【事例付き】賃貸アパートの内装リフォームで収益改善する方法を解説

2024.12.13

収益物件として1棟アパートを所有している場合、アパートやマンションの築年数が古くなるにつれ、内装リフォームの検討が必要になります。内装リフォームの目的は原状回復だけでなく、変化するトレンドや入居者ニーズを取り入れることで物件の人気を維持向上するためにも重要です。アパートやマンションの内装リフォームで人気物件になれば、長期で安定した収益性を保つことができるでしょう。

本記事では、アパートの内装リフォームの種類や効果、競合物件との差をつけるポイント、改善事例について解説します。 これから内装リフォームを行うことで収益改善したいと考えているオーナー様や、保有しているアパートが古くなったために売却を考えているオーナー様はぜひ参考にしてください。

▼この記事の内容

●アパートの内装リフォームには、クロスやフローリング、キッチン、トイレ、浴室、間取り変更などさまざまな種類がある
●アパートの内装リフォームを行うことで、空室改善や家賃アップ、売却しやすくなるなどの効果を見込める
●アパートの内装リフォームを行う際は、①出口戦略を意識する②入居者のターゲット層を絞る③実績豊富な施工業者に依頼する④DIYは極力避ける⑤家賃設定に注意する⑥内装リフォームの実施時期に注意することが成功の秘訣
●アパート経営を行ううえで内装リフォームするには、補助金制度の活用が欠かせない

目次

アパートの内装リフォームの種類

一口に内装リフォームといっても、さまざまな箇所の工事を行います。ここでは、内装リフォームを行う代表的な箇所について紹介します。原材料高騰の影響もあるため価格は参考のうえ、詳細は各種パートナーへご確認ください。

また、内装リフォームを検討するにあたって、以下の記事も参考にしてください。

【参考記事】

不動産投資成功の鍵はリフォームにある! 戦略的なリフォーム投資で資産価値向上を
賃貸経営リノベーションで両立する空室対策と収益改善

クロス

クロスのリフォームでは、傷んだ壁紙を新しい壁紙に張り替えます。一般的に壁紙は5~10年のうちに寿命がくるといわれており、入居者様の使い方によって工事が必要となる時期も異なります。

壁紙を新しくすることで部屋の中を清潔感のある雰囲気に変えられるほか、入居者ニーズに合った壁紙の色や柄を選ぶことによって、競合物件と差別化を図ることが可能です。

ただし、クロスのリフォームを行う際には、サンプルと本物では仕上がり時の印象が異なる可能性がある点に注意しておきましょう。特にアクセントクロスは、面積や設置場所によってお部屋の雰囲気がガラッと変わるため、対象箇所に貼られるイメージを描いてみてください。

クロスの張り替え費用は、使用するクロスによって異なります。量産品のクロスなら1㎡あたり700円~1,200円程度ですが、一般のクロスだと1㎡あたり1,000円~1,500円程度と少々高くなります。量産品のクロスは安い反面シンプル且つ汎用的なものが多い傾向にあります。ほかの物件との差別化を図るなら、壁の一部にデザインや質感に凝ったアクセントクロスを用いるとよいでしょう。

フローリング

普段生活を送るうえで傷みやすいのがフローリングです。フローリングの張り替えは退去のたびに行うこともあるくらい、比較的高い頻度で発生します。フローリングの材質には多くの種類があり、どのような材質を選ぶかによって部屋の印象が変わります。高級感のある印象を持たせたいなら、無垢を使用した材質を利用するとよいでしょう。

ほかの物件と差をつけるには、広い板幅の材料を選択したり、フロアタイルや塩ビタイルに張り替えたりするのが有効です。また、木目調のフローリングでも明るい色を選ぶことで、部屋が明るく清潔感のある印象になります。

フローリングの張り替え費用も材質によって異なりますが、集成材を利用した材質なら6畳あたり10万~15万円程度、無垢材を利用した材質なら6畳あたり10万~25万円程度かかります。メインターゲットや部屋数、広さに応じて選ぶ材質を考えるとよいでしょう。

キッチン

内装リフォームの際にシステムキッチンを取り替えるケースが多いですが、交換時期は10年~20年といわれており、取り入れるシステムキッチンもグレードによって費用が大きく変わります。スタンダードなシステムキッチンなら30万~100万円程度ですが、ハイグレードとなると100万~150万円程度かかることもあります。

