低コストで空室対策!成功事例10選で学ぶ簡単&効果的な賃貸経営!

2025.03.30

所有する物件で空室が目立ってきたら、すぐに対策を行うことが大切です。しかし、大掛かりなリフォームやリノベーションを行う場合は、ある程度まとまった予算を確保しなければなりません。

所有物件が多くなるほど1つの物件にかけられる予算もかぎられるため、「なるべくコストを抑えて空室対策を行いたい」と思うオーナー様は多いのではないでしょうか。

本記事では、アパートで空室が発生する原因に触れながら、低コストで行う空室対策について紹介します。かぎられた予算で空室対策を行い、無事に満室となった改善事例もまとめました。「所有する物件の空室で悩んでいる」「対策方法を知りたい」というオーナー様は、ぜひ参考にしてください。

▼この記事の内容

●空室が増える原因は立地や家賃、入居者ニーズ、募集方法、競合物件、内装・設備などさまざまなものがある

●空室対策は費用をかければよいというわけではなく、低コストでできる方法もある

●低コストの空室対策を行うときは入居者ニーズをしっかりと見極めて、適切な方法を選択することが大切

●適切な空室対策を行うにはパートナー選びも重要。信頼できる賃貸管理会社に依頼しよう

目次

空室が増える主な原因

所有するアパートで、長期にわたって空室が発生したり空室数が増えたりする場合、次のような理由が考えられます。

●立地が悪い
●入居者ニーズに合っていない
●募集方法が適切でない
●周辺に競合物件が多い
●入居者様とのコミュニケーションが十分でない
●内装・設備が古い
●家賃が高い

以下の項目から、それぞれのケースを詳しく紹介します。また、空室が発生する原因について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

■参考記事

空室の原因を改善する「4つの空室対策」と「15のアイデア」

空室率とは何か? 不動産投資の重要指標を詳しく解説

【保存版】空室対策のすごい技20選!管理会社が徹底する空室対策

新築アパートでも空室だらけなのはなぜ? 真に有効な空室対策を紹介

大家さんが直接賃貸管理する際の業務とは?よくあるトラブルや改善事例も紹介

立地が悪い

物件の立地は、入居者様が物件を選ぶときに重要視する項目の1つです。例えば次の条件に当てはまる物件は、立地が悪いと判断される可能性があります。

●最寄り駅まで遠く、徒歩10分以上かかる
●周囲にバス停がない、バス便が少ない
●周辺にコンビニやスーパーなどの買い物施設がない
●周囲に小学校や幼稚園など教育施設がない など

その他、墓地や工場などが近くにある物件も、入居希望者様にネガティブな印象を与えるかもしれません。

入居者ニーズに合っていない

入居者ニーズとは、賃貸物件に入居する方が求める条件のことです。

入居者ニーズは年齢層や性別、家族構成などによって変わるため「物件がある地域はどのような方が住んでいるか」「どのような物件が求められているか」などをしっかりと調査する必要があります。間取りや広さ、賃料、日当たり、立地などが入居者ニーズに合っていない物件は、空室が発生しやすいでしょう。

例えば「ファミリー層が多い地域なのに間取りや広さが不十分」「学生・シングル向けなのにインターネット回線が利用できない」などのケースが挙げられます。地域性や入居者様のライフスタイルを考慮し、適切な設備・間取りを検討することが大切です。

募集方法が適切でない

入居者募集の方法が適切でないことが、空室の原因になっていることもあります。

例えば「仲介業者に依頼せず、オーナー様が自分で募集している」「広告媒体やSNSを活用していない」といったケースです。どんなに条件のよい物件を所有していても、物件の情報が知られていなければ入居につながりません。また募集方法は適切でも、掲載内容で物件の魅力がうまくアピールできていないケースもあります。

周辺に競合物件が多い

周辺に競合物件が多く、空室につながっているケースもあります。賃貸需要の高い地域でも、入居者様の選択対象となる物件が多い場合は、選ばれる可能性も少なくなるからです。

近隣に競合物件が多い場合、常に動向をリサーチすることが大切です。そのうえで条件や設備・間取り、デザインなどの魅力付けを行い、競合物件との差別化を図るとよいでしょう。多数の競合物件の中から入居希望者様の目に留まるようになれば、内見や問い合わせの増加につながります。

