リーシング・空室対策に強い賃貸管理会社とは?入居者募集力と仲介力から確認

2022.12.12

人口が減少に転じ、全国的に空き家や空室が増えている昨今、『賃貸物件の空室がなかなか埋まらない』と空室対策に頭を悩ませている不動産オーナー様も少なくないのではないでしょうか。

入居率を高めるリーシングをするために、入居希望者の方々を集客する「入居者募集力」と、物件をご案内し契約を行う「仲介力」の重要性が高まっています。

本記事では、安定した賃貸経営を行う上で、なぜリーシングや空室対策が必要なのか、賃貸管理会社(リーシング会社)に依頼するとどのような業務を請け負ってもらえるのか、賃貸管理会社にリーシングを依頼するメリットと注意点、そして空室対策やリーシングに強い賃貸管理会社・リーシング会社の選び方について解説します。

空室対策でお困りの不動産オーナー様や、将来的に不動産投資や賃貸経営を検討されている方はぜひ参考にしてください。

目次

リーシング(入居者募集・仲介)とは?

リーシングとは、所有する賃貸用不動産の稼働率を100%に近付けるための対策を指します。賃貸管理会社やリーシング会社に、空室を埋めるリーシング業務を依頼すると、「入居者募集業務」として、物件周辺状況の調査・分析、募集計画の設定・調整、インターネット広告の掲載などの募集業務と、「仲介業務」として内見・契約などの仲介業務の包括的なサポートをまとめて受けることができます。

入居率を高めることで安定した賃貸経営が期待でき、賃貸経営における収支の最適化や業務面の負担軽減につながります。

※リーシングは一般的に商業施設やオフィスビルなどを対象としたテナント募集を支援する業務を指して使われることが多い言葉でしたが、本記事内ではリーシングを広義で捉え「賃貸物件の入居者募集から契約までの仲介業務を一気通貫でサポートする意味合い」)として用います。

次に、リーシングと似た意味で用いられる「入居者募集と仲介」、「プロパティマネジメント」、「建物管理」との違いを確認しておきましょう。

リーシングと入居者募集・賃貸仲介の違いとは?

入居者募集や賃貸仲介はリーシングに含まれる業務のひとつです。リーシングには、入居者様を集客する「入居者募集業務」と、内見や契約業務を行う「仲介業務」が存在し、それぞれの業務は独立しています。

「リーシング業務」では、「入居者募集業務」及び「仲介業務」を包括して対応しており、競合物件及び周辺地域のマーケティング調査や、入居者募集戦略の策定、データを駆使したメディア運営、顧客情報を活用したより積極的かつ能動的な営業活動で集客から契約まで一連の流れをすべてサポートいたします。

リーシングとプロパティマネジメントの違いとは?

リーシングとプロパティマネジメントは特に似た意味で使われることが多い言葉ですが、リーシング業務は入居者募集と賃貸仲介業務に特化し、オーナー様と入居者様のそれぞれのニーズを捉えることに重きを置いているため、物件の特性を引き出し、入居者様のニーズとマッチングさせる集客業務を俯瞰した対応・提案が可能になります。

プロパティマネジメントとはオーナー様に代わり賃貸経営を代行する業務になります。オーナー様から物件をお預かりして、オーナー様に代わって借主と契約を結び、賃料を回収します。賃料から手数料という形でフィーをいただき収益を得るビジネスモデルとなります。

賃料の回収、送金、滞納への対応や、クレーム対応など「入居者様まわりの業務」や建物管理による清掃やメンテナンスや各種工事対応など「建物まわりの業務」も包括的に対応する点がリーシングと異なります。顧客満足度を高めることができれば、長くお住まいいただける可能性も向上し安定した賃貸経営につながるでしょう。

リーシングと建物管理(ビルマネジメント)の違いとは?

