【アパート経営・賃貸経営入門】メリット・リスク・成功の秘訣をわかりやすく解説!
2024.11.12これからアパート経営や賃貸経営を始めたいとお考えの方やアパート経営にまだ慣れていない方の中には、「アパート経営にどのようなメリットやリスクがあるのかよくわからない」、「どんな人に向いているのだろう」といった疑問や不安を抱えていらっしゃる方も少なくありません。
アパート経営や収益物件を運営する賃貸経営に関する不安や疑問を抱えていらっしゃる方々に向けて、アパート経営とほかの資産形成手法の違い、アパート経営のメリットやリスク、アパート経営及び賃貸経営に向いている方の特徴について解説します。
▼この記事の内容
● アパート経営とは、アパートを購入して、賃貸用物件として他人に貸し出し、家賃収入を得るビジネスのこと
● アパート経営のメリットは主に6つ!①不労所得と定年後の生活資金の確保 ②生命保険代わりになる ③所得税・相続税の節税効果 ④高いレバレッジ効果 ⑤景気に左右されにくい ⑥売却益を得られる
● 一方、空室や入居者トラブル、家賃滞納、老朽化、自然災害などのリスクも
● アパート経営の成功の秘訣は、①賃貸経営を行う目的・目標の明確化と長期的な視点 ②購入前の入念な下調べ ③アパート経営のリスクを理解する ④バランスのいい空室対策 ⑤信頼できるパートナー探し
目次
アパート経営と株式投資・生命保険の違いとは?
アパート経営とはどのような投資スタイルの資産形成なのでしょうか。同じ目的で検討されることの多いほかの投資・資産形成手法と比較しながら、アパート経営の特徴を解説します。
アパート経営の基礎知識
アパート経営とは、大家業、不動産賃貸業のことで、アパートを購入して、賃貸用物件として他人に貸し出し、家賃収入を得る、賃貸経営を行うビジネスです。長期的な資産収入が期待できるため、老後の資金不足を補う資産収入目的で始められる方が多く、相続税や所得税の節税にも有効な資産形成の手段です。
アパート経営は融資を利用してレバレッジを利かせることができる数少ない投資の一つです。レバレッジとは「てこの原理」を意味する言葉で、資産運用では小さな投資で大きな資産を得るという意味で使われます。収益性の高い物件や個人の属性により金融機関などから融資を利用できるのは大きなポイントです。
購入後の運営管理は、安定した家賃収入を確保するため、入居者募集活動や契約を行う仲介業務などを網羅する空室対策や、入居者様や建物の管理を賃貸管理会社にお任せすることで、ほとんど手間をかけずにアパート経営をされている不動産オーナー様が数多くいらっしゃいます。
賃貸経営に関わる煩雑な業務を信頼して任せることができる優秀なパートナーが見つかれば、自分の手間を省きつつ、安定した賃貸経営を実現させることができるでしょう。
賃貸経営の違いを知る!アパート経営とマンション経営の違い
賃貸経営はアパート経営とマンション経営に大別されます。アパート経営とマンション経営の、収益性、節税、耐用年数、リスクの違いを解説します。
一棟所有するアパート経営に対して、マンション経営の場合は複数の選択肢が存在します。区分所有としてマンション内のお部屋を1戸所有する。色々なマンションを複数戸所有する。1棟マンションを保有するなど所有方法が多彩です。
一般的にマンション経営よりも1棟で所有するアパート経営のほうが複数のお部屋から賃料が入るため高い収益性と節税効果が期待できます。
節税に影響するポイントとして「減価償却」があります。減価償却とは、建物や機械設備など高額な資産を、それぞれ決められた一定期間に分割して経費計上するという会計上のルールで、分割する期間は法定耐用年数が基準となります。法定耐用を分割する期間が短いほど、1年当たりの節税効果は高くなります。
木造アパートの法定耐用年数は22年、RC造のマンションの法定耐用年数は47年と倍以上の差があります。減価償却費を計上する期間と法定耐用年数は関連するため、新築、中古を問わず節税も考慮する際は法定耐用年数を考慮するとよいでしょう。
不動産投資の代表的なリスクには「コントロールできるリスク」と「コントロールできないリスク」が存在します。
コントロールできるリスクの代表例には、空室が続き家賃が入らない「空室リスク」、入居者様から家賃が支払われない「家賃滞納リスク」、設備や大規模修繕などの工事に関連する「工事・修繕リスク」などがあります。
「空室リスク」の代表的な対策は「入居者募集・仲介力」が高いリーシングに強い賃貸管理会社に委託するなどプロフェッショナルに任せる方法が一般的です。マンション経営は、スタートしやすい条件がありつつも賃貸経営に制約があり、空室発生時は全体の収益低下が懸念されます。
アパート経営は複数戸所有するため、空室発生時の収益減少リスクが少ないという所有物件の特長を持っています。また、募集条件やターゲット変更など、比較的柔軟な対策が可能なことが大きな特徴となります。
コントロールができないリスクは、賃貸需要の変動による「家賃下落、不動産価格下落リスク」「金利上昇リスク」「天災リスク」が代表例です。
賃貸需要の変動による「家賃下落、不動産価格下落リスク」は、市場の賃料相場や売買価格の相場は過去の取引事例や賃貸経営データを活用することである程度予測することが可能です。
不動産投資のリスクはコントロール可能なものが多いとはいえ、1棟で複数戸のアパート経営を行う場合と、数戸のマンション経営を行う場合では、各種対策の優先順位や対応範囲が大きく変わります。「将来の安定収入の確保」「節税対策」「相続対策」などオーナー様が不動産投資を行う目的に応じてご検討されることをおすすめいたします。
