公務員の副業はどこまで認められる?認められる副業と不動産投資の許可条件

2026.10.14

不動産投資は、副業としても注目される資産形成の方法の一つです。賃貸管理会社を活用すれば運営負担を抑えられ、安定した家賃収入が期待できることから、公務員にも関心の高い投資手法といえるでしょう。一方で、公務員には副業・兼業に関する法律や服務規程があり、「不動産投資は認められるのか」「どこまでなら副業として問題ないのか」と疑問を持つ方も少なくありません。

本記事では、公務員の副業に関する基本ルールや認められる副業、不動産投資の許可基準などを解説します。あわせて、不動産投資の主なリスクや税務上の注意点についてもわかりやすく紹介します。

▼この記事の内容

●公務員の副業は、国家公務員法・地方公務員法に基づき、原則として制限されている

●任命権者の許可を受けた場合は、一部の副業や兼業、不動産投資などが認められることがある

●不動産投資を始める際は、空室・修繕・家賃下落・金利上昇などのリスクを理解しておくことが重要

●副業を行う際は、本業への影響や税務処理に注意し、無許可で始めないなどルールを守ることが大切

●2026年4月には国家公務員の兼業制度の見直しが予定され、不動産投資の「自営」基準も変更される予定

公務員が副業禁止の理由。バレたら処分される?

そもそも公務員はなぜ副業が禁止されているのでしょうか?公務員といえども「職業選択の自由」はあるはずですが、公務員は職務上「中立性」と「公平性」を重視されるため、副業禁止が法律で明文化されています。公務員の副業禁止の理由や、もしバレてしまった場合にどのような処分があるのか解説しましょう。

公務員が副業を禁止される理由

公務員の副業については、国家公務員は「国家公務員法」、地方公務員は「地方公務員法」で、それぞれ法律上禁止されています。公務員はあくまでも国民のために働かねばならない存在であり、国民の信頼を失わないよう「公平性」や「中立性」を持たねばならない、と考えられているためです。

公務員は国民に対し義務の履行を求める立場にもあるので、特定の業種や会社とビジネス関係を結んで便宜を図ったように見える行為は許されないわけです。

もし法律に違反して副業がバレてしまうと、最悪の場合は「懲戒解雇」、そこまでの処分に至らなくても「停職」「減給処分」など、何らかの処分を受けることは避けられません。一般企業の会社員とは違って副業禁止が法律で明記されている以上、規定に反した副業がバレた場合の立場は厳しいものとなります。

国家公務員法による規定(法律)

国家公務員の副業禁止の根拠となる条文は「国家公務員法第103条(私企業からの隔離)」と「国家公務員法第104条(の事業又は事務の関与制限)」の2つの条文です。

2017年6月12日に衆議院で提出された「公務員の副業に関する質問主意書」によると、国家公務員法第103条で「国家公務員は営利を目的とする企業や団体の役員等との兼業や自営業ができない」、同104条では「営利企業以外の事業の団体についても同様のことを規定しており、国家公務員の兼職、副業を禁止している」との解釈が確認されています。

以上を踏まえると、公務員が営利目的の私企業を経営したり、会社員として兼業したり、といった行為は原則禁止です。国家公務員法103条にある「営利企業以外」、つまり非営利団体の一員としての副業も禁止ですが、これについては内閣総理大臣や所轄省庁の長官からの許可がある場合には、一部可能となる事例があります。

地方公務員法による規定(法律)

地方公務員の副業禁止規定は、「地方公務員法第38条(営利企業への従事等の制限)」が根拠となります。地方公務員法第38条には、「任命権者の許可がない場合には「役員兼業」及び「自営兼業」、そのほか、あらゆる報酬のある兼業への従事を制限する」とあるので、やはり副業は基本的にNGです。

国家公務員と同様に、国の奉仕者として職務に専念し、公共利益のため全力を尽くすこと、公僕としての公平性・中立性を保つことが重視されます。

しかし、地方公務員による副業禁止違反は毎年のように問題となっています。ちょっとしたことで知人や同僚にバレてしまったり、副業でのビジネス相手から情報が漏れたりなど、気軽に始めた副業のつもりが大ごとになる事例が少なくないようです。

また地方公務員の場合、任命権者の許可を得るプロセスが自治体によって違うこともあるため、副業をめぐる問題が生じがちです。もし本業とは別の業務を始めたい場合は、各自治体で認められている基準をよく確認したうえで、任命権者の許可を取るなどの対応が必要でしょう。

公務員の副業を解禁した自治体の事例

自治体の一部では公務員の副業を解禁する動きも出ています。代表的な自治体の1つが兵庫県の神戸市です。神戸市は全国的にもいち早く先進的な取り組みをする自治体として知られます。

神戸市の認める副業は「市の職員の持つ知識や経験を生かし、地域の課題解決に貢献できる活動」とのことで、具体的には須磨海岸の障がい者支援活動、阪神大震災後に活動を始めたNPO法人への参加など、公益性の高い活動が中心です。副業解禁といっても、飲食店でアルバイトをしたり、個人で別の事業を行ったりといった、ごく一般的な副業が認められているわけではないようです。

神戸市に続いて副業解禁に踏み切ったのが奈良県の生駒市です。生駒市の場合も「公益性の高く、市の発展に寄与する副業」に限定とされており、勤務時間外にかぎる活動であることや、報告書を義務づけるなどの規定が設けられています。

ただ、認められた事例には地域のサッカーチームやバレーボールチームの指導者としての業務(いずれも現役消防士さんの事例)も含まれており、副業の範囲自体は徐々に広がっている印象を受けます。

宮崎県新富町でも副業解禁となっていますが、新富町ではスポーツチームの指導者だけでなく、人出不足の農家や新聞配達の手伝いなども認められる方向のようです。

任命権者の許可を受ければできる副業もある

国家公務員、地方公務員を問わず、公務員は基本的に副業禁止ですが、任命権者の許可次第では一部可能となります。

もちろん、どのような副業が認められるかについては任命権者次第です。知事や市町村長の方針によって、今後解禁される副業の範囲が変わる可能性がありますし、そもそも公務員の副業に関心がある政治家がトップになるかどうかでも状況は変わります。

また、副業を解禁した自治体であっても「公益性の高い、地域の発展に貢献できる業務」に限定する姿勢は崩していません。今後、徐々に認められる業種は広がる可能性があるとはいえ、公務員として守るべきルールに反した副業は難しいと考えるべきでしょう。副業を始めたいとお考えの場合は、自分の勤めている自治体が副業の申請に対してどのような姿勢をとっているのか、必ずチェックしてください。

公務員と不動産投資については、こちらの記事も参照ください。

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公務員の副業が認められる判断基準

公務員の副業は一律に禁止されているわけではなく、法令や所属先の規程に基づき、許可を受けることで認められる場合があります。許可の可否は、任命権者などが副業の内容や働き方をふまえて総合的に判断します。

主な判断基準として「本業の遂行に支障がないこと」「公務員としての信用や公正性を損なわないこと」「職務上の利害関係が生じないこと」「過度な営利活動に当たらないこと」などが挙げられます。報酬額や活動時間だけではなく、継続性や事業規模なども考慮されるため、金額や時間だけで一律に判断されるわけではありません。

公務員の副業はいくらまで認められる?

公務員の副業について、「副業収入が○万円までなら認められる」といった全国共通の基準はありません。許可の可否は収入額だけではなく、営利性や継続性、事業規模などを含めて総合的に判断されます。

少額の収入であっても継続的な営利活動と判断されれば、許可が必要となる場合があります。一方で一定の収入があっても、法令や所属先の内規に基づき承認されるケースもあります。金額だけで自己判断せず、事前に所属先へ確認することが大切です。

公務員の副業は何時間まで認められる?

