【事例付】一括借り上げとサブリースとの違いやメリット・デメリットを解説
2025.01.26
不動産投資をされている方や、これから投資を検討している方の中には、「一括借り上げ」や「サブリース」といった言葉を耳にした経験がある方も多いはずです。
一括借り上げとサブリースは、空室リスクを減らして安定した家賃収入を得るために有効な契約形態で、同じ意味で使われるのですが、厳密には両者は異なる契約形態となります。
一括借り上げやサブリースはメリットがある一方でリスクもあるため、しっかり理解しておかないと、サブリース会社(管理会社)とのトラブルとなる可能性もあります。
本記事では、一括借り上げのメリット・デメリットを中心に解説します。
▼この記事の内容
●一括借り上げ(マスターリース契約)とは、アパートやマンションを所有するオーナー様が、不動産管理会社に対して建物一棟の運営を丸ごと任せる契約形態。
●一括借り上げとサブリースの関係だが、一括借り上げ契約(マスターリース契約)はオーナー様とサブリース会社(管理会社)との契約で、サブリース契約はサブリース会社と入居者様との契約。両者の違いは契約主体の違い。
●一括借り上げ契約時の契約内容の確認ポイントは、契約期間、家賃の当初固定期間、オーナー様に支払われる家賃の比率、原状回復費用・修繕費用のオーナー様負担、解約の条項や解約条項。
●信頼できるサブリース会社の選び方は、提案内容と契約内容に納得できるか、賃貸管理会社としての実績があるか、財務状況が健全かという点。
目次
一括借り上げ(マスターリース契約)とは

一括借り上げについて、概要を解説します。
一括借り上げの仕組み
一括借り上げとは、アパートやマンションを所有するオーナー様が、不動産管理会社に対して建物一棟の運営を丸ごと任せる契約形態を指します。
一括借り上げでは、物件の賃貸借契約を直接結ぶのは運営を任せられた管理会社であり、実際に物件を使用する入居者様との契約は管理会社が行います。オーナー様が直接入居者募集をしたり、物件自体の管理をしなくても済む点は、通常の管理委託と同様です。
しかし、一括借り上げを選択すると、オーナー様は管理会社から毎月一定額の家賃を受け取る仕組みとなるため、空室リスクや家賃滞納リスクを軽減できる点が特徴です。
たとえ入居率が低下しても、契約で保証された家賃が支払われるため、オーナー様は収益を計画的に管理できます。一方で、一括借り上げ契約の場合は、管理会社が支払う家賃は通常の家賃よりも低く設定されていますので、その分を見込んだ収支計画を立てる必要があります。
賃料保証型とパススルー型
一括借り上げには、大きく分けて「賃料保証型」と「パススルー型」という2つの方式があります。それぞれの仕組みと特徴を理解することで、自身の目的やリスク許容度に応じた選択が可能となります。
賃料保証型では、サブリース会社が契約期間中に毎月一定額の家賃をオーナー様に支払う契約方式です。賃料保証型の最大のメリットは、入居者数にかかわらず安定した収益を得られる点です。不動産投資初心者や、長期的な収入の安定を重視するオーナー様に適しているといえるでしょう。
ただし、管理会社に引かれる手数料が割高に設定されるケースが多く、受け取れる家賃は低めとなります。また、定期的な家賃見直しによって収入が減少する可能性もあるため、契約内容の詳細を確認する必要があります。
一方、パススルー型では、管理会社は入居率に応じた家賃をオーナー様に支払います。パススルー型では、入居率が低い場合にオーナー様の収入が減少するリスクがあるものの、賃料保証型と比較すると管理会社に引かれる手数料が少ない傾向があるため、入居率が高い場合には、入居率に応じて高い収益を得られる可能性があります。
どちらの方式を選ぶかは、賃貸経営の目的、不動産市場の動向、物件の立地や条件、オーナー様のリスク許容度に左右されます。一括借り上げを検討している場合は、賃料保証型の安定性を取るのか、パススルー型の収益性を重視するのか、慎重に検討することが成功の鍵といえるでしょう。
