空室率とは何か? 不動産投資の重要指標を詳しく解説

2023.02.24

空室率は不動産経営を行っている方や、不動産投資を考えている方にとって留意すべき指標の一つです。「空室率」という文字からある程度、空室が発生している割合ではないかと予測がつくかもしれません。

アパートやマンションなどの賃貸不動産でどのくらい空室がでているのかを示す数値には違いありませんが、同じ空室率でも複数の種類があります。統計もさまざまなところから発表されています。この記事では空室率について、算出方法や推移、予測動向なども含めて解説します。

▼この記事の内容

●空室率とは、物件全体の部屋数に対し、入居者様がいない部屋(空室)が占める割合のこと
●アパート経営やマンション経営の成功には、空室率を低く抑えることが必須
●適正な空室率の目安は5~10%
●空室率の算出方法は3つ(空室数ベース/稼働ベース/賃料ベース)
●空室リスク対策5つ(①賃貸需要がある立地の物件を選ぶ ②入居者様にとって魅力的な設備・仕様にする ③不動産仲介会社との良好な関係を保つ ④入居者満足度を高める賃貸管理を行う ⑤信頼できる賃貸管理会社に委託する)

空室率とは何か

空室率は不動産投資を検討するうえで避けては通れない数値です。聞いたことはあるものの、詳しい内容までは把握していないという方も、まずは基本から押さえておきましょう。空室率がどのようなものなのか、なぜ重要だとされているのかを解説します。

空室率とは

空室率は物件全体の部屋数に対し、入居者様がいない部屋(空室)が占める割合です。「くうしつりつ」または「あきしつりつ」と呼ばれ、空室率が高くなると空室が増えたことを表し、逆に空室率が低い建物は稼働率が高いことを示しています。

賃貸経営で用いられる用語には入居率もあります。入居率は物件全体の部屋数に対する、入居者様が入っている部屋の割合です。空室率と入居率は合わせて100となることから、入居率は「入居率=100%-空室率」で求められます。

空室率は地域の環境変化や社会の動向などによって、上昇したり減少したり、地域によっても差があったりします。ターゲット層がいなくなる変化が起きれば、一気に空室率が高くなるかもしれません。

例えば、大学が立地する地域で学生の入居を想定した賃貸物件を建てた場合、大学が移転すれば大学生をターゲットとした賃貸需要が見込めなくなります。オフィスが入るビルでは、テレワークの推進などでオフィスの規模を縮小する企業が増えれば、空室率が上がる可能性もあるでしょう。

逆に、新駅が誕生するエリアでは人口の増加が見込めるものの、今までのターゲット層と異なる居住ニーズに対応しなければ需要を取り込みにくくなるでしょう。

なぜ空室率・入居率が重要な指標なのか

不動産投資を行う方にとって、空室率は重要な指標です。アパート経営やマンション経営を成功させるためには、空室率を低く抑えることが大事になってきます。空室率が高い物件は満室を保っている状態よりも、当然ながら家賃収入が減ります。

不動産投資のリスクはいくつかありますが、中でも「空室リスク」は注意すべき大事なポイントです。もし、十分な調査をせずに賃貸需要がない場所に建つアパートやマンションを購入してしまったら、思ったほどの利益を上げられないばかりか、借入金額が返済不能になりかねません。

空室率を詳しく分析すると物件の需要と供給のバランスをある程度予測できるため、将来的な収支のシミュレーションのためには必須の数値です。投資する物件を決めるときは、ターゲットにしている物件それぞれの空室率を比較して選ぶようにしましょう。また、空室率はエリアマーケティングや融資リスクを見える形で示す指標としても利用されています。

管理業務を専門の賃貸管理会社に委託する場合、集客活動に力を入れてくれるところを選びたいはずです。空室が埋まらずにいつまでたっても空室率が高いままになっていないかどうか、賃貸管理会社の対応を見極める指標の一つにもなります。

適正な空室率の目安は5~10%

不動産投資では空室率をなるべく低く抑えられるのが理想ですが、賃貸住宅の入居者はいつか退去するものであり、理論上「空室率0%」が継続することはあり得ません。入居者の退去が決まった後、すぐに次の入居者が見つかったとしても、原状回復や入居日を調整している間はどうしても空室が発生します。