理想とする投資や資産形成スタイルや目的により、アパート経営とマンション経営のどちらがいいか大きく異なりますが、共通するのは、リスクを最小限に抑える取り組みを実行する賃貸経営のパートナーを見つけることが、最大のリスクヘッジになるでしょう。
アパート経営と株式投資の違い
不動産のアパート経営と流動性の高い金融資産である株式投資にも多くの違いが存在します。
不動産投資は融資を受けて投資を行うのが一般的ですが、株式投資は原則自己資金で投資を行う点が異なり、資産拡大の効率性に大きな違いが生まれます。
アパート経営などの不動産投資では借入を利用することで、自己資金のリターン(収益)を高める効果が期待できるレバレッジ効果がありますが、株式投資と不動産投資で用いられる「レバレッジ」という言葉の意味は全く違います。
株式投資の信用取引で用いるレバレッジとは、入金金額の3倍までの株取引が行えるというものです。倍率が高くなるほど相場変動の影響を受けやすくなるためハイレバレッジの取引はハイリスクになる傾向があります。
一方で、不動産投資におけるレバレッジとは、金融機関からの融資を活用して投資を行うことを指します。融資を受ける方の条件や対象物件の収益性により、年収をはるかに超える金額を融資していただき他人資本による投資活動が可能になります。投資効率を高めるレバレッジ効果が非常に高いのが不動産投資であり、アパート経営やマンション経営の大きなメリットなのです。
リスクで注意すべきポイントも、株式投資と不動産投資とでは大きく異なります。株式投資は価格変動リスクが高く、場合によっては、株式の価値がゼロになってしまう可能性もあります。実物資産である不動産の場合は、不動産の価値がゼロになるリスクは低いものの、前述の空室リスクや工事・修繕リスクなどが存在します。
不動産投資も株式投資も投資スタイルによって、手間なく運用をお任せできるパートナーやサービスが存在します。不動産投資と株式投資の大きな違いは「リスクコントロール可能な範囲」「所得税や相続税の節税効果」「資産の流動性」「レバレッジ効果」です。融資金額を賃料で返済して、運用益と売却益を残せることが大きな違いとなります。
この様な観点を背景にして、将来の年金不足を補うための資産形成には、株式投資よりも不動産投資のほうが長期的に安定した資産収入が期待できるといわれています。
アパート経営と生命保険の違い
不動産には「団体信用生命保険(団信)」という保険があります。
団体信用生命保険とは、契約者の投資家が亡くなったり、高度の障害を患ったりした際に、残りのローンの返済を免除してもらえる仕組みです。加入していない場合は、ローンの負債が家族に残ってしまいます。ご家族や不動産を守ることができる保険となり不動産の購入にあたって団信への加入は極めて重要で、不動産投資の醍醐味ともいえるでしょう。
前述のとおり、不動産投資では生命保険がわりに団体信用生命保険を利用することができます。比較されることの多い、団体信用生命保険と生命保険ですが、主な違いとして、原資、ご遺族に残す価値、運用スタンス、所得税や相続税の節税効果などが挙げられます。
原資とご遺族に残す価値の違いは、融資を受けて残債がゼロになる「団体信用生命保険」と掛け金を積み立てて死亡保険金を受け取る「生命保険」で大きく異なります。
団体信用生命保険も生命保険も、万が一の場合に保険の効果が表れるという点では同じですが、生命保険の場合は、あらかじめ設定した万が一の場合に死亡保険金が支払われるのに対して、団体信用生命保険の場合は、死亡保険金が支払われるのではなく、団体信用生命保険が付加された不動産の残債がゼロになり、返済が不要になるのです。
残債がゼロになることで、家賃収入から借入金額の返済がなくなるため、ご遺族がそのまま賃料収入を受け取り、生活費として使うことができます。相続される方のご事情により、物件を売却して売却益を残すという選択肢もあるでしょう。
運用スタンスは大きく異なり、「生命保険」であれば保障内容に準じた掛け金を積み立てるだけですむでしょう。不動産投資となる「アパート経営及びマンション経営」では、賃料収入や将来の売却を考えた賃貸経営を行う必要があります。
ただし、専門的な不動産知識を広く、深くおひとりで学ぶことは時間もお金もかかるため、賃貸管理会社に賃貸経営の運用を委託するのが一般的な流れになります。不動産投資にはリスクが存在しますが、リスクをコントロールすることで、レバレッジ効果の高い資産形成が可能になるでしょう。
節税に対する違いも見てみましょう。
生命保険とアパート経営のいずれも所得税や相続税の節税に効果があるという共通点がありますが節税になる範囲が大きく異なります。
生命保険は生命保険料控除の対象であるため所得税の節税に有効です。相続税の非課税枠が「500万円×法定相続人の数」適用され、相続税対策としても多くの方が利用されています。
一方で、不動産投資は、節税になる範囲や効果が大きく異なります。相続税対策のひとつとして、不動産は相続税を計算する基準の相続税評価額を圧縮できるメリットがあります。土地や建物を人に貸している賃貸不動産の場合は、さらに相続税評価額を低く抑えることが可能です。また、減価償却費などの経費計上が認められることから所得税・住民税の節税効果も期待できます。
アパート経営による賃貸経営のメリット
アパート経営にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ほかの投資や資産形成と比較しながらアパート経営のメリットを解説します。
安定した不労所得と定年後の生活資金を確保できる
