マンション管理費とは? 相場・内訳と分譲マンションとの違いを収益物件オーナー様向けに解説

2026.11.08

「マンションの管理費」と聞いて多くの方が思い浮かべるのは、分譲マンションの区分所有者が毎月管理組合へ払う費用でしょう。一方で収益物件では、オーナー様が賃貸管理会社へ支払う管理委託手数料も「管理費」と呼ばれます。さらに賃貸マンションの募集条件では、入居者様が家賃とは別に支払う費用を「管理費」とする場合もあります。

このように、同じ「管理費」でも指す費用はさまざまで、支払う主体や使い道も変わるため、混同しないよう注意したいところです。

本記事では分譲マンションの管理費、一棟・区分の収益物件における管理委託手数料やそれ以外の管理費の概要、ランニングコストを抑える方法などを解説します。

▼この記事の内容

●一般的に「マンションの管理費」という場合、分譲マンションで区分所有者が支払う費用を指す場合が多い。分譲マンションには修繕積立金もあり、将来の大規模修繕に備えた長期的な積立金となる。

●収益物件である一棟マンションの管理費は、オーナー様が管理会社へ支払う管理委託手数料を指す場合が多い。

●収益物件である区分マンションのオーナー様は、専有部分の賃貸管理費用に加え、管理組合へ支払う管理費・修繕積立金も負担する。

●マンション経営のランニングコストを抑える方法としては、管理委託手数料を適正化する、不具合が発生する前に点検・メンテナンスを行う、入居者審査を厳格に行う、がある。

マンション管理費とは?

マンション管理費という場合、分譲マンションの区分所有者が負担する費用を指すのが一般的です。収益物件の管理コストを考える前提として、まずは分譲マンションにおける管理費の仕組みと役割を押さえておきましょう。

管理費の役割と目的

分譲マンションでは、専有部分を区分所有者がそれぞれ所有する一方、エントランスや廊下などの共用部分は区分所有者全員の共有財産です。共用部分の維持管理は、区分所有者全員で構成する「管理組合」が担っています。

管理費は、この管理組合が共用部分を日々維持していくための財源となる費用です。管理組合は、区分所有者から毎月徴収したお金を清掃や設備の保守、管理員の人件費などにあてています。

共用部分の手入れが行き届いていれば建物の経年劣化は緩やかになり、売却や賃貸に出すときの評価も下がりにくくなります。管理費は、物件の資産価値を守るための費用ともいえるでしょう。多くの管理組合は会計などの実務をマンション管理会社へ委託しており、その委託費も管理費から支払われます。

修繕積立金との違い

管理費と同様、区分所有者が管理組合へ毎月納める費用として修繕積立金が挙げられます。2つの費用は似たように感じるかもしれませんが、使い道と使うタイミングが異なります。

管理費は、清掃や点検、共用部分の電気代など、日常的に発生する支出を賄うランニングコストです。

一方の修繕積立金は、外壁塗装や屋上防水といった十数年おきの大規模修繕に備えて、長期にわたって積み立てておく費用です。国土交通省のマンション標準管理規約でも、修繕積立金は計画的な修繕などの特別な管理に要する経費にあてる場合にかぎって取り崩せると記載されています。日頃の運営費と修繕費を分けて管理することで、いざというときの資金不足を防いでいるのです。

出典:国土交通省 マンション標準管理規約

マンション管理費の主な使い道

管理費を何に使うかは、マンションごとの管理規約で定められています。国土交通省のマンション標準管理規約を参考に、代表的な5つの使い道をみていきましょう。

共用部分の清掃・美観維持

エントランスや廊下、階段、ゴミ置き場などの共用部分の清掃費は、管理費から捻出されます。日常清掃は管理員が担い、床の洗浄をはじめとする定期清掃は専門会社に依頼するのが一般的です。