1人暮らし用の広さのお部屋であれば、ミニキッチンの採用がおすすめです。ミニキッチンであれば、50万円程度の費用で交換できます。メーカーによっては機能性やデザイン性に優れたミニキッチンがあるため、料理の頻度が多い女性の1人暮らしにも向いているといえるでしょう。

トイレ

トイレのリフォームは内容によって費用が大きく変わります。単に便器を交換するだけなら、10万~30万円程度ですみますが、和式から洋式に変えるとなると20万~50万円ほどかかります。同時に壁紙や床材を張り替える必要がある場合は、それらの費用も考えておかなければなりません。ちなみに、トイレの交換時期は10年~15年が目安といわれています。

競合物件と差をつけるには、3点ユニットバスからトイレと洗面台をそれぞれ独立させることに加え、トイレには温水洗浄便座、洗面台にはシャワー水栓をつけることをおすすめします。

トイレと浴槽が一緒になっている3点ユニットバスから、それぞれを独立させてトイレを新設する場合、50万~70万円程度の費用をみておく必要があります。工事が大がかりなものだと工事期間に3~4日程度かかる場合もあるので、必要に応じて非常用のトイレを貸し出してもらえるのか、施工会社に確認しておきましょう。

浴室

浴室のリフォームも、トイレと同様に工事内容によってかかる費用が異なります。特に浴室は水を多く使うため、10年ごとのリフォームが望ましいといわれています。最近はシャワーだけでもいいというニーズもあるため、あえて浴槽を設けずシャワールームだけにするのもよいでしょう。

ユニットバスの交換なら50万~150万円程度、在来工法からユニットバスへの交換には100万~200万円程度の費用がかかります。浴室をリフォームするにあたっては、機能を充実させることが競合と差がつきやすくなるポイントです。雨の日でも洗濯物を浴室に干せる乾燥機能や、浴槽の追い焚き機能などが人気があります。

間取り変更

従来は2Kや2DKなど、1部屋ずつがコンパクトな間取りが主流でしたが、現在はリビングを加えた1LDKや2LDKなど、比較的広い1部屋がある間取りのほうが人気があります。

ただし、間取りを変更するとなると内容によって工事費用が大きく変わるため、予算に応じた変更内容になるよう慎重に考えなければなりません。簡単な壁の撤去工事なら30万円程度ですみますが、2つの部屋をつなげる工事だと50万円程度、LDKの仕様に変更する場合は数百万円と大規模な工事になる場合もあります。

間取り変更に適した時期はありませんが、内装のリフォームに合わせて行うなど、ニーズとタイミングを見極めることで工事の総額を減少させるなどの工夫が大切です。

競合物件との差を考えるなら、以下のポイントを意識してみましょう。

● ベランダや玄関の外などに設置している洗濯機置き場を室内に変更する
● 収納スペースを広くする

特に最近ではウォークインクローゼットやシューズクローゼット、パントリーなど、収納が多い物件が好まれる傾向にあります。収納スペースの確保が差をつける大きなポイントといえるでしょう。

アパートの内装リフォームで減価償却となる工事

大切な資産であるアパートをできるだけいい状態で維持し、安定したアパート経営を行うには定期的なメンテナンスが欠かせません。内装リフォームもその1つです。

費用はかかりますが、内容によっては減価償却の対象となり、節税効果が期待できます。ここからは、内装リフォームにかかる費用の減価償却について詳しく解説します。

減価償却資産となるもの

アパートの内装リフォームにかかった費用は、「資本的支出」または「修繕費」に分類されます。減価償却資産として認められるのは、資本的支出に該当する工事です。それぞれの違いを以下に簡単にまとめました。

仕訳資本的支出修繕費
目的建物の資産価値向上建物の原状回復
工事の種類●間取り変更
●和室から洋室への改修
●住宅設備のグレードアップ交換
など
※主に費用が20万円以下のもの
●壁紙の貼り替え
●床材の補修
●畳交換 など

行った工事がどちらに分類されるか判断が難しいケースも多いため、迷ったときは税理士など専門家に相談するようにしましょう。

耐用年数

減価償却資産には法律によって耐用年数が定められており、建物の場合は用途・構造で年数が異なります。住宅用建物についての主な構造別耐用年数は以下のとおりです。

構造耐用年数
木造22年
SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造
RC(鉄筋コンクリート)造
47年
鉄骨造骨格材肉厚4mm超:34年
骨格材肉厚3mm超4mm以下:27年
骨格材肉厚3mm以下:19年

