相続した土地の活用方法!困ったときの相談先や注意点とあわせて解説
2023.09.19土地を相続すると、活用方法に悩み土地を持て余してしまうケースが増えています。土地の活用方法は多数考えられますが、それぞれにメリットやデメリットがあるため、内容をしっかりと理解しておかなければ、自分にとって本当に有効活用できる方法を見出すのはなかなか難しいでしょう。
そこで、本記事では相続した土地活用の種類にはどのようなものがあるのか、種類別の活用方法、土地活用に悩んだ際の相談先、注意点などについて解説します。土地を相続したばかりで今後の活用方法に悩んでいる方や、これから発生する相続に向けて何らかの対策を取っておきたい方はぜひ参考にしてください。
目次
相続した土地活用の種類
土地を相続した際に考えられる、代表的な土地活用の種類は以下の3つです。
● 自己使用
● 賃貸経営
● 売却
それぞれのパターンについて詳しく解説します。
前提として土地のみの状態で相続したケースを考慮していますが、土地のうえに建物がある場合、放置しておくと空き家問題にもつながりかねません。空き家問題については、国も問題視していることから適切な対応が必要です。
自己使用
自己使用とは、自分が住むために土地のうえに戸建てを建築したり、居住目的ではなく畑として家庭菜園などに利用したりする方法です。
あくまでも自分のために利用する方法のため、次で紹介する賃貸経営のような家賃収入は得られません。そのうえ、相続によって土地の所有者となったからには、固定資産税や維持費などの負担が発生します。
自己使用を選択するなら、最終的にその土地をどうするかといった、将来の展望を踏まえた利活用方法などを考慮する必要があるでしょう。
賃貸経営
賃貸経営は、土地に必要な設備を揃えて賃貸として貸し出し、家賃収入を得て運用する方法です。具体的には土地の上に戸建てやアパート、マンションなどの建物を建てたり、コインパーキングの設備を設置したりと、活用方法に合わせて土地を整備していきます。
どのような建物を建ててどのような賃貸経営を行うのかはさまざまな条件によって異なるため、賃貸経営を行う場合は綿密に計画を立てる必要があります。
賃貸需要が見込める土地であれば建物の建築費で賃貸経営が可能ですが、最終的な出口戦略をしっかりと見越した対応を行うようにしましょう。
売却
土地を利活用せずに売却するのも1つの方法です。自己使用を行うにしても賃貸経営を行うにしても、土地を所有し続けるかぎり維持費や管理費などがかかります。保有するのに必要な費用や時間が十分でないにもかかわらず、単に「相続したから」という理由だけで保有し続けるのは得策ではありません。
土地の維持・管理が難しいのであれば、思い切って売却するのもよいでしょう。また、相続人が複数おり、相続した後の遺産分割で揉めごとを回避する手段としても売却や買取は有効な方法です。
【種類別】土地の活用方法
ここからは、上で紹介した3つの種類別の活用方法について、詳しく解説していきます。特に賃貸経営にはさまざまな方法がありますので、しっかりと理解を深めておきましょう。
より活用方法に加えて有効な選び方を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:最適な土地活用とは?土地活用の種類別の特徴と賢い選び方を紹介
自己使用する土地活用
土地活用の方法として自己使用を選ぶ際のメリットや抱えるリスク、自己使用に向いている人や土地の特徴を紹介します。
自己使用のメリット・リスク
自己使用のメリットは、なんといっても自分の好きな用途で利用できることです。ただし、各地域で設けている制限内で利用しなければならない点には注意しましょう。
また、土地を保有していることは資産を保有していることと同じです。子どものために相続として保有し続けたり、必要に応じて売却したり賃貸に出したりすることもできます。ほかの用途に転用しやすい点もメリットといえるでしょう。
自己使用することで大きなリスクが生じるわけではありませんが、保有するかぎり維持費がかかり続け、自分で使うため家賃収入などの副収入は得られません。相続した土地を自己使用するのであれば、事前に資金計画をしっかり行うことが大切です。
自己使用に向いている人・土地