共用部分は住民だけでなく、来客や購入・賃借を検討する方の目にも触れます。エントランスや廊下が汚いと「管理が行き届いていない建物」という印象を持たれてしまい、売却価格や家賃にも響きかねません。適切な費用をかけて、日頃からこまめに清掃しておくことが、建物の印象と資産価値を維持する土台となります。

管理員業務・受付業務

管理員の人件費も管理費から賄われています。管理員は受付や来訪者への対応、共用部分の巡回・清掃、工事業者の立ち会いなどを担当し、建物の異変をチェックする役割も果たします。

費用を左右するのが勤務形態です。管理員が住み込む常駐型や、平日の日中に勤務する日勤型は人件費がかさむ一方、トラブルがあった場合に迅速な対応が期待できます。週に数回など訪問回数を絞る巡回型なら費用を抑えられるものの、管理員の不在日が多くなります。人件費の安さだけでなく、建物規模や求める管理の質に見合った体制かどうか見極めることが重要です。

設備点検・法定点検

エレベーターや消防設備、給水設備などの点検費用も管理費に含まれます。設備の一部は法律で定期点検が義務付けられています。例えば、消防用設備は消防法に基づき、6ヶ月ごとの機器点検と1年ごとの総合点検を行い、一般的な住宅専用の共同住宅の場合は3年に1回、結果を消防署へ報告しなければなりません。

点検を怠ると、火災が起きた際に設備が作動しないなど、重大な事故につながるおそれがあります。小さな異常を見逃さずに都度対応すれば、故障により高額な交換費用が生じる事態も避けやすくなるでしょう。定期点検にかかる費用は、事故防止と設備の長寿命化の両面で欠かせない支出です。

共用部の光熱水費・保険料

共用部分の照明やエレベーター、給水ポンプ、機械式駐車場などを動かす電気代、共用の水道代も管理費から支払われます。費用は設備の数や稼働状況に左右されるため、大規模なマンションほど高くなる傾向です。共用部分の火災保険や地震保険などの損害保険料も、管理費から支払われます。

電気代の高騰や保険料の値上げによって、管理組合の支出も膨らみます。管理組合には、共用部分の照明のLED化をはじめとする電気使用量削減や、必要に応じた保険の見直しによる費用の適正化が求められるでしょう。

管理組合の運営費

管理組合の総会・理事会の開催費用、議事録や会計報告書の作成費、通信費、備品費なども管理費で賄われます。

こうした費用を適切に盛り込み、管理組合の運営がスムーズに進めば、修繕の判断や規約の見直しといった意思決定もしやすくなります。日々の運営や会計の透明性も高まり、不明瞭な支出をめぐるトラブルも起こりにくくなるでしょう。

マンション管理費の平均相場

国土交通省「令和5年度マンション総合調査」によると、2023年度の1戸・1ヶ月あたりの管理費総額は平均17,103円でした。この金額には駐車場使用料などからの充当額が含まれており、実際に区分所有者が納める額より大きくなる傾向にあります。

区分所有者の負担に近いのは、駐車場充当額を除いた平均の11,503円で、建物が1棟だけの単棟型に絞ると11,580円です。管理員の人件費などは戸数にかかわらず一定額かかるため、負担する戸数の多い大規模マンションほど、1戸あたりの管理費は低くなる傾向にあります。

ただし、平均値は全国の物件をならした参考値にすぎません。地域や築年数、設備の充実度によって金額に幅があるため、あくまで目安と捉えましょう。

出典:国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果

収益物件である一棟マンションの管理費とは?