一括借り上げ(マスターリース契約)とサブリース契約の違い

一括借り上げ契約と同じ意味で使われるものに「サブリース契約」があります。ここでは、一括借り上げとサブリースの違いについて、解説します。
サブリースはサブリース会社と入居者様との契約関係
サブリース(sublease)とは、直訳すると「転貸」を意味し、簡単にまとめると以下のようになります。
●一括借り上げ契約(マスターリース契約):オーナー様とサブリース会社(管理会社)との契約
●サブリース契約:サブリース会社と入居者様との契約
オーナー様がサブリース会社と契約する一括借り上げ契約は、「マスターリース契約」とも呼ばれますが、それに対して、不動産のオーナー様が所有する物件を借り上げたサブリース会社が、入居者様に貸し出す際に締結する転貸借契約を「サブリース契約」と呼ぶのです。
マスターリース契約において、サブリース会社は一括で物件を借りる「借主」となり、「貸主」であるオーナー様に対して毎月契約に基づいた家賃を支払います。
その一方で、サブリース契約においてはサブリース会社が「貸主(転貸人)」、入居者様が「借主(転借人)」となり、サブリース会社が入居者様との間でサブリース契約を結ぶことにより、サブリース会社は入居者から家賃を受け取ります。
一括借り上げとサブリースの違いは契約主体の違い
一括借り上げ契約とサブリース契約の違いを一言で説明すると、「契約主体」の違いです。
一括借り上げは、オーナー様がサブリース会社(管理会社)と契約を結び、その会社が物件を一括で借りる形態です。対して、サブリースは、サブリース会社がオーナー様から借りた物件を転貸し、入居者様と転貸借契約を結ぶ仕組みです。
一括借り上げとサブリースの、契約主体(借主と貸主)についてまとめると、以下のように表せます。
貸主 | 借主 | |
一括借り上げ契約 | オーナー様 | サブリース会社 |
サブリース契約 | サブリース会社 | 入居者様 |
一括借り上げ契約はサブリース会社が入居者とサブリース会社を結ぶ前提で成り立っているため、一括借り上げ契約というスキームのなかにサブリース契約が含まれているわけです。
一括借り上げのメリット
不動産投資を検討しているオーナー様にとって、一括借り上げを選択するメリットは主に以下の3つです。
●安定収入の確保と空室リスク・家賃滞納リスク対策
●管理業務の負担が大幅に軽減
●融資が有利になる
それぞれについて、具体例を交えながら解説します。また、一括借り上げおよびサブリースの適用事例は以下の記事を参照してください。
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安定収入の確保と空室リスク・家賃滞納リスク対策

一括借り上げの最大のメリットの一つは、オーナー様が安定した収入を確保できる点といえるでしょう。
一括借り上げ契約では、物件が空室であっても、また入居者様が家賃を滞納した場合でも、サブリース会社は契約で定められた家賃をオーナー様に支払います。これにより、安定した収入を確保できるとともに、賃貸運営における大きなリスクである「空室リスク」と「家賃滞納リスク」を軽減できます。
空室リスクとは、物件が一時的または長期的に空いてしまい、家賃収入が減少するリスクを指します。一括借り上げではなく通常の管理委託などの場合、実際の入居者様からオーナー様に振り込まれる家賃が収入となるため、入居者が見つからず空室が多い状態だと、ダイレクトに収入が減少します。
一方、一括借り上げでは、居室全体がサブリース会社によって賃借されており、収入はサブリース会社から契約に基づき受け取る家賃であるため、実際の入居率が少ない場合でも収入が減少する心配はありません。
また、家賃滞納リスクについても、入居者様の直接の家賃支払先はサブリース会社となるため、オーナー様が入居者様の支払い状況に悩む必要はないといえます。