実際、賃貸経営における空室率の適正値は「5〜10%程度」といわれています。収支シミュレーションを組む際も、この値を一つの基準として考えるとよいでしょう。

上記の理由から、どれだけ高い賃貸ニーズの見込まれる都心部の好立地物件であっても、空室率0%で収支をシミュレーションするのは大変危険です。なるべく空室率を低く抑えられるような運営を心がけつつ、一定の空室が発生することを前提にシミュレーションする必要があります。

また、物件購入前の収支シミュレーションでは、空室率の値を高めてもローン返済を継続できるかどうかなどを確かめる「ストレスチェック」も行います。大都市圏とその他の地域では賃貸需要も大きく異なるため、あわせて確認しておきましょう。

空室率を少しでも抑えるには、空室期間の短縮が重要です。そのために工夫できることとしては、設備の入れ替えや水回りのリフォームなどが挙げられます。物件の魅力がアップすれば、家賃低下の回避にもつながるでしょう。リフォームのタイミングで室内画像の再撮影をして、より魅力的に見せるというのも効果的です。

なるべく早期に次の入居者が決まるよう、入居者のニーズに応えられる対策を講じるようにしましょう。

空室率の算出方法

ここからは具体的に、空室率の算出方法を解説します。同じ空室率でも算定方法は複数あり、よく用いられているのは空室数ベースと稼働ベース、賃料ベースの3種類です。各方法の算出方法と、それぞれどのようなことが分かるのかを詳しく解説します。

時点空室率

時点空室率は「空室の数÷全体の部屋数×100」で算出される空室率です。単純に物件の空室数を総戸数で割る方法で、最も簡単に計算できます。具体的に一棟の部屋数が10戸ある賃貸不動産で空室が2戸だった場合を計算してみると、2÷10×100となり、空室率は20%です。

ただし、時点空室率はあくまでも計算した時点での空室率に過ぎません。実際にアパートやマンションなどを経営していれば、空室の状況は常に変化します。特定の時点だけを切り取っただけの時点空室率では、全体像は見えないところがデメリットです。

例えば、通常は空室率10%で推移していたとしても、引っ越しシーズンの3月には空室率が30%に上がることもあり得ます。たまたま3月に算出した30%も空室率には違いありませんが、その物件の平均的な空室率とはいえないでしょう。

稼働空室率

稼働空室率は「(空室の数×空室だった月数)÷(部屋の総数×12ヶ月)×100」で算出されます。例えば、総戸数10戸のアパートで2室の空室が5ヶ月続いた場合、(2×5ヶ月)÷(10×12ヶ月)×100で、稼働空室率は約8%になります。

時点空室率は計算した瞬間の空室率を表しただけの数値ですが、稼働空室率は空室期間も加味しているため、時点空室率よりも現実的な稼働率を算出できる方法です。通年の稼働率を把握できる数値として、事業計画のシミュレーションにも用いられます。

不動産投資は短期間で売り買いするものではなく、長期間にわたって運用します。それだけに時点空室率のように短期的な数値だけでは、経営状況を正しく判断できません。1年を通しての状況を分析するなど、長期的な視点で得られたデータを活かすことが大事です。

賃料空室率

賃料空室率は「空室による未収入賃料÷年間総貸出賃料×100」で算出されます。本来なら年間で見込める満室状態の貸出賃料をベースとして、実際に入金された賃料収入との差額、つまり未収入賃料がどのくらいになるのか計算する空室率です。

同じ一棟の賃貸不動産でも、すべての部屋が同じ家賃だとはかぎりません。異なる賃料が設定されている物件では、空室の数が同じでも空室が出た部屋の賃料によって家賃収入が左右されるため、貸出賃料をベースに計算したほうが収支計画は立てやすいでしょう。

例えば、総戸数が10戸のうち5室は賃料10万円、残り5室は賃料8万円の家賃設定だったとします。満室ならば(5室×10万円)+(5室×8万円)で、年間総賃料は1,080万円です。10万円の部屋が2室、5ヶ月空室になった場合は、(10万円×2室×5ヶ月)÷1,080万円で、賃料空室率は9%になります。