分譲マンションの管理費が管理組合へ支払うものであるのに対し、一棟マンションを経営するオーナー様にとっての「管理費」は、多くの場合、賃貸管理会社へ支払う管理委託手数料を指します。ここでは一棟マンションの費用構造を整理しておきましょう。

一棟マンション経営における管理委託手数料

管理委託手数料は、賃貸管理会社の業務に対する対価として支払う費用です。賃貸管理会社が担う業務は、入居者様の募集や家賃の集金、問い合わせ・クレームへの対応、契約更新や退去の手続き、建物の巡回・清掃の手配に至るまで多岐にわたります。

分譲マンションの管理費が共用部分を維持する費用であるのに対し、管理委託手数料は賃貸経営における業務を委託するための費用と考えればよいでしょう。

どこまでの業務を委託するかは、賃貸管理会社や契約プランによって異なります。家賃の集金代行だけを任せる契約もあれば、入居者様募集から建物管理、修繕の提案までまとめて任せる契約までさまざまです。賃貸管理会社を選ぶ際は手数料の高低だけでなく、業務範囲も含めて比較しましょう。

管理委託契約で確認しておきたいポイントは、以下の記事で解説しています。

【事例付】管理委託契約とは? 委託管理と賃貸管理会社の選定方法!

一棟マンション経営の管理費は誰が払うのか

一棟マンション経営で管理委託手数料を支払うのはオーナー様です。一棟マンションでは建物全体をオーナー様が所有しているため管理組合は存在せず、オーナー様が賃貸管理会社と直接契約を結ぶからです。

手数料は家賃収入に対する割合で決まることが多く、賃貸管理会社が入居者様より集金した家賃から手数料を差し引いたうえで、残りの金額がオーナー様へ送金されます。

賃貸マンションの募集条件では、家賃とは別に「管理費」や「共益費」を設定する場合もあります。これは入居者様が共用部分の維持費などの名目で毎月支払う費用です。建物や共用部分の維持管理費用にあてるのが基本ですが、「管理費」「共益費」の金額設定に法的な基準はなく、家賃とともにオーナー様の収入として扱われます。

管理委託手数料の平均相場

管理委託手数料には法令上の上限や基準はなく、賃貸管理会社がそれぞれ設定しています。一般的には家賃収入の5%前後を目安とする会社が多いものの、業務範囲や物件の戸数、地域によって幅があります。

料率の低い会社を選べばよいというわけではありません。料率は低いものの、他社よりもサービス範囲が狭かったり、オプション料金が追加されたりするケースもあるからです。手間や追加費用がかかるようでは、年間の管理コストはかえって高くなりかねません。

複数の賃貸管理会社から見積もりを取り、対応業務と追加費用の内訳を並べて比較すれば、本当の管理コストを確認できるでしょう。

管理委託手数料と管理の質の関係は、以下の記事で詳しく解説しています。

賃貸管理会社の選定基準は手数料の安さか、収益性を高める管理か

管理委託手数料以外のランニングコスト

一棟マンション経営では、管理委託手数料のほかにも定期的に発生する費用があります。オーナー様が負担する主なランニングコストの中身をみていきましょう。

共用部分の光熱水費

一棟マンションでは、エントランスや廊下の照明、エレベーター、給水ポンプ、駐輪場の照明などで使う電気代と水道代は原則オーナー様の負担です。エレベーターや給水ポンプは入居者様が生活しているかぎり稼働し続けるため、空室の有無に関係なく定期的に発生します。

電気料金や水道料金の値上げがあれば、当然オーナー様の手取り収入は目減りすることになります。値上げが見込まれるタイミングでは、共用灯のLED化や電力契約の見直しなどの節約方法を検討したいところです。

なお、共用灯のLED化工事については、各自治体が補助金制度を設けています。物件の所在する都道府県・市区町村の公式サイトなどで調べてみましょう。

ローンの利息

金融機関からの借入で物件を購入した場合、毎月のローン返済には元金返済分と利息支払い分が含まれます。このうち利息は、キャッシュフローに直接影響するコストです。変動金利で借りていれば、金利が上がるにつれて返済額が増え、手残りが想定よりも小さくなる可能性もあります。

確定申告で必要経費にできるのは利息部分だけで、元金の返済分は経費になりません。手元の現金が足りなくなる事態を避けるためにも、元金と利息を分けて把握し、金利上昇も想定した返済計画を立てておきましょう。