リーシングが募集や仲介など空室を埋める客付け対応とすれば、建物管理は、建物と設備機器の点検や、巡回、清掃、各種届出など建物の管理業務に対応しています。建物管理はビルマネジメントとも呼ばれますが、本記事ではあらゆる種類の建物に適用する意味合いを込めて「建物管理」として記載します。

適切なメンテナンスを行うことで、建物をより長く快適に使うことができるようになり、入居者様に安全安心な住環境を提供することができます。また、適切な管理状況は仲介の決定力にも影響を及ぼします。ご所有の物件の価値を維持していくために、建物管理は必要不可欠な業務となります。

リーシング活動となる募集業務及び仲介業務に加え、ソフト面の入居者対応や、建物などのハード面に対応する建物管理(ビルマネジメント)まで、賃貸管理全般に対応するプロパティマネジメントを行う賃貸管理会社も存在します。

入退去時やご入居中の入居者様をサポートするだけではなく、工事や売却、資産活用やご相続のご相続まで、賃貸経営のプロセスを全て包括的にお任せできる賃貸管理会社もあります。賃貸経営を俯瞰的に捉え、オーナー様の課題解決によりそい、物件の持つ特徴を引き出せるパートナー選びをしてみるとよいでしょう。

リーシング活動(募集・仲介)の業務内容とは?

不動産オーナー様が賃貸管理会社及び仲介会社にリーシング業務や空室対策を依頼すると、どのような業務を請け負ってもらえるのでしょうか。代表的なリーシング業務内容を集客から入居希望者が契約に至るまでの流れに合わせてご紹介します。

調査・分析

オーナー様の要望や入居者ニーズを把握した上で、周辺物件の調査を行います。競合物件をピックアップし、入居希望者様が集中する人気物件と対象物件の賃料、設備、募集条件などを比較し、物件特有の魅力を発見します。入居者様の満足度を高めることができれば、物件に長く住んでいただける可能性も向上します。

日々の管理業務やアンケートなどで蓄積された賃貸経営データを基に分析と仮説立案を繰り返し、顧客目線での検証を行います。状況により、ミニマムな設備投資のアドバイスや、賃貸経営リノベーションなど、健全な賃貸経営の状態を保つ提案を行う場合もあります。

募集計画・募集準備

前述の調査・分析結果を基に、メインターゲットを定めて、募集計画を立てます。学生向け・新社会人向け・家族向け・ご年配の方向けなど、対象物件にどのような人が住むのか具体的にイメージして、物件の魅力を適切に伝えます。

メインターゲットを設定することで、同じような価値観を持つ入居者様が集まり、クレームなどが起こりにくくなり、退去予防になるといった効果も期待できます。安定的な賃貸運営を続けるためには、単に空室を埋めることを優先するのではなく、ターゲットに近い入居者様に物件を見つけてもらう戦略も大切です。

募集掲載・集客活動

ターゲットや物件の魅力を洗い出し終わったら、入居者募集のための広告掲載や営業活動を行います。メインターゲットとなる入居者様に募集物件の魅力を余すことなく伝えるためには、掲載する写真や文言の選定が非常に重要なポイントになると意識しましょう。状況に応じて、広告による露出拡大や動画やパノラマ写真を掲載するほか、内見者数や物件の閲覧数などを定期的に確認しながら、プロモーション活動の内容や方法を都度見直すことも大切です。

SUUMO、HOME’s、at-homeなどの代表的なポータルサイトだけではなく、地域の需要や物件の特長を記載している自社のWEBサイトへの掲載やgoogle Mapsなどの口コミ対応や情報掲載も集客に貢献します。スケールメリットを生かせる多店舗展開する賃貸管理会社を選ぶ場合は、店舗間で顧客相互紹介を行っているかも重要なポイントです。

グループ企業との提携による紹介や提携をしている地域の大学や、全国の大手優良法人、などからの紹介・送客を行うなど、さまざまな集客経路から、広く募集を募る賃貸管理会社を選ぶとよいでしょう。

来店・内見・契約の仲介活動

入居希望者からのお問い合わせがきたら、迅速に連絡を取り、内見のご案内をします。ネットで情報収集を行う現代では閲覧したい物件や来店する店舗も決めていることが多くあるため、迅速かつ丁寧な対応が明暗を分けます。仲介を行う顧客対応力を確認されるとよいでしょう。賃貸管理会社や賃貸仲介会社によっては、第三者による覆面調査や自主調査を行い、顧客目線に立った適切な対応ができているかのチェックを実施しています。

また、厳格な規定に基づく入居者審査や、オンライン完結や現地待ち合わせなどの多彩な内見方法、Lineやビデオ会議など様々なコミュニケーションツールやITサービスを活用し、きめ細かいサポートができるかどうかも、リーシング業務における仲介力を図るポイントです。

リーシング及び空室対策が必要な理由とは?