不動産投資では入居してくださる方がいらっしゃるかぎり、家賃収入が見込めます。この賃料収入が老後資金の不足分を補う収入となります。保有する戸数にもよりますが、アパート経営とマンション経営で比較する場合、一般的には1棟所有するアパート経営の賃料収入のほうが大きくなります。
マンションの一部屋だけを所有する場合は空室期間の収入はゼロ円となりますが、アパート一棟であれば空室が出てもほかの部屋の賃料収入でローンの支払いを行うことが期待できます。また、1棟オーナーの場合は入居条件を決定する自由度も高まるので、空室対策を行いやすくなります。
生命保険がわりになる
団体信用生命保険に加入することで、万が一の事態に備え、ご遺族に借金を残してしまうリスクをゼロにすることができます。一般的なタイプの団体信用生命保険では、「死亡」「高度障害状態(規定あり)」「余命6か月以内の診断」の場合に残債分の保険金が受け取れ、ローンの完済が可能になります。
また「がんと診断された場合」に、残債が免除になる「がん団信」や、がんだけではなく心筋梗塞をはじめとする心疾患や脳卒中を代表とする脳血管疾患の三大疾病にも備えられる「三大疾病保障付き団信」、糖尿病や肝硬変、高血圧性疾患、慢性腎臓病などの生活習慣病を発症した際にも団信の効果が発動するタイプの団体信用生命保険もあります。
団体信用生命保険に加入していれば、投資家の死亡時にローンの残債がゼロになった物件をご遺族は取得できます。残債がない不動産は、賃貸経営を継続して賃料収入を生活費にあてることも、ご遺族が賃貸経営を望まない場合は売却することも可能です。
不動産の地域や規模、状態によりますが、一般的に不動産は数千万円以上の価格で取引されるため、ご遺族へまとまったお金を残すこともできます。なお、「争続」とならないように、ご相続対策の一環としてあらかじめ専門家と一緒に取り決めをしておくと、心配事も軽減されるでしょう。
所得税・相続税の節税効果が見込めるアパート経営と資産管理法人
アパート経営を行うことで所得税・相続税の節税効果が見込めます。
アパート経営が所得税・住民税の節税になる理由は、アパート経営にかかる費用や、減価償却費などの経費計上と、不動産所得と本業の損益通算が認められていて、アパート経営が帳簿上の赤字であれば、本業の所得と合算することで、課税所得を低くできるためです。
そして、現預金の相続税評価額よりも不動産の相続税評価額が低く、投資用の不動産の相続税評価額が現預金の場合の半分程度になるケースが多いため、高い相続税の節税効果が見込めます。
不動産を活用して所得税や相続税の節税を行う方法には、資産管理法人を活用した節税スキームも存在し、5棟10室を超える規模でアパート経営をされている方におすすめの方法です。不動産の名義を法人にするなどし、不動産所得を法人に集中させることで、高所得者の場合は個人にかかる所得税よりも法人にかかる法人税の方が税率が低いため、節税になるといわれています。
不動産には分割しにくいというデメリットがありますが、株式会社の株式であれば均等に相続させることができ、法人の価値が低いうちに株式を生前贈与することで相続税対策の効果も期待できます。
さらに、法人で得た家賃収入の一部をお子様に役員報酬として支払うことで、所得を分散し、ご家族全体で支払う所得税を大幅に節税することも可能です。
ローンの活用で高いレバレッジ効果が期待できる
アパート経営は融資を利用して行うのが一般的です。原則自己資金で行う株式投資などと異なり、レバレッジを利かせて行うことができる数少ない投資の一つです。レバレッジとは、てこの原理を意味する言葉で、アパート経営においては金融機関からの融資を活用することで、少ない自己資金で大きく、効率のよい投資ができるとことを、レバレッジ効果といいます。
株などの信用取引でもレバレッジという言葉が用いられますが、不動産投資でいうレバレッジとは意味が大きく異なります。株式投資の場合は、種銭となる入金額の3倍までの株取引ができるというものですが、アパート経営などの不動産は実物資産となるため、金融機関から年収の数倍の融資を得るレバレッジ効果を得ることができます。同じ投資でも種銭の有無やレバレッジ効果に大きな違いが生まれます。
インフレに強く、景気に左右されにくい
インフレ(正式名称:インフレーション/Inflation)とは、inflateは膨張という意味を持つ言葉で、一般的に物価が上昇するという意味で使われます。
2022年現在も物価高が進行し、スーパーなどの並ぶ物の値段が大幅に高くなっていることを実感されている方も多くいますが、「物価が上昇」するとそれまで1,000円で買えていたものが、1,200円支払わなければ手に入らなくなるという風に、「お金の価値が下落」します。
日本人の資産の多くは、現預金や生命保険など、インフレに弱い資産で構成されていますが、実物資産であるアパートやマンションなどの不動産は物価上昇時に価値が下がりにくく、インフレに強いという特長を持ちます。
さらに、物価が高くなることは、家賃の上昇要因にもなり、大幅な物価上昇が起こった後には、家賃も高くなる傾向があります。
そして、家賃収入が増えても、借入金額は変わらないため、金融機関からの借入金額が実質的に目減りする効果も期待できます。
不動産は、インフレに強く、生活の要であるため景気による需要の変化が少ない資産です。現預金や保険商品など、日本人の資産の多くを占める金融商品はインフレに弱いものが多いため、異なるリスクを持つ不動産をポートフォリオに組み込むことで、リスク分散になるというメリットもあります。