修繕費

給湯器やエアコンの故障、水漏れ、退去後の原状回復など、日常的な修理や設備の交換にかかる費用です。発生のタイミングを予測しにくいため、家賃収入から一定額を積み立てておくケースも少なくありません。

不具合が軽微なうちに対応しておけば被害の拡大を防げます。結果、将来の大規模修繕にかかる費用を抑えられる可能性もあるでしょう。

マンションで必要な修理・修繕の内容は、以下の記事で詳しく解説しています。

マンションの修理・修繕内容とは?賃貸経営におけるトラブル防止の対応方法

保険料

建物を火災や自然災害から守るための火災保険料や地震保険料も、定期的に発生するランニングコストです。一棟マンションでは建物全体がオーナー様の資産であるため、万が一の被害はオーナー様の大きな損失となります。

保険は補償を手厚くするほど保険料が上がる傾向にあるものの、削りすぎると被災時の自己負担がかさみます。ハザードマップをチェックして補償の要否を判断するなど、物件のリスクに沿った補償内容と保険料のバランスを見極めることが重要です。

広告宣伝費

空室が出たときの入居者様募集にかかる費用です。不動産ポータルサイトへの掲載費用のほか、不動産仲介会社へ支払う広告費用が該当します。

専門家への報酬

確定申告を依頼する税理士や、登記・相続の手続きを依頼する司法書士、運用方針を相談する不動産コンサルタントなどの専門家へ支払う報酬も、賃貸経営に必要なコストに含まれます。

専門家の助言で節税の余地や資産の組み換えの選択肢が見つかれば、支払った報酬以上の効果が得られるかもしれません。複数の物件を所有するオーナー様や、相続を見据えて資産を整理したいオーナー様にとって、専門家への相談は長期的な収益の安定に役立つ可能性があります。

固定資産税・都市計画税

不動産を所有していると、毎年1月1日時点の所有者に対して固定資産税と都市計画税(原則として市街化区域内の土地・家屋など自治体が定める課税対象のみ)が課されます。物件を所有し続けるかぎり発生する費用であり、家賃収入の大小に関係なく、毎年の支出として見込んでおく必要があります。

収益物件にかかる固定資産税・都市計画税は不動産所得の必要経費に算入できるため、確定申告の際には納税通知書の金額を確認し、漏れなく計上してください。

減価償却費

建物や設備は年数の経過とともに価値が下がるため、取得にかかった費用を法定耐用年数にわたって分割し、減価償却費として毎年経費計上します。減価償却費はあくまで会計上の処理であり、実際に現金が出ていくわけではありません。

減価償却費の経費計上によって不動産所得が帳簿上赤字になった場合、給与所得などほかの所得と損益通算することで、所得税・住民税の負担を抑えられるケースがあります。

法定耐用年数は建物の構造と用途によって定められており、住宅用では鉄筋コンクリート造が47年、木造が22年です。中古マンションでは築年数によっても残り耐用年数が変わってくるため、税理士に相談しながら進めるのもよいでしょう。

出典:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表

出典:国税庁 No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算

区分マンション経営における管理費とは?

マンションの一室もしくは複数室を第三者に賃貸する区分マンション経営は、一棟マンション経営と費用の構造が異なります。オーナー様は専有部分の賃貸管理費用を負担しつつ、区分所有者として管理組合へ管理費と修繕積立金を支払う必要があります。

管理組合へ支払う管理費

区分マンションのオーナー様は区分所有者です。自分で住んでいるわけではありませんが、管理組合へ毎月の管理費を納める義務があります。支払った管理費で共用部分や設備がきれいに整えられていれば、内見の印象がよくなって空室を埋めやすくなります。将来の売却時の評価にも影響するため、オーナー様の賃貸経営にとっても無関係な費用ではありません。