入居者様とのコミュニケーションが十分でない

オーナー様が物件を自主管理している場合、入居者様とオーナー様のコミュニケーション不足がトラブルや退去の原因になっているケースもあります。

例えばアパートの設備や管理状況など、入居者様が不満を感じる出来事があったとき「入居者様に寄り添った対応をしてくれるか」「迅速に解決してくれるか」などは重要なポイントです。聞く耳を持たなかったり放置したりすると、入居者様に不信感を与えてしまう可能性があります。

家賃が高い

近隣に間取りや設備などが似ている物件がある場合、入居者様は少しでも家賃が安いほうを選ぶ傾向があります。

いくら立地条件がよくて設備の整った物件でも、家賃が高すぎると入居希望者様が集まりづらいでしょう。入居しても住み続けてもらえず、短期間で退去してしまうケースもあります。

しかし、むやみに家賃を下げることは得策ではありません。近隣物件と差別化を図り、物件の付加価値を高めることで空室を減らす工夫が必要です。

内装・設備が古い

建物の老朽化をそのままにしており、空室の原因になっているケースは多いものです。築年数の経過とともに内装のデザインや間取り、設備などが古くなると、入居者ニーズとマッチしない可能性が高くなります。

建物や設備の老朽化は故障や使いづらさなど、入居者様の満足度を下げる原因になりかねません。入居希望者様の内見時に見た目の印象を悪くしてしまう可能性もあるため、適切なタイミングで修繕や設備交換を行うようにしましょう。

アパートの修繕、設備の交換を実施するポイントについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

■参考記事:アパート経営で設備投資やリフォームする理由とは?ミニマム投資の秘訣

低コストで空室対策を実施した改善事例

ここからは、実際に低コストで空室対策を行いトラブルが改善した事例を紹介します。賃貸管理会社を切り替えた事例や、小規模なリフォームを実施した事例など、費用以上の効果を見込めた空室対策のアイデアをまとめました。

低コストで空室改善を行った事例を把握したうえで、低コストで空室対策を行うポイントを確認していきましょう。

賃貸管理会社切り替えによる空室対策

1年以上の長期空室を解消し経費削減する提案力と仲介力で満室経営!

福岡県で築21年の1棟アパート経営を行うオーナー様の事例です。オーナー様はアパートの建築以来ずっと同じ賃貸管理会社に依頼してきましたが、近年発生する空室に悩んでいました。1年以上の空室となったため、空室対策に強い賃貸管理会社への切り替えを検討しました。

近隣の競合物件を調査したところ、賃料が相場と乖離していること、設備や内装が入居者ニーズを獲得しづらい可能性があることがわかり、賃料の調整と設備の拡充を行って無事に満室となっています。

■事例:1年以上の長期空室を解消し経費削減する提案力と仲介力で満室経営!

バーチャル(デジタル)ホームステージングによる空室対策

築37年でも手軽で安価に成約可能

埼玉県で築37年の1棟アパート経営を行うオーナー様の改善事例です。オーナー様は築年数の経過とともに空室が目立ち、成約に時間がかかってきていることに不安を感じていました。「近隣に類似物件も多くあるため、何かできる対策はないか」と対策方法の相談を受けました。

安価で作成できる、バーチャルホームステージングをご提案。募集写真の見せ方をこだわることで、近隣物件との差別化ができると判断したためです。わずか8,000円の対策費用で無事にすべての部屋が成約となり、現在も満室稼働中です。

■事例:【バーチャルホームステージング】築37年でも手軽で安価に成約可能

広告掲載の内容を一新した空室対策

家賃を上げて入居促進!入居者募集力でもネット募集の強さが決め手

宮城県で築35年の1棟アパート経営を行うオーナー様の改善事例です。物件はJR仙台駅からバスで15分ほどの立地にあり、軽量鉄骨造で間取りも設備も悪くありません。しかし戸数の半分以上が空室となっており「原因を教えてほしい」とオーナー様から相談を受けました。