統計上の空室率の推移

空室率については、統計上の数値がいくつか発表されています。ここでは代表的なものとして、総務省統計局が行っている調査と不動産物件サイトのLIFULL HOME’Sが公表しているデータを紹介します。注意点も解説しますので参考にしてください。

総務省 住宅・土地統計調査

総務省統計局は5年ごとに住宅や土地に関する調査を行っています。日本国内の総住宅数、総住宅数に占める空き家の割合や持ち家率、住宅の規模や持ち家の取得方法、現住所以外に所有している住宅などの居住状況が調査の対象です。賃貸不動産については賃料の推移も調査されています。

調査結果は国や地方公共団体が住生活基本計画を策定する際や、国民経済計算を推計する際に活用されるほか、「国土交通白書」や「土地白書」、学術研究などにも利用されています。国民の住生活における実態も明らかになるため、不動産投資を検討している方にも有益な情報が得られる調査です。

戦後すぐの住宅が著しく不足した時代から、高度経済成長期の都市への人口集中に対応を迫られた時代を経て、1990年代以降は国民のライフスタイルも多様化しました。さらに現代では環境への配慮が求められるようになったり、街の景観や防犯の影響も加味された空き家対策が重要視されるなど、時代とともに住宅事情の背景も変化しています。

2018年に行われた調査からは特に空き家に関する指標が設定され、2020年代に入っても空き家対策が課題とされてきました。2022年時点で最新の「平成30年住宅・土地統計調査」では、空室率が全国平均で13.6%と示されています。

ただし、この統計では賃貸不動産だけを対象としているわけではなく、売却用(売却することを目的として空き家になっている住宅)も含んだ「空き家率」です。住宅の現状では、住宅数に占める共同住宅の割合も調査されており、1978年の調査から2013年までの調査では上昇し続けています。

出典:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査

LIFULL HOME’S 全国の賃貸用住宅の空室率一覧

国内でも有数の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」では、アパート経営やマンション経営に役立つ情報を提供しています。その中でも「見える!賃貸経営」では、全国の賃貸不動産の空室率を一覧で示しています。

LIFULL HOME’Sでは都道府県別はもちろん、市区町村別のデータも網羅しているため、投資を検討している場所を中心に、より地域を絞った空室率の確認ができるでしょう。

具体的に東京都のデータを見てみると、2022年11月時点で全体の空室率は14.5%です。しかし、細かく市区町村別にみてみると、新宿区や渋谷区などでは東京都全体よりも少し高い程度の15%前後ですが、最も空室率が高い千代田区は36.5%にもなっています。

目黒区は28.2%、中央区は27.7%で平均よりもかなり高い空室率ですが、同じ都内23区でも墨田区や中野区では10%を切っているなど、場所によってかなり空室率に違いが出ていることが分かるでしょう。単純な比較はできませんが、調布市や多摩市など23区以外の地域でも東京都全体よりも空室率の低い地域が多くあります。

また、同じ大都市でも大阪府では20.1%、福岡県は18.9%など、東京都よりも空室率は高めです。実際に不動産投資を検討する際は、ある程度地域を比較する材料として参考にできるでしょう。

出典:LIFULL HOME’S「見える!賃貸経営

統計上の空室率の注意点

統計で示されている空室率は、あくまでも調査範囲全体の平均値です。一般的には対象の地域全体のマーケティング判定に使われることが多く、特定の物件の空室率を表しているわけではありません。統計の数値だけで物件購入の判断はしないようにしてください。

また、築年数の古い物件が密集している、学校や企業のオフィス、工場が撤退したなど、地域ならではの事情が空室率に影響を与える場合もあります。都道府県規模では数値が平均化されて目立たなくても、細かくみると部分的に空室率が高く出る地域もあります。

調査結果がリアルタイムに近いかどうかも、統計を参照する際の注意点です。例えば、総務省の発表している「住宅・土地統計調査」は、5年に一度しか調査が行われていないため、タイミングによっては情報が古くなっているかもしれません。