一方で、たとえ空室でも管理費の支払いは続くため、空室期間が長引くと負担も大きくなります。

修繕積立金の負担

オーナー様は管理費とは別に修繕積立金も毎月拠出します。国土交通省「令和5年度マンション総合調査」によると、1戸あたりの平均は月額13,054円(駐車場使用料等からの充当額を除く)で、管理費と合わせると月々2万4,000円〜2万5,000円ほどの固定費が発生する計算です。

さらに、修繕積立金は将来上がる可能性があります。築年数に応じて段階的に引き上げる段階増額積立方式のマンションが47.1%を占め、計画に対して積立額が不足しているマンションも36.6%ありました。新築当初の金額で収支計画を立てていると、値上げによって収支が圧迫されるおそれもあります。長期所有を考えているなら、将来的なコストアップも想定しておきましょう。

出典:国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果

専有部分の管理委託手数料

賃貸管理会社に委託する場合、管理組合へ納める費用とは別に管理委託手数料が発生します。管理組合へ納めるのが共用部分の維持管理にかかる費用であるのに対し、こちらはオーナー様が所有する専有部分の賃貸経営に関わる業務を委託するための費用です。

例えば家賃10万円の住戸で管理費が1万円、修繕積立金が1万5,000円、管理委託手数料が家賃の5%(5,000円+消費税)なら、毎月の固定費は約3万円となります。さらにここからローン返済や税金の支払いを行った残金が、オーナー様の最終的な手残りとなるのです。

区分マンション投資のメリットとデメリットは、以下の記事で解説しています。

現金購入で始める!区分マンション投資のメリットとデメリット

区分マンションを手放す際の手順と注意点は、以下の記事を参考にしてください。

【事例付】区分マンション売却の最適な時期はいつ?売却手順や売却時の費用目安、注意点まで徹底解説

一棟マンション経営における管理方式の選び方

一棟マンションの管理方法には、主に自主管理方式、管理委託方式、サブリース方式の3つがあります。どれが向いているかは、オーナー様の賃貸経営の経験値や本業の忙しさ、ライフスタイルによって変わります。それぞれの仕組みとメリット・デメリットを確認しておきましょう。

自主管理方式

自主管理方式は、賃貸管理会社を利用せず、オーナー様が自ら入居者様の募集から家賃の集金、クレーム対応、建物の清掃や修繕の手配まで、すべての運営管理を手がける方法です。

自主管理は費用を抑えられる反面、賃貸経営に関わる業務と責任がすべてオーナー様に集中します。所有物件が小規模な1件のみであれば対応できるかもしれませんが、物件数が増えてくると一人だけで運用するのは難しくなってくるでしょう。

たとえ物件数が少ないとしても、物件の近くに住んでいて平日も余裕をもって対応できる方や、賃貸経営の実務に精通した方でなければ、自主管理を続けていくのは簡単ではありません。

自主管理のメリット

自主管理のメリットは、何といっても管理委託手数料がかからないことです。例えば年間の家賃収入が1,200万円の一棟マンションで賃貸管理会社に委託する場合、管理委託手数料が5%とすると年間60万円かかります。一方、自主管理ならこの金額をそのまま収入として手元に残せます。

もう1つのメリットは、物件の状況を細部まで把握しやすい点です。オーナー様が入居者様と直接やりとりし、共用部分の清掃や設備の点検にも自分で立ち会うため、入居者様のニーズや困りごと、建物や設備の劣化などにいち早く気づくことができます。自分の判断で募集条件を変えたり協力業者を選んだりできるので、変化やトラブルへスピーディに対応できるのも利点といえるでしょう。

また、入居者様との距離が近いため、信頼関係を築きやすい面もあります。いつでも相談してもらえるような関係性があれば、入居者様一人ひとりの要望に対して柔軟に応えられ、入居者様の満足度向上や退去の抑制につながる可能性もあるでしょう。

自主管理のデメリット

一方で、自主管理には相応の手間とリスクがともないます。水漏れや鍵の紛失、騒音の苦情といったトラブルは昼夜を問わず起こるため、夜間や休日でも連絡を受けられるようにしておかなければなりません。対応が遅れれば入居者様の不満が募り、退去や評判の低下につながるおそれがあります。

