形式的競売とは?
形式的競売とは、債務の清算としての競売ではなく、遺産分割や共有物分割、破産手続き上の換価などで不動産を売却してお金に換える必要があるときに、競売の手続きをその手段として利用するものです。
例えば、分割することが難しい財産(不動産など)を複数人で分けたい時などに利用されることが多く、財産をお金に換えることで分配が容易になります。
形式的競売について
強制執行の手段として行われる強制競売や、担保権の実行が債権の回収を目的とするものであるのに対し、形式的競売は財産をお金に変えることを目的としています。具体的には、留置権に基づくものや共有物の分割などに利用されます。
例えば、留置権は占有している物に関して生じた債権に基づきその物の返還を弁済があるまで拒絶できる権利ですが、いつまでも保管していることは手間や費用もかかることから現実的ではありません。そこで競売する権利を認め、対象となった物の代わりに換価金を留置することを認めます。