物件の状態を調査すると、インターネット広告が行われておらず、物件が十分に周知されていないことが判明しました。立地もよく建物の状態もよいため、思い切って家賃を上げて適切な募集を行ったところ、対策費用0円でほとんどの部屋が成約となっています。

■事例:家賃を上げて入居促進!入居者募集力でもネット募集の強さが決め手

モデルルーム(ホームステージング)作成による空室対策

モデルルーム作成から2週間で申込!予算を掛けずに少しの工夫で入居率向上

神奈川県で築27年の1棟アパート経営を行うオーナー様の改善事例です。アパートの周辺には大学があり、学生の賃貸需要が見込まれる地域にあります。しかし、繁忙期を過ぎると入居希望者様がほとんど集まらず、オーナー様から「競合物件との差別化を図り、成約率を上げたい」と相談を受けました。

インターネットの閲覧率・成約率を上げるには、部屋の様子が分かるような写真の見せ方が重要です。家具やソファーを設置したモデルルームを作成して写真を掲載したところ、約2週間で無事に成約となりました。

■事例:モデルルーム作成から2週間で申込!予算を掛けずに少しの工夫で入居率向上

プチリフォームによる空室対策

ちょっとしたアクセントが効果てきめん!プチリフォームで賃料アップ

東京都で築20年の区分マンション経営を行うオーナー様の改善事例です。オーナー様は築年数の経過とともに空室が発生し、家賃を下げざるを得ない状況に悩んでいました。家賃を下げることで起こり得るトラブルを懸念し、「なるべく家賃を下げずに空室対策を行いたい」とオーナー様から相談を受けました。

1階の部屋で、渋谷まで自転車で10分という条件を生かし、ターゲットを絞ってリフォームを実施。「自転車通勤しているおしゃれな男性社会人」をコンセプトに、グレーを基調とした大理石風クッションフロアやアクセントクロスなどを施したところ、完成後すぐに成約となりました。

■事例:ちょっとしたアクセントが効果てきめん!プチリフォームで賃料アップ

経費削減による空室対策

管理費の削減と設備保証サービスにより安価で安心の賃貸経営を実現

福岡県で築15年の1棟アパート経営を行うオーナー様の改善事例です。築15年が経過し、オーナー様は年々増える管理費用に悩んでいました。アパートの建設時から同じ賃貸管理会社に依頼しており、経費削減のために賃貸管理会社の切り替えを検討。

管理費は1戸当たり500円(定額)、設備保証費込みで1戸当たり2,000円(定額)のワンコイン管理を提案したところ、既存の管理費よりもコストが安くすみ、内容も充実しているとのことで満足していただいています。

■事例:管理費の削減と設備保証サービスにより安価で安心の賃貸経営を実現

プチリフォームによる空室対策

11部屋中8部屋が空室で大ピンチ!リフォーム後1ヶ月で満室の秘訣

東京都で築23年の1棟マンション経営を行うオーナー様の改善事例です。11部屋のうち8部屋が空室となっており、オーナー様は賃貸管理会社のサポートが不十分だと感じていたそうです。新しい賃貸管理会社に切り替えたうえで、空室対策を行いたいと相談を受けました。

コストを抑えて早急に対策を行う必要があると判断し、1室当たり20万円程度のプチリフォームをご提案。近隣に大学があるため、アクセントクロスやモニター付きインターホンなど学生向けの内装を意識したところ、1ヶ月で無事に満室となりました。

■事例:11部屋中8部屋が空室で大ピンチ!リフォーム後1ヶ月で満室の秘訣

ミニマムリフォームによる空室対策

オーナー様の負担を軽くした割賦払いとミニマムリフォームで空室改善

東京都で築26年の1棟アパート経営を行うオーナー様の改善事例です。所有するアパートは元々人気物件であったものの、築年数の経過とともに長期の空室が発生していました。ついに全戸数の半分が空室になり、「なんとか入居者様を決めてほしい」と相談を受けました。

物件の状況を調査したところ、水回りの設備や内装の建材などの老朽化が進んでおり、水回りや壁、床、建具のフルリノベーションを実施。新築のような内装に再生したうえで、割賦払いによってコストを抑え、施工後は入居率100%に達しました。