さらに、家賃滞納の督促や賃貸借契約の更新、退去後の原状回復の費用負担の判断などには、借地借家法・民法、国土交通省のガイドラインといった専門的かつ多角的な知識が求められます。知識が不足したまま対応すると、入居者様とのトラブルが長引いたり、最悪の場合訴訟に発展したりするおそれもあるでしょう。

賃貸経営以外の本業を持つオーナー様にとっては、こうした対応に割く労力そのものが大きな負担でありリスクです。収入を最大化するつもりで選んだ自主管理が、空室の長期化や対応の遅れを招き、かえって収益を下げてしまうことにもなりかねません。手数料がかからないというメリットだけでなく、こうしたコストまで含めて判断してください。

自主管理については、以下の記事が参考になります。

アパート・マンション経営の管理費相場とは?収益を高める委託管理と自主管理の違い

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管理委託方式

管理委託方式は、入居者様の募集や家賃の集金、入居者様への対応、建物管理といった業務の一部または大部分を賃貸管理会社に委託し、オーナー様は賃料の設定や修繕の実施といった最終的な意思決定を担う方法です。手間のかかる管理業務をプロに任せられるため、この方法を選択するオーナー様が増えています。

委託する業務の範囲は契約で決めることができます。家賃の集金と入居者様への対応だけを任せる契約もあれば、入居者様募集から建物の清掃・点検、修繕の手配まで包括的に任せる契約もあり、オーナー様がどこまで関わりたいかによって調整が可能です。

先述のとおり、委託する業務が幅広くなるほど、賃貸管理会社へ支払う管理委託手数料は高くなる傾向にあります。管理委託方式を選ぶ場合は、自分で業務を行う手間も考慮しつつ、費用とのバランスをふまえて検討してください。

管理委託については、以下の記事が参考になります。ご参照ください。

賃貸管理サービスを事例で紹介!管理委託の仕組み・内容・費用・選び方まで徹底解説

賃貸経営の核心となる不動産の賃貸管理! 管理会社の対応力と長期視点が大事

管理委託方式によって賃貸経営を成功させた事例はこちらをご覧ください。

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管理委託方式のメリット

管理委託方式の大きなメリットは、賃貸経営にかかる手間を大幅に減らせることです。入居者様からの連絡や設備トラブルへの一次対応を賃貸管理会社に任せられるため、オーナー様は本業や経営目線での分析・戦略立案、次の物件探しなどに労力を振り向けられます。

もう1つの利点は、空室対策や入居者様募集で、プロのノウハウを活用できることです。空室が発生すると家賃収入が入らなくなるため、収支に直接影響します。空室をなるべく早く埋めるには物件の魅力を伝えるアピール力と、来店客に物件を紹介する仲介力の両方が欠かせません。周辺地域の需要を把握した賃貸管理会社に委託すれば、適正な賃料や募集方法を提案してくれるので、空室期間を短縮しやすくなるでしょう。

【リロの不動産】では、大阪府にある築35年の一棟マンションで、自主管理のまま6部屋の空室が埋まらずにいたオーナー様から管理のご依頼を受けました。周辺の家賃相場にもとづく募集賃料の見直しと募集方法の改善、周辺不動産会社へのリーシング強化により、原状回復のみで満室稼働を実現しました。

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手数料はかかるものの、こうした募集力や提案力への対価と考えて、委託の可否や委託先を判断してください。

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管理委託方式のデメリット

管理委託手数料が発生し、その分だけ自主管理より毎月の手取りは少なくなります。ただし、賃貸管理会社の募集力によって空室期間が短くなったり、適正な賃料で成約できたりすれば、手数料以上の収入アップを実現できる可能性があります。また、良質な管理によって満足度が高まれば、入居者様の定着率もアップするかもしれません。

