賃貸仲介の仕事とは?仕事内容からわかる仲介手数料の必要性

2024.11.19

不動産投資には立地や物件の選定、資金調達、マーケティング、広告、物件の管理など、多岐にわたる業務があります。特に賃貸経営の生命線となる「賃貸仲介」業務については、専門的な知見やノウハウが必要です。

そこで今回は、賃貸経営の成功に欠かせない賃貸仲介業務について基本的な点を解説しつつ、どこに着目してパートナーを選べばいいかわかりやすく解説します。パートナー選びのポイントは、空室対策に強く、「賃貸仲介業務」と「管理業務」を一貫して行える会社かどうか、という点です。賃貸仲介の依頼先を悩んでいる方は、ぜひ賃貸経営の参考にご一読ください。

▼この記事の内容

●賃貸仲介とは、対象となる賃貸物件のオーナー様と入居者様をつなぐ一連の仲介業務を行う仕事
●入居者募集から物件の案内、実際に入居していただくまでの一連の契約手続きを行う
●仲介手数料は、オーナー様と入居者様の間に入り、賃貸契約の締結をサポートした仲介会社に対して支払う手数料のこと
●賃貸借契約が成立した場合、オーナー様と入居者様から仲介手数料が支払われるが、契約不成立の場合支払い義務は発生しない
●オーナー様からすると、仲介手数料を支払えば膨大な業務を代行してくれるメリットあり(費用対効果高い)

賃貸不動産の取引態様

不動産における賃貸借契約には、取引を行う不動産会社の立場を示す「取引態様」があり、「貸主」「代理」「仲介(媒介)」の3つに分けられます。

この取引態様の違いによって、法規制の有無・仲介手数料の有無・契約までの流れなどが異なるため、しっかり理解しておく必要があります。

賃貸不動産の取引態様:貸主

貸主とは、物件を所有している個人または法人のことで、貸主が所有している物件を直接賃貸する取引態様を「自ら貸主」といいます。

たとえば、UR(都市再生機構)物件の場合はURが自ら貸主となって契約を締結します。また、不動産会社が自社で所有する物件を賃貸する場合も自ら貸主にあたります。

貸主は宅地建物取引業法(宅建業法)の適用を受けず、業務上の法規制もないため、行政による監督対象にはなりません。自己所有の不動産を賃貸するため、仲介手数料が発生せず、賃貸借契約を締結する際に行う重要事項説明の義務がない点も貸主の特徴です。

重要事項説明は義務付けられていませんが、詳しい物件の状況や契約条件などの説明は貸主が任意で行うことになります。契約後のトラブルを防止する意味でも、物件の詳しい説明は実施しておくことが望ましいといえます。

賃貸不動産の取引態様:代理

代理とは、不動産の所有者(貸主)から代理権を得ている者、または代理権を得ている宅地建物取引業者が貸主の代理となって賃貸借契約を締結する形態をいいます。

不動産の所有者と代理契約を結んだ不動産会社がこの立場を取るのが一般的ですが、所有者である大手不動産会社が自社のグループ会社や提携している別会社に賃貸借業務を委託しているケースもあります。

自己所有の不動産ではないため、宅建業法の適用を受けるとともに、契約前の重要事項説明を実施する義務を負います。

仲介手数料については、借主側には発生せず、依頼者である貸主が支払うことが一般的です。仲介手数料の額は、宅建業法によって家賃1ヶ月分と上限が定められています。

賃貸不動産の取引態様:仲介(媒介)

仲介(媒介)とは、不動産会社が貸主と借主の間を取り持って契約成立までの業務を行うことで、最も多い取引態様です。一般的には「仲介」と呼ばれていますが、宅建業法場は「媒介」とされています。なお、『仲介や媒介』という表現は、不動産売買でも同じ言葉が使用されるため、「賃貸仲介」「売買仲介」と表記されている場合もあります。

仲介する不動産会社が貸主より対象物件を預かる場合と、物件を預からずに広告宣伝に注力する場合がありますが、業務としては貸主・借主に代わって双方との連絡・手続き・交渉などを行う点、賃貸借契約は当事者間で締結する点は共通しています。

代理と同様、宅建業法の適用を受けるとともに、契約前の重要事項説明を実施する義務を負います。また、仲介手数料が発生します。仲介手数料については、後ほど詳述します。

賃貸仲介の仕事とは?