所有物件の地域や物件の維持管理状態が家賃に影響を与えます。過剰投資をせずに計画的な賃貸経営を行い、最適な提案と行動ができるパートナーをお選びいただき将来を充実にお過ごしくださいませ。
売却益を得られる
投資で得られる利益にはインカムゲインとキャピタルゲインの2種類があります。アパート経営をはじめとする不動産投資の利益は、長期的かつ安定的な家賃収入というインカムゲインです。
ただし、タイミングを見計らって売却することでキャピタルゲイン(売買差益)も期待できます。不動産相場は常に変動しています。購入時よりも高く売れそうだと感じた時点で売却を検討するのも、アパート経営の一つの戦略といえるでしょう。
ここまで、アパート経営の主な6つのメリットを紹介しました。マンションや戸建てなど、アパート以外の賃貸経営でも同様のメリットが得られます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
■参考記事
賃貸経営の成功法を伝授!代表的なリスクと6つの成功ポイントとは
賃貸経営・アパート経営のリスクとリスクコントロールする対策
アパート経営には多くのメリットがある反面、さまざまなリスクも存在します。リスクコントロールで注力するポイントや対策とあわせて解説します。
空室リスクと「4つの空室対策」
空室リスクはアパート経営最大のリスクといわれ、安定したアパート経営を続けていくために空室対策は欠かせません。空室が増えてから空室対策を行うケースも少なくありませんが、空室になりにくい駅近など好立地の物件を選ぶことや、優秀な賃貸管理会社に入居者募集や賃貸仲介などのリーシング業務を依頼することでリスクを軽減できます。
『4つの空室対策』とは、空室発生の代表的な要因を解決するフレームワークです。
①入居者募集対応:物件のお問い合わせを増加する募集力を高める施策
②仲介対応:入居希望者様のご希望とマッチする物件の紹介、近隣の競合物件動向・地域の需要の把握
③管理対応(入居者管理/建物管理):入居者様へのトラブル・建物管理の不具合の早期解消、退去予防
④設備・工事対応:入居者ニーズを反映した原状回復/設備・リフォーム/リノベーション/大規模修繕の実施
という賃貸経営に必要不可欠な4つの要素に関連する対策を指します。
安定したアパート・マンション経営を継続させるためには4つの対策の優先順位や実施タイミングなど注力するバランスが重要になります。
入居者トラブルリスクと「入居者管理」
賃貸経営では、入居者様がお困りの際に迅速に対応する必要があります。設備不良が起きた際の個別対応をはじめ、ごみ箱や自転車・駐車場など共有部の定期清掃や、騒音などのトラブルに対するサポートが必要になることもあります。入居者様や退去する方にアンケートを行い、顧客満足度調査や物件を改修するヒントを収集することで顧客満足度の向上に利活用できるでしょう。
「入居者管理」では厳格な入居者審査を行い、一定のモラルや価値観が近い入居者様を募集することで、トラブルが起こる確率を減少させる効果が期待できます。わかりやすく「ペット可」の物件をイメージしてご紹介します。
アパート経営では1棟まるごと管理しているため「ペットと同居する入居者様専用」の条件を1棟全体で適用しやすくなります。ペット関連のトラブルは、ペットを飼っていない方や動物が苦手な方も入居される一般的なアパートと比べて大幅に少なくなるでしょう。お互いに、ご家族の一員であるペットに対する理解もあり、条件となる制約が安心につながることもあります。
逆に、ワンルームマンションの1戸でペット可などの条件変更をする場合は、管理規約を順守の上、近隣の入居者様とトラブルにならないように細心の注意を払う必要があります。ペット有無の入居者様が混在することでトラブルのリスクも懸念されます。
入居者様と真摯に向き合うほど「入居者ニーズ」を深く理解できるため、空室対策のポイントになる「入居者募集」や「仲介業務」であるリーシングのほか、ミニマム投資で対応する「修繕・工事対応」などの業務もお任せできる賃貸管理会社を選ぶとオーナー様の負担は少なく、高い効果が期待できるでしょう。
家賃滞納リスクと「入居者審査・保証会社」
入居される方の金銭事情によって家賃の滞納が起こる場合もあります。家賃滞納などが起こった場合に備えて保証会社を利用するのが一般的ですが、入居者審査でも家賃対応が起こる確率を下げることが可能です。空室を埋めるために、入居条件を緩める提案を行う不動産会社も存在しますが、トラブルや家賃滞納などのリスクが高まるため、慎重な判断が必要です。
長年蓄積してきた賃貸管理実績の取引データを基にした独自の入居者審査項目を設けている賃貸管理会社に対応を依頼することで、家賃滞納などの金銭トラブルが起こる確率を下げることができます。万が一トラブルが起こってしまった場合でも保証会社を利用していれば、損失補填を受けることが可能になります。
家賃滞納リスクをヘッジするオプションのある賃貸管理会社に入居者様の管理を任せ、保証会社を利用して万が一に備えることで、家賃滞納リスクは大きく軽減されるでしょう。
建物と外構の管理リスクと「建物管理(清掃・メンテ)」
日々の清掃やメンテナンスを怠ると入居者様に「選ばれないお部屋」になるリスクが存在します。また、築年数が15年以上経過している物件ほど、建物管理の質により建物や設備の寿命に影響が生じます。適切な建物の維持保全は空室対策にもつながる大切な業務です。
■清潔な状態を保つ日々の清掃業務とメンテナンス
共用部分の清潔感を維持しているか、していないかで物件の美観や資産価値は大きく変わります。日々、入居者様がご利用するエントランス・ゴミ置き場・駐輪場・階段・廊下などは入居希望者様をご案内する際にも見られるポイントです。