なお、委託する賃貸管理会社によっては、オーナー様の意向が反映されにくくなることも考えられます。修繕の内容や工事業者を一方的に決められたり、収支報告の粒度が粗くて判断材料に乏しかったりすると、オーナー様の経営に影響が出かねません。提案の根拠を数字で示してくれるか、定期的な報告と相談の場があるか、修繕の見積もりを事前に共有してくれるかなどのポイントを押さえ、信頼できる会社を選ぶ必要があります。

サブリース方式

サブリース方式は、賃貸管理会社(サブリース会社)が物件を一括で借り上げ、入居者様に転貸する仕組みです。オーナー様とサブリース会社の間で結ぶ契約はマスターリース契約(特定賃貸借契約)と呼ばれ、オーナー様は入居状況にかかわらず、契約で定めた保証賃料をサブリース会社から受け取ります。

保証賃料は、サブリース会社が入居者様から受け取る家賃の一定割合で設定されるのが一般的で、残りがサブリース会社の受け取る手数料となります。入居者様との賃貸借契約の当事者はサブリース会社であるため、入居者様の募集や家賃の集金、トラブル対応もサブリース会社の役割です。

マスターリース契約の仕組みやサブリースとの違い、家賃保証のメリット・デメリットなどは、以下の記事をあわせてご覧ください。

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サブリースのメリット

サブリース方式のメリットは、空室や家賃滞納が発生しても、契約で定めた保証賃料が毎月入ってくることです。通常の管理の場合、空室が出ればその部屋の家賃収入はゼロになります。一方、サブリースではそのリスクをサブリース会社が引き受けるため、オーナー様の収入が安定しやすくなります。

毎月の収入が読みやすくなることで、ローン返済や修繕費の支出計画も立てやすくなります。日頃の入居者様対応や募集もサブリース会社が主体となって実施するため、本業が忙しくて賃貸経営に手間をかけられないオーナー様の有力な選択肢にもなるでしょう。

【リロの不動産】では、宮城県仙台市太白区にある築21年・1K・8戸の木造アパートについて、坂道の多い立地を懸念するオーナー様に対し、立地や建物の概要、周辺環境を精査したうえで借上げ金額を提示しました。改善後には満室となり、サブリースによって収入が安定したオーナー様はゆとりを持って賃貸経営を続けられています。

このように立地に課題がある物件でも、サブリースによって安定経営を実現できるケースがあります。

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サブリースのデメリット

保証賃料は元の家賃に一定割合をかけて設定されるため、満室時の収入は通常の管理より少なくなります。さらにマスターリース契約には、2年ごとなど定期的に保証賃料を見直す条項が設けられていることが多く、築年数の経過や周辺地域の賃料相場の低下などを理由に、保証賃料の減額を求められる可能性があります。

契約の解除にも注意が必要です。サブリース会社は借主の立場になるため、貸主であるオーナー様からの契約解除には、借地借家法上の「正当事由」が求められます。正当事由が認められるケースはかぎられるため、オーナー様の都合で解約するのは容易ではありません。契約前に賃料改定や免責期間、解約の条件をしっかり確認しておきましょう。

適した管理方式は、物件の特性やオーナー様の賃貸経営に対するスタンスによって異なります。サブリースの成功事例、管理形態をサブリースから変更して成功した事例、どちらも紹介しますので判断の参考にしてください。

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サブリース方式から管理受託方式への切替

サブリースに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。ご参照ください。

【事例付】サブリース新法を徹底解説! 契約時の注意点とメリット・デメリット

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マンション経営のランニングコストを抑える方法

収益物件の運用では、日々のランニングコストを適正に管理する必要があります。ただし、コストを削るだけで手取りを増やせるわけではない点に注意しましょう。

改善事例については、以下をご参照ください。

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管理委託手数料を適正化する

管理委託手数料は賃貸管理会社によって差があるため、手数料が高いと感じているなら、業務範囲と費用のバランスを今一度確認してみましょう。不要なオプションが含まれていないかも点検しておくべきポイントです。