住宅設備についても、それぞれ次のように法定耐用年数が設けられています。

  • じゅうたんその他の床用敷物:6年
  • 冷房用・暖房用機器:6年
  • 給排水・衛生設備、ガス設備:15年

※出典:耐用年数表|国税庁

内装リフォームにかかった費用は一度に経費計上するのではなく、耐用年数に応じて何年かに分散して支払いをしていきます。ただし、資本的支出として減価償却を行うかどうかは、かかった金額や工事内容で判断しなくてはなりません。判断に迷う場合は、税理士に相談することをおすすめします。

アパートの内装リフォームを行うことで得られる効果

実際にアパートの内装リフォームを行うことで、どのような効果が得られるのでしょうか。

ここでは、アパートの内装リフォームを行うことによって享受できるメリットについて解説します。投資効果の高いおすすめのリフォーム内容については、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:アパート経営で設備投資やリフォームする理由とは?ミニマム投資の秘訣

空室改善が期待できる

空室がなかなか埋まらないことに悩んでいるなら、内装リフォームを行うことによって入居者ニーズを満たす間取りや設備を取り入れ、入居希望が増える可能性があります。入居後も快適に暮らすことができ、高い入居率を維持できるでしょう。

内装リフォームを行う際には、競合となる人気物件に取り入れられている設備や間取りを参考にすることをおすすめします。入居者ニーズを読み取るには、日頃から入居者様と賃貸管理会社とコミュニケーションを取ることを心がけるほか、定期的に賃貸管理会社が行うアンケート調査などの対策も念頭に置いて検討することを忘れないようにしましょう。

家賃アップが見込める

内装リフォームを行うことで家賃の低下を防ぐだけでなく、周辺相場よりも高めの家賃を設定できる可能性があります。ただし、周辺の競合物件よりも魅力的だと思える機能性やデザイン性を有していなければなりません。家賃アップを狙うなら、機能性やデザイン性に優れた工事内容を意識するようにしましょう。

注意したいのは、リフォームの内容が入居者様のニーズに合ったものでなければならない点です。ニーズに合わない変更内容だと肝心の空室が埋まらず、工事費用のみがかかり、空室改善も期待できません。また、資金回収に見合う工事費用で対応しなければ、出口戦略に困る状態を招くことにもなりかねません。しっかり調査をしてニーズに合った内装リフォームを然るべきコストで行うことが大切です。

家賃の下落を最小限に抑え、売却しやすくなる

建物や設備は年数が経つごとに劣化していきます。経年劣化は防げるものではなく、一般的には家賃も下落する傾向にあります。しかし、適切な時期に必要に応じた内装リフォームを行うことで、家賃の下落を最小限に抑えることが可能です。

状況によっては、出口戦略を考えている場合にも有効です。内装リフォームを行うことで長期間にわたり適正な賃料収入を得られるため、収益力のある物件と判断され、同じ築年数の物件よりも高い金額で売却できる可能性があります。

ただし、内装リフォームが適切でなければ費用だけがかかってしまうため、場合によっては工事を行う前に売却するほうがいいケースがある点にも注意しておきましょう。出口戦略を考えているなら、以下の記事も参考にしてください。

参考記事:収益物件をできるかぎり早く・高く売る秘訣|パートナー選びのポイントは?

内装で差がつくインテリアコーディネート

内装リフォームは適切なタイミングで行う必要があります。その際に、以下で紹介するようなインテリアコーディネートを取り入れることで、競合物件と差をつけることが可能です。

内装リフォームを含めた修繕を検討している場合は、修繕費用の目安を紹介している以下の記事も参考にしてみてください。

【参考記事】

賃貸アパートの改修工事や大規模修繕費用はいくら?改修項目別に解説
大規模修繕工事はアパート・マンションになぜ必要?工事内容と費用を把握【総集編】

印象づける壁紙に変える

壁紙は白やベージュで統一されることが多いのですが、あえて違う色やデザインにすることで、室内の雰囲気をガラッと変えることができます。壁紙は汚れが目立ちやすく交換頻度も高めですが、内装リフォームの中では比較的安い費用で張り替えが可能です。 入居者ニーズに応じて濃いグレーなどの壁紙を一部に用いて、モノトーンな雰囲気にしてみてもいいでしょう。

事例

明るいイエローの壁紙にマッチするカラフルなアクセントクロスを取り入れ、ポップなイメージのお部屋に仕上がりました。照明や自然光と組み合わせると、室内がより明るい印象になります。空室対策は必ず大幅なリフォームやリノベーションを要するのではなく、お部屋の一部を工夫することでも対策可能です。

事例:資金捻出が難しい状態でも無理なくリフォームできる仕組みが嬉しい!