さらに、2018年の調査では結果が公表されたのは2019年や2020年なってからで、多少のズレもあります。統計を活用するときは現時点に近い状況を反映しているのかどうかも考慮する必要があるでしょう。

ほかにも日管協短観では半期ごとに首都圏や関西圏を中心に、賃貸管理会社が管理する戸数から空室率を算出しています。それぞれの統計の特徴を踏まえたうえで、空室率を把握するようにしてください。

出典:財団法人日本賃貸住宅管理協会 市場データ(日管協短観)

日本全体の空室率の予想動向

ではこの先、国内の空室率はどのように推移していくのでしょうか。不動産投資を検討するうえで、将来の空室率は大事な指標です。そこで日本全体の空室率がどう推移しそうか、統計から予想しますので参考にしてください。

人口動態と空室率

総務省が発表している「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によると、2022年1月1日時点で日本の人口は総計1億2,592万7,902人です。1968年には約1億200万人だった人口は、1985年には約1億2,000万人まで増加しています。

ただ、1980年代に入って増加率が緩やかになり、2009年の約1億2,708万人をピークに、その後は13年連続して減少を続けています。今後も増加する要因は見いだせず、減少トレンドは変わりません。人口が減少することを考えると、空室率は増加していくことが予想されます。

同じ統計で全国の世帯数をみてみると、2022年1月1日時点で総計5,976万1,065世帯でした。人口は前年よりも減少しているのにもかかわらず、世帯数は逆に26万3,709世帯増加しています。

1世帯あたりの平均構成人員をみてみると、2022年は総計で2.11人です。世帯数は1980年後半まで、減少しながらも3人以上で推移していました。人口が減っているのにもかかわらず世帯数が増えているのは、核家族化が進んでいることに加え、一人親世帯や単身者世帯が増えていることも要因であると考えられています。

しかも、世帯数はまだ伸び続けることが予想され、2030~2035年ごろがピークだとみられています。ただし、地域によって人口や世帯数の増減に違いがある点も注意してください。

出典:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数

上昇する賃貸住宅ストック

総務省が発表している「平成30年住宅・土地統計調査」によると、2018年の総住宅数は約6,240万7,000戸です。総世帯数は約5,400万1,000世帯で、1世帯あたりの住宅数は1.16戸でした。

全国の空き家率は2018年が13.6%です。空き家率は1950年代後半から増加を続け、2018年過去最高の割合になりました。ただし、総務省の調査は特に賃貸用の建物だけに対象を絞ったものではないため、一般的な住宅の売却用物件も含んでいます。

空き家総戸数は約848万9,000戸で、そのうち賃貸用の住宅の空き家は432万7,000戸です。総住宅数に占める割合は6.9%で、前回2013年の同じ調査に比べると3万5,000戸増えています。

一般財団法人 住宅改良開発公社が発表している「賃貸住宅市場の動向と将来予測(展望)調査[報告書]」によると、従来は木造で建てられることが多かった賃貸用の住宅も1988年からは非木造の建物のほうが上回っています。2018年の調査では、賃貸用の住宅総数1,907万戸のうち、木造が410万戸に対して非木造は1,116万戸です。

また、住宅総数と総世帯数の推移からみてみると1968年にはじめて総世帯数よりも総住宅数を超えました。1世帯あたりの住宅戸数は1968年の1.01戸から増え、2018年では1.16戸になっています。ただ、1世帯あたりの住宅戸数は上昇しているものの、減速傾向です。

今後の賃貸住宅市場では、多くの消費者が求める賃貸物件の供給とターゲット層の絞り込みによる消費者ニーズへの対応力が大事になるでしょう。

出典:一般財団法人 住宅改良開発公社「賃貸住宅市場の動向と将来予測(展望)調査[報告書]

空室リスク対策を考えた不動産投資

アパート経営やマンション経営では、入居者様の入退去による空室発生時期は一定期間発生することがあります。ただ、空室が解消されて入居者が決まらなければ賃貸経営に影響を及ぼしかねません。空室リスクに備えるためにはどうすればいいのか、本質的な対策ポイントを3点紹介します。

