ワンルームマンション投資のメリットとリスク!無理しない投資戦略
2023.04.21不動産投資を始めるにあたって、初期投資額が少なく初心者にも始めやすいといった理由からワンルームマンション投資を考える方が多くいます。一方で、ワンルームマンション投資に否定的な意見を聞くこともあります。
どのような種類の投資であっても、その特徴をしっかりと理解し、メリットとリスクを知ったうえで自分の投資目的に合っているかを判断しなければなりません。そうでないと、思い描いていた理想と異なる結果になりかねないのです。
今回はワンルームマンション投資について解説するとともに、メリットやデメリット、ワンルームマンション投資を始める際の流れに加えて、気を付けておきたい注意点についてもお伝えします。
目次
ワンルームマンション投資とは
ワンルームマンション投資とは、マンションの1室を購入し、賃貸に出して家賃収入を得る不動産投資方法の1つです。区分マンション投資といわれることもありますが、間取りの多くが単身者向けのワンルームとなっていることから、「ワンルームマンション投資」という名称のほうがイメージしやすいかもしれません。
この章では、ワンルームマンション投資とは何かについて解説します。
ワンルームを表す間取りとは
単身世帯向けの代表的な間取りであるワンルームとは、キッチンのスペースを含む1部屋だけで構成されている間取りをいい、「1R」と表記されています。ちなみにキッチンスペースと居室が分れている間取りを「1K」といい、ワンルームと区別しています。
広さは約13平方メートルから25平方メートルが平均的といわれていますが、築年数が古い物件だと10平方メートル未満のものもあります。
ワンルームは部屋を仕切るものがないため、玄関から部屋の中をみると開放感がある点が魅力です。ただ、キッチンスペースと居室の区切りがないため、キッチンの匂いが部屋に充満することや、玄関を開けた際に部屋が丸見えになってしまうというデメリットがあります。ほかにもトイレやお風呂など水回りの使用音が部屋の中まで聞こえてしまう点もデメリットといえるでしょう。
ワンルームマンション投資の仕組み
ワンルームマンション自体が独身世帯向けですので、需要はほぼ賃貸です。賃貸需要に対し、ワンルームマンションを所有して賃貸に出すことで家賃収入を得るビジネスモデルが成立するのがワンルームマンション投資の大まかな仕組みです。
ワンルームマンション投資に限らず不動産投資全般に言えるのですが、物件を維持するための経費がかかります。経費には、賃貸管理会社への管理委託手数料、不動産仲介会社に支払う仲介手数料、固定資産税・都市計画税、物件の修繕費用、ローン利息などを考えておかなければなりません。また、経費とならない支出には、借入金額の元本返済分などがあります。
ワンルームマンション投資は共用部分の管理を考えなくてもいいことから、修繕費用は専用部分のみを考えておけばいいのですが、入居者様が退去した際には、壁紙の張り替えやフローリング床の張り替えなどの原状回復費用のために資金を確保しておく必要があります。
ワンルームマンション投資は、アパート投資などほかの不動産投資スタイルと比べると利回りは低めですが、物件の選定や空室対策をしっかりと行っておけば手堅い運用が望めます。その後、部屋数を増やしていくことで、家賃収入を増やすことができ、不動産投資事業の拡大につなげていくことができるでしょう。
ワンルームマンション投資のメリット
では、ワンルームマンション投資を行うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なメリットとしては
・初期投資金額が少なくてすむ
・融資を受けやすい
・売却しやすい
などがあります。
比較的少ない資金で始められる
不動産投資のスタイルの1つに、一棟アパートやマンションを購入して賃貸に出す「一棟アパート・マンション経営」があります。アパートもしくはマンションを一棟丸ごと保有するため、大きな資金が必要になります。