物件や条件がよくても、荒れている共有部分を見ることで別の物件を選ぶことはよくあります。特に、小さいお子様のいるファミリー世帯や学生、新社会人向けの物件では必ずと言っていいほど確認される場所なので、清掃は仲介力に影響がある空室対策でもあるのです。
清掃業務と合わせて、廊下などの電球切れや設備の破損、建物のクラックなど備品チェックや防火管理関連設備対応の確認と合わせて、建物の定期的な確認やメンテナンスで建物の健康状態を定点観測することも大切です。資産の維持保全活動として大きな問題が起こる前に、対処ができることも多くあります。例えば、クラックからの浸水被害が生じる前に事前対応ができたので、2次被害を防止できたという話はよくあります。
入居者様はもちろん、建物やお部屋も、丁寧に、大切に掃除とメンテナンスをすることで、入居者様には快適にお過ごしいただけ、入居希望者様も安心して申し込みができ、建物の健康状態も定点観測できるため、さまざまなリスクに対して的確な一手を打つことができます。
清掃の行き届いた清潔な建物になると、お住まいの入居者様の人柄・意識の持ちようも大きく変化します。先述した入居者審査でも同じ価値観の方々が集まりやすくなり、結果論として美しい状態を入居者間で維持向上する状態の醸成につながります。
建物とお部屋の老朽化リスクと「設備・工事・修繕対応」
アパート経営において、建物の老朽化を避けることはできないため、一定の設備投資や修繕費を想定した資金計画を立てる必要があります。
賃貸経営で大事な視点は「収支」と「入居者ニーズ」です。入居者ニーズや周辺の物件との比較しながら、適宜、原状回復工事、リフォーム・設備投資、リノベーション、大規模修繕などを検討し、より長く安定した家賃収入を得られるようにメンテナンスを行うことで、賃貸経営の収益は大きく変わってくるでしょう。
初期費用0円で、費用の持ち出しなしで工事ができる『割賦払い』など工事資金の支援を受けられる賃貸管理会社を選べば、工事や修繕に関する資金繰りの心配も少なくなるでしょう。
地域需要が変わる立地リスクと「売買戦略・募集戦略」
極論となりますが、大学生向けや大企業の社員向けに高い需要が見込めていた物件が、大学や企業の移転など周辺環境の変化により、需要が変化する可能性はゼロではありません。
前述のような、立地リスクを軽減するためには、1つの大学や企業に依存しない賃貸経営戦略に加え、移転が確定した場合の出口戦略もあらかじめ検討することでリスクを低減できるでしょう。
移転することは滅多にありませんが、物件を建築または購入する際に投資回収期間が短くなるような収支計画を立てることや、不確実性の高い時代ということも考慮し、ターゲット変更が可能な募集戦略をバックアッププランとして用意するなど、賃貸需要とオフィス需要を見極めて、複数の出口戦略を想定しておくと早期解決が図れるでしょう。
地震や火災などの自然災害リスクと「保険対応」
アパート経営は、実物資産のため、地震や火災、水害などが起こった場合に、被害が発生するリスクがあります。
地震や火災、水害などで建物が損傷してしまうと、修理に多額の費用がかかるだけではなく、損傷の度合いによっては、入居者様にまたお住まいいただけるようになるまでの空室期間が生じることが想定されます。
自然災害リスクには火災保険や地震保険で備えるのが一般的ですが、地震による火災が起こった場合は、火災保険の補償範囲外で地震保険に加入していないと補償を受けることができません。水害も火災保険で備えられる場合が多いですが、プランによっては補償の対象外となることがあるため注意が必要です。
災害が原因で原状回復工事が必要となった場合には、工事が終わるまでの家賃収入が途絶える期間の収益減を補うために、家賃補償特約を付けるという選択肢も存在します。
自然災害のリスクを最小限に抑えるためには、購入前にハザードマップを確認し、災害リスクが少ない立地の不動産を選ぶ視点も忘れてはいけません。
金利上昇リスクと「返済シミュレーション」
変動金利の融資を受けている場合、金利上昇のリスクをともないます。金利が上昇すると、ローン金利も高くなるため、金利上昇リスクを抑える方法をご紹介します。
「固定金利」や一般的な元利均等返済よりも初期段階の金利負担が重くなる「元金均等返済」を選ぶという選択肢も存在します。ただし、「固定金利」には固定金利期間中に一括返済を行うと「繰り上げ返済違約金」が発生する場合があります。
繰り上げ返済違約金が発生するかどうかは金融機関や返済方法によって異なり、すでに融資を受けていらっしゃる方の場合は融資時に取り交わした契約書で確認することができます。さらに、固定金利には、金利が変動しないかわりに、想定よりも金利が上昇しなければ期間中の金利負担が「変動金利」よりも重くなる、「元金均等返済」もあります。
「元金均等返済」は初期に金利分を多く返済するため、購入直後のキャッシュフローが悪化しやすいといったデメリットもあります。返済方法やプランを選ぶ際には、詳細な返済シミュレーションを行ったうえで、どの方法が最適な選択か比較検討しましょう。
金利が一定以上に上がってしまった場合でも、節税や毎月の収益をプールし、万が一に備えておくことで、金利上昇リスクだけではなく、先述の修繕などにも対応しやすくなるでしょう。
低金利でアパート経営を始めることで、収益性が向上します。低金利の時期や条件の良い融資に出会うタイミングは、アパート経営を始めるのに適した時期と言えます。
収益悪化リスクと「賃貸経営戦略」