総務省が5年ごとに調査を行っている住宅・土地統計調査(2018年)によると、日本全国の空き家は848万9,000戸(その半数が賃貸用物件)、空き家率は13.6%と過去最高を記録しました。この調査結果からも分かるように、予想されている大幅な人口減少を前に、世帯数よりも住宅の方が多い状況になっています。

つまり、入居希望者は複数の候補物件の中から、気に入ったものを選ぶことができる状況にあるということです。選択肢が増えると、入居者ニーズと乖離する物件は選ばれにくくなってしまうため、入居者募集活動や仲介業務を包括するリーシング活動と、入居者様に選ばれ続けるための空室対策が大切になります。

賃貸経営を続けていく上で、低い空室率を維持し、収支のバランスを正常に保つ施策を講じることが重要なため、リーシングや空室対策の必要性が年々高まっているのです。ただし、とりあえず空室を埋めればよいといった、短期的な視点のリーシング活動のみに注力していると、賃料の未払いや、入居者間トラブルに発展する可能性が高まることもあります。

入居者様にとって心地よい住まいを提供し、入居者満足度を高め、長く住んでもらうためには、適切なリーシング・空室対策をバランスよく行うことが大切なのです。

リーシングを依頼するメリットと注意点とは?

リーシングや空室対策に強い賃貸管理会社やリーシング会社を見つけるポイントや、リーシングを依頼するメリットをご紹介します。より高い効果を得るために、注意するべき内容も、具体例を挙げて解説いたします。

リーシングのメリットとは?

賃貸管理会社にリーシングを依頼するメリットとして、早期に優良な入居者様やテナントが見つかること、安定収入が期待できること、トラブルが減ること、管理運営の手間が減ることの4つが挙げられます。

安定収入と優良な入居者様やテナントが見つかる重要性

リーシングを依頼する最大のメリットは、「空室を埋める」ことに尽きます。リーシングを依頼することで、空室が改善して得る賃料収入が大前提でしょう。もう一方の考え方として「優良な入居者様やテナント」を紹介してもらうことで、安定した賃貸経営が期待できます。

戦略立てた入居者募集活動を行うと、ターゲットにマッチする募集条件やお部屋の魅力付けがしやすくなります。競合物件の賃料と想定ターゲットが支払う賃料を予測し、施策の優先順位や収支計画も立てやすくなります。

例えば、地方からくる大学生向けに特化した物件の場合、ご入居する大学生はもちろん、ご両親にも安心してもらえる環境が用意できれば付加価値になるのではないでしょうか。ネットに対応するWi-Fi環境や専用スペースのほか、万全のセキュリティ対策などの需要は高い傾向にあります。近年では宅配ボックスの設置も検討の余地があるでしょう。入居条件のハードルは上がるものの「女性専用」にして付加価値を向上する方法もあります。

なお、物件やテナントの種別にもよりますが、一般的なテナント募集の窓口は企業の専門部署やご担当者様になることが多いでしょう。テナント募集に強い管理会社なら、物件のご紹介はもちろん、オーナー様の意向に合わせた柔軟な契約対応でも的確なアドバイスが期待できるでしょう。

収益の維持向上が期待できる

関連効果として、物件の魅力を最大限に引き出し、付加価値を入居希望者様へ、広く、正しく伝えることができれば、賃料の減額をせずに次の入居者様が見つかる場合もあります。

突出した付加価値は安定した賃料の確保に寄与します。

前述の学生向け物件のように付加価値のある物件が、多くの募集ネットワークに掲載され、申込希望者が増加すれば賃料の折衝でも優位性を担保しやすくなります。また、似たような価値観や属性の入居者様が集うことで、快適な住環境の提供が可能となり、退去予防効果も期待できるでしょう。

大学の移転など周辺環境の変化により学生の集客が難しくなった場合でも、地域事情に詳しい管理会社なら、学生以外の別の集客軸を組み立てられます。環境変化への対応力は、空室期間を最小限に抑えるために欠かせません。入居者様のお困りごとをフォローする細やかな「入居者管理」で顧客満足度が向上し、長く住んでいただけるようになれば、入居者募集に掛かる広告費用や原状回復工事費用の削減にもつながります。

競合物件に見劣りしないミニマムの設備投資や、賃料の最適化を図り工事費用も回収する賃貸経営に適したリノベーションを実施することで、賃貸経営の収支を改善させる提案も期待できるでしょう。