自己使用に向いているのは、相続した土地に愛着がある方です。小さい頃から慣れ親しんだ土地を見ると、自分や両親のために大切に使いたいと考える方も多いでしょう。
また、生活環境やインフラ設備が整っている土地であればすぐに利用開始できるため、自己使用するにも手間がかかりません。その土地に自宅を建てて住むのであれば、周辺環境も重要なポイントです。インフラ設備が整っていなければ生活ができないため、配管が古くなっていないかなど事前に確認するようにしましょう。
賃貸経営する土地活用
賃貸経営にはさまざまな種類があります。ここでは賃貸経営をさらに事業ごとに分け、事業ごとのメリットやリスク、向いている人や土地の特徴について解説していきます。
戸建て・アパート・マンション経営
相続した土地のうえに戸建てやアパート、マンションを建て、賃貸に出す経営方法です。戸建て・アパート・マンション経営のメリットやリスク、向いている方や土地の特徴は以下のとおりです。
戸建て・アパート・マンション経営のメリット・リスク
戸建て・アパート・マンション経営などの賃貸経営を行う大きなメリットは、入居者様がいるかぎり家賃収入を得られることです。ほかにも、節税効果が高いことやインフレに強い点、生命保険がわりになることなど、さまざまなメリットがあります。
一方で、空室リスクや家賃滞納リスクなどの複数のリスクをともないます。戸建てや1棟アパート、1棟マンションとなると建物の規模が大きくなり、メンテナンス費用が高額になる点にも注意しましょう。
賃貸需要がある場合、土地を保有していると、上物の建築費の出費だけで賃貸経営を始められるのは、初期投資費用を抑えることや減価償却費を計上できる点で、収益面で非常に有利です。
戸建て・アパート・マンション経営では、多くのメリットのほかに一定のリスクがつきものです。戸建て・アパート・マンション経営を視野に入れている方は、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:【マンション経営入門】失敗から学ぶマンション経営成功のポイント
戸建て・アパート・マンション経営に向いている人・土地
戸建て・アパート・マンション経営に向いているのは、計画的に賃貸経営を行える方や、できるだけ多くの家賃収入を得たいと考えている方です。
また、戸建て・アパート・マンション経営を考えるなら、賃貸需要のある場所に土地があるかどうかを考えましょう。最寄り駅から徒歩圏内の立地であるか、近くに小学校や中学校などの教育施設があるか、アパート・マンションを建てるならある程度の土地面積があるか、などです。
立地条件を活かしてテナント誘致を行い、賃貸経営を成功させた例もあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
参考事例:誘致開始から1ヶ月で医療機関のテナント契約した新築賃貸マンション
シェアハウス経営
シェアハウス経営は、建物を複数人に貸し出し、部屋を個別に利用し、キッチンやトイレ、浴室などを共有して利用するシェアハウスの賃貸経営です。シェアハウス経営のメリットやリスク、向いている人や土地の特徴を以下で紹介します。
シェアハウス経営のメリット・リスク
シェアハウス経営のメリットは、シェアハウスという特徴から幅広い募集条件の設定が可能になる点です。また、シェアハウス経営を続けていく中で経営が難しくなった場合でも、ほかの戸建て経営やアパート経営などに転用しやすいというメリットもあります。
一方で、シェアハウス経営は一般的な賃貸とは異なるため運営ノウハウが必要です。地域によっては集客が難しく、空室リスクの要因にもなりかねません。シェアハウス経営を行う際は事前に運営ノウハウを身に付け、シェアハウスのニーズがあるかどうかの見極めが重要になるでしょう。
シェアハウス経営に向いている人・土地
シェアハウス経営に向いているのは、管理業務に時間を割ける方や、人との交流が好きな方です。他人同士が複数同じ空間で生活を共にすることになるため、入居者様の管理には特に細かい気配りが必要です。
ある程度の土地の広さがあり、都心寄りの地域にある土地であれば、シェアハウス経営に向いているでしょう。複数人が一緒に住むには部屋数が多くなければならないうえ、入居者様それぞれの生活スタイルにあった環境であることも大切です。都心に近く、交通アクセスなどの生活環境がよければ、空室リスク対策にもなり得ます。