環境の変化やアパートの経年変化にともない、募集方法や仲介対応などのソフト面と、お部屋の設備や内装などのハード面が時代にマッチしていないと空室が発生しやすくなります。
「賃貸経営の負のスパイラル」に陥った場合、収益の悪化スピードを緩めるためには、タイミングを考慮しながら、設備の入れ替えや、リフォーム、リノベーションを行うなど、入居者ニーズに合ったお部屋であり続けるための工夫や全体を俯瞰した収支計画が必須です。使える設備は最大限活用しつつ、不測の事態に備えることで、収益性を加味しながら長く賃貸経営を続けることができます。
オーナー様が1人で詳細なシミュレーションを行い、空室対策、入居者募集、リフォーム・リノベーション、節税、相続対策、売却など多種多様な賃貸経営の判断を行うことは、非常に大きな労力と心理的負担をともなうでしょう。
今後も長く安定した賃貸経営を望む場合や、資産拡大の展望を抱いている場合は、賃貸経営のトータルサポートができる会社をパートナーに選び、一緒に賃貸経営戦略を立てておくことをおすすめします。
賃貸アパート経営を始める際の流れ
賃貸アパート経営を始めるには、中古アパートを購入する、またはアパートを新築して所有者になる必要があります。ここではアパートを新築したいと考えている方に向けて、賃貸アパート経営を始める際の一般的な流れと注意点について解説します。
事前準備
アパートなどの賃貸経営初心者にとって、なによりも大切なのは事前準備です。まずは、アパート経営に関する最低限の知識を蓄えておきましょう。同時にアパート経営の目的を明確にします。
アパートを経営することで不労所得を得たいのでしょうか。それとも家賃収入を老後の生活資金にしたいのでしょうか。人によっては相続税の節約という目的もあるでしょう。目的に応じて経営戦略が異なるため、はじめにしっかりと決めるようにしてください。
次に考えたいのが「誰をターゲットにするのか」ということです。例えば、学生など単身者と子育て中のファミリー層では、好まれる立地や間取り・設備などが異なります。ニーズを無視したアパートにはなかなか入居希望者様が集まらず、期待した家賃収入が得られません。
どのようなアパートを建築・購入するかは資金計画に大きく影響するため、地域の賃貸需要やニーズを調べておきましょう。賃貸管理を行っている賃貸管理会社は運営実績を元にした相場観を持っているため、聞いてみることもおすすめします。
アパート・賃貸物件の建築及び購入
建物の建築にかかる期間は規模や構造などによって異なりますが、アパートの構造は木造2階建てが一般的です。建築期間の目安は3~6ヶ月程度と考えておきましょう。当然ながら、アパートが完成して入居が決まるまで家賃収入は得られません。土地の購入にローンを利用する場合は、建築期間中に毎月返済を続けられるだけの自己資金が必要です。
建築期間やコストは建築会社によっても異なります。はじめから1社に決めるのではなく、複数の建築会社に相談してプランを取り寄せ、比較検討するようにしてください。
状況により、中古の収益物件を購入する選択肢もあります。中古アパートの購入をご検討の方は以下の記事もご参照ください。
■参考記事
アパート購入と賃貸経営の流れ! アパート経営成功のポイント【保存版】
資金計画の再確認
アパートの建築・購入が具体的になってくると、当初の資金計画とズレが生じることがあります。例えば、想定外の追加工事が必要になったり、天候不良が続いたりして工期が延びた場合に、アパート経営のスタートが遅れ、家賃収入を得られる時期が先延ばしになります。
また、思ったように入居者希望が集まらないなどの理由で、家賃の見直しを検討することもあるかもしれません。
資金計画にズレが生じた場合、手持ち資金にある程度の余裕がないと対処できなくなってしまいます。経営を始めてからも空室やイレギュラーな修繕が発生することなどを想定して、余裕のある資金計画を立てるようにしましょう。
■参考記事
アパート経営に必要な自己資金はいくら? 成功に導く出口戦略と資金計画
管理方法を決める
アパート管理には、オーナー様が自ら管理を行う「自主管理方式」と、管理業務を賃貸管理会社に委託する「管理委託方式」の2種類があります。経験豊富なオーナー様の中には自主管理を選ばれる方もいますが、賃貸管理業務は多岐にわたるため、手間や労力を考えると管理委託を選ぶのが無難です。
管理委託費の相場は家賃の5%前後ですが、賃貸管理会社にもさまざまな種類があり、会社によってサポート範囲や管理費が異なります。建築会社を決めるときと同様に、複数社からプランを取り寄せて比較検討しましょう。管理業務の詳しい内容や賃貸管理会社の特徴については、以下の記事を参考にしてください。
■参考記事
賃貸経営サポートとは? 不動産投資の成功を左右する管理会社の実力
【必読】賃貸管理会社の選び方!運用益と出口戦略を見据える賃貸管理
入居者募集を行う
アパートが完成したらすぐにでも賃貸経営を始められるよう、建築中に入居者募集の準備を始めましょう。ターゲットや周辺環境などを考慮しながら、次のような募集条件を決めていきます。
●家賃、管理費、敷金・礼金、更新料などの金額
●家賃や管理費の支払い方法
●契約期間
●保証人(連帯保証人が必要か、保証会社を利用するか)
●修繕費用の負担について
●禁止事項(ペットや楽器演奏の可否、家族以外の同居の可否など)
アパート経営において入居者募集は非常に重要な項目のため、仲介を依頼する不動産会社や管理を委託する賃貸管理会社などと相談して決めることをおすすめします。
■参考記事
空室の原因を解決する『4つの空室対策』とは?14種類の手法を徹底解説!