自分で物件を借りるときに、不動産屋に賃貸仲介をしてもらった経験のある方は多いはず。しかし大家として賃貸経営をする立場となった場合、オーナー様が当事者となって仲介業務そのものに携わることになります。賃貸仲介の主な仕事内容や日々の実務をひととおり紹介します。

賃貸仲介の仕事内容

賃貸仲介とは、対象となる賃貸物件のオーナー様と入居者様をつなぐ一連の仲介業務を行う仕事です。物件にお住まいになりたいお客様を探す入居者募集から、物件にご案内して実際に入居していただくまでの契約手続きを行います。

無事に賃貸借契約が成立した場合は、法律で定められた手数料上限をベースにオーナー様と入居者様から仲介手数料が支払われ、その仲介手数料が賃貸仲介業者の主な売上となります。サブリース契約(一括借上)などの契約内容や、仲介が決まる経路により支払われる手数料や収益も変わります。

賃貸仲介業者は駅の近くにあるような「街の不動産屋」のイメージが定着しており、学生や社会人の一人暮らしや複数人でのお住まいやご家族が賃貸仲介会社を利用することが多いでしょう。

賃貸仲介の仕事はお客様の話をよく聞き、本当に求めている条件を汲み取ったうえで適切な提案をすることが求められます。お客様に提案できる十分な物件情報をストックすることも必要で、オーナー様からの信頼を得て、仲介依頼をより多く獲得することも重要な業務です。

賃貸仲介の実務

賃貸仲介の担当者が行う実務内容について、解説していきます。仲介業務を把握しておけば、お部屋探しの際だけではなく、賃貸経営や不動産投資を検討するうえでも役立つでしょう。どの様な賃貸管理会社でも、基本的な1日の仕事の流れは以下のようになります。

準備・入居者募集業務

賃貸仲介を行う不動産会社では、日々多くの物件情報を収集しています。収益物件を保有するオーナー様から信頼を得て委託契約をすすめ、物件紹介業務をいます。入居者様のニーズに応える物件を揃えるために、ほかの不動産会社が扱う物件情報を確認し、お客様に紹介できる状況であるかを確認する「物件確認」という作業も日々の重要な作業です。

仲介を担当する物件情報を集めたあとは、入居者様を募集する資料を作成します。掲載情報の見せ方や物件特性にマッチするターゲットを意識して、ホームページやポータルサイトに物件情報を魅力的に仕上げて情報公開をします。

メインターゲット層となる20~30代のお客様の7割以上がインターネット経由で物件探しを行うという事情もあり、仲介会社にとってはインターネットへの物件掲載は非常に重要な業務となりました。ポータルサイトの掲載順位が高くなるように、募集や閲覧状況を定点観測し、データに基づいた運用と情報登録を行います。

お客様にとって魅力的に見える写真撮影や、間取り図などの情報の提供の仕方も、集客に大きく影響する対応範囲が、入居者募集業務になります。

接客・内見案内・契約をする仲介業務

ホームページやポータルサイト、SNSなどを通じて、掲載物件に対してお客様から電話やメールなどの問い合わせが入ります。問い合わせが入ってからのスピードと対応力が、仲介力を決めるといっても過言ではありません。お客様とコミュニケーションを取り、ご希望条件や譲れないポイントをヒアリングし物件のマッチングを行います。

ご入居までのスケジュール確認を行い、来店日や内見の段取りを進めます。近年ではオンライン対応が可能な店舗も増加しましたが、直接店舗に来店される方に対しては、接客対応を行い紹介物件の微調整を行います。

仲介会社の力は調整力です。お部屋をお探しのお客様が希望する条件にマッチする物件を複数紹介しますが、オーナー様の物件が持つ魅力とマッチする物件を優先的に紹介します。物件の特徴や魅力を把握するほど、入居者様に具体的なライフスタイルを提案しやすくなるため、オーナー様の物件情報を把握していると、結果的に仲介力が向上するのです。

物件の内見が完了し、お部屋を気に入っていただければ、入居希望の申し込みを行います。入居者様の審査を行い、オーナー様と入居希望者、双方の希望条件を確認したうえで賃貸借契約締結し、重要事項の説明などを行い、契約書の取り交わしや鍵の受け渡しまで、ご入居に必要な一連の業務に対応します。

