マンションの自主管理とは?メリット・デメリットと危険なトラブルを事例で解説
2026.10.11
マンション経営における管理方法は、オーナー様が管理業務を担う「自主管理」と、賃貸管理会社に業務を任せる「管理委託」の2種類に大きく分けられます。管理委託費を削減できる点に魅力を感じ、自主管理を検討するオーナー様も少なくありません。
しかしマンション管理には、入居者募集や家賃回収、クレーム対応、修繕手配など、幅広い業務がともないます。管理費の安さだけで判断すると、時間や労力が想定以上にかかったり、空室の長期化や対応の遅れによって収益が悪化したりする可能性もあるため、注意が必要です。
本記事では、マンションを自主管理するメリット・デメリットや注意点、賃貸管理会社へ委託したほうがよいケースを詳しく解説します。保有するマンションの管理方法に悩んでいる方や、管理委託を検討している方はぜひ参考にしてください。
▼この記事の内容
●マンションの自主管理は管理委託費を抑えられる一方、入居者対応や家賃管理、修繕などをオーナー様が行う必要がある
●戸数が少ない、築浅、近隣にある物件などは自主管理しやすく、戸数が多い・築古・遠方の物件は管理負担が大きくなりやすい
●管理委託費は家賃収入の3~5%程度が一般的な目安だが、自主管理にも時間や緊急対応、空室などの見えにくいコストが発生する
●管理品質は入居率や資産価値にも影響するため、管理費の安さだけでなく最終的な収益や長期的な資産価値をふまえて判断することが重要
●管理業務の負担増加や空室の長期化、修繕対応の増加などが見られたら、賃貸管理会社への委託を検討するとよい
マンションの自主管理とは?

マンションの管理方法には、オーナー様が管理業務を行う「自主管理」と、賃貸管理会社へ業務を委託する「管理委託」の2種類があります。
自主管理とは、入居者募集や家賃回収、契約手続き、建物・設備の管理、入居者対応など、賃貸経営に必要な管理業務をオーナー様が担う管理形態です。賃貸管理会社へ支払う管理委託費が不要になるため、管理コストを抑えられる点が自主管理の大きな特徴です。
一方で、その分の業務や責任はオーナー様が負うことになり、物件規模や状況によっては大きな負担となる場合もあります。自主管理を検討する際は管理費だけでなく、日々の業務量や対応にかかる時間も含めて判断することが重要です。
なお、入居者管理や賃貸管理の具体的な業務について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
■参考記事
【事例付き】入居者管理の基本から実務対応を徹底解説!賃貸経営を安定させる管理手法とリスク対策
満室経営を4つの空室対策で実現!入居者満足度を高める賃貸管理とは
賃貸管理会社へ委託する管理方式との違い
マンション経営における「自主管理」と「管理委託」の違いは、管理業務を誰が担当するかという点にあります。主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | 自主管理 | 賃貸管理会社委託 |
| 入居者募集 | オーナー様が募集手配(仲介会社への依頼など) | 賃貸管理会社 |
| 家賃回収・滞納対応 | オーナー様 | 賃貸管理会社 |
| クレーム対応 | オーナー様 | 賃貸管理会社 |
| 修繕手配 | オーナー様 | 賃貸管理会社 |
| 契約・更新手続き | オーナー様 | 賃貸管理会社 |
| 管理費 | なし | あり(家賃の数%) |
| 手間・負担 | 大きい | 小さい |
賃貸管理会社へ委託する場合は、入居者募集などの日常的な管理業務を専門業者が代行します。オーナー様は管理方針の決定や収支管理など、経営判断を中心に行うことになります。
一方、自主管理ではこれらの実務をすべてオーナー様が行います。管理委託費を抑えられるため、一見するとコスト面で有利に思えるかもしれません。しかし、時間的コストやトラブル対応の精神的負担など、管理費以外にもさまざまなコストが発生するため、単純な費用比較だけで判断することはおすすめできません。
自主管理と管理委託の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
■参考記事:不動産は「自主管理」と「管理委託」のどっち?メリット・デメリット
自主管理ではオーナー様が管理業務を担う
自主管理では、賃貸管理会社が行う管理業務を基本的にオーナー様が担当します。管理委託費を削減できる一方で、マンション経営に必要な実務を自ら行う必要があります。
主な業務としては、入居者募集や入居審査、契約・更新手続き、家賃回収・滞納対応、共用部・設備の管理、修繕業者の手配、入居者様からの問い合わせやクレーム対応などです。これらの業務は入居者様が快適に生活できる環境を維持し、安定した賃貸経営を続けるために欠かせません。
自主管理は想像以上に幅広い業務が発生するため、自主管理を選ぶ際は対応できる時間や労力を十分に考慮することが重要です。
自主管理・一部委託・全部委託の違い
マンション経営の管理方法は、大きく「自主管理」「一部委託」「全部委託」の3つに分けられます。それぞれの違いは、管理業務をどこまで外部へ任せるかという点です。
自主管理は、すべての業務をオーナー様が行う方法です。一部委託は、家賃回収や入居者募集、24時間の緊急対応など、負担の大きい業務だけを賃貸管理会社へ委託します。全部委託は、日常的な管理業務のほとんどを賃貸管理会社へ任せる管理形態です。
どの管理方法が適しているかは、所有するマンションの戸数や規模、オーナー様が管理にあてられる時間などによって異なります。一般的には、物件規模が大きくなるほど管理業務も増えるため、賃貸管理会社へ委託するケースが多く見られます。一方、区分マンションなど小規模な物件では、自主管理や一部委託を選択するオーナー様も少なくありません。
マンションを自主管理するメリット

マンションを自主管理する最大の魅力は、管理委託費を抑えられることです。また、オーナー様が物件の状況や入居者様の声を把握しやすくなり、迅速な意思決定につながる場合もあります。ここでは、マンションを自主管理することで得られる主なメリットについて解説します。
管理委託費を削減できる
自主管理の最大のメリットは、賃貸管理会社へ支払う管理委託費を削減できることです。管理委託費は一般的に毎月発生するため、自主管理に切り替えることでコスト削減の効果を実感しやすくなります。
そのため、賃貸経営の収益改善を目的として、自主管理を検討するオーナー様も少なくありません。特に、保有戸数が少ないマンションでは管理業務の負担が比較的軽く、管理委託費による費用負担を抑えやすい傾向があります。また、マンション経営を始めたばかりの時期にランニングコストを抑えられることから、初期の収益を確保しやすい点もメリットです。
入居者様の状況を把握しやすい
自主管理では、オーナー様が入居者様と直接やり取りする機会が多いため、要望や困りごと、不満などを把握しやすい傾向にあります。また、定期的に物件を訪れることで、共用部の汚れや設備の不具合など、建物の小さな変化にも気付きやすくなります。
問題を早期に発見・対応できれば、大きなトラブルへの発展を防げるでしょう。日頃からコミュニケーションを重ねて入居者様との信頼関係を築くことで、相談しやすい環境づくりや入居者満足度の向上につながる可能性があります。
管理方針を柔軟に決められる

自主管理では、管理に関する意思決定をオーナー様が行うため、管理方針を柔軟に決められます。賃貸管理会社を介さずに判断できることから、設備の修繕や募集条件の見直しなども、状況に応じてスピーディーに判断・対応できる点がメリットです。
さらに、オーナー様の経営方針や物件の特徴に合わせた運営方針を反映しやすく、柔軟な賃貸経営を実現できます。一方で、その判断にともなう責任はすべてオーナー様が負うことになるため、適切な知識や経験に基づいて判断することが重要です。
小規模物件では運営しやすい
小規模なマンションは管理業務の量が比較的少ないため、自主管理を選択しやすい傾向があります。入居者数が少なければ、問い合わせやクレーム対応、契約更新などの件数もかぎられることから、オーナー様が無理なく管理できるケースがあります。
管理業務にかかる負担がそれほど大きくない場合は、あえて賃貸管理会社へ委託せず、自主管理を選ぶオーナー様も少なくありません。特に戸数が少ない物件では、管理委託費と業務負担のバランスをふまえ、自主管理が適していると判断されることもあります。
管理ノウハウを蓄積できる
自主管理では、入居者募集や契約手続き、家賃管理、修繕対応などの管理業務をオーナー様が行うため、賃貸経営に関する実務知識や管理ノウハウを身につけられます。管理業務全体の流れを理解することで、状況に応じた適切な判断もしやすくなるでしょう。
また、自主管理で得た経験は、賃貸経営における判断力の向上にもつながります。将来的に物件数を増やしたり、賃貸管理会社へ委託したりする場合でも、管理業務への理解が深まっていれば、より適切な経営判断ができるでしょう。
マンションを自主管理するデメリット