■事例:オーナー様の負担を軽くした割賦払いとミニマムリフォームで空室改善

ミニマムリフォームによる空室対策

1年以上の空室がミニマムリフォームで即成約!募集開始から2日後の申込

大阪府で築23年の1棟マンション経営を行うオーナー様の改善事例です。オーナー様は物件の老朽化にともない、自分で簡単な修繕やリフォームを行っていました。しかし床の柄がちぐはぐだったり、室内が汚れていたりと問題が発生していたことで、「空室を何とかしたい」との相談を受けました。

洗面台の入れ替えや床の張り替え、アクセントクロスの張り替えなど、効果の出やすいリフォームを部分的に施工したところ、リフォーム後の写真をインターネットに掲載するとすぐに反響があり、募集開始2日後に成約となりました。

事例:1年以上の空室がミニマムリフォームで即成約!募集開始から2日後の申込

ミニマムリフォームによる空室対策

アイデア満載!3点ユニットバスリフォーム工事&室内のミニマムリフォーム

東京都で築39年の1棟アパート経営を行うオーナー様の改善事例です。オーナー様は物件の設備が古いことに悩んでおり、空室を改善したいと賃貸管理会社に相談しました。

お風呂とトイレを分離し、ユニットバスと同様のスペースにコンパクトなシャワーブースを設置。ほかにも収納棚の新設や収納の変更、アクセントクロスの施工など、利便性やデザインにもこだわったところ、競合物件との差別化に成功しました。

事例:アイデア満載!3点ユニットバスリフォーム工事&室内のミニマムリフォーム

低コストで空室対策する方法

「空室対策には多くの費用がかかるのでは」と、不安を感じるオーナー様もいるのではないでしょうか。中には以下のような対策を行い、コストをかけずに空室を改善できるケースがあります。

●共用部を綺麗に保つ
●仲介業者・賃貸管理会社を切り替える
●入居者募集の条件を緩めにする
●初期費用を減額する
●フリーレント期間を設ける
●紹介制度を導入する
●家賃の調整を行う
●入居者様にアンケートを取り実際の声を聞く
●広告掲載に使用する写真を変更・情報更新を行う
●デジタルホームステージングサービスを利用する
●設備やサービスを充実させる
●仲介手数料のほかに広告料を支払う

上記の内容について、それぞれの詳しい方法や手順を紹介します。ほかの空室対策については、以下の記事も参考にしてください。

■参考記事

空室の原因を解決する『4つの空室対策』とは?14種類の手法を徹底解説!

賃貸経営リノベーションで両立する空室対策と収益改善

不動産投資の大敵・空室をなくす! 空室改善の方法をわかりやすく解説

共用部を綺麗に保つ

アパートの共用部は、物件の印象を左右する重要な場所です。共用部の清掃は「日常清掃」「定期清掃」「特別清掃」の3つに分類されます。場所や頻度の目安は以下のとおりです。

 場所頻度
日常清掃エントランスエレベーター廊下階段集合ポストゴミ捨て場  週に数回〜半月に1回
定期清掃エントランス・廊下(ワックスがけ)床(高圧洗浄)廊下・階段などの照明交換植栽の剪定  数ヶ月に1回
特別清掃貯水槽・排水管外壁(高圧洗浄)1年に1回

日常清掃はオーナー様や賃貸管理会社が行うことが多く、主な内容は掃き掃除や拭き掃除などです。定期清掃、特別清掃は業者に依頼することが多く、数ヶ月~1年に1回ほどを目安とするとよいでしょう。

共用部を清潔に保つことで、内見時の印象をアップしたり入居者様の住みやすさを向上したりする効果が期待できます。共用部の管理について、より詳しく知りたい方は以下の記事・事例も参考にしてください。

■参考記事

賃貸物件のメンテナンスを解説!賃料と空室改善に寄与する建物管理

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仲介業者・賃貸管理会社を切り替える

アパートや入居者様の管理が十分でなく空室の原因となっている場合は、仲介業者・賃貸管理会社の切り替えを検討しましょう。賃貸管理会社を変更するだけで、空室が大きく改善するケースも少なくありません。