場所によって照明タイプを変える

照明には一般的な蛍光灯やシーリングライトを利用しがちですが、場所によってダウンライトやスポット照明など照明タイプを変えてみましょう。部屋の印象が照明によって変えられるほか、玄関に人感センサー付きのライトを取り付けると、外から帰ったときに電気をつける必要がなくなるなど便利さを感じられます。

壁紙や家具などの内装がおしゃれでも、照明器具が大きいと見た目を損ないかねません。ダウンライトなどで照明器具を目立たなくすることで、部屋のデザインを損なうことなく、また調光機能があると、よりおしゃれな雰囲気を演出できます。

事例

勾配天井とナチュラルなフローリングが、ペンションのような雰囲気のお部屋です。アクセント照明には、全体のデザインに統一感を持たせつつ特定の場所を強調し、空間を広く感じさせる視覚効果があります。

腰高窓の上部にダクトレールを設置し、スポットライトを取り付けました。最寄り駅から徒歩4分の好立地ということもあり、工事中に入居が決まっています。

事例:立地とターゲットを加味したリフォームで荷物部屋を素敵な賃貸住戸へ

部屋を1~2部屋に変えやすく仕切る

現在の賃貸の間取りでは、リビングの横に引き戸で仕切った洋室が隣接するタイプが主流です。引き戸を外すことで、リビングと洋室を合わせた1つの大きな部屋にできます。

部屋が広くなれば、その分選べる家具のサイズやレイアウトの幅が広がり、ライフステージに応じた使い分けができるため、長期間の入居を希望される方に選ばれやすいお部屋になります。部屋の仕切りはできるだけ引き戸タイプを選ぶようにしましょう。

事例

もともとはオーナー様が自主管理していた物件ですが、海外在住の息子さんに代替わりしたのを機に、リフォームと物件管理を委託されました。

市場ニーズに合わせ、3LDKの部屋を1K×2部屋に、2Kの部屋を1LDKに改装。築40年という古い物件ですが、駅徒歩6分という立地と適正な募集条件の設定で、退去後も2ヶ月以内に新しい入居者様が決まっています。

事例:自主管理オーナー様の代替わり、海外在住でもバッチリサポート!

ピクチャーレールをつける

賃貸物件では、壁に画鋲やピンを刺すことを禁止しているところが多くみられます。しかし、入居者様によっては好きなところに好きなものを飾れないといった制約を感じることもあるでしょう。

ピクチャーレールを設置しておくことで、入居者様は好きな場所にポスターや写真、絵画などを飾り、インテリアコーディネートを行えます。入居者様が自分で行うレイアウトの自由度が増し、競合物件との差をつけることにもつながるでしょう。

事例

ライトモスグリーンのアクセントクロスを貼った壁に、ピクチャーレールを設置しました。絵画やポスター、写真はもちろんのこと、ドライフラワーや小さな観葉植物、お気に入りの雑貨などを自由にディスプレイして楽しめます。ほかにも室内干しやTVドアホンなど、若い女性が安心快適に暮らせる工夫がなされています。

事例:学生エリアならではのリフォームで3室の空室を満室に改善!

デッドスペースを活用したデザイン性のある収納を造作する

設計上、どうしても間取りのどこかにデッドスペースが生じることがあります。収納スペースの確保が十分にできない間取りの場合は、デッドスペースを収納スペースとして活用しましょう。造作することで、部屋のイメージにも合わせられます。

このテクニックはお手洗いにも活用できます。天井近くのデッドスペースに棚を造作することで利便性が上がります。女性向けに喜ばれるポイントにもなるので検討してみてください。

事例

市場ニーズに合わせ、3点ユニットバスをセパレート型に改良し、独立トイレとシャワーブースを同じスペース内に確保しました。居室スペースも改善し、ロフトへのアクセスをハシゴから階段に変更。

階段下を収納スペースとして有効活用し、安全性と利便性を向上させました。また、室内にはアクセントクロスやおしゃれな照明を設置し、白い階段が際立つデザインに仕上がっています。

