが義務付けられています。本制度の登録は、優良な業務を行っている会社かどうかの1つの指標となるため、契約前に登録状況を確認しておくのがおすすめです。

        【倒産リスク回避】賃貸管理会社を変更してアパート・マンション経営が改善した事例

        実際に賃貸管理会社が倒産する兆候を見抜き、アパート・マンション経営が軌道に乗ったケースも多数あります。ここからは、賃貸管理会社を変更して倒産リスクを回避した事例を紹介します。

        なお、トラブル発生時に求められる賃貸管理会社の対応力について、下記の記事もあわせて参考にしてください。

        ■参考記事:【トラブル事例】賃貸管理会社に求められる対応力とは? 起こりうるリスクも紹介

        経験豊富で管理戸数多くても客付けが弱い!管理会社変更で入居率97%へ改善

        千葉県で1棟マンションを経営するオーナー様の改善事例です。長年にわたって同じ賃貸管理会社に管理や入居者募集を任せていたものの、客付けの弱さに不満を感じていました。

        空室対策に力を入れている賃貸管理会社に管理を切り替え、ポータルサイトに物件情報を掲載したところ、すぐに入居者様が見つかり入居率が改善しています。

        ■事例:経験豊富で管理戸数多くても客付けが弱い!管理会社変更で入居率97%へ改善

        4戸の空室を閑散期の4ケ月で満室!仲介件数地域No1の客付け力!

        福岡県で1棟マンションを経営するオーナー様の改善事例です。1年ほど長期的な空室が発生しており、あらゆる空室対策を施すものの、改善が見られないため賃貸管理会社を切り替えました。

        宅配ボックスや無料インターネット回線など、ニーズの高い付帯設備を優先的に導入して部分的な設備の変更を行ったところ、4ヶ月以内に満室を実現しています。

        ■事例:4戸の空室を閑散期の4ケ月で満室!仲介件数地域No1の客付け力!

        迅速な対応をして1ヶ月半で空室改善!当社管理で4年以上の満室経営に

        兵庫県で1棟マンションを経営するオーナー様の改善事例です。現行の賃貸管理会社は対応が悪く、連絡がつかないことも多々ありました。オーナー様は空室がなかなか埋まらない現状を改善したく、賃貸管理会社の切り替えを決断。

        放置されていた空室の部屋をすぐにリフォームして入居者募集を行ったところ、約1ヶ月半で満室になっています。滞納処理や入居者対応などのスムーズな対応により、長きにわたって満室稼働中です。

        ■事例:迅速な対応をして1ヶ月半で空室改善!当社管理で4年以上の満室経営に

        管理費削減による収支の改善と賃料アップによる賃貸経営の改善!

        大阪府で区分マンションを経営するオーナー様の改善事例です。オーナー様は長年依頼していた賃貸管理会社の担当者が変わり、対応が悪化したことに悩んでいました。賃料が下がってきたタイミングで、管理手数料も削減したいと賃貸管理会社の切り替えを検討。

        管理手数料を3%で対応してコストダウンに成功し、月々の収支が改善しました。また、家賃が相場よりも安いため今後の家賃アップの可能性が高く、さらなる収支改善が期待されるでしょう。

        ■事例:管理費削減による収支の改善と賃料アップによる賃貸経営の改善!

        4戸の空室を管理が始まる前に満室へ!仲介件数地域No1の客付け力

        福岡県で1棟マンションを経営するオーナー様の改善事例です。数年ほど満室にならず、客付け力の弱い賃貸管理会社に不満を感じていました。

        事前内装と賃料設定に問題があることがわかり、内装加工の実施や適正賃料への変更によって、3ヶ月以内に満室を実現しています。空室が出た場合も迅速な対応で空室期間を大幅に短縮し、月額収益アップに加えて継続的に満室稼働中です。

        ■事例:4戸の空室を管理が始まる前に満室へ!仲介件数地域No1の客付け力

        35年間依頼してた賃貸管理会社を変更!長期空室を3ヶ月で満室に!

        東京都で1棟マンションを経営するオーナー様の改善事例です。35年間同じ賃貸管理会社に依頼していたものの、オーナー様はなかなか埋まらない空室や担当者のずさんな対応に悩んでいました。

        調査したところ、広告掲載が不十分であることが判明。広告活動の間口を広げ、住宅情報サイト(SUUMO・HOME‘S・at-home)を含めた52サイトへ物件情報を掲載したところ、すぐに反響があり約3ヶ月で満室となりました。

        ■事例:35年間依頼してた賃貸管理会社を変更!長期空室を3ヶ月で満室に!

        終活は大事!10年以上前から相続準備をしたから対応出来た不動産売却

        埼玉県で3階建ての賃貸アパートを経営するオーナー様の改善事例です。オーナー様は相続が発生した際に物件を売却し、現金化したいと考えていました。

        オーナー様は不動産売却に精通した賃貸管理会社に10年以上前から相談し、売却用不動産として管理するように依頼。入居者様と定期借家で賃貸契約を締結する、 修繕には最低限の費用しかかけないなどの徹底した管理の結果、希望する金額・条件でのスムーズな売却に成功しています。

        ■事例:終活は大事!10年以上前から相続準備をしたから対応出来た不動産売却

        法人設立により大幅な節税対策を実行!

        東京都で1棟アパートを経営するオーナー様の改善事例です。オーナー様はさまざまな資産を所有しており、相続税の対策についてお悩みでした。資産管理会社の設立によって所得の分散を図るのがよいと判断し、大幅な節税に成功しています。

        ■事例:法人設立により大幅な節税対策を実行!

        1棟のアパートから区分マンションへの資産組み換えによる節税対策!

        東京都で、1棟アパートから区分マンションへ買い替えたオーナー様の改善事例です。相続について考え始めたタイミングで、相続対策として何がよい方法なのか悩んでいました。

        保有している1棟アパートを区分マンションに買い替えたことで、相続評価を大幅に圧縮し、高い流動性を実現。出口戦略まで考えられた、節税効果の高い方法です。

        ■事例:1棟のアパートから区分マンションへの資産組み換えによる節税対策!

        アパート・マンションの管理会社をした事例

        まとめ アパート・マンションの賃貸管理会社選びは倒産リスクも考慮して慎重に選ぼう

        マンションの賃貸管理会社は、一般的に倒産リスクが低いといわれています。しかし、オーナー様は万が一の事態に備え、倒産リスクの低い会社を選ぶなど、被害を最小限に抑える対策を行うとよいでしょう。

        また、賃貸管理会社選びは、アパート・マンション経営の成功を左右する重要な項目です。入居者様の満足度や空室率に大きな影響を与えるため、契約する賃貸管理会社は慎重に選択することをおすすめします。

        リロの不動産】は、業界大手かつプライム上場のリログループが手がける賃貸管理会社です。「安全性の高い賃貸管理会社に依頼したい」「現行の賃貸管理会社が倒産する可能性がある」というオーナー様は、ぜひ一度管理状況についてご相談ください。

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        この記事を書いた人

        秋山領祐(編集長)

        秋山領祐(編集長)

        【生年月日】昭和55年10月28日。
        【出身地】長野県上田市。
        【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
        【担当・経験】
        デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
        分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
        リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。