公務員の副業には、「週○時間まで」といった全国共通の時間制限は設けられていません。判断基準となるのは活動時間そのものではなく、本業に支障がないか、職務専念義務を適切に果たせるかどうかです。

長時間の副業によって疲労が蓄積し、公務に影響を及ぼす恐れがある場合は、承認されにくくなる可能性があります。また、勤務時間外だけでなく、休日を含めた働き方全体も考慮されるため、時間数よりも「職務への影響」が重要な判断ポイントとなります。

職務専念義務・守秘義務・信用失墜行為に反しないこと

公務員が副業の許可を受けるためには、「職務専念義務(国家公務員法第101条)」「守秘義務(国家公務員法第100条)」「信用失墜行為の禁止(国家公務員法第99条)」という基本原則を守ることが前提です。

本業に支障を及ぼす働き方や、職務上知り得た情報を利用した活動、公務員としての信用や中立性を損なう行為は認められにくいでしょう。また、副業の内容だけでなく、活動方法や情報発信の内容も判断対象となります。基本原則を満たしたうえで、兼業許可の可否が総合的に判断されます。

公務員が副業を始めるための許可申請の流れ

公務員が副業を始めるときは、自己判断ではなく、法令や所属先の規程にそって必要な手続きを行うことが重要です。

副業の内容によっては事前に申請書類を提出し、審査や承認を受けなければならない場合があります。ここからは、公務員が副業を始める際の一般的な許可申請の流れや、手続きのポイントについて解説します。

職場の服務規程を確認する

公務員が副業を始めるときは、国家公務員法や地方公務員法だけでなく、所属する省庁や自治体が定める服務規程や兼業基準も確認しましょう。

副業の種類によって「許可不要のもの」「事前の許可が必要なもの」「認められないもの」に分かれるため、最初にルールを把握することが重要です。

また、法律に加えて所属先独自の運用ルールが設けられている場合もあります。判断に迷う場合は自己判断せず、人事担当部署へ相談・確認しましょう。

上司・人事担当者に相談する

副業を始める前に、直属の上司や人事担当者へ相談しましょう。事前に、副業の内容や活動頻度、報酬の有無などを整理しておくと、状況を正確に伝えやすくなります。

相談することで、許可申請が必要かどうかや必要書類、手続きの流れを確認できます。後から無許可の兼業や手続き漏れなどのトラブルを防ぐためにも、副業を始める前の早い段階で相談することが大切です。

兼業許可申請書を作成する

副業に許可が必要な場合は、所属先が定める兼業許可申請書などの必要書類を提出します。申請書には、副業の内容や活動期間、報酬の有無・金額、活動時間、勤務形態などを記載するケースが一般的です。

虚偽の申告や説明不足があると、許可の判断に影響する可能性があるため、内容は正確に記載しましょう。提出書類や記載事項は所属先によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

任命権者の許可を受ける

提出した申請書類をもとに、任命権者が兼業を認めるかどうかを判断します。審査では、職務専念義務や守秘義務、信用失墜行為の禁止に反していないか、公務への支障・利害関係が生じないかなどが総合的に確認されます。

許可を受けた後でも、副業の内容や活動方法に変更が生じる場合は、あらためて手続きが必要になるケースがあるため、必ず許可が下りてから副業を始めるようにしましょう。

公務員でもできる副業の種類

公務員は原則副業禁止とお伝えしましたが、本業以外の行為によってお金を得る行為が、何もかも禁じられているというわけではありません。ここからは公務員でもできる副業を紹介します。ただし、どの職種であっても事前に職場の自治体に申請して許可を取り、公務員としての信用を棄損する振るまいを行わないことが大前提です。

講師・講演活動

公務員の知見や自分の専門知識を生かした「講師活動」は認められています。スポーツチームのコーチや審判も基本的にはOKです。ただし、謝礼については注意する点がいくつかあります。

公務員の副業で謝礼を受け取るべきかに関しては、

・謝礼が報酬にあたるか
・謝礼の対象となる行為が事業・事務に従事することにあたるか
・事前に任命権者の許可を得ていたか

以上の3点が受領可否の判断基準です。講師活動で得られる講演料や交通費、原稿料などが「報酬」の大半は、そもそも講師活動は労務契約がない場合が多い、謝礼の多くは謝金、実費弁償に近く「報酬」にはあたらない、などの理由から受領を許される事例が多いです。

ただし、社会通念上、明らかに継続的、定期的にかなりの報酬を得ている場合は、事業活動とみなされる恐れがあります。また、近年は公務員でYouTube活動をされる方も増えていますが、広告を掲載する場合はグレーゾーンです。実際に活動される方のほとんどは広告非掲載のようです。

執筆活動

執筆活動も公務員として働きながらできる有力な副業のひとつ。公務員であっても「表現の自由」は尊重されるため、比較的認められやすい傾向にあります。公務員としての知見を活かした執筆はもちろん、趣味としての執筆活動も基本的に問題ありません。

ただし、任命権者の許可は原則として必要で、公務員としての信頼を損ねるような執筆活動はもちろんNGです。表現内容によっては情報の漏えいや政治批判など、公務員としての品位を損なうと判断される可能性がある点には注意したいところです。

また、雑誌などで小説などの長期連載をしている場合など、完全にプロとして執筆活動を行うケースについてはグレーゾーンといえます。「職務専念の義務(国家公務員法第101条)」の関係上、公務に影響のない範囲内での執筆活動であることも大前提です。

アンケートモニター

スマートフォンやパソコンで手軽にできる「アンケートモニター」も人気の副業の1つ。専用アプリやWebサイト内、登録メールに届くアンケートに答えることで報酬をもらう簡単な仕事です。

アンケートモニターは国家公務員法で制限されている「副業」にはあたらないと考えられます。そもそも営利目的の業務ではないうえ、アンケートに答えてもらえる「謝礼」も継続的な雇用関係から得られる報酬ではないため、特に問題視されません。

ただし、本業に支障の範囲内での活動にかぎられます。公務中にアンケートモニター業務を行うのは問題です。また、一件一件は微々たる報酬であっても、トータルで年間20万円を超えると確定申告が必要となります。

家業手伝い(無報酬)

実家が農業や飲食店などの商売をやっていて、土日や休日、繁忙期に手伝いをするケースです。明確な規定がある自治体は少ないですが、常識的な範囲内であれば副業・兼業にはあたらず、基本的に問題ないと考えられるでしょう。

ただし、公務に支障がない範囲内であることが前提となりますので、可能なかぎり任命権者の許可をとったほうが無難です。プライベートな活動に近いとはいえ、公務員法に規定されている義務は適用されます。

また、副業として容認されるケースでは基本的に無報酬であることが条件です。金額の大小にかかわらず、家業手伝いであっても報酬を受け取っていた場合、副業・兼業にあたると判断される可能性がありますので注意してください。

メルカリなどのフリマアプリ

フリマアプリなどを利用した「不用品の売買」も副業にあたりません。フリマアプリとは不特定多数の利用者同士で不要になったものを売買するアプリのこと。使わなくなった服や家電などの売却で、日常的に利用する機会は多いです。

日常生活の延長上にある不用品の売却は基本的に営利目的ではないため、金額の大小にかかわらず処分を受けることはないでしょう。法律上禁止されている副業にも該当しませんので、任命権者の許可も不要です。

しかし、明らかに「せどり」や「転売」目的の売買となると話は別です。物販ビジネスとみなされるような取引が発覚すると、懲戒処分の対象となります。特に継続的な売却をする意思が認められた場合は、副業禁止規定に抵触するとみなされる可能性が高いです。