アパート経営・賃貸経営に必要な資金とかかる税金
資金計画を立てるうえで、アパート経営では何に対してどのくらいお金がかかるのか知っておくことが大切です。ここからは、アパート経営・賃貸経営に必要な資金とかかる税金について解説します。
アパート経営・賃貸経営に必要な資金
アパート経営を行う際は、ローンを利用して不動産を購入するのが一般的です。ローンを利用する場合、自己資金としてアパート建築費の10~20%程度を目安に準備しておくとよいでしょう。まずは、アパートの建築・購入、維持にかかる費用について解説していきます。
アパートの建築費
建築費は建物の構造と規模によって異なります。アパート建築の坪単価の目安は以下のとおりです。
●木造:60万円前後
●鉄骨造:80万円前後
●RC造:100万円前後
なお、家賃を決める際には建築費や経費などとのバランスを考える必要がありますが、その指標の一つとなるのが「利回り」です。アパート経営における利回りについての考え方は、以下の記事を参考にしてください。
■参考記事
【総集編】アパート経営の利回りの目安は?不動産投資の指標と注意点
アパート建築費以外の初期費用
初期費用はアパート建築費の約5~7%かかるのが一般的です。アパートの建築・購入にかかる諸経費としては、以下のようなものが挙げられます。
●印紙税
●登記費用(登録免許税+司法書士報酬)
●仲介手数料
●ローン手数料
●不動産取得税
●火災保険料 など
印紙税はアパートの購入費や建築費によって異なります。国税庁のホームページに具体的な税額が掲載されているので、確認しておきましょう。
参考:印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
既存アパートを購入した場合は、不動産会社に仲介手数料を支払います。仲介手数料の上限は「物件価格×3%+6万円+消費税(物件価格400万円以上の場合)」です。アパートローンを利用する場合は金融機関にローン手数料を支払うことになりますが、金融機関によって金額や条件が異なるため、事前に確認しておきましょう。
不動産取得税はアパートを取得した際に納める税金のことをいい、「固定資産税評価額×3%(軽減税率)」で算出可能です。火災保険料は建物の立地や構造などから算出されます。保険会社によって金額や補償内容が異なるので、ファイナンシャルプランナーに相談するなどして選ぶと安心です。
アパート建築費以外の初期費用については、以下の記事も参考にしてください。
■参考記事
アパート購入と賃貸経営の流れ! アパート経営成功のポイント【保存版】
アパート経営・賃貸経営で発生する維持費
アパートを維持する費用には、毎月かかるものと定期的にかかるものがあります。
【毎月かかる費用】
●共用部分の水道光熱費や清掃費
●管理委託費(賃貸管理会社に管理を委託する場合)
【定期的にかかる費用】
●消防設備点検費
●修繕費
●賃貸成約時の仲介手数料
このほか、退去時の原状回復工事費、新規入居者募集の広告費などが必要です。アパートの維持に欠かせない修繕についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
■参考記事
【事例付き】アパート経営の修繕と費用相場!収益を生み出す修繕内容
アパート経営・賃貸経営でかかる税金
次に、アパートの建築・購入時や保有時、売却時にかかる税金について解説します。家賃収入など不動産所得にかかる税金は確定申告を行う必要があるので、以下の記事を参考に知識を深めておきましょう。
■参考記事
家賃収入にかかる税金はいくら?設備投資と損益通算で考える節税対策
アパート建築・購入時
アパートの建築・購入時には、次のような税金が発生します。
●建物の建築・購入にかかる消費税(土地は非課税)
●印紙税
●登録免許税
●不動産取得税
印紙税は上述のとおり、課税文書に記載される契約金額によって異なります。登録免許税は各種税率が定められており、建物の所有権保存の場合「固定資産税評価額×0.4%」、売買による所有権移転の場合「固定資産税×2%」で算出可能です。
不動産取得税は先述の計算方法になりますが、新築アパートの不動産取得税には軽減特例があります。条件を満たせば課税対象となる固定資産税評価額から、1戸あたり1,200万円を控除できるので、詳しくは下記の記事を参考にしてください。
■参考記事
不動産取得税はどうやって計算する?新築・中古別シミュレーション
アパート保有時
アパートを保有する間は、物件ならびに不動産所得に対して次の税金が課されます。(個人の場合)
●固定資産税:固定資産評価額×1.4%
●都市計画税:固定資産評価額×0.3%
●所得税:課税所得金額×所得税率(5~45%)−税額控除
●住民税:(課税所得金額×所得税率−税額控除)+均等割額
固定資産税と都市計画税は地方税であり、自治体によって税率が異なります。所得税や住民税の課税対象となる不動産所得は、家賃や管理費などの年間収入から経費を差し引いたものを指します。経費を正しく計上することが節税ポイントになるので、以下の記事でどのような費用が経費になるのかを把握しておきましょう。
■参考記事
不動産所得を節税するには?減価償却費など代表的な経費【一覧表】
アパート売却時
譲渡所得税は、キャピタルゲイン(売買差益)に課される所得税・住民税です。(個人の場合に課税されるもの)アパートの所有期間が5年以内か5年を超えるかで税率が大きく異なるため、売却時期には注意しましょう。
譲渡所得税の計算方法などの詳細は、以下の記事を参考にしてください。
■参考記事
不動産売却税とは?信頼できるパートナーと考える効果的な節税対策
アパート・賃貸物件の経営者年収
2022(令和4)年分の「申告所得税標本調査」によると、不動産所得者の平均所得金額は約543万円でした。
賃貸物件のオーナー様といっても、区分マンション一室のみを所有する方から複数棟のアパート・マンションを所有する方までさまざまです。データからは所有する物件の種類や数は分からないため、あくまで平均値として捉えてください。
また、アパート経営は医師や経営者、上場企業の役職者など、高収入の方が節税対策として始めるケースが多い傾向にあります。本業の平均年収は1,000万円以上です。専業大家として複数棟を所有するオーナー様も少なくありません。アパートをはじめとした賃貸経営で成功したい方は、ぜひ以下の記事にも目を通してみてください。
■参考記事
【保存】不動産経営の種類や収支を学ぶ!リスク回避する成功の秘訣とは?