トラブルが減る

一般的な賃貸管理会社にリーシングを依頼する場合、厳格な入居者審査を行っている賃貸管理会社の選定をおすすめいたします。入居者様のモラルや価値観を保つことができるため、滞納リスクや賃料未払いなどの問題や、騒音による入居者間トラブル、クレームなどの諸問題が減少するケースも多くあります。

賃貸管理・賃貸経営の手間が減る

入居者募集やトラブル対応だけではなく、マーケティング調査や賃貸経営戦略の立案なども賃貸管理会社に任せられるので、オーナー様の負担を大幅に減らすことができます。

賃貸経営の流れに沿って、入居者募集~仲介業務~管理対応~工事対応~売買~経営アドバイスなど、一気通貫でお任せできるパートナーを選ぶことで、賃貸管理の手間が軽減するだけではなく、賃貸経営全体を俯瞰した収益改善や、節税及び相続時の心配を減らすパートナーとしてのアドバイスも期待できるでしょう。

リーシングの注意点とは?

空室対策の要であるリーシングをパートナーに依頼し、高い効果を得るためには、どのような入居者様及びテナントに選んでいただき、どのような賃貸管理会社(リーシング会社)に何を任せるかが非常に重要です。

入居者様・テナントに選んでもらうために注意すべきポイントとは?

「入居者様が納得できる理由や価値」を伝えることが大切です。しかし、賃貸経営はビジネスであるため、入居者ニーズを満たす価値創造と、コストのバランスに注意しましょう。

短期的な利益を優先し、とりあえず空室を埋めることで後悔を招く場合もあります。物件によりますが、例えば、近隣の競合物件は敷金・礼金をもらっているのに、敷金・礼金なしで対応してしまうケースが考えられます。この場合は、入居者ニーズは満たせても賃貸経営の収支は減額となり、投資回収までの期間が長くなります。

逆に、ペット可の1棟物件の場合、同じ価値観を持つ入居者様が集い、マナーを守ってお住まいいただいていることを明確に伝えることで、家族の一員であるペットと安心してお過ごしいただける価値提供が可能になります。近隣の競合物件にこのような物件が存在しない場合は、付加価値の高い賃貸経営を実践できるでしょう。

長期的視点でターゲットを定めて、入居者ニーズを具体化し、物件が持つ特徴を明確に伝えることで、近い価値観のコミュニティが形成されます。入居者同士のトラブル減少や、物件の収益性や不動産価値を高める工夫を常に考えることが、リーシングで大切なポイントになります。リーシング活動は、中長期的な展望を意識して実践してみてください。

リーシングに強い賃貸管理会社の選び方

どんな賃貸管理会社やリーシング会社を選ぶかでも、賃貸経営の収益は大きく変わります。ここでは、具体的にどのような賃貸管理会社を選ぶとよいのか解説します。

リーシングや空室対策の効果を期待したいなら、以下のような強みを持った賃貸管理会社がおすすめです。

地域に強い老舗賃貸管理会社を選ぼう

物件周辺の情報に詳しく、物件の魅力を最大限引き出してもらいやすい地域に強い賃貸管理会社なら、近隣地域の競合物件の動向や、地域の需要を熟知しているため、的確なターゲティングとメインターゲットに物件の魅力が伝わる入居者募集戦略の策定や仲介業務が期待できます。

一定以上の規模の大手賃貸管理会社を選ぼう

賃貸経営に関するノウハウが豊富で、ネットワークも広く、担当者変更が生じても仕組みでカバーできるという利点が大手のメリットでしょう。あまりにも規模が小さい場合は管理会社の事業承継問題に直面し、予期せぬ事態に発展するリスクが考えられます。一定の規模を有する大手の賃貸管理会社であれば、資金力や大手のスケールメリットを活かすサービス提供のほか、システムを活用した顧客管理や賃貸経営データの活用に取り組んでいます。

オーナー様が賃貸経営の判断をサポートする情報提供の質にも期待できるでしょう。顧客に寄り添う姿勢を大切にし、地域特有の事情に精通するスタッフがいる大手管理会社から細やかなサポートが受けられるか、提供サービスの対応範囲と合わせて確認しましょう。

賃貸管理会社の得意分野を見極めよう

空室を埋めるといっても、入居希望者様のタイプは、学生・社会人・法人などさまざまです。さらに、オフィスや商業施設に強いパートナーや、入居者募集に強い、仲介業務に強い、入居者管理と建物管理に強いなど、管理会社が持つ特徴も千差万別です。オーナー様の目的を達成するために必要な各企業の得意分野を見極め、ご所有されている物件の魅力を最大限に引き出すことができるパートナーを選びましょう。