以上のような事情から、一括借り上げを選択すると収入が安定し、長期的な収益計画を立てやすくなります。
管理業務の負担が大幅に軽減
一括借り上げを利用するもう一つの大きなメリットは、オーナー様の物件管理に関する業務負担を大幅に軽減できる点です。
賃貸経営では、入居者様の募集、契約手続き、クレーム対応、退去時の清掃や修繕など、煩雑な管理業務がともないますが、通常の管理委託でも、賃貸管理会社にこれらの業務は任せられます。しかし、通常の管理委託の場合は入居率に応じて収入が増減するため、空室の発生や家賃滞納などをつねに気にしなくてはいけません。
一括借り上げの場合は、空室が発生した場合や家賃滞納が発生した場合でも毎月一定額の家賃収入を得られるため、心理的負担が軽くなり、賃貸経営に関わるオーナー様の負担が大幅に軽減されます。
一括借り上げだと、オーナー様が賃貸管理の煩雑さから解放され、本業に集中できる環境を整えられるため、多忙な個人や法人が不動産投資に挑戦する上で非常に有効な選択肢といえます。
融資が有利になる
一括借り上げを活用すると、金融機関の融資条件が有利になる可能性があります。
金融機関は融資先の返済能力を重視するため、物件の収益安定性を望みます。一括借り上げ契約をしている物件を所有しているオーナー様の場合、市場の変動や入居率にかかわらず、サブリース会社により一定額の家賃を保証されているため、安定したキャッシュフローが期待できます。
不動産投資を始める際の物件選びをする場合に、一括借り上げを前提でローンを組むと、融資審査の通過率が向上します。物件の買い増しのケースでも、一括借り上げ契約の物件を保有していると金融機関からの評価が高くなるため、新たな融資を受けやすくなる傾向にあります。
一括借り上げのデメリット

一括借り上げ契約には安定した収入を得られるなどのメリットがある一方で、デメリットやリスクも存在します。実際に、全国的に一括借り上げ契約によるサブリース会社とのトラブルも報告されているため、一括借り上げ契約を検討している場合はデメリットについてもしっかり理解しておく必要があります。
一括借り上げにおけるデメリットとして、具体的には以下の5つが挙げられます。
●通常の管理より家賃収入が減少する
●家賃減額を請求されることがある
●オーナー様からの契約解除が難しい
●突然契約解除されるリスク
●修繕・メンテナンス費用が割高になることがある
通常の管理より家賃収入が減少する
一括借り上げを利用すると、オーナーが受け取る家賃収入は、通常の管理委託と比較すると減少します。
オーナー様が一括借り上げ契約を選択した場合、建物の借主となるサブリース会社はオーナー様から物件を借り上げた後に入居者様から得られる家賃を利益として得るため、空室リスクや家賃滞納リスクなどをサブリース会社が背負うこととなります。
そのため、サブリース会社からオーナー様に支払われる家賃は、同一物件を通常の管理委託で運営した場合と比較すると10〜20%ほど低くなるのが一般的です。
一括借り上げ契約を検討する場合は、安定した収入を得られる一方で、長期的に見た場合利益が減少することを考慮する必要があるのです。
家賃減額を請求されることがある
一括借り上げ契約では、契約期間中であっても市場環境の変化に応じて、サブリース会社がオーナー様に対して家賃の減額を求める場合があります。特に、周辺地域の賃貸需要が低下したり、入居者の確保が難しくなった場合には、家賃の見直しを求められる可能性が高まります。
サブリース会社との一括借り上げ契約は、2年間ごとに契約条件が見直されるケースが多く、そのタイミングで賃料の減額を求められる可能性が高いです。
株式会社価値総合研究所の「家賃住宅市場の実態について」によると、賃貸マンションの家賃相場は新築時から年間平均1%程度は下落していく傾向があり、サブリース会社が入居者様から得る家賃も減少していきます。その分、サブリース会社がオーナー様に支払う賃料も調整されるため、家賃減額を断れないといえるでしょう。