購入時の金額が高額になり過ぎると、金融機関から希望した金額の融資を受けられない可能性もありますが、ワンルームマンションの場合は物件価格が一棟アパートやマンションと比べると安価になるため、比較的少ない自己資金で始められる点がメリットになります。
少ない自己資金で始められるということは、万が一、投資が成功しなかったとしても、その損失も少額に抑えられるといったリスクヘッジにもつながります。考えたくないシーンではありますが、最悪の事態を回避するためにもあらゆるリスクを想定してリターンを得るために対策することが重要になります。
金融機関の融資が比較的下りやすい
金融機関が融資を行う際には必ず審査を行います。なぜなら、金融機関としても融資した額をきちんと最後まで利息と合わせて返済してもらわなければビジネスが成立しないからです。そのため、申込者が返済能力を持っているかを重視しながらさまざまな視点で審査を行います。
ワンルームマンションは物件価格がほかの不動産投資スタイルよりも低く、融資金額が少なめであるため、比較的融資審査が下りやすいという特徴があります。ワンルームマンション投資のローンの場合、オーナー様が会社員や公務員であることは有利に働くことがあり、勤め先や勤続年数などによっては「継続して安定した収入を得られる」と判断され、金融機関の属性評価が高くなることがあります。
ワンルームマンションの価格が低めであることから、預貯金や退職金などを利用してすべて自己資金で購入し、不動産投資を行おうと考える方もいますが、できるだけ金融機関からの融資を受け、レバレッジ効果を得ながら運用を行うことをおすすめします。
レバレッジ効果とは少ない資金で大きなリターンを得られる効果で、不動産投資を行ううえでの基本ともいえる考え方です。毎月の返済は発生するものの利息分は経費計上できますし、自己資金はいつ発生するか分からない修繕費用などに充当するようにしておくと、急な支出にも対応できます。
管理の手間が少ない
物件の管理対象がマンションの専用部分(居室)のみのため、管理する範囲が狭く手間が少ない点もメリットです。戸建て住宅や一棟アパート、一棟マンションの場合は、屋根や外壁など建物全体の管理も必要になりますし、一棟アパートや一棟マンションの場合、共用部分の管理も必要です。
定期的な清掃のほか、設備の定期メンテナンス、さらには大規模修繕を計画しながら必要資金を貯めていかなければなりません。
ワンルームマンションだと管理や修繕の規模は限定されますので、入居者様が入居されている間は居室内の設備の故障に関する対応やメンテナンスを行い、退去時には次の入居者様がつきやすいように壁紙の張り替えやフローリングの張り替えなどの原状回復工事を行うことになります。しかもワンルームですので工事がしやすく、部屋の広さもそこまで広くないため、費用も少なく抑えられます。
もちろんワンルームマンションの管理も賃貸管理委会社に委託できますので、委託することによりさらに管理の手間を省けるでしょう。
売却しやすく流動性リスクが低い
地域にもよりますが、都市部のワンルームマンションであれば、売却しやすいという特徴があります。そのため、駅に近い物件や人口が増加している地域の物件を購入することで、ほかにワンルームマンション投資を行いたいと考えている方に対して売却できます。市場の動きによっては、購入した金額よりも高く売れる可能性もあります。
ワンルームマンションはほかの不動産投資スタイルに比べ、流動性リスク(売却できないリスク)が低いというメリットを持っています。
さらに、家賃相場も比較的安定しており、景気に影響されることなく安定した収入が得られる点もメリットでしょう。景気が悪化したからといって急に家賃が下がるということはあまりみられませんし、逆にインフレに強いことから物価上昇時には物件価格の上昇も期待できます。
ワンルームマンション投資のデメリット
ワンルームマンション投資に限らず、メリットがあればデメリットもあります。この章ではワンルームマンション投資を行ううえで注意しておくべきデメリットについて解説します。
利回りは低い傾向
一般的にワンルームマンション投資の利回りは低いといわれています。健美家の「2022年 収益物件 市場動向 年間レポート」をみると、各不動産投資スタイル別の全国の平均値は以下のとおりとなっています。