小規模農業

郊外に小さな畑を借りたり、趣味で園芸をはじめたりする方も増えています。たまに余った作物などを販売することもあるでしょうが、営利目的でない趣味の範囲内での売り上げであれば、特別な許可は不要です。

ただし、農業の規模が大きくなると、任命権者の許可が必要になります。一般的には「販売農家」に区分される「耕作面積が30a以上、または農産物の年間販売額が50万円以上」が、許可が必要とされる基準です。農業については各自治体で細かく基準が異なるケースが多いので、所属する自治体に問い合わせたうえで必要な許可などを申請しましょう。

地域貢献などの公益活動

地域貢献を主とするものなど、公益性の高い副業に関しては、公務員であっても認められる可能性があります。昨今では実際に、公益性の高い副業を積極的に認める自治体も出てきている状況です。

総務省の資料によると、公益性の高い「社会貢献活動」に該当するのは次のような活動です。

・伝統行事や地域イベント振興などに関する活動
・地域ブランド、地場産品のプロモーション活動
・地域の防災、防犯に関する活動
・スポーツ、文化芸術活動の指導や支援に関する活動 など

出典元:総務省「地方公務員の社会貢献活動に関する兼業について」

不動産投資

不動産投資も条件はあるものの、公務員の副業として認められているものの一つです。

不動産投資とは、賃貸アパートや賃貸マンションなどの収益物件を購入し、物件を第三者に賃貸することで家賃収入を得る投資ビジネスです。一般的な区分マンション投資のほか、一棟アパート・マンション投資、戸建て賃貸住宅投資、駐車場経営などさまざまな投資手法があります。

不動産投資や駐車場経営については、人事院の規定によって、営利目的の副業と見なされるかどうかのラインが決められています。賃貸経営の規模や不動産投資から得られる家賃収入が規定ラインを超える場合には、営利目的の副業として見なされ、自治体の任命権者による許可を受けなければなりません。

不動産投資が副業扱いにならないための条件に関しては、あとの章で詳しく解説します。

また、不動産投資を始める際のリスク管理と対策については以下の記事をご覧ください。

■参考記事:失敗しない不動産投資の秘訣とは?メリットとリスクを徹底検証!

NPO法人・地域復興イベントへの参加

NPO法人での活動や地域復興イベントへの参加は、公益性や地域貢献性が高い活動として認められるケースがあります。ただし、報酬の有無だけで判断されるわけではなく、営利目的かどうか、本業に支障がないか、職務の公平性や中立性を損なわないかなどが総合的に判断されます。

また、活動内容によっては任命権者の許可が必要となる場合があるため、事前に勤務先へ確認することが重要です。自治体によっては、地域課題の解決や人材不足への対応を目的に、公益性の高い兼業を後押しする動きもあるため、所属先ごとの運用基準を確認しましょう。

公務員が認められにくい副業

公務員には一定の条件を満たせば認められる副業がある一方で、公務員としての信用や中立性を損なう恐れがある活動、本業への支障が懸念される副業は許可されにくい傾向があります。副業の可否は活動内容や働き方などを総合的に判断して決定されるため、職種だけで一律に判断できるものではありません。ここからは、公務員が認められにくい副業の代表例を紹介します。

YouTube・ブログ収益

YouTubeやブログによる広告収入は、一律に禁止されているわけではありません。しかし、継続的かつ営利目的で運営する場合は兼業に該当し、所属先の承認・許可が必要となる可能性があります。

また、発信内容が公務員としての信用や中立性を損なう恐れがある場合や、本業に支障を及ぼす場合は認められにくいでしょう。組織名や公務員としての肩書きを利用した発信や、不適切な投稿による信用失墜にも注意が必要です。収益化の有無だけでなく、営利性や継続性、社会的な影響の大きさなども総合的な判断材料となります。

営利性の高い継続的な物販

フリマアプリで不要になった私物を売却する程度であれば、通常は副業とはみなされにくいでしょう。一方で、商品を仕入れて継続的に販売する「せどり」やネットショップの運営などは、営利事業と判断される可能性があります。

継続的に利益を得ることを目的とした物販は、兼業の承認・許可が必要となる場合があるため注意が必要です。判断基準となるのは副収入の金額ではなく、事業性や反復継続性などです。「フリマアプリを利用しているから問題ない」と自己判断せず、事前に所属先へ確認しましょう。

勤務先の信用を損なう恐れがある副業

公務員には「信用失墜行為の禁止」が求められているため、公務への信頼を損なう恐れがある副業は認められにくいでしょう。例えば、SNSや動画配信などで不適切な発言や誹謗中傷、公序良俗に反する内容を発信する行為は、公務員としての信用を損なう恐れがあり、服務規律上の問題となる可能性があります。

また、副業の内容だけでなく、活動方法や情報発信の内容も審査対象です。公務員としての立場や勤務先の肩書きを利用した営業・宣伝、収益活動は避けたほうがよいでしょう。副業が本業に支障を及ぼさないことに加え、公正性や中立性を保てるかどうかも重要な判断基準となります。

公務員の副業が職場の方にバレてしまう理由

公務員が、人事院の規定の範囲を超えた副業を無断で行うことは禁止されています。隠れて規定に反した副業を行っていた場合、万が一職場の方にバレてしまえば、減給や停職などの懲戒処分が予想されます。副業はどのような理由でバレてしまうことが多いのか、具体例を紹介します。

不動産投資による家賃収入と副業収入に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

■参考記事

家賃収入は副業収入なの? 節税しながら賃料を得る不動産投資とは

勤務先に住民税の通知がくる

公務員にかぎらず、副業が勤務先にバレる要因になりやすいのが住民税の通知です。住民税は前年の所得額によって決定されるため、職場に通知された住民税額が本業所得に対して不自然に高いと、本業以外に収入があることを疑われてしまうでしょう。

公務員は源泉徴収を受けており、住民税は給料から天引きされることが一般的です。これを住民税の「特別徴収」といいます。所属する組織は各職員の住民税額を把握しており、不自然に税額が高くなっていれば、経理担当が気づく仕組みなのです。

住民税の通知によって副業がバレるのを防ぐには、確定申告時に住民税の納付方法を「普通徴収」に指定しておきましょう。普通徴収とは、自治体が発行する納付通知書により自分で住民税を納める方法のこと。確定申告書における住民税の納付方法選択欄で「普通徴収」にチェックを入れておけば、副業収入による住民税額が職場に通知されなくなります。

ただし、給与所得者の普通徴収は例外的な扱いであるため、自治体の担当者によるチェック漏れが起こる可能性もあります。普通徴収を選んだからといって、絶対にバレるのを防げるわけではないので注意が必要です。

副業を同僚・上司などに話した

副業の内容を同僚や上司などに話してしまった結果、職場に副業がバレるケースもあります。「まさか」と思うかもしれませんが、実は意外と多いパターンです。

不動産投資が軌道に乗ってくると、一定の家賃収入が毎月入ってくるようになります。収入が増えたことがうれしくなって、身近な同僚や上司などにうっかり自慢してしまう方も多いのです。

「信頼している方だからいいだろう」と思って話してしまうのかもしれませんが、相手が実際にどう思っているかはわかりません。副業収入を得ていることをねたまれ、組織内で告げ口される可能性もあります。

直接話した同僚や上司が秘密を守ってくれたとしても、まわりで偶然聞いていたほかの同僚が告げ口したり、副業に関するうわさを広げてしまったりするリスクもあります。副業がバレると困る事情があるなら、どれだけ同僚や上司を信頼していたとしても、同じ組織内で副業について話すのはやめたほうが賢明です。