駐車場経営・コインパーキング
土地の上に建物を建てて賃貸に出すのではなく、土地自体で駐車場もしくはコインパーキングとして賃貸経営を行う方法もあります。駐車場経営やコインパーキングとして活用する際のメリットやリスク、向いている人や土地の特徴は以下のとおりです。
駐車場経営・コインパーキングのメリット・リスク
駐車場もしくはコインパーキングとして賃貸経営を行う際、土地の形状や大きさを気にする必要はありません。最低でも車1台分停められる広さがあれば、駐車場経営は成り立つからです。また、建物を建てないため災害リスクが少なく、ほかの賃貸経営方法と比べると初期費用を押さえられる点もメリットでしょう。
仮に今後土地をほかの方法で利用する予定があったとしても、一定期間はコインパーキングとして活用できます。
リスクとして挙げられるのは、税制上の優遇措置が少ない点です。また、アパートやマンション経営などと比べ、収益性が低い点も賃貸経営を行ううえでリスクとして考えておく必要があるでしょう。
駐車場経営・コインパーキングに向いている人・土地
気軽に賃貸経営を始めたい方や、少しでも副収入を得たいと考えている方は、駐車場経営・コインパーキングの活用が向いています。土地活用のための初期費用を抑えながら収入を得られるメリットを十分に享受できるでしょう。
また、駐車場経営・コインパーキングを行うなら、立地条件はいいものの、建物を建てられない土地や、 駅・商業施設・オフィス・マンションが近くにある土地、平らな土地が向いています。
特に駅やオフィス街では駐車場を必要とするケースが多いため、需要が高く駐車料金も高めに設定できるかもしれません。
以下ではコインパーキングの活用事例を複数紹介しているので、今後駐車場経営・コインパーキングを考えている方はぜひ参考にしてください。
参考事例:駐車場経営・コインパーキング経営の事例集
マンスリーマンション経営
土地の上にマンションを建て、各部屋を1ヶ月単位で賃貸に出すマンスリーマンション経営も土地活用として有効です。マンスリーマンション経営におけるメリットやリスク、向いている人や土地の特徴を紹介していきます。
マンスリーマンション経営のメリット・リスク
マンスリーマンション経営は、入居者様のリピート率が高い点が魅力です。短期の出張でマンスリーマンションを借りる方は、同じことがあったときに同じ場所を選びやすく感じます。また、普通の賃貸と比べて家賃滞納リスクが少ない点も魅力といえるでしょう。1ヶ月単位での利用のため、通常のマンション賃貸よりも家賃を高めに設定できるという点もうれしいポイントです。
ただし、マンスリーマンションは日常生活に必要な家具・家電をオーナー様が準備しなければならず、初期費用がかかります。加えて入居者様の入れ替わりが多いため、都度迅速な対応が必要となる点には注意が必要です。
入居者様の募集に関する集客ノウハウが、一般的な賃貸住宅とは異なる点を理解しておきましょう。マンスリーマンション経営を行うなら、法人契約ができる賃貸管理会社を選ぶと安心です。
マンスリーマンション経営に向いている人・土地
マンスリーマンション経営に向いているのは、入居者様の入れ替わりが多いことから管理に時間を割ける方、賃貸経営に関する知識やノウハウがある方などが挙げられます。また、個人よりも法人契約が取れるノウハウがある企業に向いているといえるでしょう。
マンスリーマンション経営には、マンション経営と同様に広い土地が必要です。一時的な入居者様が多いという特徴から、駅から近く、都心へのアクセスがいい立地、出張先となる企業が多い都心部にある土地が向いています。
トランクルーム経営
家の中に置けない荷物を預けられるトランクルームを貸し出すトランクルーム経営も、一定の需要を見込める方法です。ここでは、トランクルーム経営のメリットやリスク、向いている人や土地の特徴について紹介します。
トランクルーム経営のメリット・リスク
トランクルーム経営を行うメリットは、建物を建てる必要がないため戸建て・アパート・マンション経営に比べて初期費用を抑えられる点です。一般的に住宅としての需要が少ない地域でも、運営を実現できます。