利回り | 価格 | 築年数 | |
ワンルームマンション | 7.41% | 1,511万円 | 30.5年 |
一棟アパート | 8.29% | 7,478万円 | 22.0年 |
一棟マンション | 7.84% | 1億6,652万円 | 28.1年 |
(出典:健美家 収益物件 市場動向 年間レポート 2022年)
ワンルームマンション投資では、空室リスクへの対策を十分に取ることが、収益性を高める重要なポイントであるといえます。立地や需要などを事前にしっかりと調査し、空室リスクの少ない立地にある物件を購入するのはもちろんのこと、入居者様が退去してもすぐに新しい入居者様が付くような仕組みを考える必要があります。
そのためにも、物件の実務的な運営を行う、空室対策に強い信頼できる賃貸管理会社に依頼することが大切です。
空室のインパクトが大きい
ワンルームマンション投資に限らず、不動産投資を行ううえでつねに考えなければならないリスクが「空室リスク」です。
特にワンルームマンション投資の場合、家賃収入を得られる物件が1室のみであるため、入居者様が退去してしまい、空室期間ができてしまうと、次の入居者様が入居して家賃を支払うまでの間は一切収入が入らないことになってしまいます。しかし、アパートローンなどの支出は変わらず発生するため、空室期間の長さによっては経営が赤字になってしまうことも考えられます。
ワンルームマンションは入居者様の入れ替わりが頻繁に行われるといった特徴があることからも、複数路線が乗り入れる主要駅が近い、商業施設が近いなど単身者にとって利便性が高く賃貸需要が高い物件を選ぶことが、空室リスクを減らすことにつながります。
「入居者募集」による集客ノウハウを蓄積し、物件のご案内から契約まで取りまとめる「賃貸仲介力」を持った賃貸管理会社に管理業務を委託することも重要です。
共用施設の管理は別会社になる
マンションの1室を購入し、賃貸に出すワンルームマンション投資の場合、管理する範囲は専用部分のみですが、共用部分の管理は別会社が行うことになります。仮にその会社がきちんと管理を行っておらず、マンションの価値を著しく下げる状況になってしまっても、1室を購入しているだけのオーナー様には、コントロールすることはできません。
ワンルームマンション投資はあくまでもマンションの1室を購入して賃貸に出す投資スタイルのため、そのマンションの外観やエントランス、共用部分については管理対象外となります。
そのため、専有部分の部屋はきれいに保たれていても、共用部分の管理が行き届いていなかったり、躯体の傷みが目立つマンションだと、入居様の募集が困難になったり、貸出するお部屋の入居条件が良くて内見に来てみたところマンション全体が傷んでいる状態だとセキュリティ面の不安から、結果的に入居されない可能性もありえます。
収益物件としてマンションの1室を購入する際には、マンションの管理状況も事前にチェックし、定期的に清掃業務が行われているか、設備のメンテナンスはしっかりと行われているかなども確認してから購入を決めましょう。
ワンルームマンション投資を始める流れ
ワンルームマンション投資を始めるにあたって、流れをしっかりと理解しておくことは大切です。この章では、中古物件を例にワンルームマンション投資を始める流れについて解説します。
投資目的と目標の決定
”あなた”が最適な手段を選択するためにも、、一番はじめにワンルームマンション投資を行う目的を決めましょう。
漠然とした目標はあったかもしれませんが、実際にワンルームマンション投資を行うにあたり、目的を言語化することで具体的な施策の方向性が見えてきます。
「何のためにワンルームマンション投資をするのか?」という問いに対して、「月々のキャッシュフローの足しにするため」、「節税のため」、「老後資金を形成するため」「不労所得を得る最初のステップのため」「相続対策のため」など、人によって目的は異なります。
自分は何を目的としてワンルームマンション投資を行うのか、投資目標金額と期日も併せて設定することで具体的な施策の方向性が定まります。