マンションの自主管理には管理委託費を削減できるなどのメリットがある一方、管理業務の負担が増えたり、専門知識が求められたりするなどのデメリットもあります。
自主管理を選択する際はメリットだけでなく、どのような負担やリスクがあるのかを理解しておくことが重要です。ここでは、マンションを自主管理する主なデメリットについて詳しく解説します。
管理業務の負担が大きくなる
自主管理では、賃貸管理会社が代行する入居者募集や家賃管理、クレーム対応、修繕手配などの業務をオーナー様が担当します。マンションの管理業務は多岐にわたり、一度対応すれば終わるものではなく、物件を保有している間は継続的に発生します。
特に本業を持つオーナー様の場合は、日々の仕事と並行して管理業務に対応する時間を確保することが難しくなる可能性があるため注意が必要です。また、管理する戸数が増えるほど、入居者様からの問い合わせや契約手続き、設備トラブルなどの対応件数も増え、負担はさらに大きくなるでしょう。
自主管理によって管理委託費を削減できる一方で、管理に必要な時間や労力はオーナー様が負担しなければなりません。費用面だけでなく、継続的に管理業務へ対応できる時間を確保できるかどうかも考慮することが大切です。
専門知識が必要になる
マンションを自主管理するには、賃貸経営や物件管理に関する幅広い専門知識が必要です。例えば、賃貸借契約や借地借家法、原状回復に関する知識のほか、修繕の要否や入居者募集、適正な家賃の設定などについても、オーナー様が判断しなければなりません。
必要な知識が不足していると、契約内容や修繕対応などの判断を誤り、入居者様とのトラブルや収益の悪化につながる可能性があります。特に、賃貸経営の経験が少ない場合は、適切な対応方法が分からず思わぬミスが生じることもあるでしょう。
自主管理は、単に日常的な管理作業を行うだけではなく、状況に応じて専門的な判断が求められます。安定したマンション経営を続けるためには、必要な知識を継続的に身につけ、適切に対応できる体制を整えることが重要です。
入居者対応に追われることがある
自主管理では、入居者様からの問い合わせや相談を受け付ける窓口もオーナー様が担当します。騒音に関するクレームや設備の不具合、契約内容に関する相談、近隣住民や入居者様同士のトラブルなど、さまざまな問題に対応しなければなりません。
このような問題は予告なく発生するため、必ずしもオーナー様の都合に合わせて対応できるとはかぎりません。内容によっては夜間や休日に連絡が入ることもあり、本業や日常生活に影響する可能性があります。また、クレームや入居者様同士のトラブルでは、双方の意見を聞きながら対応する必要があり、精神的な負担を感じることもあるでしょう。
入居者対応は、自主管理の中でも特に負担が大きくなりやすい業務の一つです。自主管理を選択する際は、突発的な問い合わせやトラブルにも継続して対応できるかを考えておく必要があるでしょう。
修繕・設備対応の判断が難しくなる

自主管理では建物や設備に不具合が発生した際に、修繕の必要性や対応の優先順位をオーナー様が判断しなければなりません。しかし、建物や設備に関する専門知識がなければ、修繕が必要な状態なのか、どの程度急いで対応すべきなのかを適切に見極めることが難しい場合があります。
対応が遅れると不具合の範囲が広がったり、入居者様の生活に影響したりするなど、さらなるトラブルにつながる可能性もあります。また、修繕を依頼する際には、業者から提示された工事内容や見積金額が妥当であるかの見極めが必要です。
建物や設備の修繕は、入居者様が安心して暮らせる環境を維持するうえで、重要な管理業務です。適切なタイミングで必要な修繕を実施できるかどうかは、マンションの管理品質にも大きく影響します。
空室対策を自ら行う必要がある
自主管理では、空室が発生した際の入居者募集や空室対策もオーナー様が行わなければなりません。空室期間が長引くほど家賃収入を得られない期間が延びるため、マンション経営の収益にも大きく影響します。
空室をできるだけ早く解消するには、周辺の家賃相場や競合物件、入居者ニーズなどを把握したうえで、適切な募集条件を設定することが重要です。なかなか入居者様が決まらない場合には、家賃や敷金・礼金などの条件を見直したり、設備・内装を改善したりするなど、状況に応じた対策も求められます。
管理委託費を削減できても空室が長期化すれば、それ以上の収入を失う可能性があります。自主管理では管理費だけでなく、空室による損失も考慮して収益性を判断することが大切です。
法的トラブルへの対応責任を負うことになる
自主管理では、家賃滞納への督促や契約違反への対応、明渡し交渉、原状回復費用を巡る争い、敷金精算など、法律や契約が関係するトラブルにもオーナー様が対応する必要があります。
法的トラブルは、賃貸借契約の内容や関連する法律を正しく理解したうえで、状況に応じて適切に対応することが重要です。知識が不十分なまま対応すると、問題が長期化したり、本来回収できる費用を回収できなかったりするなど、損失につながる可能性があります。当事者との交渉や必要な手続きを進めるには、多くの時間や労力がかかることもあるでしょう。
法的トラブルは日常的に発生するものではありませんが、一度発生するとオーナー様にかかる負担が大きくなりやすい点は、自主管理のデメリットといえるでしょう。
本業やプライベートに影響することがある
マンションの管理業務は、決まった時間帯だけで完結するとはかぎりません。設備の故障や入居者様からの問い合わせなどが夜間や休日に発生し、急な対応を求められることもあります。
特に、本業を持ちながらマンション経営をしている場合は、仕事中に入居者様から連絡が入ったり、休日に現地確認や修繕業者の手配が必要になったりすることで、両立が難しくなるケースも考えられます。管理業務に割く時間が増えれば、プライベートの時間を確保しにくくなり、長期的に負担が蓄積する可能性もあるでしょう。
自主管理を選択する際は、管理委託費の削減だけでなく、継続して管理業務に対応できるだけの時間的な余裕があるかどうかも考慮することが大切です。
マンションの自主管理が危険といわれる理由

マンションの自主管理では、適切な管理体制を整えなければ長期的に管理品質が低下するリスクがあります。特に、管理業務の担い手不足や高齢化、修繕の遅れなどには注意が必要です。ここでは、マンションの自主管理が危険といわれる主な理由について解説します。
管理業務の担い手が不足しやすい
自主管理では、オーナー様や管理組合(分譲の場合)が多くの管理業務を担う必要があります。自主管理によって一人に業務が集中すると、負担が大きくなり継続が難しくなるかもしれません。また、管理の担い手が固定化すると業務が属人化し、相続などの際にほかの方への引き継ぎが難しくなることがあります。オーナー様の体調不良や転居などによって、従来の管理体制を維持できなくなるケースも考えられるでしょう。
オーナー様が一人で十分に管理業務をこなすことができれば問題ありませんが、物件の戸数や棟数が増えるほど負担が増える傾向にあり、必要な業務に手が回らなくなれば、管理品質の低下やトラブルの増加につながる可能性があるため注意が必要です。
住民・オーナーの高齢化で管理が重荷になる
オーナー様や住民の高齢化も、自主管理を継続するうえで課題となります。建物の点検や修繕業者の手配、入居者対応などの管理業務には一定の体力や判断力が必要です。年齢を重ねるにつれて、これまで問題なく行えていた業務が負担になることも考えられるでしょう。
また、管理を引き継ぐ後継者がいない場合は将来的に管理体制を維持できず、管理不全につながる恐れもあります。長期的に自主管理を続けるのであれば、オーナー様や住民の高齢化も考慮し、将来を見据えた管理体制を整えておくことが重要です。
管理費・修繕費の管理が不透明になりやすい

自主管理では、日常的に発生する物件の管理費や、将来的に必要になる修繕費などの資金管理もオーナー様が行います。収支管理や帳簿の作成、書類の保管などが適切に行われていないと、資金の流れが不透明になりかねません。
また、収支状況を正確に把握できていなければ、修繕に必要な資金の不足に気付かず、必要な工事を先送りしてしまう可能性もあります。適切なタイミングで修繕を行うためにも定期的に収支を確認し、帳簿や関連書類を保存するなど、透明性の高い会計管理を徹底するようにしましょう。
修繕判断が遅れ、管理不全に陥る可能性がある
マンションの建物や設備は経年劣化するため、状態を定期的に確認し、適切なタイミングで修繕する必要があります。しかし自主管理の場合、専門知識が不足していると、修繕の優先順位や実施時期を適切に判断できずに対応が遅れる可能性があるため注意が必要です。
修繕を先送りすると不具合がさらに拡大し、結果として修繕費用が高額になることもあります。管理不全は建物の安全性に影響を及ぼすだけでなく、入居者満足度の低下にもつながります。マンションを良好な状態に保つためには、長期的な視点で計画的に点検や修繕を行うことが重要です。
売却時の評価が下がることがある
マンションを売却する際には、購入希望者や金融機関から建物の管理状況を確認される場合があります。修繕履歴や長期修繕計画、日頃の管理記録などが十分に残されていないと、適切に管理されてきたかが判断しづらく、購入者側の不安材料になりかねません。
また、共用部の清掃や設備のメンテナンスが行き届いていない場合、資産価値や売却価格に影響する可能性もあります。自主管理そのものが売却時の評価を下げるわけではなく、適切な管理を継続し、その状況を記録として残しておくことが大切です。
マンションの自主管理に向いているケース・向いていないケース