ただし、マンション経営などと比べて収益性が低く、自分でトランクルームを購入する場合は初期費用がかかる点に注意しなければなりません。トランクルームには、コンテナ型や倉庫型などがあり、用途地域によってはトランクルーム経営が行えないこともあります。トランクルーム経営を行う際は、そもそも経営ができる土地なのか、収益を上げられるのかなど、事前に入念な調査が必要です。
トランクルーム経営に向いている人・土地
トランクルーム経営に向いているのは、管理の手間をかけたくない方や、初期費用を抑えて土地活用を始めたいと考えている方です。
また、住宅としての需要がない立地でも始められますが、ある程度の広い土地が必要になります。近くにマンションやオフィスビルがあると一定のニーズが見込めるため、トランクルーム経営に向いている土地といえるでしょう。
売却
場合によっては売却したほうがよいケースもあります。土地を売却する際のメリットやリスク、向いている人や土地の特徴については以下のとおりです。
売却するメリット・リスク
土地を売却すれば、まとまった資金を得られます。また、現金化されることで相続の際に売却金額を分割しやすくなるため、トラブル防止にもつながります。固定資産税などの維持費の支払いが不要になる点も、メリットといえるでしょう。
ただし、土地を売却すれば所有者でなくなるため、あとから「賃貸経営をしたい」と考えても叶えられません。土地活用による収入は得られなくなる点には注意が必要です。また売却時に売却益が出た場合は、譲渡所得として所得税の課税対象となることも覚えておきましょう。
売却に向いている人・土地
売却に向いているのは、相続した土地の維持・管理が困難、もしくは面倒に感じる方です。特に遠方にお住まいの方はそのまま放置するわけにもいかず、定期的なメンテナンスを行うための移動に時間がかかるなど、管理が大変になります。近くに住んでいても、今後その土地を使用する予定がなければ売却したほうがよいでしょう。
売却価格は土地の面積や形状、立地条件によって変わります。売却の際には複数の不動産会社に相談し、比較検討したうえで売却価格を決定しましょう。
生産緑地を相続した場合
相続した土地が「生産緑地」の場合、一般的な土地とは異なるため活用方法に悩むこともあるでしょう。ここでは生産緑地の概要について解説するとともに、生産緑地を相続した場合の活用方法について紹介します。
生産緑地とは
生産緑地とは、1992年に改正された生産緑地法によって制定された市街化区域内にある農地のことです。面積が500㎡以上の規模であること(自治体によっては300㎡以上)や、農業などの継続が可能な条件を備えていることなど、一定の要件に当てはまる農地が生産緑地に指定されます。
生産緑地として指定されることで固定資産税が軽減されるほか、相続税・贈与税の納税が猶予される点は魅力です。一方で、建物の建設や売却する行為の規制があるうえ、農業経営を一定の期間続けることが義務付けられています。
以下の記事では生産緑地の有効な活用方法について詳しく紹介していますので、参考にしてください。
参考記事:生産緑地の有効活用方法とは? アパート・マンション経営の注意点
生産緑地の活用方法
一般的な土地の活用方法と同様に、生産緑地も以下のような活用方法を選択できます。
①営農を継続する
農地としての活用を継続することで、固定資産税は宅地並みの課税を避けられるほか、相続税・贈与税の納付猶予を受けられます。そのまま農地として希望する方に貸し出すことも可能です。ただし、農業としての利用方法以外は選択できない点はデメリットといえるでしょう。
②生産緑地の指定を解除し、賃貸経営を行う
生産緑地の指定を解除した後に賃貸経営を行う方法もあります。入居者様がいるかぎり家賃収入を得られ、土地のうえに建てた建物の減価償却費を費用計上できるなど、節税対策にもつなげられます。
しかし、賃貸経営を行うとなると、建物を建設するための費用がかかります。また、指定を解除することにより、相続税のさかのぼり課税が発生する点にも注意が必要です。
③生産緑地の指定を解除し、売却する
指定を解除したうえで売却することにより、売却益を得られます。売却することで、固定資産税などの支払いが必要なくなるのもうれしいポイントです。
ただし、指定を解除することで税制上の優遇措置の対象から外れてしまうため、売却に時間がかかる場合は宅地並みの課税となってしまいます。賃貸経営と同様に相続税のさかのぼり課税も発生するので、売却のタイミングには注意しましょう。