「ワンルームマンション投資」が気になる理由から目的を考えてもいいかもしれません。
不動産投資スタイルには「ワンルームマンション投資(区分マンション投資)」のほかにも、「一棟マンション経営」や「一棟アパート経営」なども存在します。不動産投資スタイルにより資金計画や税効果を含めた収支も異なります。当該理由により、目的が途中でブレてしまうと、すべての計画を最初からやり直さなければならなくなります。
計画を行う中で”あなた”に最良な施策や手段が明確になり、実行するために必要な条件もクリアになるでしょう。
投資目的の決定は、ワンルームマンション投資に限らず、全ての投資に通じる重要なポイントになります。たくさん悩んでもかまいません。パートナーとディスカッションすることで考えが深まることも往々にしてございます。しっかりとした目的と目標の設定を心掛けるようにしましょう。
情報の収集
目的と目標を明確にしたら、次は「不動産投資・賃貸経営全般の情報」、「物件の購入・売却に関する売買情報」、「空室対策など賃貸経営の運用に関する情報」、「不動産会社に関する情報」などを収集します。本を購入して情報収集する方法もありますし、不動産会社が主催するセミナーに参加する方法もあります。また、不動産会社の公式サイトから資料を入手する方法もあるでしょう。
不動産会社が提供してくれる情報やセミナーについては、1社だけでなく複数社の情報を収集することで不動産会社の比較も合わせて行えるため、できれば複数社の情報を集めることをおすすめします。
物件の選定・不動産会社と個別相談
「ワンルームマンション投資」をする場合は、ターゲット層である単身者向けの需要が見込める立地を基準として、物件を探しましょう。駅から徒歩10分以内の利便性の高い物件や、将来再開発計画があるエリアなどに建っているマンションを複数ピックアップしておきましょう。
その際には災害リスクを確認することも忘れないようにしてください。マンションが耐震構造であるか、水害などが起こる地域にないかなど自治体が公表しているハザードマップなどを活用し、災害リスク対策も合わせて行うことも大切です。
物件がある程度絞れたら、不動産会社に問い合わせてみましょう。複数の不動産会社に問い合わせ、収益物件の利回りや諸条件を確認すると同時に、担当者の態度や雰囲気なども比較し、安心して交渉ができると思える不動産会社を最終的に選ぶようにしましょう。
不動産会社に相談すると、内見をさせてもらえます。ただし、オーナーチェンジ物件の場合は入居者様がいることから、内見が難しいケースもあるのでご留意ください。
物件の決定
物件の内見も済ませ、収支計算も済ませて購入してもよいと思える物件が見つかったら、不動産会社に対して「買付申込書」を提出します。買付申込書とは、売主様に対してその物件を購入したいという意思表示を行うもので、「物件の名称」や「買付希望価格」「支払い方法」などを記入します。
ただし、買付申込書はあくまでも買付したいと売り主に伝えるものですので、提出したからといって売主様が必ず売ってくれるとは限らないことも覚えておきましょう。
金融機関への相談(不動産投資ローンの予備審査)
買付申込書を提出し、売主様が売却することに承諾したら、不動産投資ローン(アパートローン)の仮審査に申し込みます。申込先の金融機関は不動産会社の紹介先が多く、不動産投資ローンを利用できるかどうかの仮審査が行われます。
もちろん、ほかに利用したい金融機関があるならそこに仮審査の申し込みを行ってもよいでしょう。ただし、不動産会社が紹介してくれた金融機関のほうが審査が有利に進むケースが多くみられます。そのため、不動産会社が提携している金融機関を事前に調べておくことも大切です
仮審査の申し込みでも、本人確認書類や収入証明書類、他社からの借入内容が分かるもの、購入物件の収益性が分かるもの、といった書類が必要ですのできちんと準備して提出するようにしてください。
不動産売買契約