賃貸管理会社の変更をしたほうがよいのは、以下のようなパターンです。

●3ヶ月以上、賃貸管理会社から入居や内見などの連絡がない
●長期にわたって2割以上の部屋が空室となっている
●賃貸管理会社の管理の質が悪いのに、管理料率が相場と比べて高い
●物件の管理状況が悪い
●空室について具体的な改善提案がない など

上記のように長期にわたって空室が改善されていない場合や、空室が多いにもかかわらず管理費用が高い場合、適切な管理が行われていない場合などは賃貸管理会社の変更をおすすめします。

賃貸管理会社を変更し、アパート経営を軌道に乗せたポイントや事例については以下の記事もあわせてご覧ください。

■参考記事

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入居者募集の条件を緩めにする

入居者様の募集条件を見直し、入居対象を広げることで空室を埋めたケースもあります。具体的な条件は以下のとおりです。

●24時間ゴミ出しOK
●事務所OK
●ペット可
●楽器演奏可
●DIY・リフォーム可
●外国人・高齢者可
●ルームシェア可 など

例えばペットを飼っている方にとって、ペット可であることは優先度の高い条件だといえるでしょう。近隣に競合物件が多い場合は、入居者様の募集条件を見直すことで差別化につなげられる可能性があります。

ただし、安易に入居者様の募集条件を緩めることは、家賃滞納のリスクや建物の資産価値に影響を与える可能性もあります。特に賃料の上昇トレンドが発生している時に対応すると収益の低下になる可能性もあります。

地域の賃貸需要に詳しいパートナーに相談しながら、ルールを新しく定めたり、日常管理の徹底とあわせて対策を取ることを検討しましょう。

入居者様の募集条件についての詳しい手順や改善事例は、以下の記事・事例を参考にしてください。

■参考記事:入居者募集のコツとは?契約形態別のメリット・デメリットを解説!

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初期費用を減額する

単身者や学生、若い世代の方などで「なるべく敷金や礼金、引っ越し費用などを節約したい」と思う方は多くいます。入居時にかかる初期費用を減額し、お得感をアピールすることで空室を改善できるかもしれません。具体的な方法は以下のとおりです。

●敷金・礼金を減額する
●家具家電を設置し「家具家電付き物件」として貸し出す
●更新費用を減額する など

空室が目立ち、賃料の見直しを検討していたオーナー様が、敷金0円・礼金0円へ条件を変更したところ、すぐに入居者様が決まったケースがあります。詳しい事例は以下を参考にしてください。逆に、賃料の上昇トレンドでは礼金を増やすこともあります。実際の市況に合わせて対策するように注意しましょう。

■参考事例:賃料を下げずに敷金0・礼金0で入居者募集!前入居者様退去後すぐに申込み

フリーレント期間を設ける

「フリーレント」とは、入居後一定の期間内は家賃が無料になる制度のことです。1~2ヶ月程度の期間でフリーレントを設けるのが一般的で、物件の契約時に適用されます。

フリーレントは引っ越しの初期費用を抑えられたり、旧居・新居の家賃を2重で支払うリスクを避けられたりと、入居者様にとって費用面で大きなメリットがあります。引っ越しが増える12〜3月頃までなど期間を決めて集中的に実施することで、短期間で空室を改善できる可能性があります。

オーナー様にとっては数ヶ月家賃収入が途絶えてしまうリスクもありますが、空室がずっと続くよりは、入居者様が入ってくれたほうが長期的に見て収益を得やすいでしょう。フリーレントのメリットやリスク、空室改善事例については下記の記事・事例を参考にしてください。

■参考記事:お得に賃貸物件に入居する方法!?フリーレントとは?