賃貸需要がある立地の物件を選ぶ

不動産投資をするうえで、やはり大事なポイントは立地です。賃貸需要のある立地の物件は多くのリスクを解消します。具体的な立地選定のポイントの一つに交通アクセスがあります。

特に大都市では通勤や通学に電車・バスなどの公共交通機関を利用する人が多いため、路線や駅からの距離など交通の利便性が大事です。近隣に商業施設があるかどうか、ファミリー層がターゲットならば子育てしやすい街かどうかなど、周辺環境の充実度も考慮に入れる必要があります。

一方で、地方は物件の価格が低いために利回りは高くなる可能性があるものの、人口が減少している地域では空室リスクが高くなります。市区町村単位では子育て支援に力を入れるなど、人口増加を促す取り組みを実施する自治体も増えました。

結果として人口が増加している市区町村もありますが、増加傾向が数十年先の将来にまで続くとはかぎりません。物件購入や賃貸経営をする短期視点と、将来的な中長期の視点をもって需要を確認してましょう。

また、購入時点では大学や工場などがあって学生や工場の従業員に賃貸需要があっても、もし施設が移転したときは一気に空室が増加する可能性もあるため、一つの施設だけを当てに募集計画を検討する場合もリスクが存在します。実施有無を問わず、あらかじめ複数のバックアッププランを検討するとよいでしょう。

不動産投資を検討する際は、購入時の賃貸需要はもちろん、将来性のある立地や地域を選ぶことが大事です。そのためにも、物件購入前には都市計画情報や新駅などの交通情報など、念入りに市場調査や分析を行いましょう。事前調査を行っておくほど、よい物件に巡り合えた際に素早い判断を冷静に行うことができます。

出典:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数

入居者様にとって魅力的な設備・仕様

空室をできるだけ避けるためには立地だけではなく、物件そのものの設備や仕様を整えておくのも大事です。社会情勢を踏まえた外部環境やライフスタイルの変化に合わせて住宅の設備機器は日々進化し、新しい機能が追加されたり、従来はなかった設備が当たり前に使われるようになったりします。

例えばインターネットが生活に浸透する前は、Wi-Fi設備などありませんでした。しかし、現在ではインターネットが使えるのが当たり前、しかも快適に通信できる環境が求められるようになっています。

単身世帯や共働き世帯が増え、日中は留守にしている家庭が多くなっていることから、宅配ロッカーの有無も入居者様が物件を選ぶポイントになることがあるでしょう。セキュリティ面ではオートロックが一般化しています。スマートフォンが普及したことにより、スマートロックを備えている物件も需要が高まっています。

建築してから年数が経過すると、当時は最新設備だったものでも時代遅れになっていることが考えられます。また、時代を問わず、使い勝手のいい間取りは人気があります。生活の導線を意識した間取りになっているかどうかなど、日常生活でストレスを感じずに暮らせることも大事でしょう。

不動産投資で空室リスクを避けるためには、時代の流れや需要に合った設備・仕様を用意することが大切です。

入居者様の顧客満足度を高める設備事例は以下を参考にご覧ください。

▼設備事例

アパートに入居する単身者が欲しい設備のBEST3『宅配BOX』

オートロック改修工事で費用削減!残予算で補修して入居者満足度向上

その他のリフォーム関連事例

不動産仲介会社との良好な関係を保つ

空室期間をなるべく短く済ませるには、新たな入居者様を見つけるべく営業してくれる不動産仲介会社、および営業担当者と日頃から良好な関係を築いておくことが重要です。

不動産仲介会社の営業担当者は若いことも多く、大きな会社になると数年で異動したり、退職してしまったりするケースもあります。1年に一度など、限られたタイミングでしかコミュニケーションを取らないような状況では、関係性が途切れてしまうおそれもあるでしょう。

「不動産仲介会社や営業担当者は大切なパートナーである」という認識のもと、こまめなコミュニケーションを欠かさないようにしたいところです。営業担当者が物件について問い合わせてきた際には迅速に対応する、賃貸経営に必要な改修工事の提案は真摯に検討する、などの配慮も印象アップにつながります。