SNSに投稿した

最近多いのが、副業に関するSNSの投稿をきっかけとして、職場に副業がバレてしまうパターンです。

匿名で投稿しているSNSであっても、過去の投稿内容や生活パターンなどから、知り合いに「身バレ」する可能性は十分にあります。職場の同僚に気づかれてしまった場合、直接話すのと同様、告げ口されたり噂が広まったりするリスクがあるでしょう。職場にバレると不都合のある副業に関することは、うかつにSNSへ投稿しないことも大切です。

なお、どれだけ注意していても、何がきっかけで職場に副業がバレるか分かりません。職場に内緒で行っている副業を100%隠し通すのは、不可能だと思っておいたほうがよいでしょう。

公務員は立場的に無断の副業に対するペナルティが厳しいため、リスクを避けたいのであれば副業は認められる範囲内で止めるようにし、規定を超える可能性があるなら、事前に上司へ相談しておくことをおすすめします。

副業収入がある公務員の確定申告・住民税の注意点

公務員が許可を受けて副業を行う場合でも、収入の内容や金額によっては確定申告が必要です。不動産所得や雑所得、給与所得など、副業で得た所得の種類によって申告義務は異なります。例えば、給与所得者で一定の要件を満たす場合には、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。

また、副業による所得は住民税額にも反映されるため、住民税の通知をきっかけに勤務先へ副業が知られるケースがあります。確定申告では、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税について「普通徴収」を選択できる場合があり、普通徴収を選択すると副業分の住民税を勤務先での給与天引き(特別徴収)ではなく自分で納付することになるため、勤務先に副業収入が知られるリスクを軽減できます。ただし、所得の種類や自治体の運用によって取り扱いが異なるため、事前に確認しておきましょう。

不動産投資による副業では、家賃収入を管理するだけでなく、修繕費や管理費、固定資産税などの必要経費を正確に記録することが重要です。また、一定の要件を満たせば青色申告制度を利用でき、最大65万円の青色申告特別控除を受けられる場合があります。

無申告や申告漏れがあると、追徴課税や延滞税などの対象となる恐れがあります。不動産投資を継続する場合も、日頃から帳簿や領収書を適切に管理し、正確な申告を心掛けましょう。

公務員が不動産投資に向いているのはなぜ?

公務員は原則として副業が禁止されていますが、保有資産の運用とみなされる投資活動は比較的自由に始められます。その中でも公務員にとって「有利」とされるのが不動産投資です。なぜ公務員の副業として不動産投資が有利なのかについて、簡単に解説しましょう。

なお、不動産投資のメリットについては、次の記事も参考になります。あわせてご覧ください。

■参考記事

【初心者向け】不動産投資のメリット7選! リスクと対策を徹底解説

不動産運用は資産形成の王道! リスクを抑えメリットを活かす不動産投資

公務員は信用力が高く融資に有利

公務員が不動産投資に圧倒的に向いている理由の1つが、「信用力」の高さです。

不動産投資を始める際に自己資金だけで物件を購入するケースはまれで、通常は金融機関からの借入をして投資物件の購入費用を調達します。不動産は高額の買い物なので、よい物件を手に入れるためにはまとまった資金が必要です。金融機関から好条件での融資がおりれば、購入できる物件の選択肢が広がり、資産運用の幅も広がります。

不動産投資を目的とする「不動産投資ローン」は、住宅ローンと同様に、借り入れる本人の返済能力を含めた「信用力」次第で融資条件が変わります。この点で、公務員は同レベルの収入の給与所得者と比べて断然有利です。

公務員は収入が安定しているうえに、リストラや会社の倒産などのリスクもないため、金融機関から返済能力を高く評価される傾向にあるからです。信用力の高さから、低金利のローンでも審査に通りやすいので、月々の返済負担が少ない好条件での運用も可能でしょう。

不動産投資ローンに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

■関連記事

不動産投資ローンと住宅ローンの違い!審査基準や注意点を徹底解説

副収入が得られる

公務員が不動産投資を行うことで、本業での収入に加えて、家賃収入という副収入が得られる点は大きなメリットです。公務員による営利目的の副業は原則禁止されていますが、不動産投資はこのあと紹介する条件の範囲内であれば副業にカウントされず、そこから家賃収入を得ることも特に制限されていません。

不動産投資は一度軌道に乗ると、長期安定的に家賃収入を得られるのがうれしいポイントです。個別株投資、FX投資、仮想通貨投資のように値動きの激しい投資方法と異なり、不動産投資は短期的な収益が見込めない反面、極端に収益が落ちるようなことも少ないのが特長。

空室リスクや家賃滞納リスクをはじめとした特有のリスクを適切にコントロールできれば、一定の副収入を長期にわたって受け取ることが可能です。本業の収入が安定している公務員が、プラスアルファで家賃収入を得られれば、将来に向けた資産形成にも有利になるでしょう。

老後に年金がわりとなる

不動産投資は長期安定的に家賃収入を得られるとお伝えしましたが、物件を所有し続けるかぎり、定年退職後も家賃収入は継続して入ってきます。毎月安定して収入を得られるため、老後の年金がわりとして収入の柱になるでしょう。

ほかの投資手法でも継続的に収入を得ることは可能ですが、例えば株式投資で安定した収入を得ようとすると、つねに相場をチェックし、必要に応じて売買を行わなければなりません。しかも、狙った利益を獲得できるとはかぎりません。

その点、不動産投資なら賃貸管理会社に管理業務を委託できるため、時間に追われることなく、ゆとりある老後生活を送れます。

本業に影響しない

規定で認められている副業であっても、3つの原則を破らない範囲内であることが強く求められます。特に、手間がかかる副業は「職務専念の義務」に抵触する可能性が高く、公務員が実践するのは難しいでしょう。

不動産投資の場合、信頼できる賃貸管理会社をパートナーに迎えれば、大きな手間をかけずに実施可能。本業に影響せず賃貸経営を継続できる点も、公務員にとっての大きなメリットです。

本来、賃貸経営には入居者募集、家賃回収、クレームへの対応、日常的なメンテナンスなど数多くの管理業務が発生します。オーナー様が自主管理しようとすると多大な手間がかかるのですが、一連の運営管理業務はプロの賃貸管理会社に委託可能です。

賃貸管理会社と信頼関係を構築することで賃貸経営がシステム化され、ある程度放置していても定期的に自動で家賃収入が入ってくる状態を作れるでしょう。

生命保険がわりになる

不動産投資で物件を購入する際、大半の方は不動産投資ローンを利用するでしょう。不動産投資ローンを組むにあたっては、住宅ローンと同様、団体信用生命保険(団信)への加入を求められるケースが少なくありません。

団信とは、ローンの契約者が死亡したり、高度障害になって働けなくなったりした場合に、ローンの残債支払いを保険料で肩がわりしてくれる保険のことです。団信に加入していれば、ローン返済で負担をかけずにすむうえ、残された家族は物件からの家賃収入を得続けられます。まさに、不動産投資と団信の組み合わせが生命保険がわりになるのです。

通常の生命保険(死亡保険)の場合、いざというときに備えて保険代を払い続けなければなりません。一方、不動産投資ローンの団信保険料は、ローン金利に上乗せされるのが一般的です。毎月の家賃収入の中でやりくりすることになるので、支払い負担が増えることもなくお得といえます。

相続税や所得税の節税効果も期待できる

不動産投資を行えば、公務員でも相続税や所得税の節税効果が期待できます。なぜ不動産投資が節税につながるのか、理由を順番に見ていきましょう。

不動産投資が相続税対策になる理由

不動産投資が相続税対策になるとされるのは、土地や建物の相続税評価額が時価よりも低くなる傾向にあるからです。

不動産を相続したとき、土地の相続税評価額は相続税路線価、建物の評価額は固定資産税評価額をベースに決められます。このうち相続税路線価は、実際に取引される金額(実勢価格・時価)の約8割に抑えられています。建物の固定資産税評価額も、新築時で建築費の50〜70%程度が目安とされており、経年劣化によって割合は変化するものの「評価額<時価」という傾向は変わりません。