■参考事例

大家さんと学生さんがWIN-WINの関係になる『フリーレント』

12月時点で春先の入居予定者を確保!少し期間の長い『フリーレント』

紹介制度を導入する

入居者様の募集を行う不動産会社が「紹介制度」を行っていることがあります。紹介制度とは、部屋を探している家族や知人などを紹介すると、紹介者に紹介料が支払われる制度で、金額は数千~数万円程度が多いでしょう。

紹介制度を行っている不動産会社とオーナー様が連携することで、入居率が改善することもあります。また物件情報が口コミで広がり、内見の申し込みが増える可能性もあります。

家賃の調整を行う

家賃は毎月支払う固定費であるため、入居者様が物件を選ぶときに最も重要視する項目の1つです。近隣の競合物件と比較し、家賃が高すぎるようなら金額の見直しを検討する必要があります。

ただし家賃の見直しを行うときは、相場を大きく下回らないように下げ幅を慎重に見極めることが大切です。「訳ありの物件なのでは」とかえって避けられる可能性があるため、周辺の競合物件よりも著しく低い金額にするのは避けるようにしましょう。

また、期間限定や条件付きで値下げを行い、入居希望者様の問い合わせや内見の反応を見るのも方法の1つです。家賃の調整によって空室を改善した事例は、以下をご覧ください。

■参考事例

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入居者様にアンケートを取り実際の声を聞く

「アパートの改善点がわからない」「どのような問題が発生しているのか知りたい」という場合は、入居者様にアンケートを取って満足度を調査するとよいでしょう。

アンケートは入居者様が不満に思っていることや改善してほしいことなど、生の声を集められます。今まで気づかなかった問題を知ることができ、空室や退去の原因を突き止められるかもしれません。アンケートを取る方法は紙や電話、メール、Webなどが挙げられます。

また賃貸管理会社が調査を行い、入居者ニーズの高い無料インターネットを設置して空室対策につなげた事例もあります。詳しい対策内容については、以下の記事をご覧ください。

■参考記事:無料インターネットで空室対策!管理会社が入居者ニーズの高い設備を紹介

広告掲載に使用する写真を変更・情報更新を行う

広告などに物件の写真を掲載している場合、写真のクオリティが低いと、見た方にマイナスな印象を与えかねません。以下の条件を確認し、当てはまらないものがある場合は写真の変更を検討するとよいでしょう。

●写真は明るく見やすいか
●画質は荒くないか
●空間が広く見えるか、角度は適切か
●日当たりなどの条件がよく見えるか など

また物件情報を文章で掲載している場合、内容がわかりづらかったり、長すぎたりして印象が悪くなっている可能性もあります。条件を箇条書きで記載する、アピールポイントを簡潔にまとめるなど、読みやすい文章を心がけるとよいでしょう。

空室対策のために追加した条件などがあれば、忘れずに記載しましょう。見栄えのよい写真とともに、常に最新の情報を掲載することが大切です。物件掲載情報の改善を行い、家賃を下げずに空室改善につなげた事例は以下を参考にしてください。

■参考事例:コロナ不況の中、物件掲載情報の改善で家賃下げずに早期契約!

デジタルホームステージングサービスを利用する

「デジタルホームステージングサービス」とは、物件の空室写真にCG加工を施し、家具やインテリアなどを配置したバーチャル画像を作成するサービスです。

デジタルホームステージングサービスのメリットは、入居希望者様に生活イメージを具体的に伝えられることです。入居希望者様が「こんな部屋で暮らしてみたい」と思うような魅力的な画像を作成できれば、成約につながりやすいでしょう。

オーナー様は部屋の写真を用意するだけですむため、導入に手間やコストがかかりません。デジタルホームステージングサービスで空室を改善した事例は、以下をご覧ください。

■参考事例

【ホームステージング】管理物件を見て問合せ。長期空室を早期契約!

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設備やサービスを充実させる

先述のとおり、近隣に競合物件が多い場合は魅力付けによって差別化を図る必要があります。入居者様の満足度を向上しつつも、比較的低コストで取り入れられる設備・サービスは以下のとおりです。

●インターネット回線、Wi-Fiの無料提供
●防犯カメラ、セキュリティシステムの導入
●家賃の引き落としなどのクレジット決済の導入
●外国人向けの通訳・翻訳サービスの導入
●入居者様向けのサポートセンターを設ける
●アクセントクロスや無垢床など部屋のデザインにこだわる など

例えば、入居者様のトラブルに24時間対応できるサポート窓口を設置したり、入居者様に適用される「会員特典優待サービス」を付けたりして、空室を改善した事例があります。詳しい対策内容については、下記の事例をご覧ください。