顧客管理システムやデータ活用

賃貸仲介業務で、昨今ますます重要視されていることが「顧客のデータ管理」です。賃貸仲介は成約数が利益に直結する業態だけに、膨大なデータを利活用し、物件と入居希望者様のマッチング率向上や、対応業務を平準化することで、成約率向上や顧客満足度の向上に寄与します。

実際に、仲介会社には毎日数件から数十件規模で掲載物件に対する問い合わせがあります。1つひとつの案件について的確に対応しなければお客様への細かなサポートが不可能となるため、顧客データの管理は賃貸仲介業にとって生命線といえるでしょう。

顧客データ管理と並んでもう1つ重要なデータ活用は、集約された顧客データを活かしたマーケティングを行うことです。賃貸仲介はオーナー様と入居希望者、双方の要望をマッチングさせる業務なので、できるだけ豊富な物件情報と過去の成約例に基づいた対策を実行します。

仲介実績数が増加するほど、分析の精度も高まり、顧客ニーズを掴めるようになります。物件にマッチする的確なターゲット層へとアプローチすることで、効率良く入居者募集及び賃貸仲介業務を遂行できます。

対応力や仲介力を改善する覆面調査&自主調査

大手や中堅規模の賃貸仲介会社では、顧客対応力や各店舗の仲介力を維持向上するため、第三者による覆面調査を実施することもあれば、関連グループ各社が独自の審査項目を設けて行う自主調査を定期的に行う場合もあるようです。仲介業務は顧客データやマーケティング、広告活動などが重要になるとはいえ、やはり成約の決め手となるのは、実際にお客様と向き合う担当者の対応力になります。

お客様に対して担当者がどのような接客態度をとっているか、メールや電話の問い合わせの対応力や物件をご紹介するまでの段取りと手際の良さも含めて接客対応の実態をつかみ、マイナス面があれば改善します。

お客様への高い対応力を維持するために、環境の変化が著しい時ほど、必要不可欠な確認事項になるでしょう。仲介会社を選定する際にも、担当者の対応力と、店舗のチーム全員でフォローする体制になっているかの見極めは重要なポイントになるでしょう。

顧客アンケートで顧客満足度と入居者ニーズを調査し賃貸経営に活かす

仲介業務を行う不動産会社のなかには、賃貸契約完了後に担当者のお客様に対応内容に関するアンケート調査を実施しています。顧客アンケートで得られた情報は、サービス品質を向上し、賃貸仲介の決定力を上げる改善に必要なデータとなります。

また入居者様の契約完了後に、入居後のアフターフォローを実施する企業も存在します。入居者様にとって、入居開始後に何かあった場合に気軽に相談できる先があると安心です。特に仲介業務と管理業務を一体で行っている賃貸管理会社にとって、お客様に満足いただくことはさらなる利用機会や新たな顧客紹介にもつながるでしょう。

アフターフォローを含め、情報のフィードバックをしっかり実施している賃貸管理会社は、仲介業務や管理業務を依頼するオーナー様にとっても頼もしい存在です。常に最新のデータやトレンドを把握できているので、集客力や空室対策の面でも高い能力を持つ傾向にあります。

近年であればGoogleビジネスプロフィール(2022/12/01現在の名称)の口コミなども参考になるでしょう。単純な評価はもちろん、投稿されている数にも着目してみてください。投稿数が多く、口コミの内容が良いほど顧客満足度が高いサービス提供をしている可能性が高いといえます。

賃貸管理会社と賃貸仲介会社の違いは?それぞれの特徴・役割を解説

賃貸経営を行うに当たり、賃貸管理会社と賃貸仲介会社は収益に深く関わる存在になります。両方の役割を兼ねた賃貸管理会社が多いですが、前提知識として両者の役割や特徴について、理解をしておく必要があるでしょう。

また、賃貸管理会社の重要性については以下の記事も参照ください。

■参考記事

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賃貸管理の代行会社は、仲介業者・管理会社・仲介/管理を兼業する3タイプ

オーナー様にかわって賃貸経営の実務を代行する会社には、主に3つのタイプが存在します。3つとは、仲介業者と呼ばれる仲介専業、管理会社と呼ばれる管理専業、そして「仲介・管理」を兼業す3タイプに大別されます。それぞれの主な特徴について、以下で解説します。