金融機関への仮審査が通過したら、不動産売買契約に進みます。売主様と不動産売買契約を交わし、手付金を払います。手付金は、売買契約の成立後に契約を解除する際には、放棄する必要があります。契約成立後に契約を解除するケースとして考えられるのは、金融機関からの融資が得られなかった場合ですが、そのような際に備えて不動産売買契約締結時に「融資特約」を付加することができます。
融資特約とは、金融機関から融資を得られなかった場合に不動産売買契約をキャンセルできるというもので、この場合、払った手付金は戻ってきます。
また、不動産売買契約締結時には重要事項説明があります。内容をきちんと聞き、不明な点については質問して解消しておきましょう。重要事項説明の内容に問題なければ、不動産売買契約書に署名し、実印を押印します。
不動産投資ローンの本審査
不動産売買契約が締結されたら、不動産投資ローンの本審査に申し込みます。本審査では仮審査よりもより細かく審査を行うため、申し込みから審査結果が出るまで1週間から1ヶ月程度の時間がかかります。また、物件の審査も行われるため、物件の築年数などによっては希望する額の融資が得られない可能性もあります。
本審査に通過したら金融機関から連絡がありますので、その後は物件の引渡しおよび決済に進みます。
物件引渡し・賃貸経営開始
物件の引渡しの際には、売主様と買主様そして不動産会社が立ち会い、物件が引渡し可能かどうかの状態チェックを行います。そのうえで問題ないことが判断できれば、決済にすすみます。
不動産登記の手続きも決済と同じタイミングで行われることが多く、手続きを司法書士に依頼するケースが一般的です。依頼する場合は、司法書士への報酬の支払いが別途発生します。融資の実行も含め、手続きがすべて完了すると、売主から鍵や物件の書類を受け取り、引渡しが完了します。
引渡しが完了したら、物件はオーナー様のものになります。この瞬間から賃貸経営が始まります。入居者様の募集なども並行して着実に進めていきましょう。
ワンルームマンション投資で注意すべきこと
ワンルームマンション投資の特徴とメリット・デメリットを把握したところで、なぜワンルームマンション投資に対して否定的な意見もあるのか気になるところではないでしょうか。
この章ではワンルームマンション投資を行うにあたって、注意すべき点について解説します。
新築はキャッシュフローが出にくい
新築のマンションは中古マンションに比べて1室あたりの購入金額が高くなります。新築マンションという理由で多少家賃を高めに設定する「新築プレミアム」はありますが、基本的に、賃料は一定水準まで下落するものです。
築年数が進むなか、近隣に新しい競合物件が出現すると入居者ニーズとの乖離により強気の家賃設定を行いにくくなります。賃料の低下が進むと、家賃収入に対する購入金額が高くなるため、当然利回りは低くなってしまいます。
その結果、月々のキャッシュフローが出にくいという結果を生むことになり、金融機関の融資条件によっては、赤字になってしまう可能性もあります。さらに空室状態になり家賃収入が入らない状況が続くと経営を続けられるかどうかの問題にもなってしまいます。
キャッシュフローが出なければ、突発的な修繕にも対応できず、通常なら家賃収入から返済するローンの支払いも続けていくことができなくなるでしょう。
将来の展望や目的に、新築のマンションの1室を購入してワンルームマンション投資を行いたいという理由がなければ、中古マンションを購入して少しでも利回りをよくし、キャッシュフローが出せる状態を維持する選択肢も考えられます。
表面利回りだけで判断しない
広告などで使用されている利回りは表面利回りといい、満室状態を想定して計算した利回りです。計算式も簡単で、年間の家賃収入を物件購入金額で割った指標になります。
注意しなければならないのは、ワンルームマンション投資を行うにはさまざまな費用がかかるというということです。不動産投資全般に言えることですが、年間の家賃収入から物件の購入にかかった費用や、ワンルームマンション投資を行ううえで必要な経費を差し引いた額で利回りを求めた「実質利回り」に着目する必要があります。