事例:アイデア室内リフォーム&3点ユニットバスリフォーム工事で空室改善

収益改善につながる内装リフォーム事例

ここからは、実際に収益改善につながった内装リフォームの事例を紹介します。どのようなお悩みにどのような工事内容が適切なのか、参考にしてみてください。また、トラブルのリスクを回避するために、以下の記事もご一読ください。

【参考記事】

アパート経営の失敗体験談9選と回避方法!よくある失敗事例から学ぼう
賃貸住宅の修繕トラブルとは? 対処のポイントを詳しく解説
【トラブル事例】賃貸管理会社の対応とは?起こりうるリスクも紹介

事例1:クロス&フローリングの張り替えでイメージアップ

築25年の木造アパートで家賃が下がっているうえ、地域の競合物件との差別化ができず「入居率が改善しない」と悩まれていたオーナー様。

室内を明るい色のフローリングに変え、壁紙も白を基調にところどころアクセントをつけることで、全体的に明るい雰囲気に変わり、入居率が100%に改善されました。デザイン性の高い内装に生まれ変わったことが入居率の改善につながったといえるでしょう。

改善事例:明るい床とアクセントクロスでイメージUP!仲介店舗と連携して成約

事例2:長期空室を解消した条件の見直し&リフォーム

長年同じ賃貸管理会社に依頼しており、空室が目立つようになってきたため改善したいというオーナー様のご要望を叶えた事例です。賃貸の募集条件が5年以上前のものと同じ設定だったため、最新の相場状況を確認して再設定しました。

条件以外にも、事前内装を行ったほか、ガス会社の切り替えを行いエアコンを設置して案内時の印象アップも成功しました。1年以上の空室を改善し、対策した次の月に成約となっています。

■改善事例:1年以上の長期空室を解消し経費削減する提案力と仲介力で満室経営!

事例3:ミニマムリフォームで空室改善

最寄り駅から徒歩6分の好条件にも関わらず、築年数が古いため、入居率が50%にまで下がっていた物件の事例です。オーナー様の「できるだけ費用を抑えたい」というご要望に対し、ミニマムリフォームをご提案しました。

メリハリをつけたリフォームを行うことでコストダウンしつつ、賃料から工事費用を差し引く割賦払いにて、オーナー様の持ち出し費用は0円です。新築に近いお部屋に生まれ変わり、工事中の成約で入居率100%に改善しています。

改善事例:オーナー様の負担を軽くした割賦払いとミニマムリフォームで空室改善

事例4:水回り&クロス・照明設備のリフォーム

築31年の1Rの物件ですが、3点ユニットバスを改善するために、同様のスペースで独立した浴室とトイレスペースを確保しました。また、室内に洗濯機置き場を設置するために縦の空間を有効活用して収納スペースをつくり、お部屋が狭くならないように工夫してリフォームしています。

ほかにも、アクセントクロスやライティングレールの照明を採用し、おしゃれな雰囲気に仕上げることで差別化を実現した事例です。

改善事例:室内の内装リフォームと3点ユニットバスリフォーム工事で空室改善

事例5:3点ユニットバスリフォーム&室内のミニマムリフォーム

前述の事例と同様に、3点ユニットバスの設備を改善するためにシャワールームとトイレを分ける形に変更し、洗濯機置き場にも収納スペースを確保するなど、入居者様の利便性に配慮したリフォーム事例です。

室内にアクセントクロスとスポット照明を取り付けておしゃれな雰囲気にするほか、キッチンにデザイン性のある床材を取り入れ、汚れを目立たなくするように工夫しました。築39年のアパートですが、室内は高デザインかつ機能性のあるお部屋に仕上がっています。

改善事例:アイデア満載!3点ユニットバスリフォーム工事&室内のミニマムリフォーム

アパートの内装リフォームを成功させる秘訣

1棟アパートの賃貸経営を成功させるには、収益を考えたうえで入居者ニーズに合った内装リフォームを行うことが大切です。ここでは、内装リフォームを成功させるためのポイントについて紹介します。賃貸経営全般の成功法については、以下の記事も参考にしてください。

【アパート経営入門】メリット・リスク・成功の秘訣をわかりやすく解説!

【参考記事】

賃貸経営の成功法を伝授!代表的なリスクと6つの成功ポイントとは
不動産投資のリスクとは? リスクを正しく認識すればヘッジはできる
【保存】不動産経営の種類や収支を学ぶ!リスク回避する成功の秘訣とは?