アパート経営・賃貸経営に向いていない人
不動産投資やアパート経営に向いていない方にはどのような特徴があるのでしょうか。
アパート経営で目標を達成できない方やなかなか成果を上げられない方には、多くの共通点があることが分かりました。躓きやすいポイントを理解しておくことで、リスクを回避することが可能になります。
アパート経営・賃貸経営に向いていない人の特徴
アパート経営に向いていない方に共通する特徴として、次のようなものが挙げられます。
●不動産投資を始めることがゴールになっており、アパート経営をスタートする時点で自己資金を使い果たしている
●安易に表面利回りが高い物件に飛びつくなど、目先の利益に目がくらんでしまう
●賃貸経営の情報収集を全くせず、計画的な準備ができていない
注意すべき点を具体的に知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
■参考記事
アパート経営の失敗体験談9選と回避方法!よくある失敗事例から学ぼう
アパート経営・賃貸経営におけるリスク回避の考え方
不動産投資やアパート経営では、物件を購入して終わりではなく、購入後から賃貸経営が始まります。たまたまよい物件に巡り合えたとしても、管理をおろそかにすると収益性も低下してしまいます。
不動産投資を始める前に、不動産投資を行うことで「実現したい未来」を想像してみてください。不動産投資やアパート経営・マンション経営は購入してからスタートになります。
【4つの空室対策】入居者募集力/賃貸仲介力/管理対応(入居者管理/建物管理)/設備・工事対応
【売買対応】売れるしくみ・買えるしくみがあるか
【設備・工事対応】入居者ニーズに応える対応が、ミニマムコストでできるか
【節税・相続・資産活用】専門家を交えた対応ができるか
など、賃貸経営に必要となる内容をあらかじめ調べておくとよいでしょう。
表面利回り10%で、8,000万円の物件を購入すると毎年800万円の家賃収入が手に入るなどと聞くと、非常に魅力的に感じてしまいますが、高利回りの物件はリスクも高い傾向にあります。長期的な収益力や、想定される修繕費用、現状の家賃は周辺相場と乖離していないかなど賃貸経営を行う経営者の視点を持ち、入念なシミュレーションを行ったうえで、投資判断を行いましょう。
広告に記載されている表面利回りと、実質利回りとの違いなど、最低限の不動産投資に関わる知識を習得しておくことも不動産投資でリスクを減らすためには重要な意味を持ちます。
頼れる専門家にお任せするという前提がある中でも、法改正をはじめとして、最新の賃貸経営情報やトレンドのほか、競合物件や地域の賃貸需要の変化などの情報収取がおろそかになると、賃貸経営に必要な経営判断ができなくなります。オーナー様と一緒に新しい知識を得られることは楽しいと感じるパートナーがほとんどでしょう。
賃貸経営のパートナーから定期的な情報共有と、可能なかぎりの自助努力により、賃貸経営の知識をアップデートしてみてください。きっと、ご所有される物件がさらに愛おしくなるでしょう。
アパート経営で成功する秘訣
アパート経営で成功されているオーナー様の共通点から、不動産投資・アパート経営で成功する秘訣が浮かび上がってきます。次にご紹介する5つのポイントを押さえて、成功確率を高めましょう。
目的・目標を明確に、長期的な視点でアパート経営を考えよう!
アパート経営は目指すべきゴールが明確なほど、戦略が立てやすく、目指すべき収益性や資産拡大計画などの計画が具体的に導き出せます。何のためにアパート経営をするのかという目的や目標をはっきりさせた上で始めることが、アパート経営で成功する秘訣です。短期目線で投資判断を行うのではなく、長期的な事業計画を立てることで成功確率を高めましょう。
購入前に入念な下調べをしよう
アパート経営において物件選びは非常に重要で、長期的に高い需要が見込める、地域のニーズに合致した物件を購入することができれば、購入後の管理や空室対策の負担は軽くなります。
いい条件の物件は高額になるため、地域の人口推移や周辺環境など購入前や土地に建築する場合を問わずの地域の人口推移や周辺環境などの下調べを行い、建設計画や将来性のある出口戦略を描きなどの情報を基に投資判断を行いましょう。
リスクを理解し、許容できる範囲内でアパート経営を行おう!
アパート経営のリスクの中には、リスクを理解して対策を打っておけば予防できるものが多くあります。
リスクの理解は前述でご紹介した(空室リスク・入居者トラブルリスク・家賃滞納リスク・建物と外構の管理リスク・建物とお部屋の老朽化リスク・地域需要が変わる立地リスク・地震や火災などの自然災害リスク・金利上昇リスク・収益悪化リスク)など、不動産投資にはどのようなリスクが潜んでいるのかを学び現状を把握しましょう。
成功されているオーナー様が行っている対策(「4つの空室対策」「入居者管理」「入居者審査・保証会社」「建物管理(清掃・メンテ)」「設備・工事・修繕対応」「売買戦略・募集戦略」「保険対応」「返済シミュレーション」「賃貸経営戦略」)を講じ、許容できる範囲以上に大きなリスクを背負わないようにすることが肝要です。
入居者目線と経営者目線を合わせ持つ、バランスのいい空室対策を考えよう!
空室対策を行う上で、入居者ニーズに合った対策を行うことが非常に重要です。どんなに高額で素晴らしい仕様の住宅でも、想定ターゲットにマッチしない場合は入居者様のニーズを満たせず、空室リスクが高まります。
周辺の人気物件や地域動向を把握し、入居希望者様が求めている対策を講じることで、最小限のコストで、最大限の効果を得る、費用対効果の高い空室対策が実現可能です。入居者アンケートなどで、日頃から入居者ニーズの把握に努めている企業からの情報などを有効活用するとよいでしょう。
オーナー目線で賃貸経営・不動産経営を行いアパート経営を包括的にサポートできるパートナーを探そう!
経験と実績に基づく戦略を提案できるか、目的にマッチするアパートの建築サポートができるか、ターゲット選定や資金計画を立てられるか、空室対策やリーシングに強く賃貸募集力・賃貸仲介力があるか、オーナー様と入居者様の間に立つ顧客満足度の高い賃貸管理ができるか、入居者ニーズを捉えたリフォームやリノベーションができるか、需要の高い収益物件を購入・売却するサポートができるか、資産活用や相続対策・節税対策など専門的知見を備えたフォローをしてもらえるかなど、賃貸経営の流れにそってトータルサポートしてもらえる具体的なイメージを描きながら、パートナーを選ぶことが成功の秘訣です。
最初から全てを把握している必要はありません。例えば、『賃貸経営で、遊ぶように暮らす』ことが実現できるように、オーナー様と同じ目線で、同じ目標に向かって歩めるパートナーをお探しください。
アパート経営・賃貸経営のことなら、リロの不動産にお任せください!
アパート経営や不動産投資のリスクは予防できるものが多いためリスクを理解し、タイミングよく対策を行いましょう。アパート経営の成功確率を上げるためには、リスク対策を行う優秀なパートナーの存在が欠かせません。
優秀なパートナーの定義もさまざまありますが、事前の下調べから、賃貸経営計画の策定、空室対策、入居者ニーズの把握などさまざまな場面で頼りになり、自ずと成功確率は高まるのです。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。