同額の現金や預貯金、株式などの有価証券を相続した場合、額面や取引価格がそのまま評価額となるので、不動産を購入したほうが相続税を節減できるのです。

不動産投資で所得税・住民税対策になる理由

不動産投資による収入から諸経費などを差し引いたものは「不動産所得」として処理されます。このとき、本業の給与所得と不動産所得は損益通算が可能です。損益通算とは、ある所得で生じた赤字をほかの所得の黒字と相殺できる制度のことです。つまり、不動産所得の赤字で課税所得を圧縮することで、所得税・住民税を節税できます。

「不動産所得が赤字」と聞くと不安に思うかもしれませんが、心配する必要はありません。ここでいう「赤字」とは、あくまで帳簿上の赤字だからです。

物件を購入する際、購入にかかった費用は支出として一括計上するのではなく、法定耐用年数によって分割し、減価償却費として毎年経費計上することになっています。減価償却費は会計上の支出であり、実際に現金を支払っているわけでありません。そのため「キャッシュフローは黒字だが、帳簿上は赤字」という状態を作れるのです。

減価償却によって不動産所得が赤字になれば、本業の給与所得と相殺でき、所得税や住民税の節税効果が期待できます。

公務員が不動産投資をする際の条件

先述のとおり、公務員は金融機関から融資を受けやすい圧倒的な「信用力」を持つため、不動産投資に向いています。不動産投資は公務員でも取り組める副業の一つであるものの、投資や収入の規模には制限があります。法律で副業を禁止されている以上、どの程度の規模から副業禁止規定に抵触するのか気になるところでしょう。

ここからは公務員が気をつけたい、不動産投資を始めるうえでの条件について詳しく解説します。

なお、不動産投資の収支シミュレーションや事前準備のポイントについては、以下の記事を参考にしてください。

■参考記事

不動産投資は誰に相談する? 損をしないための準備と売却・相続事例から学ぶポイント

【必読】不動産投資の初心者向けに基礎知識を網羅!注意点も徹底解説

【徹底解説】不動産投資の利回り計算! 賃貸経営を成功に導く指標とは

不動産投資の規模が「5棟10室未満」であること

公務員の行う不動産投資については、「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)について」が副業と認めるかどうかの線引きに関する根拠となっています。

事業の経営が「自営」(副業扱い)にあたるもの

イ :独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
ロ :独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
ハ :土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること

参考元:人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

この規則によると、一戸建て住宅などの独立家屋で5棟未満、独立家屋以外の建物、つまりアパートやマンションなどの区画された部屋10室未満までが、副業禁止規定に違反しない資産運用の範ちゅうとの扱いになります。

同規則では賃貸の目的についても触れられており、賃貸目的が娯楽施設や旅館・ホテルの運営の場合は「自営」に該当します。つまり、住居目的での一般的な賃貸であれば副業禁止に直接引っかかりません。

まとめると、住居用目的の不動産賃貸で「戸建て」5棟未満、「マンション・アパートの一室」10室未満であれば、特別な許可なく、副業としての不動産投資が可能です。

不動産・駐車場の賃貸料収入の額が年500万円未満であること

副業として認められる不動産投資の範囲は、独立家屋5棟、独立家屋以外10室未満のほかに、「年間の家賃収入が500万円未満であること」も条件となっています。

事業の経営が「自営」(副業禁止に抵触する業務)にあたるもの

(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらをあわせて行っている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合

人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について 第1項関係4-2(3) 

注意したいのは、不動産投資の規模が5棟10室未満の条件を保っていたとしても、収益の総額が年間500万円以上になると「自営」に該当してしまう点です。例えばマンション4室を所有し、月額の家賃設定が12万円の場合、年間の賃料収入は576万円なので「自営」としての扱いとなります。

所有する不動産からの賃料収入がどれくらいになるかは、「賃貸予定の不動産の賃料収入額(月額)×室数×12ヶ月分」で計算しておきましょう。実際に賃料収入が500万円を超えてしまい、減給や懲戒処分を受けたケースも発生していますので、家賃設定を含めた経営プランには細心の注意を払ってください。

なお、国家公務員の規定に関しては、2026年4月より見直される方針が示されています。この点はあとの章で詳しく解説します。

管理業務は賃貸管理会社へ委託すること

公務員の副業では「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」「職務専念の義務」の3つの原則を守る必要があります。この点は不動産投資に関しても同じです。特に3つのうち問題となりやすいのは「職務専念の義務」でしょう。

不動産投資では保有する物件を維持・管理する業務が必須となりますが、その業務範囲はかなり膨大です。入居者様の募集や家賃の集金、不動産の維持管理など、不動産投資に関わるすべての業務が関係します。このような管理業務を自力でこなそうとすると、本業に影響が出てしまい「職務専念の義務」に抵触するかもしれません。

そこで公務員の不動産投資では、管理業務全般をまかせられる「賃貸管理会社」の存在が不可欠です。不動産投資に関する業務の負担軽減だけでなく、副業禁止の規定違反を避ける意味でも、信頼できるパートナーである賃貸管理会社を見つける重要性は大きいといえます。

地方公務員についても同様の規定を守って不動産投資を行う必要があります。ただし、地方自治体は各自治体によっては異なる規定が設けられている場合もあるので、不動産投資を始める際に必ず細かな条件を確認してください。

条件を超えても申請によって公務員の不動産投資が認められるケース

前項で公務員が不動産投資をするための条件を紹介しましたが、その条件を超える場合でも、申請すれば不動産投資が認められるケースもあります。認められる可能性がある、2つのケースを具体的に紹介しましょう。

収益物件を相続した場合

前項のとおり、賃貸経営の規模が「5棟10室以上」または年間賃貸収入が「年500万円以上(2026年4月以降は年1,000万円以上かつ床面積600㎡以上)」の場合は「自営」に該当するため、通常であれば公務員が運用することはできません。

ただし、両親などが営んでいた賃貸アパートや賃貸マンションといった収益物件を、公務員が相続するケースでは、営利目的であっても副業許可の申請が認められやすいとされています。公務員が収益物件の生前贈与を受けるケースも同様です。

とはいえ、任命権者の許可なく、無断で賃貸経営を続けることはできません。許可を受けず、後から不動産収入を得ていることが発覚すれば、懲戒処分される可能性もあります。最悪の場合は懲戒免職になることも。

収益物件の相続や生前贈与が生じた際は、できるだけ速やかに職場へ報告し、必要な許可を申請することが大切です。また、勤務する自治体や機関によっては認められないケースも考えられます。その場合、必要に応じて遺産分割協議や物件売却なども検討しましょう。

駐車場を相続した場合

公務員が、両親などから経営する駐車場を相続したり、生前贈与を受けたりするケースもあるでしょう。駐車場の場合、先ほど紹介した「年500万円以上(2026年4月以降は年1,000万円以上)の年間賃料収入」以外に、次の2点が「自営」がどうかの判断基準とされます。

・駐車台数が10台以上あること
・建築物または機械設備のある駐車場であること

これらの条件に当てはまる駐車場であっても、相続や生前贈与であれば、申請が認められる可能性があります。中には、収益物件と駐車場の両方を引き継ぐケースもあるかもしれません。両方を相続するときには、トータルの年間賃料収入が年500万円以上(2026年4月以降は年1,000万円以上)になると、副業の申請が必要です。

ただし、収益物件の場合と同様、勤務する自治体や機関によって申請が認められないケースも考えられます。相続や生前贈与が生じた点で速やかに職場へ相談し、必要な手続きを取るようにしましょう。