マンションの自主管理が適しているかどうかは物件の規模や状態だけでなく、オーナー様の状況によっても異なります。管理の負担を抑えながら安定したマンション経営を続けるには、自主管理との相性を見極めることが大切です。ここでは、自主管理に向いているケースと向いていないケースを、マンション・オーナー様の特徴別に解説します。
自主管理に向いているケース
自主管理に向いているかどうかは、マンションの規模や築年数、立地などの物件条件に加え、オーナー様が管理業務にあてられる時間や知識などによって異なります。
マンションの特徴
自主管理に向いているマンションの主な特徴は、以下のとおりです。
●戸数が少ない
●小規模な一棟
●築年数が浅い
●設備トラブルが少ない
●オーナー様の居住地から近い
●入居者属性が安定している
戸数が少ないマンションや小規模な一棟マンションは、入居者対応や契約手続きなどの件数がかぎられるため、管理業務の負担を抑えやすい傾向があります。また、築年数が浅く設備の状態が良好な物件であれば、修繕や設備トラブルが発生する頻度も比較的少なく、管理しやすいでしょう。
オーナー様の居住地から近いことも重要なポイントです。物件の状態を確認しやすく、トラブルが発生した際にも迅速に対応できます。さらに、長期入居者が多いなど入居者様の属性が安定していれば、入退去にともなう業務も少なくなります。
管理業務やトラブルが比較的少なく、オーナー様が状況を把握しやすいマンションは、自主管理を選択しやすいです。
オーナーの特徴
自主管理に向いているオーナー様の特徴として、主に以下が挙げられます。
●管理業務に使える時間が十分にある
●入居者対応に抵抗がない
●賃貸管理に興味がある
●修繕や設備管理の知識がある
●必要な情報を自ら収集できる
●フットワークが軽い
自主管理では入居者対応や家賃管理、修繕手配など、さまざまな業務を行う必要があります。管理にあてられる時間を十分に確保でき、必要に応じてすぐに行動できる方は、自主管理に向いているといえるでしょう。
また、適切な管理を行うには修繕や設備、契約などに関する知識も必要です。賃貸管理に興味があり、分からないことがあれば積極的に情報を収集できることも、重要なポイントとなります。
時間的な余裕があるだけでなく、管理業務を負担に感じにくく、必要な知識を身につけながら主体的に対応できるオーナー様は、自主管理を継続しやすいでしょう。
自主管理に向いていないケース
物件の規模や状態、オーナー様の状況によっては、自主管理による負担が大きくなるケースもあります。無理に自主管理を続けると管理品質が低下し、トラブルや収益悪化につながる可能性もあるため注意が必要です。
マンションの特徴
自主管理に向いていないマンションの特徴として、主に以下が挙げられます。
●中規模以上の一棟
●戸数が多い
●築年数が古い
●修繕が頻繁に発生する
●オーナー様の居住地から遠い
●入退去が多い
●空室率が高い地域
中規模以上の一棟マンションや戸数が多い物件では、入居者対応や家賃管理、契約更新などの件数が増えるため、日常的な管理業務の負担も大きくなります。また、築年数が古い物件は設備の故障や建物の不具合などが発生しやすく、修繕の判断や業者の手配に追われることもあるでしょう。
オーナー様の居住地から遠い物件も、自主管理の難易度が高くなります。現地の状況をすぐに確認できず、設備トラブルなどへの対応が遅れる可能性があるためです。
さらに、入退去が多い物件では、入居者募集や契約、退去手続き、原状回復などの業務が頻繁に発生します。空室率が高い地域では、周辺の家賃相場や入居者ニーズを把握し、募集条件を適宜見直すといった空室対策も欠かせません。
管理業務や修繕、空室対策などの負担が大きいマンションほど、専門的な知識や迅速な対応が求められます。管理品質が収益にも影響しやすいため、自主管理にこだわらず、賃貸管理会社への委託を検討することも大切です。
オーナーの特徴
自主管理に向いていないオーナー様の特徴として、主に以下が挙げられます。
●本業が忙しい
●複数の物件を所有している
●夜間や休日の対応が難しい
●入居者対応にストレスを感じる
●賃貸管理の知識が少ない
●相続や資産承継を見据えている
●高齢で現地対応が難しい
本業が忙しく管理業務に十分な時間を確保できない場合は、自主管理との両立が難しくなることもあるでしょう。また、複数の物件を所有していると、物件数に応じて入居者対応や家賃管理、修繕手配などの業務も増えるため、管理の負担が大きくなりがちです。
夜間や休日の対応が難しい方や、入居者様とのやり取りにストレスを感じる方も注意が必要です。設備の故障や入居者トラブルは突然発生することもあり、迅速に対応できなければ管理品質の低下につながる恐れがあります。
さらに、賃貸管理の知識が少ない場合は、契約や修繕などで適切な判断が難しくなることもあります。高齢になり現地対応が負担になっている場合や、将来的な相続・資産承継を予定している場合も、長期的に維持できる管理体制を検討することが大切です。
自主管理によって本業や生活に支障が生じている場合や、適切な管理を続けることが難しい場合は、賃貸管理会社への委託も有力な選択肢となるでしょう。
【事例紹介】マンション自主管理で実際に起こりやすいトラブル

マンションを自主管理していると、家賃滞納や騒音、設備故障、原状回復など、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。適切に対応できなければ問題が長期化したり、入居者様との関係が悪化したりするケースもあるため注意が必要です。
ここでは、自主管理で起こりやすいトラブルについて、実際の事例を交えながら紹介します。自主管理で発生するトラブルや改善方法について詳しく知りたい方は、以下の記事や改善事例もあわせてご覧ください。
■参考記事
マンション自主管理で悩むオーナー様へ!よくあるトラブルと改善方法を事例で解説!
【トラブル事例】賃貸管理会社に求められる対応力とは? 起こりうるリスクも紹介
■参考事例
家賃滞納トラブル
家賃滞納は、賃貸経営で起こり得る代表的なトラブルの一つです。自主管理では、滞納が発生した際の連絡や督促、回収に向けた交渉などもオーナー様が行わなければなりません。
家賃の滞納期間が長引くほど未回収額が増え、賃貸経営の収益にも影響を及ぼします。一方で、感情的に支払いを迫るなど、対応方法によっては入居者様との関係が悪化する可能性もあります。状況に応じて適切に対応するには、家賃回収に関する知識や交渉経験が必要です。
家賃回収には想像以上の手間がかかるほか、精神的な負担もともないます。実際に自主管理物件で発生した家賃滞納の改善事例については、以下も参考にしてください。
■参考事例
自主管理で4ヶ月分の滞納賃料を解消!安定収益を生む適切な賃貸管理
自主管理物件のオーナー様より滞納者相談!入居者管理で賃料収入増加
事例
大阪府大阪市の一棟マンションでは、新築当時から自主管理を続けていましたが、入居者様の家賃滞納が発生し、気付いたときには4ヶ月分まで滞納額が膨らんでいました。賃貸管理会社が対応を開始したところ、入居者様本人と電話がつながらなかったため内容証明を送付し、保証人を交えて返済計画を立てました。その後も継続してフォローした結果、分割払いによって3ヶ月後には滞納家賃を全額回収できた事例です。
■事例:家賃滞納のお困りを解決、4ヶ月の家賃滞納を全額回収!
騒音トラブル
マンションでは足音や話し声、テレビ・音楽の音などを巡る騒音トラブルが発生することがあります。自主管理の場合、入居者様から相談を受けた際の状況確認や、当事者への連絡などもオーナー様が対応しなければなりません。
騒音は感じ方に個人差があるうえ、発生した時間帯や音の大きさなどを客観的に確認できる証拠がなく、原因の特定や解決が難しいケースもあります。また、一方の主張だけをもとに対応すると、入居者様同士の関係をさらに悪化させる可能性もあるため、双方に配慮した冷静な対応が必要です。騒音問題は解決までに時間がかかる場合もあり、オーナー様にとって精神的な負担になりやすいトラブルといえます。
事例
神奈川県川崎市の一棟マンションでは、入居者様が夜間に騒ぐ騒音トラブルが発生していました。賃貸管理会社が本人や連帯保証人へ繰り返し注意したものの改善されず、最終的に誓約書を交わしたうえで退去に至りました。騒音問題を放置せず誠実に対応を続けたほか、退去決定後はすぐに入居者募集を開始し、空室期間の短縮に貢献したことでオーナー様にも喜んでいただけています。
■事例:騒音問題に最後まで対応!迅速に再募集も行い健全な賃貸経営に改善!
ゴミ出し・共用部トラブル
マンションでは、ゴミ出しの曜日や分別方法が守られないなど、共用部に関するトラブルも発生しがちです。ゴミが長期間放置されると悪臭や害虫の発生につながるだけでなく、物件全体の印象を損なう原因にもなります。また、エントランスや廊下、駐輪場などの清掃・整理が行き届いていない場合も、入居者満足度の低下につながる可能性があります。
自主管理では、共用部の状況確認やルール違反への対応もオーナー様の役割です。快適な住環境を維持するには、定期的に共用部の状態を確認し、問題があれば早めに対応するなど、日常的な管理を積み重ねることが重要です。
事例
東京都世田谷区の一棟マンションでは、建物前のゴミ置き場に収集日とは関係なくゴミが捨てられ、近隣住民からクレームが寄せられていました。そこで防犯カメラを設置し、ゴミ置き場にも設置した旨を告知しました。設置後2ヶ月ほどは不法投棄が続いたものの、その後は発生しなくなり、ゴミ出しトラブルの解消を実現しています。
設備故障トラブル