不動産投資の場合、業務委託している賃貸管理会社が元付けとなって差配しているケースも多いですが、決して賃貸管理会社任せにしないことが大切。オーナー様も不動産仲介会社や営業担当者との関係を意識し、積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。

入居者満足度を高める賃貸管理を行う

空室リスク対策としては、空室発生時に次の入居者様を早く見つけることも大切ですが、何より、今いる入居者様をいかにつなぎとめておけるかが重要です。入居者様が退去しなければ空室は発生しないうえ、原状回復や入居者募集にかかるコストを負担する必要もありません。

賃貸経営の核心をなすのは賃貸管理であり、入居者満足度を高める入居者管理・建物管理の実践は、空室リスクの低減に大きな効果を発揮します。満室になると「満室だから問題ない」と考え、管理にあまり目が向かなくなるかもしれませんが、むしろ満室時こそ入居者様が満足できるレベルの管理をしっかりと提供すべきです。

入居者満足度を高めるために普段からできることとしては、共用部をつねにきれいに保つこと、漏水や設備の故障といった入居中のトラブルに迅速に対応することなどが挙げられます。ハード面では、宅配ボックスやオートロックを新たに導入する、共用部をリニューアルするといった施策が考えられるでしょう。

入居者満足度の実態を確認するため、入居者様を対象としたアンケートの定期的な実施もおすすめです。

賃貸収入は、入居者様に満足のいく住環境を提供してこそ得られるものです。満足度の高い管理を継続していれば、空室が発生したときにも新たな入居者が付きやすくなります。

信頼できる賃貸管理会社に委託する

アパート経営やマンション経営は、オーナー様が自分で管理業務を行うことも可能です。しかし、清掃など日常的な建物のメンテナンスはもちろん、入居者様の各種対応、家賃滞納が発生した際の督促、入退去に関わる一連の諸業務など、管理業務は多岐にわたります。

空室が出た際は、新たな入居者様を探さなければ家賃収入を確保できません。入居者様の満足度を高めながら、すべての業務をオーナー様が行うのは大きな負担となります。専門分野は専門家にまかせてしまったほうが合理的ということもあります。

管理委託手数料は発生しますが、賃貸経営全体のリスクヘッジや健全な運営をお考えならば、物件の管理業務は信頼できる賃貸管理会社に委託をすることをおすすめします。

信頼できる賃貸管理会社とは、具体的に『4つの空室対策』(①入居者募集力、②賃貸仲介の対応力、③管理対応(入居者管理/建物管理)、④設備・工事対応)がしっかりしているところです。その一つに、入居者募集によってどれだけ客付けできる力があるのかが挙げられます。

物件のある地域の事情に精通しているのか、競合物件の状況も含めてどれだけ効果的な募集活動ができるのかなどの入居者募集力が賃貸管理会社を選定するポイントの一つになります。

実際に物件に興味を持ってくれる方が現われたら、内見から申し込み手続きに至る賃貸仲介の対応力も優れている必要があります。建物や入居者様に対する管理対応力、設備・工事対応力も含め、空室対策に強く、賃貸経営をトータルでサポートしてくれる賃貸管理会社に委託することで、不動産投資のリスクヘッジができるのでおすすめです。

入居者様の顧客満足度を高める設備事例は以下を参考にご覧ください。

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まとめ 空室リスクに負けない賃貸経営を

空室率をキーワードに不動産投資について考えてきました。空室率に関する統計が公表されていますが、空室率の数字だけでは判断がつかないこともあります。空室リスクに備えるためには、地域や物件の特徴、入居様の要望を踏まえた対応をしてくれる賃貸管理会社に依頼することが大切です。

ただ、数多くの賃貸管理会社がある中で、どこに注目して選べばいいのでしょうか。賃貸管理会社も数々の実務をこなすうちにデータを蓄積し、入居者様やオーナー様の声から改善点などを見いだします。

そこからさらにノウハウを蓄えて空室対策に磨きをかけていくため、管理戸数・仲介件数の多い賃貸管理会社を選ぶことが重要です。空室リスクに備えたい方は、空室対策に強みを持つ【リロの不動産】におまかせください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。