以上のような事情から、一括借り上げ契約を締結する際には、家賃減額の条件やタイミングについて詳細に確認し、将来的なリスクを十分に考慮することが重要です。
オーナー様からの契約解除が難しい

一括借り上げ契約では、オーナー様側から契約解除が困難です。
一括借り上げ契約においては、オーナー様が貸主、サブリース会社が借主となり、借地借家法が適用されます。借地借家法では借主が強く保護されており、貸主であるオーナー様が契約を解除するには以下のような「正当事由」が必要となります。
●オーナー様本人や親族などが居住目的で物件を使用する必要がある場合
●老朽化などの影響で取り壊す必要がある場合
●再開発事業などの影響で売却する必要がある場合
●ローン返済が困難などの事情により売却が必要な場合 など
そのため、家賃交渉が難航した場合や、サブリース会社の管理業務に不満がある場合でも、オーナー様から契約解除をすることは基本的にできない構造です。仮に契約解除が認められたとしても、契約に定められている多額の違約金や立ち退き料などを支払わなくてはならない可能性が高いでしょう。
以上のような事情から、一括借り上げ契約を締結する際には解約条件について詳細に確認する必要があります。
突然契約解除されるリスク
一括借り上げ契約では、サブリース会社の経営状況や市場環境の変化により、契約が突然解除されるリスクがあります。特に、サブリース会社が経営難に陥った場合には、契約を維持できずに突如として契約解除を通知されるケースもあります。
契約内容によっては、サブリース会社が一定の条件下で契約を解除できる権利を持っている場合があります。例えば、「賃貸需要の著しい低下」や「物件の価値減少」が解除理由として記載されているケースがあるでしょう。
契約が解除された場合、オーナー様は自主管理や新たな賃貸管理会社への切り替えを迅速に行わなければなりませんが、それには多大な時間と労力がかかります。
以上のような事情から、一括借り上げ契約を締結する際には、契約解除条件について十分に確認し、リスク回避策を講じておくことが重要です。
一括借り上げ契約の解約に関する事例については、以下の記事も参考にしてください。
複数の空室を法人一括まとめ借りで解消!法人社宅で安定運用を実現!
法人契約のマンション33戸がすべて解約!期限付きの条件見直しで即満室!
修繕・メンテナンス費用が割高になることがある
一括借り上げ契約では、物件の修繕やメンテナンス費用が割高になるケースがあります。
多くの一括借り上げ契約では、サブリース会社が物件の管理を行う代わりに、修繕費用や大規模改修の負担をオーナー様に求める仕組みになっています。この場合、サブリース会社が指定する工事会社を利用する必要があり、自由な会社選定が制限され、費用が相場より高くなる傾向があります。
このため、一括借り上げ契約を結ぶ際には、修繕やメンテナンス費用の負担割合や、業者選定に関するルールについて明確にしておくことが重要です。
一括借り上げ契約時の契約内容の確認ポイント
一括借り上げ契約を締結する際は、契約内容について以下の5点をよく確認しておきましょう。
●契約期間
●家賃の当初固定期間
●オーナー様に支払われる家賃の比率
●原状回復費用・修繕費用のオーナー様負担
●解約の条項や解約条項
契約期間
一括借り上げ契約を締結する際は、契約期間の設定を確認しておきましょう。
一般的に、一括借り上げの契約期間は10~35年程度の長期にわたることが多いですが、その間に市場環境や物件の状態が大きく変化する可能性があります。契約期間が長い場合、オーナー様都合で途中で条件を変更したり、オーナー様側からの契約解除が難しいので注意が必要です。
また、契約期間内であってもサブリース会社から家賃の見直しを求められる可能性も高いため、期間内で徐々に収益が減少していくことも計画に入れておく必要があります。加えて、契約期間終了後の自動更新の有無や、契約更新時の条件変更などについても、しっかり確認しておき、合意のうえ契約を締結することがトラブル回避のために重要です。