マンションでは給湯器やエアコン、給排水設備など貸主側で管理・修繕すべき設備が突然故障することがあります。設備は入居者様の日常生活に直結するため、不具合の連絡を受けた際は迅速な対応が必要です。自主管理の場合、不具合の状況確認から修理業者の選定・手配、入居者様との日程調整まで、基本的にオーナー様が対応します。対応が遅れると入居者様の不満が大きくなり、クレームや退去につながる可能性もあるため注意が必要です。
特に、水漏れや給湯設備の故障など緊急性の高いトラブルでは、速やかに状況を把握し、適切な業者へ修理を依頼する判断力が求められます。設備故障は突発的に発生するため、自主管理では迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。
事例①
埼玉県さいたま市の一棟マンションでは、入居者様が安心して暮らせる環境を整えるため、各戸を訪問して設備などに不具合がないか確認しました。その結果、給湯器に不具合がある部屋が見つかったため、早急な対応を実施しています。クレームに発展する前に問題を把握して対応したことで、入居者様の管理に対する満足度向上につながりました。設備の不具合を早期に発見し、迅速に対応することの重要性が分かる事例です。
■事例:早期対応により入居者様の不満を満足に変える入居者管理と建物管理!
事例②
千葉県市川市の一棟アパートでは、自主管理中に突発的な修繕が発生し、大きな支出によって収入が減少することが課題となっていました。賃貸管理会社へ管理を委託し、工事代金の割賦支払システムを導入したところ、毎月の収入を平準化できました。突発的な設備故障による、金銭的負担を軽減した事例です。
■事例:自主管理→管理委託 きっかけは ”工事代金割賦支払”
原状回復トラブル
原状回復は、退去時にトラブルが発生しやすい業務の一つです。特に、室内のキズや汚れなどの修繕費をオーナー様と入居者様のどちらが負担するのかを巡り、意見が対立するケースがあります。原状回復の費用負担は契約内容だけでなく、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などをふまえて適切に判断する必要があります。
自主管理では、オーナー様がルールを理解したうえで費用負担を判断し、入居者様へ適切に説明しなければなりません。原状回復の考え方や工事内容について詳しく知りたい方は、以下の記事や改善事例もあわせてご覧ください。
■参考記事
【事例付き】マンションの原状回復工事で収益改善!相場と工事内容を解説
賃貸住宅の原状回復とは? トラブルになりやすい費用負担の考え方
■参考事例
好立地でも先手を打って初期費用を低減!退去時の原状回復費用も安心
自主管理で6部屋の空室を原状回復のみで2カ月で満室経営に改善!
事例①
8戸中半数以上が空室となっていた宮城県仙台市の一棟マンションでは、空室の原状回復工事を順次実施するとともに、CGで室内写真に家具を合成するバーチャルホームステージングを活用しました。その結果、募集広告への反響が増加し、短期間で4戸の空室が埋まって無事に満室を実現しています。原状回復と募集方法の工夫によって、空室改善につながった事例です。
■事例:半数以上が空室だった物件が、原状回復工事とバーチャルホームステージング活用で短期間に満室へ!
事例②
福岡県福岡市の2LDKマンションで、工事費用を抑えながら入居につながる原状回復を行いたいと、オーナー様からご相談いただきました。水回り設備の交換を最低限に抑えつつ、和室の洋室化やフローリング・壁紙の張り替えなどを実施したところ、室内が明るい雰囲気に一新し、工事後すぐに申し込みが入って満室を実現しています。コストを意識しながら原状回復に工夫を加え、空室改善につなげた事例です。
入居者様との関係悪化トラブル
自主管理では、オーナー様が入居者様と直接やり取りするため、双方の距離が近くなりやすい傾向があります。要望や困りごとを把握しやすい点はメリットですが、対応方法によっては関係が悪化する可能性もあります。
特に、家賃滞納や騒音、契約内容などを巡って意見が食い違った場合、当事者同士で話し合うことで感情的な対立に発展し、解決が難しくなるケースもあるでしょう。良好な関係を維持するには、適切な距離感を保ちながら、契約内容やルールに基づいて冷静に対応することが重要です。
事例
埼玉県蕨市の一棟アパートでは、トラブルが続き賃貸管理会社の変更を検討していましたが、変更によって入居者様に迷惑がかかることを懸念していました。賃貸管理会社変更後は各戸を訪問し、入居者様へ賃貸管理の変更について丁寧に説明したところ、管理開始後も賃料集金などのトラブルはなく、スムーズな切り替えを実現しています。
■事例:入居者様にご迷惑をかけず、オーナー様とトラブルが多い管理会社を変更
夜間・休日緊急対応トラブル
設備の故障や水漏れなどのトラブルは、平日の日中に発生するとはかぎりません。夜間や休日に緊急の連絡が入るケースもあり、自主管理では基本的にオーナー様が一次対応を行う必要があります。
状況の確認や入居者様への連絡、修理業者の手配などに追われれば、本業やプライベートに影響がおよぶこともあるでしょう。また、対応が遅れると被害の拡大や入居者様の不満につながる可能性もあります。自主管理を行う場合は、夜間や休日を含めた緊急時の対応体制を整えておくことが重要です。
事例
千葉県船橋市の一棟マンションでは、オーナー様が自主管理を行っていましたが、入居者様からの連絡に24時間対応することが難しいという課題がありました。24時間365日の緊急受付体制を備えた賃貸管理会社に管理を委託したところ、夜間や休日を問わず緊急トラブルを受け付けられる体制が整い、オーナー様の負担軽減と入居者様が安心して暮らせる環境づくりにつながっています。
マンションの自主管理に必要な管理業務

マンションを自主管理する場合、入居者募集や契約手続き、家賃管理、建物・設備管理、修繕対応、退去手続きなど、賃貸管理会社が担う幅広い業務をオーナー様が行う必要があります。安定したマンション経営を続けるためには、それぞれの業務内容を把握し、適切に対応することが重要です。ここでは、マンションの自主管理に必要な管理業務について詳しく解説します。
自主管理で行う業務やよくあるトラブルについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
■参考記事:大家さんが直接賃貸管理する際の業務とは?よくあるトラブルや改善事例も紹介
入居者募集を行う
マンションに空室が発生した場合、新たな入居者様を確保するための募集活動が必要です。自主管理では、主に以下の業務をオーナー様が行います。
●家賃や募集条件を決める
●募集図面を作成する
●不動産会社へ募集を依頼する
●不動産会社などを通じてポータルサイトへ掲載する
●内見対応を行う
空室期間が長引くほど家賃収入が減少するため、適切な条件を設定し、早期の入居につなげることが大切です。入居者募集はマンション経営の収益に直結する、重要な業務といえるでしょう。
入居者募集や空室対策の具体的な方法については、以下の記事や事例もあわせてご覧ください。
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賃貸借契約を管理する
自主管理では、入居者様との賃貸借契約に関する手続きもオーナー様が行います。主な業務は以下のとおりです。
●入居申し込みの受付
●入居審査
●契約書の作成
●契約締結
●契約更新
●解約受付
賃貸借契約の内容は、家賃滞納や原状回復など、入居後・退去時のトラブル防止にも関わる重要なものです。契約内容に不備があるとトラブルにつながる可能性があるため、適切な手続きが求められます。また、契約業務には借地借家法をはじめとする法律の知識も必要です。
家賃を管理する
家賃管理は、マンション経営の収益を管理する重要な業務です。自主管理では、主に以下の業務をオーナー様が行います。
●毎月の入金確認
●家賃管理表の作成
●滞納者への連絡
●督促対応
●収支管理
家賃が期日どおりに入金されているかを毎月確認し、滞納が発生した場合には速やかに対応する必要があります。また、収益を安定させるには、周辺相場や物件の状況に応じて適正な家賃を設定することも重要です。
適正な家賃設定や収益改善の具体的な事例については、以下の事例を参考にしてください。
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建物・設備を管理する