リーシングに強く『4つの空室対策』に対応できるか確認しよう

空室を埋めるための取り組みができるパートナーか、空室発生の代表的な原因を解決するフレームワークである『4つの空室対策』に当てはめて確認しましょう。①募集力。②仲介力。③管理対応(入居社管理/建物管理)。④設備・工事対応に当てはめてパートナーの得手不得手を把握されると、オーナー様に必要なパートナーの要素も整理され、長い目で見て安心できるでしょう。

近年、スマートフォンの普及に伴い、インターネットで情報収集するケースが増えています。ネット集客に力を入れている賃貸管理会社がほとんどですが、データドリブンにメディアで上位表示を行い、より多くの入居希望者にリーチできる運営をする企業や、大学や法人との連携など独自の集客ネットワークを保有する「入居者募集」や「リーシング」に強いパートナーを選ぶことで、入居者募集にかかる費用負担を最小限に抑えつつ、早期に優良な入居者様を紹介してもらえる可能性が高まります。

賃貸経営の側面からも、収益改善に必要な工事費用のバックアップや、売却及び資産拡大の購入支援、相続や節税対策のフォローなど、賃貸経営の流れから逆算して、オーナー様の目的を達成するパートナーを探す方法もおすすめです。

管理戸数と仲介件数の実績を確認しよう

非常にシンプルな考えですが、リーシング力を見極めるために、募集力や仲介力と関連する指標である「管理戸数」と「賃貸仲介件数」を確認してみましょう。

「管理戸数」が多いほど多様な入居者ニーズに対応するノウハウが存在します。物件の「管理対象エリア」が全国展開か特定地域かでも対応範囲の懐の深さが変わるでしょう。自社物件のみを管理するのか、あらゆる収益物件を管理するのか、大都市圏のみを管理するのかで、各社の得意分野の傾向や対策が変わります。

例えば、管理戸数が全国にある場合は、全国的なトレンドであるインターネット設備の導入などを推奨しているかもしれません。特定地域に強い管理会社の場合は「学生特化の戦略」など地域トレンドを推奨することもあるでしょう。オーナー様の物件は唯一無二です。全国トレンドを押さえた広い対応力と、地域密着のきめ細かい対応力を併せ持つパートナーであれば、ベストプラクティスを見つけやすくなるでしょう。 

「仲介件数」とは入居者様との契約を交わした実績を表す数値になります。お客様のニーズは千差万別ですが、物件の魅力を引き出し入居希望者様のライフスタイルにマッチングする精度が高く、再現性が高い仕組みを保有するほど、仲介件数も多くなるでしょう。仲介件数は物件のよさだけで計ることはできません。入居希望者様とのコミュニケーションが決め手になります。

顧客情報の管理方法やアンケートや覆面調査などで対応力や、顧客満足度を向上する真摯な取り組みをしているか確認してみることをおすすめいたします。

リーシング及び空室対策に関するよくあるご質問

最後に、リーシングや空室対策に関する、よくあるご質問と回答をご紹介します。

リーシング手数料の相場は?

リーシングの手数料相場は、賃貸住宅の入居者募集か、テナント・商業施設なのかという物件種別や、リーシングのしやすさ、契約形態などで大きく異なります。

賃貸住宅の場合は、賃貸管理手数料の一般的な相場が約5%となり、駅近・築浅などリーシングしやすい物件の場合は少ない手数料負担ですむ場合もあります。サブリース契約の場合は、10~20%程度が手数料の目安になります。

賃貸経営で大切なことは、ミニマム投資で入居率を高め、できるだけ長くお住まい頂くことです。リーシングのみに注力せず、物件が長く収益を生み出せるような適切な管理がされていることで無駄な設備投資リスクを軽減し、安定的な収支を生み出しやすくします。リーシングや賃貸管理の手数料だけではなく、どのようなサポートを受けられるのか、手数料に含まれる業務内容を吟味して、比較検討することが大切です。

単純に数%の手数料の違いだけで賃貸管理会社を選ばないほうがよい明確な理由があります。駅近、築浅など、条件がよい物件は入居者募集や空室対策で困ることは多くありません。物件が古くなったときや、売却、相続で問題が浮上した際など、本当に困ったときに依頼できるように、問題が深刻化していない時期から頼れるパートナーを見つけて、お互いに信頼関係を築くことが賃貸経営で大切な視点のひとつと考えております。

入居者募集のリーシング手法はどのようなものがあるの?