仲介専業

オーナー様と入居者様の間に立って、お部屋の賃貸仲介を専門に行う会社です。賃貸借契約を成立させた成功報酬として、成約1件につき仲介手数料が支払われます。さらに細かく分類すると「客付仲介」と「元付仲介」の2つに分かれています。

「客付仲介」とは、入居者様の部屋探しをサポートする仲介業者のこと。一方、「元付仲介」とはオーナー様から集客業務を依頼されて入居者様との仲介業務を行う仲介業者です。

中堅や大手の不動産会社では、仲介専業というケースは少なくなっていますが、地方では仲介専業の会社が多く存在します。仲介専業の場合は「客付仲介」を中心に営業することが多く、どちらかというと入居者様が中心のビジネスモデルといえるでしょう。

仲介専業の不動産会社にとって、入居者様の募集力は利益に直結します。集客力が事業の生命線となるため、入居者様に案内しやすい物件や、地域ネットワークの活用や広告に力を入れており、入居希望者を集める能力は高い傾向にあります。オーナー様にとっては、空室リスクを避けやすくなる点が大きなメリットですが、入居者様に寄り添うスタイルのため、時として目的と対策がずれることがあります。

管理専業

主に入居者様の管理や建物管理を専門に行う会社のことです。集金代行や契約の更新業務、建物設備の管理業務など、賃貸物件としての維持や資産価値を維持するためのあらゆる業務を代行してくれます。管理専門の会社はオーナー様向けのビジネスモデルとなっていて、管理業務の内容に応じて管理手数料が支払われます。

依頼すればオーナー様が行う管理業務の手間は省かれますが、一口に管理業務といっても、集金業務や契約更新・解約精算事務、建物設備のメンテナンスに至るまで、業務内容はさまざまです。賃貸管理会社によって担当できる業務の種類やサービス内容、料金体系が違うので、賃貸管理会社選びはしっかり業務内容を比較するようにしましょう。

管理専業の会社は建物のメンテナンスを含め、専門的なノウハウを持っていることが多く、物件の状態を良好に維持できる傾向がみられます。結果的に修繕リスクや災害リスクにも備えているため、高い入居率の維持にもつながります。

管理専業の会社は不動産会社だけでなく、さまざまな業種の企業が参入している点も特徴的です。商業ビルやオフィスビルのメンテナンスを行う設備管理業者や、土地活用を行う不動産投資系ファンドの子会社、さらには相続コンサルティングを行う会社の受託先としてスタートした会社なども少なくありません。

賃貸仲介業務・管理対応業務を兼業

賃貸経営において仲介業務と管理業務は密接に関わるため、ワンストップで両方の業務を提供するハイブリッド型の仲介・管理会社も増えています。

仲介専業だった会社の場合は、客付仲介だけでなく元付仲介まで業務を拡大する一環で、管理業務も行うようになったパターンがみられます。地域で歴史と知名度のある駅前の不動産会社に多くいるタイプです。

オーナー様の観点でみると、仲介業務と管理業務を兼業する会社は一社に絞ってやり取りできるので、運営管理の対応が非常に楽になります。入居者様に対しても一貫したサービスを一定のクオリティーを維持して提供できるため、顧客満足度も高い傾向がみられます。

トータルで効率よく賃貸経営をサポートしやすいという点では、賃貸管理会社にとってもメリットあるビジネスモデルといえるでしょう。

賃貸管理会社の種類

賃貸管理を行う会社は、主に7種類のタイプに分かれています。それぞれのタイプ別に特徴をご紹介します。
 
1.ハウスメーカー

用地仕入れや建物の設計/施工から関わり、賃貸管理まで一貫して対応するのが大手ハウスメーカーです。基本的にサブリース契約を結ぶことが多く、管理業務全般を任せられるという特徴があります。建築物の品質を担保するために、ハウスメーカーの指定した工事内容が必要になるうえ、大規模修繕や修繕などの管理にかかる費用はやや高めになります。全てお任せしたい方に向いているでしょう。

2.デベロッパー

ブランド力のある建設系の大手不動産会社です。安心のブランドと品質で高い入居率を維持しやすいですが、ブランドの品質を担保するため手数料を含めた管理コストが高い傾向にあります。ブランディングが完成されたマンション経営をご検討の方におすすめです。