マンションを良好な状態に保つためには、建物や設備の継続的な管理が必要です。自主管理では、主に以下の業務をオーナー様が行います。
●共用部の巡回
●清掃状況の確認
●設備点検
●設備の不具合確認
●建物状態のチェック
エントランスや廊下、階段などの共用部、建物・設備の状態は、入居者様の暮らしやすさや満足度にも影響します。不具合や劣化を早期に発見し、適切に対応することが大切です。また、日頃から適切な管理を続けることは、建物の資産価値を維持するうえでも重要といえるでしょう。
大規模修繕を手配する
設備の故障や建物の不具合が発生した場合、状況に応じて工事を手配する必要があります。自主管理では、主に以下の業務をオーナー様が行います。
●不具合内容の確認
●修繕の要否判断
●見積もりの取得
●業者の選定
●工事の発注
●工事完了後の確認
修繕では不具合の状況を把握したうえで、工事の必要性や内容、費用の妥当性などを判断しなければなりません。また、業者との日程調整や工事内容の確認なども必要です。
修繕やリフォームによって物件の価値を高め、空室改善や賃料アップにつなげた事例については、以下も参考にしてください。
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退去手続きを行う
入居者様が退去する際には、解約の受付から次の入居者募集に向けた準備までさまざまな手続きが発生します。自主管理で主にオーナー様が行う業務は、以下のとおりです。
●解約受付
●退去立会い
●室内の状態確認
●原状回復の手配
●敷金の精算
●入居者募集の準備
特に、原状回復や敷金の精算では、費用負担を巡って入居者様とのトラブルに発展するケースもあります。退去後の空室期間を長引かせないためにも、必要な手続きを適切かつスムーズに進めることが大切です。
法令や契約内容を管理する
マンション経営では賃貸借契約を締結するだけでなく、関連する法令や契約内容を継続的に管理する必要があります。自主管理で行う主な業務は、以下のとおりです。
●契約内容の確認
●契約書などの書類保管
●借地借家法への対応
●入居者様の個人情報管理
●各種ルールの管理
賃貸経営に関するルールや法令を正しく理解していないと、契約更新や退去、入居者対応などの場面でトラブルにつながる可能性があります。自主管理を続けるには、必要な知識を身につけるとともに、法改正などの最新情報を確認して適切に対応することが重要です。
自主管理と管理委託の費用比較

自主管理と管理委託を比較する際、特に気になるのが管理に関する費用です。自主管理では管理委託費が発生しない一方で、オーナー様が管理業務に費やす時間や、トラブル・修繕への対応など、金額だけでは見えにくいコストもあります。
そのため、管理委託費の有無だけではなく、業務負担や空室による機会損失なども含めて比較することが重要です。ここでは、自主管理と管理委託にかかる費用を具体的に比較します。管理費や自主管理と管理委託の違いについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
■参考記事:アパート経営の管理費って必要?自主管理と管理委託の大きな違いとは
賃貸管理会社へ委託するとどのくらい費用がかかる?
自主管理を検討する大きな理由の一つが、賃貸管理会社へ支払う管理委託費の削減です。自主管理と管理委託のどちらを選ぶか判断するためにも、まずは管理委託費の相場を把握しておきましょう。
一般的な管理委託費の相場は、月額家賃収入の3~5%程度が目安です。例えば、マンション全体の月額家賃収入が100万円の場合、管理委託費は月3万~5万円程度、年間では36万~60万円程度が目安となります。
ただし、実際の管理委託費は賃貸管理会社や契約内容によって異なります。入居者募集や家賃回収、クレーム対応、契約更新、退去対応など、どこまでの業務が基本料金に含まれているかを確認することが重要です。業務によっては、管理委託費とは別に費用が発生するケースもあるため注意しましょう。
管理委託費だけを比較すると、費用が発生しない自主管理のほうが安く見えます。しかし、自主管理では管理業務にかかる時間や労力、トラブル対応などもオーナー様が負担します。そのため、管理方法を選ぶ際は管理委託費だけでなく、管理にともなう負担も含めて比較することが大切です。
自主管理は本当に費用を抑えられる?
自主管理では管理委託費がかからないものの、必ずしも管理にかかるコストを抑えられるとはかぎりません。管理業務に費やす時間や労力、トラブル対応など、目に見えにくいコストも発生するためです。
自主管理にかかる代表的なコストについて、次項から詳しく解説します。管理費を見直して収益改善につなげた事例については、以下も参考にしてください。
■参考事例:管理費削減の改善事例 一覧
時間的コスト
自主管理では、入居者対応や家賃管理、建物の巡回、修繕手配などをオーナー様が行います。管理委託費としての支出はありませんが、これらの業務に費やす時間もコストとして考える必要があります。
例えば、オーナー様の時間価値を時給3,000円として考えてみましょう。毎月10時間を管理業務に費やした場合、時間的コストは月3万円、年間では36万円相当になります。管理業務に費やす時間ごとの年間コストは、以下のとおりです。
| 管理業務に費やす時間 | 時間的コスト(月間) | 時間的コスト(年間) |
| 月10時間 | 3万円 | 36万円 |
| 月15時間 | 4万5,000円 | 54万円 |
| 月20時間 | 6万円 | 72万円 |
上表のように、自主管理は管理委託費が発生しないからといって「無料」で管理できるわけではありません。特に本業が忙しいオーナー様の場合、管理業務に時間を割くことで、本業やプライベートに影響する可能性もあります。
自主管理と管理委託を費用面で比較する際は、実際に支払う金額だけでなく、管理に費やす時間を含めたコストを考慮することが重要です。
緊急対応コスト
自主管理では、夜間や休日にトラブルが発生した場合も基本的にオーナー様が対応する必要があります。水漏れや設備故障など緊急性の高いトラブルでは、状況確認や入居者様への連絡、修理業者の手配などに時間を取られることもあるでしょう。
緊急対応には業者へ支払う費用だけでなく、予定の変更や本業への影響、精神的な負担といった金額に換算しにくいコストもともないます。特に、夜間や休日の対応が重なると、オーナー様の負担はさらに大きくなるでしょう。
管理委託費を比較する際は、緊急対応を任せられる体制にも一定の価値があることを考慮する必要があります。
修繕対応コスト
自主管理では設備や建物に不具合が発生した際、修繕業者の選定や見積もりの比較、工事の手配などもオーナー様が行うことになります。修繕費そのものに加え、工事の必要性や内容、費用の妥当性などを判断するための時間や労力も必要です。
また、専門知識が十分でない場合は修繕の必要性や優先順位を適切に判断できず、対応が遅れる可能性があります。不具合を放置した結果、被害が拡大して当初より高額な修繕費が必要になることもあるでしょう。
修繕対応では、適切な業者や工事内容を見極める知識も重要です。修繕の判断や業者選定に不安がある場合は、専門的な知見や業者とのネットワークを持つ賃貸管理会社へ委託することも検討するとよいでしょう。
空室による機会損失
自主管理で特に注意したいのが、空室による機会損失です。空室期間中は家賃収入を得られないため、管理委託費を削減できても、それを上回る損失が発生する可能性があります。例えば、家賃10万円の部屋が空室になった場合の機会損失は、以下のとおりです。
| 空室期間 | 機会損失 |
| 1ヶ月 | 10万円 |
| 3ヶ月 | 30万円 |
| 6ヶ月 | 60万円 |
※家賃収入のみをもとにした単純計算です。
仮に管理委託費を月数万円削減できたとしても、入居者募集がうまく進まず空室が数ヶ月続けば、削減できた費用以上の収益を失うこともあります。
そのため、自主管理と管理委託を比較する際は管理費の安さだけでなく、入居者募集や空室対策を適切に行えるかといった視点も大切です。マンション経営では募集力や対応力が収益に直結するため、管理費を抑えること以上に、高い入居率を維持して安定した家賃収入を確保することが重要となるでしょう。
マンションの自主管理と管理委託の費用を比較