【リロの不動産】では、東京都大田区の一棟マンションで管理手数料を以前より1%削減し、オーナー様にとって年間約12万円の節約を実現しました。従来の管理会社から切り替えを希望していた大阪府大阪市の区分マンションオーナー様に対しては、以前よりも低い管理料3%でお引き受けするとともに、周辺相場データをもとに次回募集での家賃アップの可能性もお伝えしています。

1棟管理依頼で毎月の1%管理手数料の削減!管理費削減

管理費削減による収支の改善と賃料アップによる賃貸経営の改善!

ただし、料率の低さだけを追求すると判断を誤るおそれがあります。例えば家賃8万円・20戸の一棟マンションなら満室時の年間家賃収入は1,920万円で、料率が3%だと支払う手数料は年間57万6,000円、5%だと年間96万円(差は38万4,000円)です。

一方で、2戸がそれぞれ3ヶ月空室になると、48万円の家賃収入が得られなくなります。料率の差で節約できる38万4,000円を上回る計算です。手数料の安さを追うあまり、募集力に欠ける会社を選んでしまうと、たとえ料率が低くても最終的な手残りは少なくなってしまう可能性があるのです。

手残りを増やすためには、料率が適正な水準であるとともに、募集力の高い会社を選びましょう。

不具合が発生する前に点検・メンテナンスを行う

設備の不具合を放置すると、修繕の規模も費用も大きくなりやすいものです。例えば屋上防水の劣化を見過ごして雨漏りが起きれば、天井や内装の張り替え、入居者様への補償まで必要になり、早期に対策する場合の何倍もの費用がかかる可能性があります。

定期的な点検で異常を早期に見つけられれば、部分的な補修で済み、結果的にコストを抑えられる場合が少なくありません。

また、突発的な故障で入居者様の生活に支障が出れば、不満から退去につながるおそれもあります。予防的なメンテナンスは修繕費を抑えるだけでなく、入居者様に長く住み続けてもらうための空室対策としての意味も持つのです。

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賃貸経営の建物管理とは?建物管理に強い賃貸管理会社の選び方を解説

入居者審査を厳格に行う

家賃滞納や短期間での退去、入居者様の故意・過失による建物や居室の損傷は、いずれも収益を悪化させる要因です。滞納が続けば督促や法的手続きに手間と費用がかかります。退去が繰り返されれば、そのたびに原状回復費や広告費が発生し、手残りが減ってしまうでしょう。

こうしたリスクを軽減するには、申し込み時の入居者審査を厳格化するのが有効です。勤務先や年収といった支払い能力の確認に加え、家賃保証会社の利用や緊急連絡先の確認などを組み合わせ、審査の基準を明確にしておくことが求められます。

空室を早く埋めたいばかりに審査を甘くすると、後から滞納やトラブルが起きて、かえって収支の悪化を引き起こしかねません。適切な審査基準でリスクのある申込者を事前に見極めることが、長期的な安定経営につながります。

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【事例付き】入居者管理の基本から実務対応を徹底解説!賃貸経営を安定させる管理手法とリスク対策

まとめ

区分所有者が管理組合へ納めるマンション管理費と、収益物件のオーナー様が賃貸管理会社へ支払う管理委託手数料とでは、支払う相手も目的も異なります。両者の違いを理解してコストを正しく把握することが、安定した賃貸経営の第一歩となります。

管理委託手数料は安ければよいものではなく、空室期間を短くし、家賃収入を安定化できているかどうかで評価すべきです。手数料に業務の質がともなっていない、収益改善の提案がない、手数料の内訳が分かりにくいなど懸念があるなら、賃貸管理会社の変更も検討してみてはいかがでしょうか。

収益物件マンションの管理は、ぜひ【リロの不動産】にお任せください。賃貸管理や管理費の見直しに関するご相談は、以下のページから受け付けています。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。