公務員の副業解禁に関する最近の動向

ここからは、公務員の副業解禁に関する最近の動向について解説していきます。2025年12月19日、人事院は「自営兼業制度の見直しについて」を発表しました。今回の見直しは、本業に支障のない範囲で幅広い副業を認めることにより、優秀な人材をつなぎとめたいという思惑があるようです。

以下の変更を2026年4月1日より施行するとしており、国家公務員の副業に対する制限が全面的に緩和される見通しです。

出典:人事院 人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

公務員の副業で不動産投資は可能?条件・メリット・注意点を成功事例で解説

新たに「自営兼業」として認められるもの

従来、国家公務員については「不動産等賃貸」「太陽光電気販売」「家業を継承した場合の農業」の3業種のみ、自営兼業が認められてきました。2026年4月施行の規程見直しにより、以下の2つの分野が新たに認められる予定です。

職員の有する知識・技能をいかした事業

1つ目が、その方が持っているノウハウをいかして行う事業です。例えば、手先の器用さをいかしたハンドメイド商品の販売、スポーツや芸術の技術をいかした教室の開業などが想定されています。これにより、公務員としての業務を続けながら、趣味や自分の好きなことで収入を得られるようになります。

社会貢献に資する事業

2つ目が、社会貢献につながる事業です。具体的には、地域振興イベントを企画・主催したり、地域のお年寄りの買い物を代行したりといった事業が想定されています。

これらの事業を行いたい場合、開業届の届出と事業計画の作成が求められます。届出後に内容が確認され、要件を満たすと判断されれば、所属する府省庁から兼業が承認される流れです。

不動産賃貸業・太陽光発電の「自営の範囲」の見直し

2026年4月の見直しでは、すでに自営兼業が認められている不動産賃貸業、太陽光発電の「自営の範囲」についても一部変更されます。それぞれの見直し内容を確認していきましょう。

不動産賃貸業

不動産賃貸業に関しては、先述のとおり「5棟10室未満」「年間賃料500万円未満」というのが、承認不要のラインとされてきました。

2026年4月からはこの基準が変更され、10室未満であれば「年間賃料1,000万円未満」は承認を受ける必要がありません。さらに、賃貸する床面積が600㎡未満の場合、賃料年額による制限がなくなり、年間賃料1,000万円以上でも承認不要となります。

太陽光発電

太陽光発電は、従来「定格出力10kw以上(産業用太陽光発電)」が自営と見なされ、承認が必要となっていました。2026年4月以降は、承認が必要となるラインが「定格出力50kw以上」へと大幅に緩和されます。これにより「10kw以上50kw未満」の低圧の産業用太陽光発電は、承認を得なくても営めるようになります。

副業・兼業に対する国や自治体の考え方の変化

近年は、人材不足や地域活性化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、専門人材の活用といった社会課題を背景に、公務員の副業・兼業に対する考え方が変化しています。国は、公務員が業務で培った専門知識や経験を、地域社会や民間企業などで生かすことで、地域課題の解決や行政サービスの向上につながることを期待し、兼業制度の見直しを進めています。

また自治体でも、地域貢献活動や職員のスキル・経験を生かした兼業を認める事例が増えています。例えば、地域イベントの企画・運営への参加や講師活動、専門知識を生かしたアドバイザー業務などを許可対象としている自治体も見られます。

一方で、副業・兼業が全面的に自由化されたわけではありません。現在も任命権者の許可を受けることが原則であり、本業への支障や利害関係の有無、公務の公正性・中立性などを総合的に確認したうえで、許可の可否が判断されます。

公務員ができる不動産投資以外の資産運用

不動産投資以外にも、公務員が取り組める資産運用の方法はあります。具体的には、次のような運用が挙げられます。

・株式投資
・債券投資
・外貨預金
・金投資
・NISA(少額投資非課税制度)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・FX(外国為替証拠金取引)
・暗号資産(仮想通貨)

それぞれの方法の概要と、不動産投資と比較したときの特徴を見ていきましょう。

株式投資

資産運用の代表的な手法として挙げられるのが株式投資です。株式とは、株式会社が事業用の資金を調達するときに発行する有価証券のこと。通常の株式投資では、株式市場に上場する株式を購入し、保有したり売却したりすることによって利益を狙います。

株式投資で得られる収入には、大きく2種類あります。一つは、企業の得た利益の一部を株式に還元する配当金による収入(インカムゲイン)。もう一つは、投資した銘柄が大きく値上がりした場合に得られる売却益(キャピタルゲイン)です。

国内株式を購入する場合、100株単位での取引が基本です。そのため、有名企業になると初期投資が数十万円から百万円単位になる場合もあるでしょう。ただし、企業によっては1株単位で購入できる場合もあります。

株式投資は、銘柄選びや取引のタイミングがうまくいけば、ハイリターンが見込める投資手法ですが、それなりのリスクもともないます。相場を見極める知識や経験も必要になるため、初心者が取り組むには注意が必要です。

債券投資

債券投資は、比較的リスクが低い資産運用方法とされています。債券とは、国(国債)、地方公共団体(県債・市債)、企業(社債)などが、投資家からお金を借りる際に発行する証書のことです。

債券投資の代表格が「個人向け国債」への投資です。個人向け国債には「変動金利型10年」「固定金利型5年」「固定金利型3年」の3種類があり、半年ごとに所定の利子を受け取れるうえ、満期を迎えると元本が戻ってきます。そのため元本割れの心配がなく、国が発行していることから安心感もあります。

県債や市債、社債なども財務基盤がしっかりしている自治体や企業の発行するものを選べば、国債と同じように安心感を得られるでしょう。

元本割れのリスクがない反面、金利はそれほど高くありません。当然、ほかの手法に比べると資産形成のスピードは遅くなります。そのため、できるだけリスクの心配をせず、コツコツと資産を増やしていきたい方におすすめの投資手法といえるでしょう。

外貨預金

外貨預金は、日本円を米ドルやユーロなどの外国の通貨に交換して預ける預金です。預け入れる外国通貨の金利を受け取れるため、日本円に比べて高い利息を獲得できる可能性があります。また、預け入れ時と払い戻し時の為替レートの変動により、為替差益を狙えるのも魅力です。

一方で、為替レートはつねに変動しているため、タイミングによっては元本割れするリスクがあります。2026年2月現在、米ドルやユーロに対する円安傾向が顕著ですが、今後どのような動きを見せるかは不明瞭であり、大きなリスクになり得ます。

加えて、外貨預金は円から外貨への交換時と、外貨から円への交換時の両方で手数料がかかる点にも注意が必要です。レートの変動が小さくても、手数料の影響で受け取り額が少なくなってしまうこともあるでしょう。

このように外貨預金はレートによる影響を大きく受けるため、為替変動が大きい場面においては、ハイリスク・ハイリターンな性質を持ちます。

金投資

実物資産である金への投資も人気です。実物資産に投資する手法を「コモディティ(商品)投資」といい、金や銀、プラチナなどの貴金属、原油などのエネルギー、小麦などの農作物が投資対象として挙げられます。

コモディティ投資は、投資対象の値上がりによるキャピタルゲインを得るのが目的であり、インカムゲインはありません。

数ある投資対象の中でも、金は希少性と高い価値から、安全資産として認識されています。安定性も抜群で、経済や社会情勢が不安定な時期でも価値が失われないため「有事の金」と呼ばれるほどです。

2024年以降、金相場が急激に上昇しています。2024年初頭には1gあたり9,600円〜1万円台だった金価格は、2026年1月時点で2万4,200円台まで高騰。2月に入って急落するなど、乱高下している状況です。

一般的にミドルリスク・ミドルリターンといわれる金投資ですが、以前より値動きが活発になっている点は理解しておきましょう。

出典:田中貴金属工業「過去5年間 月次金価格推移」

NISA(少額投資非課税制度)