自主管理と管理委託の違いを整理すると、以下のとおりです。
| 比較項目 | 自主管理 | 管理委託 |
| 管理委託費 | 不要 | 発生する |
| 入居者対応 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社が対応 |
| 家賃管理 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社が対応 |
| 設備トラブル対応 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社が対応 |
| 夜間・休日対応 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社が対応 |
| 空室対策 | オーナー様が主体 | 賃貸管理会社のサポートあり |
| 時間的負担 | 大きい | 小さい |
| 専門知識の必要性 | 高い | 比較的低い |
| 向いているケース | 小規模・時間に余裕がある場合 | 中規模以上・本業が忙しい場合 |
管理委託費だけを比較すると自主管理が有利に見えますが、管理委託では入居者対応や家賃管理、トラブル対応などを任せられるため、オーナー様の業務負担を大幅に軽減できます。
どちらが適しているかは物件規模によっても異なるため、次項では具体的な物件規模を想定して比較してみましょう。
区分マンションの場合
まずは、区分マンション1戸を所有しているケースで比較します。なお、以下のモデルケースは家賃月10万円、年間家賃収入120万円、管理委託費を家賃収入の5%と仮定したものです。
| 項目 | 自主管理 | 管理委託 |
| 管理委託費 | 0円 | 約6万円 |
| 時間コスト | 発生 | ほぼ不要 |
| 入居者対応 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社が対応 |
| 設備トラブル対応 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社が対応 |
※管理委託費以外の費用は考慮していない単純な比較です。
区分マンション1戸であれば管理業務の量は比較的少なく、自主管理も十分に選択肢となります。一方、管理委託を選んだ場合の費用も、このケースでは年間約6万円です。
そのため費用だけで判断するのではなく、本業の忙しさや物件までの距離、入居者対応・設備トラブルに対応できる時間があるかなども考慮して、自主管理と管理委託の選択を判断することが重要です。
一棟マンション(小規模)の場合
次に、8戸の小規模な一棟マンションで比較してみましょう。1戸あたりの家賃を月6万円、年間家賃収入を576万円、管理委託費を家賃収入の5%と仮定します。
| 項目 | 自主管理 | 管理委託 |
| 管理委託費 | 0円 | 約29万円 |
| 時間的コスト | 比較的大きい | 大幅に軽減 |
| 空室対策 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社のサポートあり |
| 設備対応 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社が対応 |
※管理委託費以外の費用は考慮していない単純な比較です。
戸数が増えると、入居者様からの問い合わせや設備トラブル、入退去などの対応件数も増えるため、自主管理にかかる時間や労力は大きくなります。
オーナー様が物件の近隣に住み、管理業務に十分な時間を確保できる場合は自主管理も可能です。一方、管理委託費は年間約29万円かかるものの、幅広い管理業務を任せられます。小規模な一棟マンションは、費用と業務負担のどちらを重視するかによって、判断が分かれやすい規模といえるでしょう。
一棟マンション(中規模以上)の場合
次に、20戸の中規模以上の一棟マンションで比較してみましょう。1戸あたりの家賃を月7万円、年間家賃収入を1,680万円、管理委託費を家賃収入の5%と仮定します。
| 項目 | 自主管理 | 管理委託 |
| 管理委託費 | 0円 | 約84万円 |
| 時間的コスト | 非常に大きい | 大幅に軽減 |
| 空室対策 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社のサポートあり |
| 設備対応 | オーナー様が対応 | 賃貸管理会社が対応 |
※管理委託費以外の費用は考慮していない単純な比較です。
20戸規模になると、入居者対応や家賃管理に加えて空室対策や修繕、緊急対応などの管理業務も増え、内容も複雑になります。また、複数の空室が発生すれば家賃収入への影響も大きくなるため、管理品質の重要性も高まるでしょう。
管理委託費は年間約84万円かかるものの、幅広い業務を任せることで管理負担を大幅に軽減できます。中規模以上のマンションでは、安定した入居率や管理品質を維持する観点からも、管理委託を選択するメリットが大きくなるでしょう。
管理費よりも総収益で考えることが重要
自主管理と管理委託を比較する際は、管理委託費の安さだけで判断しないことが重要です。マンション経営で特に注目する点は、管理費を差し引いたうえで最終的にどれだけの収益が手元に残るかどうかです。
適切な入居者募集によって空室期間を短縮したり、設備トラブルや修繕へ迅速に対応したりできれば、安定した家賃収入や入居率の維持につながります。管理品質によっては、管理委託費を上回る収益改善効果を得られる可能性もあるでしょう。
そのため、管理委託費は単なる支出ではなく、収益の最大化や資産価値の維持につなげるための投資と捉えることもできます。目先の管理費だけではなく、長期的な総収益をふまえて管理方法を選択することが大切です。
マンションの自主管理が資産価値に与える影響

マンションの管理状態は、日々の入居者様の暮らしだけでなく、長期的な資産価値にも影響します。自主管理でも適切な管理を継続できれば資産価値の維持につながりますが、清掃や修繕などが不十分な場合は、入居率や売却時の評価に影響する可能性があるため注意が必要です。ここでは、マンションの自主管理が資産価値に与える主な影響について解説します。
共用部の管理品質が資産価値を左右する
マンションのエントランスや廊下、ゴミ置き場、駐輪場などの共用部は、入居希望者様や購入希望者様が物件を訪れた際に目に入りやすい場所です。そのため、共用部の管理状態は物件の第一印象を左右する重要な要素といえます。
清掃や整理整頓が行き届き、設備も適切に維持されているマンションは、日頃から丁寧に管理されている印象につながります。一方、ゴミや汚れが放置されていたり、設備の不具合が長期間改善されていなかったりすると、管理状態への不安を抱かれ、入居や購入を敬遠される可能性があります。
管理不足が続けば、入居率や物件に対する評価の低下にもつながるでしょう。マンションの資産価値を長期的に維持するためには、大規模修繕だけでなく、共用部の清掃や点検、整理整頓といった、日常的な管理を継続することが重要です。
修繕計画の違いが入居率に影響する
マンションの建物や設備は築年数の経過とともに劣化するため、状態を確認しながら計画的に修繕する必要があります。修繕を後回しにすると、設備の故障や建物の不具合が発生しやすくなり、入居者様の満足度を低下させる原因となり得ます。
また、設備の不具合が繰り返されたり、建物の劣化が目立ったりする状態が続けば、入居率の低下にもつながりかねません。反対に、必要な修繕や設備更新を適切なタイミングで実施すれば、物件の住みやすさを保ち、周辺の競合物件に対する競争力を維持しやすくなります。
修繕は一時的な支出だけで捉えるのではなく、安定した高い入居率を維持し、マンションの資産価値を守るための投資として考えることも重要です。
管理体制の違いが売却価格に影響する
マンションを売却する際は、建物の築年数や設備の状態だけでなく、これまでどのように管理されてきたかも確認されることがあります。修繕履歴や点検記録、管理に関する書類などが整理されていれば、購入希望者様にとって安心材料となるでしょう。
一方で、必要な修繕が実施されていなかったり、管理記録が十分に残されていなかったりすると、購入後に多額の修繕費が発生するのではないかと懸念されることがあります。買い手にネガティブな印象を与え、購入判断や価格交渉に影響を与えかねません。
自主管理か管理委託かという管理方法そのものよりも、適切な管理が継続され、その履歴を客観的に確認できる状態になっていることが重要です。日頃の管理体制を整えることは、将来の売却時に資産価値を維持するうえでも大切なポイントとなるでしょう。
相続・資産承継時にも管理体制が評価される
マンション経営では現在の収益だけでなく、将来の相続や資産承継についても考えておく必要があります。管理体制が整っていれば、後継者が物件の状況を把握しやすくなり、管理業務をスムーズに引き継げるでしょう。
特に、これまでの修繕履歴や賃貸借契約書、入居者様に関する情報、収支や管理に関する書類などを整理しておくことが重要です。必要な情報がオーナー様の記憶だけに頼っていたり、管理方法が属人化していたりすると、相続や資産承継の際に後継者が状況を把握できず、大きな負担となる可能性があります。
長期保有を前提としてマンションを経営する場合は、将来の引き継ぎまで見据えた管理体制を整えておくことが大切です。日頃から管理記録や書類を適切に整理・保管し、オーナー様が変わっても管理を継続できる状態にしておくことは、長期的な資産対策の一つといえるでしょう。
自主管理を続けるために取り入れたい工夫

マンションの自主管理にはさまざまな業務がともないますが、すべてを従来の方法で行う必要はありません。便利なサービスやツールを活用したり、一部の業務を外部へ任せたりすることで、オーナー様の負担を軽減できます。ここでは、自主管理のメリットを活かしながら、無理なく管理を続けるために取り入れたい工夫を紹介します。
日常的な管理費・将来に備えた修繕費を適切に区分管理する
自主管理を続けるうえでは、管理費と修繕費をそれぞれの目的に応じて明確に区分して管理することが重要です。日常的な管理に使う費用と将来の修繕に備える資金を分け、用途や会計上のルールを明確にしておきましょう。
また、入出金の記録や帳簿を定期的に整理し、収支や資金の状況を把握できる状態にしておくことも大切です。適切な資金管理を継続することで、必要な修繕に備えやすくなり、資産価値の維持にもつながります。
会計処理や資金管理に不安がある場合は、税理士などの専門家や賃貸管理会社への相談も検討しましょう。
修繕履歴・点検履歴を記録する
修繕や設備点検を実施した際は、工事内容や実施日、費用などを記録して保管しておくことをおすすめします。業者から受け取った見積書や請求書、保証書などの関連書類もあわせて整理しておくことが大切です。
過去の修繕履歴を確認できれば、次回の修繕時期や設備更新の必要性を判断しやすくなります。また、売却や相続の際には、適切な管理を継続してきたことを示す資料としても活用できます。
日頃から管理記録を残しておくことで、管理業務の属人化を防ぎ、将来的な引き継ぎもスムーズに進められるでしょう。
緊急対応先をあらかじめ決めておく