■参考事例:『24時間緊急サポート』レジャーや宿泊がおトクな『会員特典優待』

仲介手数料のほかに広告料を支払う

広告料とは、オーナー様が入居者様の募集を行う不動産会社に対して支払う報酬の1つです。広告料を支払うと物件を優先的に紹介してもらえるようになるため、短期間で空室を埋められる可能性があります。

広告料の相場は家賃の1~2ヶ月分です。ただし、長期的に空室が発生している物件や、需要があまり見込めない物件などは、相場よりも広告料が高くなる可能性があります。

低コストの空室対策を行うために押さえておきたいポイント

先述のとおり、空室対策には低コストでできるものもあります。どの方法を選択し、何から優先的にやるとよいか悩んでしまうオーナー様もいらっしゃるでしょう。

低コストの空室対策を行うために、まずは以下のポイントを押さえることが大切です。

●入居者ニーズを把握する
●早期に改善できる方法を探る
●退去予防もしておく

空室のリスクヘッジや補助金の活用については、以下の記事をご覧ください。

■参考記事

不動産投資の空室リスクとは? 対策をわかりやすく解説

【大家さん必見】補助金活用する賃貸物件のリフォーム! 改善事例も紹介

入居者ニーズを把握する

上述のとおり、入居者ニーズと物件の設備や間取りなどが合わず、空室が発生しているケースは多くあります。まずは物件の入居者層はどのような属性なのか、どのような設備や間取りを求めているのかを洗い出すことが大切です。

例えば、入居者層がファミリー層や単身者の場合は以下のようなニーズがあると予想できます。

入居者層入居者ニーズの例
ファミリー層3LDK以上などのゆとりがある広さ・間取りペット可子育てに適した防音性、遮音性 など
単身者1K、1LDKなどのコンパクトな間取り無料のインターネット回線がある駅から近い立地 など

同じファミリー層でも、子どもの人数や両親と同居しているかなどの状況によってニーズは異なるでしょう。単身者も、学生か社会人かなどによって細かなニーズに違いがあります。

早期に改善できる方法を探る

空室の原因となっている要素は、必ずしも1つとはかぎりません。すべての原因を改善しようとすると、多くの費用がかかってしまう可能性があります。どの対策を行うべきかを検討するときは、以下の項目を参考にするとよいでしょう。

●スピーディーな改善が見込めるか
●費用に見合った効果が期待できるか
●空室期間を減らす・なくすことができるか

すぐに実行できる対策や、高い効果が見込める対策を優先的に行うとよいでしょう。すべての対策を取り入れようとするのではなく、「収益を最大化して、空室期間をできるだけなくすこと」を軸に置き、適切なものを選ぶことが大切です。

退去予防もしておく

入居者様が退去するときは、原状回復費用やクリーニング費用などが発生します。入居者様が短期間で退去を繰り返すとコストが増え、長期的に見ると大きな支出になりかねません。空室を埋めることはもちろん、そもそも退去が発生しないように日頃から気を配ることが大切です。

退去予防には、入居者様が長く住みたいと思う環境づくりが必要不可欠です。以下のような方法を参考にしましょう。

●入居者様の修繕依頼や要望などにすみやかに対応する
●共用部を清潔に保つ
●迷惑行為を行う住民をそのままにしない
●適切な賃料を設定する など

まとめ 空室対策を低コストに抑えるにはより多くのアイデアを用いてパートナーと相談しよう

空室が発生する原因はさまざまなものがあり、立地や家賃、入居者ニーズ、内装・設備など複数の問題が発生しているケースもあります。まずは空室の原因をしっかりと追求し、効果的な対策を見極めることが大切です。例えば、賃貸需要が大きく変わったときに

また、空室対策は高い費用をかければよいというわけではありません。コストをかけずに空室対策を行い、無事に成約となった改善事例は数多く存在します。まずはパートナーとなる賃貸管理会社などに相談し、物件の特徴に合った最適な方法を検討してみてください。

リロの不動産】は『4つの空室対策』を実施しており、これまで空室に悩む多くのオーナー様をサポートしてきました。入居者募集で悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。