投資初心者におすすめなのが、NISA(少額投資非課税制度)を使った資産運用です。NISAは特定の投資商品を指すわけではなく、投資限度額まで金融所得課税が非課税になる制度のこと。つまり、株式や投資信託への投資で得られる配当金・分配金、値上がりによる売却益にかかる税金(税率20.315%)が非課税になるのです。

2024年1月に制度が見直され、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が創設されました。つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円まで投資することができ、合計1,800万円まで一生にわたって非課税の恩恵を受けられます。

日本在住の18歳以上の方であれば、証券会社にNISAの口座を開設するだけで、すぐに始められる手軽さも魅力です。課税されることなく、効率的に資産形成ができるお得な制度なので、使わない手はないでしょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

NISAとセットで語られることも多いiDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分が将来受け取る年金を、若いうちから積み立てて運用していく私的年金制度です。国が創設した制度で、確定拠出年金法に基づいて実施されています。

iDeCoは、掛金の拠出額や運用する資産の種類を自分で選択できるのが特徴です。NISAと同様、iDeCoによる運用益には税金がかかりません。さらに、iDeCoの掛金は所得控除の対象になるのも大きなポイントです。年間の掛金額がそのまま所得から控除されるので、所得税や住民税の節税にもつながります。

iDeCoの掛金は原則60歳まで引き出せないという制限はあるものの、老後に向けた資産形成の手段として、ぜひ積極的に活用したい制度です。なお、公務員の場合、掛金の上限は毎月2万円(年間24万円)となっています。

FX(外国為替証拠金取引)

FX(外国為替証拠金取引)は、2つの国の通貨の為替相場を予測し、売買を行うことで差益を得る金融商品です。外貨預金と混同しがちですが、外貨預金が口座に預けたままで安定的に増やす手法であるのに対し、FXは為替相場をつねにチェックしながら、積極的に通貨取引を仕掛けていく手法である点が大きく異なります。

FXは少額の資金で取引を始めることができ、レバレッジという仕組みにより、投資金額の何倍もの取引を行えるのも特徴です。これにより、利益が発生すれば何倍もの大きな収入を得られる反面、損失も額面以上に大きくなるという性質があります。

また、金利の低い通貨で金利の高い通貨を購入すると、両通貨間の金利差を「スワップポイント」として毎日受け取ることが可能です。FXで得られるインカムゲインにあたりますが、当然、高金利な通貨で低金利な通貨を購入した場合には、金利差損を支払わなければなりません。

FXはハイリスク・ハイリターンなうえ、相場を細かくチェックしながら売買を繰り返すのが前提のため、本業の忙しい公務員にはハードルが高いといえるでしょう。

暗号資産(仮想通貨)

暗号資産とは、電子データでやり取りされる実体のない通貨のことをいいます。仮想通貨とも呼ばれ、ビットコインが代表格です。従来の通貨のように、政府や中央銀行といった発行者・管理者がいるわけではないため、信頼性を疑問視する声が根強いのは事実です。しかし、ビットコインやイーサリアムなどの主要銘柄は、価格の上下を繰り返しながら着実に成長しています。

暗号資産は、24時間365日、スマートフォンのアプリなどで手軽に取引できるため、日中は本業で忙しい公務員でも取り組みやすいでしょう。一方、ほかの投資手法と比べ値動きが激しいうえ、予測が難しい点がネックです。

暗号資産に投資する際は、ハイリスク・ハイリターンであることを承知したうえで、余剰資金の範囲で無理なく運用しましょう。

公務員が不動産投資を始めるときのポイント

公務員が不動産投資を行う際の強み、副業禁止規定に抵触しないための条件などを紹介したところで、実際の不動産投資でどのような点を意識するべきか、3つのポイントを挙げて解説します。いずれも不動産投資での成功に欠かせない重要なポイントですので、十分理解したうえで取り組みましょう。

不動産投資のリスクを理解しておく

不動産投資は、賃貸管理会社へ管理業務を委託することで本業と両立しやすく、公務員にも取り組みやすい資産形成の方法といえます。しかし、家賃収入や資産価値が保証されているわけではなく、空室や修繕、家賃下落、金利上昇などのリスクも伴います。不動産投資を始める際は、収益性だけで判断するのではなく、想定されるリスクを理解したうえで、長期的な視点から慎重に検討することが大切です。

空室リスク

不動産投資では、入居者様がいなければ家賃収入を得られません。一方で、ローンの返済や管理費、固定資産税などの支出は継続して発生するため、空室期間が長引くと収支が悪化する可能性があります。空室リスクを抑えるには、賃貸需要の高い地域を選び、地域の人口動向や入居者ニーズを十分に調査したうえで物件を選ぶことが重要です。

修繕リスク

建物や設備は経年劣化するため、外壁や屋根の補修、水回り設備、エアコンなどの交換費用が発生します。想定外の修繕費が必要になると家賃収入だけでは対応できず、収支に影響を及ぼすこともあります。安定した賃貸経営を続けるためには計画的に修繕積立を行い、長期的な修繕計画を立てておくことが大切です。

家賃下落リスク

不動産は築年数の経過に伴って競争力が低下し、家賃を下げなければ入居者様を確保しにくくなることがあります。また、周辺で新築物件の供給が増えるなど、競合物件の増加によって相場が下落するケースもあります。購入時には現在の収益性だけでなく、将来的な家賃下落も見据えた長期的な収支計画を立てることが重要です。

金利上昇リスク

ローンを変動金利で借り入れた場合、市場金利の上昇によって返済額が増える可能性があります。返済額が増えると毎月のキャッシュフローが悪化し、収益性に影響を与えることもあるでしょう。そのため、金利上昇も見据えて無理のない借入額を設定し、余裕のある返済計画を立てることが大切です。

副業の許可申請の必要性を確認する

公務員の不動産投資は、戸建て5棟、マンション・アパートの部屋10室未満で、年間の家賃収入500万円未満であれば、任命権者の許可なく経営することができます。しかし、この範囲を超える規模での運用を無許可で行うと、懲戒処分の対象になる恐れがあります。

実際に、2019年に仙台市で年600万円の賃料収入が発覚した仙台市職員が減給処分に、2013年には妻の経営する不動産投資会社の役員となって約7,000万円の年収を得ていた宝塚市の職員が停職6ヶ月と降格処分となっています。

副業で収益を上げるのはよいことですが、それが原因で本業を失うことになれば本末転倒です。自分が行う不動産賃貸業務の規模が許可を受ける条件に該当しているかどうか、細かな禁止規定に抵触していないかどうか、あらためてよく確認しましょう。

許可申請が必要であれば申請書の提出前に、所属部署の上司に一言相談しておくこともおすすめです。無用な誤解を生まないだけでなく、手続きについての情報を共有してもらえる可能性があります。

信頼できる賃貸管理会社を見つける

公務員が副業として、新たに不動産投資を始めるのであれば、信頼できる専門家に相談したいところです。不動産投資では数多くの専門知識が必要ですし、不動産の世界ではネットや書籍では分からない貴重な情報が膨大にあります。

公務員が与信審査に強いことも周知の事実のため、知識不足の状態だと高額でコスパのいい物件、悪い物件を判断できない可能性が高くなります。信頼できる専門家と出会えるかどうかは、不動産投資経営での成功のカギとなります。

優良物件を手に入れるほかに、公務員の不動産投資では、信頼できる賃貸管理会社を見つけることがきわめて重要です。「職務専念の義務」がある以上、管理業務全般を賃貸管理会社に委託せざるをえません。そのため、賃貸管理会社が行う管理業務の質が直接的に経営状況を左右する、と言っても過言ではないでしょう。