生産緑地の指定を解除し、賃貸経営を行った事例として以下記事を紹介します。ぜひ参考にしてください。
参考事例:スモールタウン完成!生産緑地の解除から相続対策・建築までサポート
相続した土地活用の相談先
相続した土地をどのように活用するか悩んだ際には、次の専門家が頼れる相談相手として挙げられます。
● 不動産会社
● 建築会社
● 賃貸管理会社
● FP
● 金融機関
● 税理士
● 弁護士・司法書士
それぞれの専門家の特徴を紹介するとともに、どのような相談内容に向いているかもあわせて解説します。
また、以下の記事も相談する専門家を選ぶ際にお役立てください。
参考記事:土地活用の相談は誰にする?種類ごとに違う専門家と業者の選び方
不動産会社
不動産会社は、不動産に関する全般的な悩みに対してさまざまな提案やアドバイスをしてくれます。特に、土地の活用方法として売却を選んだ際には、不動産会社に相談するとよいでしょう。
ただし、不動産会社は買取が得意な会社や仲介を得意としている会社などがあり、会社によって得意分野が異なります。相談する際には複数の不動産会社に相談し、総合的に判断したうえで適切な解決方法を見出すようにしてください。
建築会社
ハウスメーカーや工務店などの建築会社は、建物の建築に関する専門知識を有しています。特に、自己使用として自分の住む家を建てる場合や、賃貸経営を行う目的でアパートやマンションを建てる場合の相談先としておすすめです。
建築会社によってはアパートやマンションの建築範囲に制限を設けているところや、狭小地での戸建て住宅の建築が得意なところなど、会社によって特徴が異なるので、あらかじめ相談する建物の建築が可能な会社かどうか確認しておきましょう。
賃貸管理会社
賃貸管理会社は主に賃貸物件の管理を専門的に行っている会社で、中には賃貸仲介を行うところもあります。土地活用として賃貸経営を考えている場合に向いている相談先です。
賃貸経営をトータルサポートする賃貸管理会社だと、客観的な視点を元にした実務能力が一番の魅力です。運用中の募集力や仲介力、管理対応、工事/設備対応はもちろん、賃貸経営を始めるところから出口戦略までトータルサポートをしてくれるでしょう。
賃貸管理会社を選ぶ際は、大手のよさと地域密着型のよさを兼ね備えたハイブリット型企業をおすすめします。
FP
FP(ファイナンシャルプランナー)とはお金の専門家であり、税金や相続、保険などの幅広い知識を持っています。相続した土地を活用するための資金計画の相談先として利用するとよいでしょう。
独立系のFPだけでなく、不動産会社や賃貸管理会社に所属しているFPもいるため、場合によっては土地活用の具体的な方法などもあわせて相談できるでしょう。土地活用だけでなく、資産全体のアドバイスを求めている方にもおすすめです。
金融機関
土地活用は売却を除いて多くの場合、金融機関から融資を受けて行うことになります。資金調達のために、まず金融機関に相談したいと考える方も少なくありません。特に自己使用や賃貸経営を行う場合は、金融機関に相談するとよいでしょう。
金融機関では、相続による資産活用の相談を専門的に行っている部署が設けられていることもあるので、比較的相談しやすい環境です。実際に資金調達のための融資審査を申し込む際、スムーズに話を進められるかもしれません。
税理士
土地を相続した場合、相続税がかかるうえ、土地の活用方法によってはさらに税金がかかる可能性もあります。
税金に関する専門家の税理士に相談することで、資金計画が立てやすく、土地活用する際に利用できる税制上の優遇措置や注意点などもアドバイスしてもらえるため、安心して土地活用を進められるでしょう。特に相続対策として土地活用する際の相談先として、税理士をおすすめします。
弁護士・司法書士
土地活用などの不動産関連では契約手続きが多く、法律の専門家である弁護士や司法書士が力になってくれるケースも多くみられます。登記に関する手続きは、基本的に司法書士に依頼することが多く、相続では相続人同士のトラブルが多いため、弁護士が介入するケースが多いです。
弁護士や司法書士には、売却を考えている際や、賃貸経営におけるトラブル対応の際に相談するとよいでしょう。
相続した土地を活用する際の注意点
相続した土地の活用は、相続税対策としても有効な手段です。土地活用を行う際には以下のようなポイントに注意し、土地活用の選択を間違えないようにしましょう。