3.不動産投資会社

不動産投資会社が自社物件の管理業務を行うパターンです。不動産投資会社は販売に注力している売り切り型のビジネスモデルが多いため、管理業務でのサポート体制が薄くなる傾向がみられます。収益物件の購入と管理は別々に考えたほうがいい場合もあります。

4.物件管理だけの会社

賃貸物件の管理だけを請け負う会社です。不動産オーナー様と直接契約を締結する場合や、大手のハウスメーカーやデベロッパーから管理業務の委託を受け、多数の不動産を管理している場合もあります。建物や設備の維持管理に特化した会社が中心ですので、建物管理に関しては質の高いサポートを期待できる反面、賃貸経営にとって肝心のリーシングや空室対策に弱い傾向がみられます。

5.地域にいる街の不動産屋さん

地域のネットワークや地域性を活かした対応が可能なので、客付仲介が得意です。地域密着型の場合は担当者のフットワークも軽くトラブル対応も得意で、管理業務でのサポートも期待できるでしょう。一方、事業規模が小さいため、与信や事業承継など長い目で賃貸経営を考えると不安な面もあります。

6.フランチャイズ(FC)で大きい会社

フランチャイズ(FC)は大手の安定品質という安心感はありますが、経営方針や管理業務は画一的な対応でマニュアル化される傾向があります。個々の案件に対しても本社のマニュアルに準じた画一的な対応が目立ち、管理業務の範囲にも明確な規定があります。地域性や入居者様の要望に対する柔軟な対応が難しい場合もありますが、特性を把握してお付き合いをすることで、優位性を発揮するでしょう。

7.大手と地域密着のハイブリッド型企業

大手ならではの安心感と豊富なノウハウだけでなく、地域密着型のきめ細かな対応力や集客力を併せ持ったハイブリッド型の賃貸管理会社です。ハイブリッド型の賃貸管理会社は、賃貸経営の流れを包括的にサポートする点が大きな特徴です。

賃貸経営で収益を生み出すために必要となる、「入居者を募集する力」「物件をマッチングし契約する仲介力」「入居者様と建物の管理対応力」「賃貸経営に必要なミニマムの設備投資と工事への対応」といった一連の流れを、俯瞰的にサポートする対応力を備えることが多いため、賃貸経営のパートナーとしては理想的なタイプといえるでしょう。

仲介手数料について

仲介会社に対して支払う仲介手数料について解説します。仲介会社に支払う手数料は、賃貸経営の収益にも関わる重要事項です。一般的にはわかりにくい仕組みや管理費用との違い、広告で目にする「手数料ゼロ」のからくりなどを理解しておくと、会社や物件を比較するときに役立つでしょう。

仲介手数料とは何に対して支払うの?

仲介手数料とは、オーナー様と入居者様の間に入り、賃貸契約の締結をサポートした仲介会社に対して支払う手数料になります。賃貸物件の契約が成立しなかった場合は、オーナー様や入居者様に仲介手数料の支払い義務は発生しません。中には、お客様の希望条件に合わせて数十件もの物件の案内を繰り返したにも関わらず、成約に至らないといったケースもあるでしょう。

契約成立までに必要となる仲介業務は集客や問い合わせ対応、案内、条件交渉、契約書類の作成、契約手続きなどと膨大で、仲介手数料はこのような業務全般を引き受ける仲介会社が運営する収入源となります。

仲介手数料のお金の流れ

借主側である入居者様は、賃貸物件が決まってから契約時までに初期費用を支払いますが、初期費用の内訳に仲介手数料が含まれています。仲介会社が仲介手数料を契約成立前に請求することは不当請求となるため、契約時に支払いが行われるのが基本となります。

一方、貸主側であるオーナー様が仲介手数料を仲介会社に支払うタイミングは、賃貸契約が締結され、仲介会社と入居者様の間での手続きが完了した後になります。

オーナー様と入居者様との間に入る仲介会社が一社のみの場合、どちらからも仲介手数料を受け取ることができますが、仲介手数料は宅地建物取引業法による上限が定められています。仲介会社は両者に対して合計で家賃1ヶ月分を上限に請求でき、仲介手数料の分配・割合は自由に決められるのが特徴です。

※出典:国土交通省『宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方』第46条第1項関係1(3)1宅建業法46条