家賃の当初固定期間
契約時に提示される借上賃料がどの程度の期間固定されるのかは、オーナー様にとって重要なポイントです。
多くの一括借り上げ契約では、契約期間中に家賃の見直しが行われるケースが多いですが、当初一定期間は家賃保証額が固定されることが一般的です。この期間は通常1~5年程度が多いですが、当初固定期間の年数や変更条件について明確に定義されているかどうか確認が必須といえます。
また、当初固定期間内であっても、借地借家法第32条の規定により、借上賃料が減額される可能性もあるため、一括借り上げのリスクとして理解しておきましょう。
出典:e-Gov 借地借家法
オーナー様に支払われる家賃の比率

一括借り上げ契約では、入居者から得られる実際の家賃に対して、オーナー様に支払われる家賃がどのくらいの割合になるのかを把握しておくことが重要です。
この比率は「借上料率」と呼ばれ、一般的には入居者が支払う家賃の80~90%程度で設定されることが多くあります。ただし、物件の立地や状態によってはさらに低くなる場合もあります。
借上料率が低いと、一括借り上げによる安定収入は得られても収益性が大幅に低下する可能性があるため、契約前に複数のサブリース会社と比較し、条件が適正かを見極めるのがおすすめです。
原状回復費用・修繕費用のオーナー様負担
一般の賃貸借契約でも重要なポイントですが、物件の原状回復費用や修繕費用の負担割合についても明確にしておく必要があります。
通常の使用による劣化(経年劣化)についてはオーナー様負担とされ、大規模な修繕や改修工事についても、オーナー様が費用を負担しなければなりません。
特に、一括借り上げ契約においてはサブリース会社が施工会社を指定するなど、サブリース会社ベースで進行するため、修繕費用の範囲や負担割合について詳細に決めておくのが重要です。
解約の条件や解約条項
一括借り上げ契約を締結する際には、解約条件や解約条項について特に注意が必要です。
一括借り上げ契約においては、借主となるサブリース会社が借地借家法上強く保護されるため、オーナー様からの解約が難しく、期間内での解約を希望する場合には多額の違約金が発生する可能性が高くあります。
契約解除に関する条件や手続きをはじめ、違約金の金額や、解約が認められる条件について明確に定義されているか契約書で確認しておきましょう。
一定の入居率を維持できない場合や、物件の価値が低下した場合などに、サブリース会社側から契約を解除される可能性もあるため、サブリース会社側が契約を解除する場合の条件も確認しておく必要があります。
契約解除についてはトラブルになりやすい部分なので、双方が納得できるまで詳細な条項をしっかりと確認しておきましょう。
一括借り上げ契約までの手順
オーナー様が所有している物件について、サブリース会社と一括借り上げ契約を締結するまでの手順は以下のとおりです。
●サブリース会社の選定
●契約条件の提示と確認
●契約条件の交渉
●契約書の確認
●契約の締結
●管理業務の開始
サブリース会社の選定
一括借り上げ契約を検討する際の第一歩は、サブリース会社を選定することです。
複数のサブリース会社から提案を受け、契約期間や借上料率などの条件を吟味しましょう。また、会社の実績や評判、経営の安定性などを確認しておくことも重要です。契約後のトラブルを避けるために、信頼できる会社を選ぶことが投資成功への鍵といえます。
契約条件の提示と確認

選定したサブリース会社から、一括借り上げの契約条件が提示されるため、契約条件について詳細に確認します。
保証される家賃の額や当初固定期間、物件の修繕義務、契約期間、解約条件などについて、提示された条件が自分の期待に合っているかどうかを慎重に判断しましょう。
契約条件の交渉
契約条件の確認後、提示内容に不明確な点や改善したい条件があれば、サブリース会社と交渉を行います。