水漏れや設備故障、停電、鍵の紛失などのトラブルに備えて、緊急時の対応先をあらかじめ決めておくことが大切です。設備業者や修繕会社、24時間対応可能な業者などの連絡先を一覧にしておくと、トラブル発生時にもスムーズに対応できます。
特に、夜間や休日にも対応できる体制を整えておけば、入居者様の安心感につながるだけでなく、トラブルの長期化も防ぎやすくなります。また、オーナー様の負担を軽減するために、夜間・休日などの緊急対応のみを外部へ委託する方法も選択肢の一つです。
管理業務の一部を外部委託する
自主管理と管理委託は、必ずしもどちらか一方を選ぶ必要はありません。入居者募集や家賃集金、クレーム対応、設備管理など、負担の大きい業務だけを外部へ委託する方法もあります。
一部の業務を委託すれば、オーナー様が管理方針を決めながら、日々の業務負担を軽減できます。特に、本業が忙しい場合や複数の物件を所有している場合には有効な方法です。
すべての管理を任せる必要性は感じていなくても、負担の大きい業務を切り分けて外部の力を活用することで、自主管理を無理なく長く続けられるでしょう。
管理システムや専門家のサポートを活用する
自主管理の負担を軽減するには、家賃管理システムや会計ソフトなどを活用し、日常的な管理業務を効率化する方法が有効です。入出金や契約情報などを一元管理できれば、確認や記録にかかる手間を減らしやすくなります。
また、法改正への対応や契約、税務など専門知識が必要な場面では、司法書士や税理士、不動産会社などの専門家へ相談することも大切です。修繕計画や建物診断についても、専門業者の知見を取り入れることで、適切な判断がしやすくなります。
自主管理であっても、すべての業務をオーナー様だけで行う必要はありません。必要に応じて外部のサポートを活用することが、管理品質を維持しながら安定したマンション経営を続けるポイントです。
賃貸管理会社へ委託するメリット

マンションの管理を賃貸管理会社へ委託すると管理委託費が発生しますが、その分、オーナー様の業務負担を軽減できます。専門的な知識やノウハウを活用できるため、管理品質の向上や安定した賃貸経営につながることもメリットです。ここでは、マンションの管理を賃貸管理会社へ委託する主なメリットを紹介します。
管理業務の負担を軽減できる
賃貸管理会社へ委託する大きなメリットは、オーナー様の管理業務の負担を軽減できることです。自主管理では、入居者募集や契約手続き、家賃管理、建物管理、入居者対応など、幅広い業務を行わなければなりません。
賃貸管理会社へ委託すれば、日常的な業務を任せられるため、本業やプライベートの時間を確保しやすくなります。特に複数の物件を所有している場合は、物件数に応じて管理業務も増えるため、委託による負担軽減のメリットを感じやすいでしょう。
賃貸管理会社による具体的なサポートや改善事例については、以下も参考にしてください。
■参考事例
入居者対応を任せられる
入居者対応は、マンションの管理業務の中でも負担が大きくなりやすい業務の一つです。日常的な問い合わせだけでなく、騒音へのクレームや設備の不具合、契約に関する相談など、さまざまな連絡に対応する必要があります。
賃貸管理会社へ委託すれば、入居者様からの問い合わせや相談の窓口を任せることができます。トラブルが発生した際にも会社が間に入るため、オーナー様が入居者様と直接やり取りする機会を減らせる点がメリットです。
第三者である賃貸管理会社を介することで、感情的な対立を避けられ、入居者様との適切な距離感も保ちやすくなります。入居者対応にともなう時間的・精神的な負担を軽減できることは、管理委託の大きな利点といえるでしょう。
空室対策の提案を受けられる

賃貸管理会社の役割は、日常的な管理業務を代行することだけではありません。入居率を高めるための空室対策について、専門的な視点から提案を受けられることもメリットの一つです。
賃貸管理会社は、地域の家賃相場や競合物件の募集状況、入居者様のニーズなど、入居者募集に関するさまざまな情報を把握しています。市場情報や入居者ニーズをもとに、家賃や募集条件の見直し、設備の導入、リフォームなど、物件の状況に応じた空室対策を提案してもらうことも可能です。
空室期間が長引くほど得られる家賃収入は減少するため、早期に入居者様を確保することは収益改善に直結します。そのため、賃貸管理会社は単なる管理業務の代行先ではなく、安定したマンション経営や収益改善を支えるパートナーにもなり得るでしょう。
空室対策によって賃貸経営を改善した具体的な事例については、以下も参考にしてください。
■参考事例:空室対策の改善事例 一覧
修繕・設備管理を任せられる
マンションの修繕や設備管理には、不具合の原因や修繕の必要性、工事内容などを判断するための専門知識が求められます。賃貸管理会社へ委託すれば、設備の不具合が発生した際の状況確認から修繕業者の手配、工事の調整までサポートを受けられます。
設備トラブルにも迅速な対応が期待でき、オーナー様が修繕業者を探したり、見積もりや工事日程を調整したりする負担も軽減可能です。建物や設備の状態を継続的に把握してもらうことで、必要な修繕時期を判断しやすくなり、計画的な維持管理につながるでしょう。
修繕やリフォームによる改善事例については、以下も参考にしてください。
■参考事例
長期的な資産価値の維持につながる
マンション経営では毎月の家賃収入だけでなく、長期的な資産価値を維持することも重要です。建物や設備の状態、共用部の清掃、修繕の実施状況など、日々の管理品質は入居率や物件の評価にも影響します。
賃貸管理会社へ委託すれば、建物や設備の状態を継続的に確認し、必要に応じて修繕や設備更新などの提案を受けられます。管理業務を一定の基準で継続しやすくなるため、オーナー様個人の知識や経験、時間に依存しない管理体制を構築しやすい点もメリットです。
適切な管理を継続することで、建物の劣化や設備トラブルを防ぎやすくなり、入居者様が安心して暮らせる環境の維持にもつながります。長期保有を前提とする場合の賃貸管理会社への委託は、安定した賃貸経営を続けながらマンションの資産価値を守るための、選択肢の一つといえるでしょう。
賃貸管理会社選びで重要なチェックポイント

マンション管理を委託する場合、どの賃貸管理会社を選ぶかによって、管理品質や賃貸経営の収益性が変わる可能性があります。管理委託費だけで判断せず、対応力や入居者募集の実績、修繕への対応なども含めて総合的に確認することが重要です。ここでは、賃貸管理会社を選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。
信頼できる賃貸管理会社の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
■参考記事:賃貸経営を成功に導く不動産管理とは? 信頼できる管理会社の選び方を解説
管理実績
賃貸管理会社を選ぶ際は、マンション管理の実績を確認しましょう。管理実績が豊富な会社は、さまざまな物件やトラブルに対応してきた経験があり、安心して管理を任せられます。
特に確認したいのは、所有する物件と近い規模・種類のマンションを管理した実績があるかどうかです。区分マンションと一棟マンションでは必要な管理業務も異なるため、管理戸数や管理年数なども判断材料になります。
過去の実績だけでなく、現在も継続的に管理を受託しているかを確認し、所有するマンションに適した管理ノウハウを持つ会社を選ぶことが大切です。
管理対応範囲
賃貸管理会社によって、対応できる管理業務の範囲は異なります。契約前に入居者募集や契約手続き、家賃管理、入居者対応、建物・設備管理など、どこまでの業務を任せられるのかを確認しておきましょう。
特に設備故障や水漏れなどのトラブルは、夜間や休日に発生する場合もあるため、営業時間外の対応体制も重要なチェックポイントです。24時間対応の有無や、緊急時の連絡方法なども確認しておくと安心です。
賃貸管理会社を比較する際は、管理委託費の安さだけで判断せず、料金に含まれる業務や追加料金が発生する業務まで確認し、必要なサポートを受けられる会社を選びましょう。
入居率・リーシング力

