公信力とは？
公信力とは、登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でない場合でも、一定の要件の下でその権利を取得することが認められるというものです。
しかしながら、日本の登記には公信力は認められていません。※動産の場合は認められています。
公信力について
公信力は、たとえば所有者でもなければ、売る権利も持たない人が所持している物品を第三者に売った場合、その物品を売った人を本当の所有者だと信じて買った人を保護してくれるというもの。簡単に言うと、本当の所有者が「私が本当の所有者なので返してください」と言ってきた場合も、返さなくてもいいというものです。
しかし、日本の登記制度はこの「公信力」が認められていないため、いくら登記簿や登記記録などを信頼して、登記上の所有者から不動産を買い取ったとしても、本当の所有者に対して権利を主張することはできません。つまり、真の所有者がいる場合には、その所有者から不動産を取り上げることは認められません。なお、不動産に「公信力」がないのは、登記官が現地調査を行わず文書だけで登記を処理し、取引の実態を把握できないからだと言われています。
これに対して動産では、動産の占有者を本当の権利者と信じ取引をした場合、占有を受け継いだ人の権利を認める、つまり公信力が認められているのです。