● 土地活用の目的を定める
● 土地や地域の特性に合わせる
● リスクについて把握しておく
● 節税効果が高い土地の活用方法かを考慮する
● 出口戦略を決める
それぞれ詳しく解説していきます。
土地活用の目的を定める
土地活用を行う際には、収益化を目的としているのか節税対策として、または遊休地となっている土地を活用したいのか、など目的をはっきりさせることが大切です。
目的がないまま土地の活用方法を決めると、思うような結果が得られず後悔してしまうかもしれません。土地の条件によって活用方法の向き・不向きがあるため、相続した方の状況とあわせて最適な方法を見出す必要があります。
あらかじめ目的を定めておくことで、目的に合わせたプランを立てられ、土地の活用方法が明確になるでしょう。
土地・地域の特性に合わせる
相続した土地の形や大きさはさまざまあり、角地か中地かといった立地条件も異なります。同時に、土地が位置する地域の特性にも土地活用の方法を合わせる必要があるでしょう。
地域の特性は、例えば住宅の需要が多い地域だったり、駅近にも関わらず駐車場が不足していたり、大学や企業の工場が周囲に多く、1人暮らし用のアパートやマンションの需要が集まっていたりと、どのような周辺環境で何が不足していて何に需要があるのかを見極められます。
土地や地域の特性に合わせることができれば、土地活用の方法を間違えずに賃貸経営を成功に導けるでしょう。
リスクを把握しておく
土地活用にはさまざまなリスクがともなうことを理解しておかなければなりません。賃貸経営で想定されるリスクは以下のとおりです。
● 空室リスク
● 老朽化リスク
● 家賃滞納リスク
● 災害リスク
● 金利変動リスク など
リスクを把握するだけでなく、対策を講じてリスクを減らす必要があります。リスクを最小限に抑えるためにも、リスク対策が万全な不動産会社や賃貸管理会社に相談するとよいでしょう。
賃貸経営や不動産投資の参考記事を紹介します。ぜひ参考にしてください。
参考記事:【初心者向け】不動産投資のメリット7選! リスクと対策を徹底解説
節税効果の高い活用方法かどうか考慮する
どの活用方法を選択するかによって最終的にかかる税金の額が異なるため、節税効果を比較し、効果が高い活用方法を選択するようにしましょう。
土地の活用方法において税制上の優遇措置があるのは、固定資産税・都市計画税、相続税ですが、ほかにも優遇措置や控除が受けられるものもあります。自分だけでは調べられない場合には税理士などの専門家に相談し、アドバイスをもらうことをおすすめします。
参考記事:土地の相続手続きの流れとは? 遺産分割の方法と相続税節税の仕組みを解説
出口戦略を定める
土地を相続する際は、出口戦略をあらかじめ定めておくようにしましょう。土地活用で賃貸経営を選択した場合、家賃収入などのインカムゲインに加えて、売却時に得られるキャピタルゲインもあります。
出口戦略を定めておけば、逆算して収支計画を立てられるでしょう。自分だけでは出口戦略を定めるのが難しい場合には、信頼できるパートナーへの相談も可能です。
なお、すでに駐車場やコインパーキング経営をしている状態の収益物件の相続は、賃貸経営に関する問題に加え、遺産分割問題も考える必要があり複雑になりがちです。相続人だけでの判断や対応が難しいため、賃貸経営に詳しい専門分野のパートナーに依頼したほうがよいでしょう。
参考事例:敷地面積777㎡と開発を要する土地売却!希望価格で売却した成功事例
まとめ 相続した土地活用の方法に迷ったらパートナーに相談を
相続した土地の活用方法には、地域やその土地を利用する方のニーズがどのようなものに適しているかを考える必要があり、活用方法に悩んでいるオーナー様を正しい道に導いてくれるパートナーが必要です。
相続人同士の合意をはじめ、複雑な取り決めなど、手続きのコーディネーター役として、相続対策と土地活用をトータルに伴走する【リロの不動産】は、コインパーキングや賃貸経営を行う不動産の建築、建て替えなど、地域の需要に合わせた土地活用が可能です。税理士や弁護士など各分野の専門家と一緒に伴走いたします。
相続した土地の活用方法に悩んだ際は、ぜひ一度【リロの不動産】にご相談ください。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。