不動産投資を始めるにあたって、表面利回りだけで判断するのは非常に危険です。地方都市のワンルームマンションなどでは10%を超える物件を見かけますが、空室リスクがあるために物件価格が安くなっている可能性もあります。必ず、実質利回りを計算しましょう。購入前の収支画計算や収益シミュレーションと呼ばれるもので確認することができます。
立地にはこだわる
ワンルームマンション投資の成功を左右するのは、立地であるといっても過言ではありません。単身者が入居する物件を選ぶ際に重視するポイントで、優先順位が一番高いのが立地だからです。
そして、不動産投資において「空室リスク」の対策は必須事項です。特に物件が1室しかない運用状況の場合、空室期間中は家賃収入がゼロになるため、「空室リスク」をコントロールするための対策を行うことが極めて重要です。空室リスクをコントロールする普遍的な最重要項目が「立地」であるわけです。
立地の良さは物件の人気にもつながります。人気がある街で、つねに入居者希望者様がいる街や地域の物件であれば家賃の水準を保つことができますし、場合によっては家賃を上げることもできるでしょう。
逆に、環境の変化で街の利便性や人気が下がり、入居希望者が減少する立地の物件だと、近隣の物件より選ばれる理由がなければ入居者様が付かない可能性もあります。最終的に利回りを下げる原因にもなってしまいます。
中古物件の賃料推移を知ることで物件の賃料推移は推定することができます。ワンルームマンション投資は物件選びから始まっていることを意識し、立地にはとことんこだわるようにしましょう。
サブリース契約(転貸借契約)は慎重に
賃貸管理会社とサブリース契約(転貸借契約)を行うことにより、毎月定額の家賃保証を受けられる点がオーナー様にとって非常に心強いですが、注意してほしいポイントが存在します。
「空室リスク」への対策を十分に行わないまま高額な賃料保証を行うなどで、賃貸管理会社が倒産してしまうケースが過去に存在しました。
このケースの場合だと、賃貸管理会社が借主の立場になるので、借地借家法から見ると借主が貸主より強い立場になることから、多くのトラブルが報告されています。
なお、サブリース契約自体は非常に有意義な契約形態になります。ポイントは特性や契約内容を理解した上で使いどころです。
ワンルームマンション投資では家賃収入の対象となるお部屋が1室のため、空室期間の損失を埋める術がありません。ワンルームマンション投資における空室発生は収支に大きな影響を与えるため、空室対策に強いパートナーを選定し、保証内容についてはサブリース会社と十分に検討し、慎重に判断をするように心がけてください。
信頼できる賃貸管理会社に委託する
運用目的やご状況を勘案の上、空室リスクを抑えるためには実務を行う管理会社の存在が大きいと言えます。先述したサブリース契約に限らず、不動産投資の賃料収入を安定的に得るためにも、管理委託する賃貸管理会社を慎重に選ぶことが大切です。
これまでの実績や対応の迅速さ、サービスの内容などを確認し、”あなた”の目的達成にマッチするパートナーであることはもちろん、心から信頼できる賃貸管理会社を選び、委託契約を結ぶようにしましょう。
まとめ
不動産投資で最初に検討されることが多いワンルームマンション投資ですが、不動産投資全般に共通するリスクも存在します。ワンルームマンション投資を行うにあたり、メリット・デメリット、さらには注意点をしっかりと把握したうえで、不動産投資のリスクコントロールを行うことが成功の要になります。
購入する物件に最も注力しつつ、信頼できる賃貸管理会社をパートナーに選ぶことで「空室リスク」「入居者トラブルリスク」「家賃滞納リスク」「老朽化リスク」「出口戦略」などに備えることが可能です。
ワンルームマンション投資を行うなら、『4つの空室対策』で「募集力」「仲介力」「管理力(入居者管理/建物管理)」「工事/設備投資対応力」の最適化を計り、リログループの総合力と地域密着の老舗が持つ知見ときめ細かいサポートで賃貸経営を包括的にサポートする【リロの不動産】にぜひお任せください。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。