現物分割とは?
現物分割とは、土地と建物のような特定の「現物」を、特定の相続人が相続するように分配する方法です。
遺産分割手続きにおいて、相続人がどの財産を相続するかを決めるための分配方法のひとつです。
現物分割について
被相続人(亡くなった方)の自宅は奥様に、Aアパートは長男、Bアパートは次男、といったかたちで遺産分割します。物件ごとに所有権の所在がわかりやすくなるため、遺産分割では採用されることが多いです。
なお、不動産の分割において、現物分割を用いられるパターンはだいたい決まっています。よくあるパターンが以下の2つです。
① 土地の現物分割
土地を現物分割する場合、相続分に応じて分筆することで物理的に土地を分割することができます。分筆した土地は単独で所有できるため、相続した土地を相続人は自由に売却・活用することが可能です。
② 建物を区分所有にして現物分割
建物は物理的に分けることはできません。そのため、基本的に現物分割をすることはできません。しかし、マンションのような建物を区分所有建物に変更することで現物分割することが可能になります(1~3階は長男へ、4~6階は次男へなど)。ただ、建物を区分所有建物にするためには区分所有の成立要件を満たす必要があると同時に、相続人の全員が区分所有建物とすることを伴う現物分割に同意しなければなりません。