賃貸管理会社を選ぶ際は、入居者様を集めるリーシング力も重要なポイントです。空室期間が長引けば家賃収入が減少するため、入居者募集の実績はマンション経営の収益に直結します。
賃貸管理会社を比較する際は、管理物件の入居率や平均的な空室期間などの実績を確認しましょう。あわせて、不動産ポータルサイトや地域の仲介会社とのネットワークなど、どのような方法で入居者様を募集しているかを確認することも大切です。
万が一空室が長引いた場合、家賃や募集条件の見直し、設備導入など、物件に適した空室対策を提案できるかも判断材料になります。募集実績だけでなく、空室を改善するための提案力まで比較しましょう。
報告体制
賃貸管理会社を選ぶ際は、物件の管理状況をどのように報告してもらえるのか確認することが重要です。定期報告の頻度や内容に加えて、家賃の入金状況や修繕の実施状況、入居者様からの問い合わせなど、どのような情報が共有されるのかもチェックします。また、設備故障や入居者トラブルが発生した際の連絡方法や、対応の流れも確認しておくと安心です。
必要な情報を適切なタイミングで共有してもらえる賃貸管理会社であれば、物件の状況を把握しやすく、経営上の判断も的確に行えます。管理を委託している中でも、オーナー様が物件の状況を把握できる体制が整っているかを確認しましょう。
提案力
賃貸管理会社を選ぶ際は、日常的な管理業務を代行するだけでなく、賃貸経営に関する提案力があるかも確認しましょう。物件の状況や市場動向をふまえ、空室対策や家賃の見直しなど、収益改善につながる提案を受けられることが理想です。
修繕や設備更新についても、必要なタイミングや費用面の計画を提案してもらえれば、長期的な資産価値の維持につながります。
マンション経営では、物件の状況やオーナー様の方針によって必要な対策が異なります。目の前の管理業務だけでなく、将来の収益や資産価値まで見据えて相談できる会社であるかを確認し、経営パートナーとして信頼できる賃貸管理会社を選ぶことが大切です。
自主管理から管理委託へ切り替えるタイミング

自主管理を続けていると、物件やオーナー様の状況の変化によって、管理業務の負担が大きくなることがあります。無理に自主管理を続けると、管理品質やマンション経営の収益に影響する可能性もあるため、適切なタイミングで管理方法を見直すことが大切です。ここでは、自主管理から賃貸管理会社への管理委託を検討したい主なタイミングを紹介します。
管理業務の負担が大きくなったとき
自主管理を続ける中で、入居者対応や家賃管理、契約手続きなどにかかる負担が徐々に大きくなることがあります。管理業務に多くの時間を取られるようになった場合は、管理方法を見直すタイミングといえるでしょう。
特に、本業に集中できない、休日も入居者対応に追われるなど、仕事やプライベートに支障が出始めた場合は注意が必要です。無理に自主管理を続けると、対応の遅れや管理品質の低下につながる可能性もあります。
管理業務を継続することが難しいと感じた場合は、負担を軽減するために賃貸管理会社への委託を検討しましょう。
空室期間が長くなったとき
空室期間が長くなるとその間の家賃収入を得られなくなるため、マンション経営の収益に大きく影響します。入居者募集を続けても空室が埋まらない場合は、募集方法や家賃、入居条件などを見直す必要があるでしょう。
自主管理では、地域の家賃相場や競合物件の募集状況、入居者様のニーズなどを継続的に把握することが難しい場合もあります。募集条件を見直しても空室が改善しない場合は、賃貸管理会社へ相談するタイミングの一つです。専門的な情報や募集ノウハウを活用し、物件に適した空室対策を検討しましょう。
修繕対応が増えてきたとき

築年数の経過とともに建物や設備の劣化が進み、修繕や設備トラブルへの対応が必要になる機会も増えていきます。不具合の原因や修繕の必要性を判断したうえで、業者の選定や見積もりの確認、工事日程の調整などを行う必要があります。
修繕の頻度が増えるほどオーナー様の負担も大きくなり、専門的な知識が求められる場面も増えるでしょう。修繕の判断や業者とのやり取りに不安を感じるようになった場合は、管理体制を見直すタイミングです。賃貸管理会社への委託も検討し、適切な修繕を実施できる体制を整えましょう。
複数物件を保有するようになったとき
所有する物件が増えたときも、自主管理から管理委託への切り替えを検討するタイミングです。物件数や戸数が増えるほど、入居者対応や家賃管理、契約手続き、修繕対応などの管理業務も増加します。
自主管理で対応できる業務量には限界があり、オーナー様の負担が増えることで、対応の遅れや管理品質の低下につながる可能性があります。特に、複数の物件を並行して管理する場合は、それぞれの状況を適切に把握することも重要です。
所有する物件や資産規模が大きくなった場合は、安定した管理品質を維持するためにも、賃貸管理会社への委託による管理業務の効率化を検討しましょう。
相続や資産承継を考え始めたとき
マンションを長期保有する場合は、将来の相続や資産承継を見据えて管理体制を整えることも大切です。管理方法や取引先、契約内容などをオーナー様だけが把握している状態では、後継者への引き継ぎが難しくなる可能性があります。
相続や資産承継を考え始めた段階で賃貸管理会社へ委託し、管理体制をあらかじめ整備しておけば、後継者の管理負担を軽減できます。将来にわたって安定したマンション経営を続けるためにも、資産承継を見据えた管理方法を検討しましょう。
相続や税金に関する具体的な改善事例については、以下も参考にしてください。
■参考事例:相続・税金の改善事例 一覧
自主管理マンションを購入・保有する際の注意点

自主管理マンションを購入・保有する場合は、物件の立地や価格、収益性だけでなく、現在の管理状況についても確認することが重要です。適切な管理が行われているかによって、購入後の修繕負担や入居率、将来的な資産価値に影響する可能性があります。ここでは、自主管理マンションを購入・保有する際に確認しておきたい主な注意点を紹介します。
なお、区分マンションや一棟マンションなど、所有する賃貸物件の管理業務をオーナー様がすべて行う「自主管理」と、分譲マンションにおける共用部分の管理業務を区分所有者で構成される管理組合が行う「自主管理」とでは、目的や特徴が異なることを理解しておきましょう。
マンションの購入・売却に関する具体的な改善事例については、以下も参考にしてください。
■参考事例:売買の改善事例 一覧
管理状況を確認する

自主管理マンションを購入する際は、現在の管理状況を確認することが重要です。現地を訪れてエントランスや廊下、ゴミ置き場、駐輪場などの清掃・整理状況や、共用設備の管理状態を確認しましょう。
分譲マンションの場合は、管理組合の活動状況も確認したいポイントです。総会議事録などを閲覧できる場合は、管理上の課題や修繕に関する議論が適切に行われているか確認すると、管理体制を判断する材料になります。
自主管理であること自体が問題なのではなく、必要な管理が行き届いているかが重要です。管理状態は入居率や将来的な資産価値にも影響するため、購入前に十分確認しましょう。
修繕積立金の残高を確認する
自主管理マンションを購入する際は、毎月の修繕積立金の金額だけでなく、現在の積立残高も確認しましょう。十分な資金が確保されていない場合、将来の大規模修繕に備えて修繕積立金が値上げされたり、一時金の負担が発生したりする可能性があります。
積立残高を確認する際は、過去の修繕履歴や今後の修繕計画とのバランスを見ることも大切です。また、修繕積立金の滞納が多い場合は、資金不足だけでなく管理体制に課題がある可能性も考えられます。
長期修繕計画の有無を確認する
自主管理マンションを購入する際は、長期修繕計画が策定されているか、建物や設備の状態に応じて定期的に見直されているかを確認しましょう。
長期修繕計画は外壁や屋上防水、給排水設備など、将来的に必要となる修繕の時期や内容を把握するための重要な資料です。計画が古いまま更新されていない場合、必要な修繕を適切な時期に実施できない可能性があります。
計画的な修繕は建物の劣化や不具合を防ぎ、長期的な資産価値を維持するうえでも重要です。購入前に、計画の有無と更新状況を確認しておきましょう。
過去のトラブル履歴を確認する
自主管理マンションを購入する際は、過去に発生したトラブルについても把握することが大切です。家賃滞納や騒音、漏水、設備故障などの発生状況は、購入後の管理負担を判断する材料になります。
分譲マンションの場合は、管理組合の総会議事録や重要事項調査報告書などから、過去のトラブルを確認できる場合があります。特に、同じ問題が繰り返し発生していないか、トラブル発生後にどのような対応が行われたかを確認することが重要です。
過去のトラブルと対応状況を把握することで、購入後に想定される管理上のリスクや、将来的な資産価値への影響を検討しやすくなります。
まとめ マンションの自主管理を続けるか迷ったら専門家へ相談を

マンションの自主管理は管理委託費を抑えられる一方で、入居者対応や家賃管理、空室対策、修繕など幅広い業務をオーナー様が自分で行う必要があります。特に一棟マンションの経営や長期保有では、管理品質が収益や将来的な資産価値にも大きく影響するため、安定した管理体制を整えることが大切です。
管理業務の負担が増えている、空室や修繕への対応に不安があるなど、自主管理を続けることが難しいと感じた場合は、賃貸管理会社への委託も検討しましょう。
【リロの不動産】では、自主管理から賃貸管理をお任せいただくケースも多くあります。現在の管理方法にお悩みのオーナー様は、物件の状況に合った管理方法についてお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。