運営に関する設備・工事対応以外にも、売買や出口戦略・資産活用や税金の知見も保有するトータルサポートが可能なパートナーであれば、賃貸経営のリスクに備えることができます。

優れた賃貸管理会社を選ぶためには、まず候補となる会社に問い合わせたうえで、直接担当者と会って相談することをおすすめします。あなたの質問に対して真摯に分かりやすく応えてくれるか、不動産投資に関するメリットばかりでなくリスクについても率直に説明してくれるかどうかに注目し、会社の姿勢や雰囲気を慎重に判断しましょう。

公務員が副業を始めて後悔しないためのポイント

公務員が副業を始める際は、法律や所属先のルールを守ることはもちろん、本業への影響やリスクにも十分配慮することが大切です。近年は副業・兼業に対する考え方が変化している一方で、許可制が基本であることに変わりはありません。安心して副業を続けるためにも、事前に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。

本業に支障を出さない

公務員には職務専念義務があるため、副業は本業に支障を与えないことが大前提です。たとえ兼業の許可を受けていても、副業による睡眠不足や疲労によって勤務に支障が生じた場合は、服務規律上の問題となる可能性があります。

また、勤務時間外だけでなく、休日の活動量や日頃の健康管理にも十分配慮することが大切です。副業で収入を増やすことよりも、公務員として本来の職務を適切に遂行することを最優先に考えましょう。

勤務先に事前確認する

副業を始める前は、所属先の服務規程や兼業に関する内規を確認し、自分が予定している副業が許可対象となるかを確認することが大切です。

同じ地方公務員でも、自治体によって兼業の運用基準や申請手続きは異なるため、「ほかの自治体で認められているから問題ない」と判断するのは避けたほうがよいでしょう。

判断に迷う場合は、人事担当部署や上司へ事前に相談することで、ルール違反やトラブルの防止につながります。思い込みで副業を始めるのではなく、事前確認を習慣づけることが大切です。

無許可で始めない

許可が必要な副業を、無断で始めることは避けましょう。「少額の収入だから」「趣味の延長だから」と自己判断せず、営利性や継続性がある活動に該当しないかを事前に確認することが大切です。無許可で副業を行った場合は、服務規律違反と判断される可能性があります。判断が難しい活動については人事担当部署や上司へ相談し、必要に応じて許可を受けたうえで始めるようにしましょう。

税務処理を正しく行う

副業収入が生じた場合は所得区分を確認し、確定申告が必要かどうかを把握することも重要です。また所得税だけでなく、住民税の申告や納付方法について確認が必要となるケースもあります。税務処理に誤りがあると、住民税の通知などをきっかけに勤務先から説明を求められる可能性があります。不明な点がある場合は、税務署や税理士へ相談し、適切な申告と納税を行うことが大切です。

小さく始めてリスクを抑える

副業は、はじめから大きな収益を目指すのではなく、負担やリスクが小さい活動から始めるようにしましょう。本業との両立が可能かどうかを確認しながら、無理のない範囲で段階的に取り組むことが大切です。

不動産投資であれば、賃貸管理会社へ管理業務を委託することで、運営にかかる負担を軽減できる場合があります。無理なく継続できる方法を選ぶことが、長期的かつ安定した資産形成につながるでしょう。

家族名義で副業を行う際の注意点

公務員が職場にバレないで副業を行う方法として、家族名義で事業に取り組むというやり方があります。本人名義ではないので公務員でも認められる可能性が高いものの、実践する際には気をつけるべき注意点も存在します。順番に内容を見ていきましょう。

家族名義なら副業が認められる可能性が高い

たとえ本人が公務員であっても、妻や夫、親などの家族名義であれば、通常どおり事業を行うことが可能です。公務員の家族であろうとも公務員本人とは別人格であり、それぞれに職業選択の自由があります。家族には公務員の副業禁止規定が適用されることもないため、家族が副業を行っても何ら問題はありません。

ただし、副業の名義人となる家族も公務員だった場合、当然副業は認められません。また、家族の勤務先で副業が認められているかどうかも重要なポイントです。企業や組織によっては公務員と同じように、就業規則で従業員の副業を禁止しているケースもあります。職場の規則に反して副業を行うと、解雇などの処罰の対象になる可能性があるため、家族の勤務先のルールも事前に確認しておきましょう。

単なる「名義貸し」はNG

家族名義であれば副業は認められる可能性が高いと紹介しましたが、ここで重要なのが「名義人となる家族が実際に業務を行うこと」です。単なる「名義貸し」は、公務員の副業禁止規定に反します。仮に名義貸しの事実がバレなかったとしても、後から事実が発覚した場合、ペナルティが予想されます。

さらに「名義貸し」は所得税法に違反する危険もあります。所得税には「実質所得者課税の原則」があり、実際に収入を稼いだほうが税金を納めるべきとされているからです。実質的に事業を行っているのが公務員であるにも関わらず、税金を納めるのはその家族となると、税法上の原則に反することとなり、より厳しい処罰が下されるかもしれません。

税法や副業規定に反さないようにするには、あくまでも事業主体は家族であり、家族が行う事業を無償で手伝っているという形にする必要があります。事業の重要な意思決定や指示も家族が主体であり、自分は決定や指示にしたがう立場であることも明確にします。

副業として疑われるのを避けるには、事務所の賃貸借契約や事業用車に関する契約、事業用の銀行口座など、副業に関する名義もすべて家族名義にしておくことも大切です。

配偶者控除を利用する場合は限度額に注意

公務員本人が配偶者控除を利用している場合、配偶者名義で副業するにあたっては、所得の限度額に注意が必要です。2025年税制改正で基礎控除が引き上げられたことにより、配偶者控除の年間所得の限度額もアップしました。

配偶者を個人事業主としたうえで、不動産所得の名義人にするケースでは、配偶者の合計所得金額が58万円以下であることが要件となります。不動産所得以外の所得がない前提で考えると、家賃収入などから減価償却費などを差し引いた年間所得を、58万円以下に抑える必要があるということです。

配偶者の所得金額が58万円を超え、配偶者特別控除を受ける場合には、年間133万円以下が要件となります。

年間の不動産所得が上記の金額を超えると、控除が受けられなくなり、税負担が重くなってしまいます。そうなれば不動産投資による節税効果も薄まってしまうため、配偶者控除を利用したいなら、賃貸経営の収入規模にも気をつけましょう。

出典:国税庁 No.1191 配偶者控除

3つの原則に違反しないことが必要

家族名義の副業だとしても、公務員本人が「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」「職務専念義務」の3つの原則に反してしまうと、副業規定に反することになります。

例えば、家族が実質的な事業主体となっていて、公務員本人は無償でサポートしているだけだったとしても、家業の手伝いが原因で遅刻が目立ったり、本業に十分集中できなかったりするようでは「職務専念義務」に反します。

自らに与えられた職務を全うして、社会に奉仕することが公務員に課せられた一番の使命です。本業に支障のない空いた時間を使って、家族名義の事業を無償でサポートする場合のみ、家族名義の副業が認められると考えておきましょう。

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この記事では、公務員の副業に関する基本ルールや、副業が制限される理由、認められる副業の種類について解説しました。公務員は原則として副業が制限されていますが、任命権者の許可や一定の条件を満たすことで認められる活動もあります。また、副業を始める際は、本業への影響や税務処理、法令・服務規程の遵守を意識することが重要です。

不動産投資は、一定の条件を満たせば資産運用として認められる可能性があり、公務員にとっても取り組みやすい投資手法の一つです。一方で、空室や修繕、家賃下落、金利上昇などのリスクもあるため、十分な知識を身につけたうえで、無理のない資金計画で始めるようにしましょう。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。