元付業者と客付業者

あらためて「元付」と「客付」の言葉の意味について整理しておきましょう。賃貸経営を行ううえで、この2つの言葉の意味を理解しておくとパートナー各社とスムーズにコミュニケーションが取れるようになります。

・元付業者
賃貸物件を所有するオーナー様(貸主)から、入居者を探すように直接依頼を受けた仲介業者

・客付業者
元付業者に対して、賃貸物件を借りたい入居者(借主)を紹介する仲介業者

客付業者は、オーナー様と直接やり取りをすることはありません。元付業者を通して条件の交渉や取引を進めていくことになるため、賃貸経営を営むオーナー様にとって重要なパートナーは元付業者になります。

実際の不動産実務では、「客付」と「元付」の両方を担当する仲介会社がほとんどです。特に賃貸経営においては、両方の業務ができる会社のほうが「貸主」と「借主」をマッチングさせやすいという点で、かなりのアドバンテージがあるでしょう。いずれも、賃貸仲介だけでなく売買仲介の場合も同様です。

仲介手数料の必要性

仲介手数料は、賃貸借契約を円滑に結ぶためのサポートへの対価として、仲介会社に支払います。オーナー様からすると、賃貸経営の数あるコストの中でも極めて費用対効果は高いといえるでしょう。

賃貸借契約の締結までに、入居希望者を募集し、面談や内見などの顧客対応を実施したうえで、契約書類などの準備、契約の締結、鍵の受け渡しを行う、といった膨大な作業を要します。仲介手数料を支払えば顧客対応などの作業を代行してくれるうえに、手数料上限額は法律で決まっているため、法外な金額を請求されることもありません。

税法上でも、入居者募集のための仲介手数料については必要経費として計上することができます。管理物件が多いほど空室を埋めるために重要なコストになるでしょう。

仲介手数料・管理費の有無やその違い

インターネットやSNS上で賃貸物件を調べていると、仲介手数料や管理費ゼロ、とアピールしている物件を見かけることがあります。入居先を探しているお客様にとっては嬉しいポイントでありつつも、「本当に支払う必要がないのだろうか?」と不安になることもあるでしょう。

実は「仲介手数料ゼロ」というケースでは、不動産会社の自社物件であることが多いです。

一般的には個人のオーナー様が貸主となって仲介会社に仲介業務を依頼しますが、不動産会社が賃貸物件を所有している場合、そもそも仲介業務が発生せず貸主(不動産会社)と借主の直接の契約となるため、仲介手数料が発生しないという仕組みになります。この場合、仲介会社が行う業務は貸主である不動産会社が行うことになります。

ほかには、オーナー様(貸主)側が仲介手数料を仲介会社に支払われる上限まで負担し、入居者様(借主)の負担する仲介手数料をゼロにする、というケースもあります。オーナー様が入居者募集に力を入れたい場合に多く見られる、空室対策の定番といえます。

家賃とともに発生する管理費ですが、まれに「管理費ゼロ」のケースがあります。物件ごとに対応内容が異なりますが、家賃の金額設定の中に管理費を組み込んでいることが多いです。

「家賃」「管理費」と名目が分かれているだけで、オーナー様にとってはどちらも収入となるため、「管理費ゼロ」の場合は「管理費込みの家賃」である可能性も考えましょう。競合物件の状況により露出方法も異なるため、管理会社と相談しながら進めるとよいでしょう。

誠実で真摯な取り組みが仲介力を高める

賃貸仲介会社が行う主な業務や、仲介会社の種類について解説しました。賃貸仲介は、多くの実績を持ち誠実な対応をする仲介会社に依頼することで、物件の魅力をより引き出すことができ、入居希望者とのマッチングがしやすくなるでしょう。

賃貸経営を円滑に進めるうえで、「賃貸仲介」と「賃貸管理」の両方に精通している会社をパートナー選定することをおすすめします。

オーナー様の目線に立ちながら、入居者様の希望に合った提案を真摯に対応していると、結果論としてデータをもとに希望と物件をマッチングし、対応力を上げるためデータドリブン経営に取り組む流れが加速します。お客様に対して真摯に寄り添う会社であれば、仲介力を高められ、空室率も劇的に改善されるでしょう。

【リロの不動産・リロの賃貸】は賃貸管理業務に強みを持ちます。入居者募集や賃貸仲介に強いため、空室の原因に対応するフレームワークである『4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)』を考案しました。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。