借り上げ賃料や修繕費用の負担割合など、契約条件の内容について、交渉による調整が可能です。特に家賃の固定期間や解約条件などは、収益に大きく影響を及ぼすため、納得のいく条件を引き出すことが重要です。
契約書の確認
交渉がまとまった後は、合意に至った条件を基に作成された契約書がサブリース会社から提示され、重要事項の説明を受けながら内容を確認します。
一括借り上げ契約は長期にわたるため、内容を十分理解していないと後々トラブルになる可能性が高いです。特に、家賃保証の条件、解約条項、修繕費用の負担、契約期間などを細かく確認して、不明点が残らないようにしましょう。
契約の締結
契約書の内容を確認し、双方が条件に合意したら、いよいよ契約を締結します。契約書にサインを行い、必要に応じて捺印をすることで、サブリース会社との一括借り上げ契約が成立します。
管理業務の開始
契約締結後、サブリース会社が管理業務を開始します。この時点で、入居者の募集や家賃の回収などをはじめとした物件の管理が、サブリース会社に一括で委託される形となります。
信頼できるサブリース会社(管理会社)の選び方とポイント
一括借り上げ契約で確実に収益をあげるためには、信頼できるサブリース会社または賃貸管理会社と契約することが非常に重要です。ここでは、信頼できるサブリース会社の選び方とポイントを解説します。
提案内容と契約内容に納得できる
信頼できるサブリース会社を選ぶためには、提案される内容と契約条件が自分の期待に合致しているかを慎重に確認する必要があります。
たとえば、保証される家賃の水準、家賃保証期間、解約条件、修繕費用の負担割合などが明確で、合理的であることが重要です。また、不明点や疑問があれば、担当者が納得のいくまで丁寧に説明してくれるかも評価ポイントといえます。サブリース会社の提案が具体的で分かりやすい場合は、信頼して管理を委託できるはずです。
反対に、契約条件が曖昧だったり、強引に契約を進めようとする会社は信頼できない可能性が高いです。契約条件や料金体系に不明確な部分がないか、隠れた費用が発生するリスクがないかなどを十分に確認しておきましょう。
賃貸管理会社としての実績

サブリース会社の選定時には、その会社の賃貸管理業務における実績や管理物件の件数を確認することが大切です。
過去の実績が豊富な会社は、物件管理のノウハウを有しているうえ、様々なトラブルにも対応してきているため、安心感を持って委託できるはずです。特に、自分の物件の特性に合った実績を持つ会社であれば、安定した運営を期待できるでしょう。
また、他のオーナーからの評価を知るために、口コミやレビューも参考にしておくのも重要なポイントです。
財務状況が健全
サブリース会社の財務状況を確認することも、信頼性を判断する上で重要なポイントです。
一括借り上げ契約は10〜35年ほどの長期間にわたるケースが多いため、サブリース会社の経営が不安定である場合、契約期間中の解約や倒産など大きなリスクがあります。
サブリース会社の財務状況が健全であるかを確認するには、会社の決算報告書や財務諸表を参照すると良いでしょう。安定した経営基盤を持つサブリース会社は、長期にわたり安定したサービスを提供できる可能性が高く、安心して契約を結ぶことができます。
一括借り上げを賢く活用しよう

本記事では、一括借り上げのメリット・デメリットや、信頼できるサブリース会社の選定方法などについて詳しく紹介しました。
一括借り上げは安定した収入が期待できるといったメリットがある一方で、法的なリスクもあるため慎重に検討する必要があります。全国でサブリース会社への訴訟が起こるなど、トラブルも発生していますので、契約内容を詳細に確認するとともに、信頼できる賃貸管理会社への依頼が非常に重要になります。
一括借り上げ契約を検討している不動産オーナー様は、ぜひ一括借り上げにも対応可能で、実績が豊富な【リロの不動産】にご相談ください。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。