入居者様を募集するための基本的なリーシング手法として、マイソクの配布、住宅情報サイト(SUUMO・HOME‘S・at-home)やレインズを含むメディア掲載などがあります。

まず、マイソクとは、不動産業者を対象として図面などの物件資料を定期的に届けるチラシのことです。都心から少し離れた駅前や商店街などに、古くからある小さな不動産仲介会社など、不動産業界には、ネット対応がほとんど進んでいない業者もいまだに数多く残っています。そのため、マイソクは、主に紙媒体から情報を得ているそのような不動産仲介会社にも物件情報を知ってもらうのに有効な手段です。

そのほかにも、メールやLINEなどのコミュニケーションツールやSNSを利用して、物件情報を届けたり、実際に物件近くの不動産仲介業者を訪問して、物件の魅力を伝え、入居者様を見つけてもらえるよう営業をかけたりすることもあります。素敵な写真やターゲットの目に留まるポイントの表現で募集力が全く違います。

住宅情報サイト(SUUMO・HOME‘S・at-home)は入居希望者の方々が必ずといっていいほど閲覧する媒体になります。物件の魅力を引き出す写真やライティングのほか、閲覧数などのデータを確認しながら改善を加えて適宜運用するノウハウも重要です。

そして、入居希望者が物件を探す際に訪れる不動産仲介会社の営業担当者のほぼ全員が見ているサイトが、RealEstateInformationNetworkSystem(不動産流通標準情報システム)、通称レインズです。レインズは、不動産業者しか見ることも、物件登録をすることもできないシステムですが、入居希望者が目にするSUUMO・HOME’S・at-homeなどの住宅情報サイトに掲載されている情報の大元もこのレインズの情報です。一般的な不動産仲介業者に仲介を依頼する際にもレインズへの登録があると募集先を拡大することができます。

空室を減らすためには、マイソクのリッチ化やインターネットを活用して物件の情報を広く届ける募集や仲介業務以外の取組も大切になります。

内見に訪れた方が、荒れた共用部をご覧になって、入居したくないと思われることがないように、日々の清掃やメンテナンスなど建物管理を徹底し、必要に応じて入居者ニーズを反映したリフォーム・リノベーション工事で物件の価値や魅力を向上させるほか、入居者様への手厚いサポートで顧客満足度を向上し、退去の原因をつくらない多方面でのサポートが非常に大切です。

リーシング・空室対策でお困りの方へ

空室対策・リーシングに強い【リロの不動産・リロの賃貸】は、全国賃貸住宅新聞「2022年賃貸仲介件数ランキング」にて、全国6位の仲介実績を保有しております。

【リロの不動産】が考案した空室の代表的な要因を解決するフレームワーク『4つの空室対策』により、①入居者の募集対応、②仲介対応、③管理対応(入居者管理/建物管理)、④設備・工事対応という賃貸経営に必要不可欠な4つの要素に対する空室対策をバランスよく実施いたします。

競合調査とエリア特性を加味した上で、物件の魅力を引き出した募集条件を揃え、リログループの関連会社として、借り上げ社宅管理の受託戸数伸び率No.1の【リロケーション・ジャパン】や、福利厚生導入企業数No.1の【リロクラブ】などと提携し、上場企業の法人紹介に強く独自の募集ネットワークを保有しながら、提携する仲介会社とともに広く募集をいたします。

顧客管理情報を活用する仲介のマッチングにとどまらず、覆面調査や自主管理調査で顧客対応力を改善し、独自の賃貸経営データを活用した戦略を立てるデータドリブンカンパニーだからこそ、入居者ニーズを反映したミニマムの設備投資や、収支を考える賃貸経営リノベーション、工事資金のバックアップなど、オーナー様のお困りごとを改善するサービスを拡充してまいりました。

オーナー様と同じ目線で伴走する賃貸経営のパートナーになるべく、節税を考慮した収益物件の購入による資産拡大、ご売却やご相続など賃貸経営に詳しい専門家と供に、賃貸経営に関連することを「住むこと、まるごと」伴走サポートいたします。

リーシング業務及び空室対策でお困りの方は、ぜひ【リロの不動産・リロの賃貸】にご相談ください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。