出口戦略を意識して予算を決める

賃貸経営の成功には、投資した資金をどれだけ増加できるかが重要なポイントになります。資金回収の源泉は賃料収入をメインとするインカムゲインと、売却益を考えるキャピタルゲインの2種類に大別されます。

実際に内装リフォームにかかった費用をどのくらいの期間で回収できるかを計算しておくと、費用対効果をどれだけ得られるかが分かるでしょう。

改善事例でも紹介したように、築年数の古いアパートは必ずしも大型リノベーションをしなければならないわけではなく、設備投資やプチリフォームで改善できることもあります。出口戦略によっては、大規模修繕を行わずに売却したほうがいいケースもある点には注意が必要です。

また、不動産投資がメインの方と地主の方が目指す出口戦略が異なることもあります。相続なども考えると検討するべきことが増えてくるため、賃貸経営の目的や出口戦略を強く意識しておくようにしましょう。

入居者のターゲット層を絞る

内装リフォームの主な目的が空室改善の場合は、入居者となるターゲット層をある程度絞ったうえで、ターゲット層にあわせた工事内容にする必要があります。ターゲット層を広げすぎると汎用的になる反面、ありきたりな内装になってしまい、競合物件との差別化が図りづらくなってしまうこともあります。

入居率を高めるためにも、周辺環境や家賃相場、人気のある間取りなど、ターゲットにマッチする入居者ニーズをしっかりと押さえることが大切です。ニーズの把握については、地域に詳しい賃貸管理会社などパートナーの力を借りて調査することで、実態を把握しやすくなります。

実績豊富な施工業者に依頼する

内装リフォームの実績が豊富な施工業者に依頼することで、トラブルにあう可能性が低くなります。ただし、施工業者だけに任せるのではなく、賃貸管理会社のサポートを受けて工事を進めることで、入居者満足度を維持・向上できるでしょう。

賃貸管理会社を味方につけておくことで、内装リフォームに関するトラブル発生のリスクも避けられます。加えて、賃貸仲介や賃貸管理業務も行ってくれる賃貸管理会社なら、リーシング(入居者募集/賃貸仲介)や賃料の是正など、賃貸経営をサポートしてくれるパートナーとしても安心できます。

DIYは極力避ける

リフォーム費用を抑えるためにオーナー様が自分でDIYを試みるケースはありますが、必ずしも成功するとはかぎりません。材料費の購入や作業に時間がかかるだけでなく、取り扱いが難しい素材や工具の使用が必要になります。

さらに、適切な知識や技術が不足していると、建築基準を満たさない違法建築物となるリスクもあるでしょう。結果的にプロに修正を依頼することになれば、初期費用に加えて追加の出費が発生します。

プロフェッショナルなリフォーム業者は経験と専門知識を持っているため、最初から確実で安全な施工を行えます。時間とコストを節約し、安心してリフォームを進めるためにも、まずはプロに依頼することを検討しましょう。

家賃設定に注意する

リフォームに多額の費用をかけたからといって、強気の家賃設定を行うと相場とかけ離れ、空室の原因となる可能性があります。家賃を設定する際には、地域の相場や物件の条件を十分に考慮し、現実的な範囲での家賃アップが可能かを慎重に検討することが重要です。

家賃アップを希望する場合は、リフォームで競合物件との差別化を図りましょう。例えば、ユニークな内装デザインや利便性の高い設備を導入することで、ほかの物件と比べて魅力的な要素を持たせることができます。適切な家賃設定と差別化戦略を組み合わせることが、空室リスクを最小限に抑え、安定した収益を確保することにつながります。

内装リフォームを実施するタイミングは慎重に決める

アパートの内装リフォームは、入居者様が退去して原状回復を行うタイミングで実施するのが一般的です。工事期間中は業者の出入りがあったり大きな音が発生したりするため、ほかの入居者様の不満を招くことがあります。また、気になった箇所の個別リフォームは材料の発注や作業の段取りを分散させることになり、全体でかかる費用が高くなりがちです。

複数の部屋の内装リフォームを同時期に実施できれば、材料の発注を一括で行い、作業員の手配も効率的に進められます。別々に行うよりも工期は短くすみ、コストを抑えることも可能なため、可能であればリフォームはまとめて行うようにしましょう。

アパートの内装リフォームに活用できる補助金制度

アパートの内装リフォームを行う際には、補助金制度を賢く利用しましょう。補助金をうまく使うことができれば、アパート経営は全体のコストを抑えられ、相対的に利回り向上が期待できます。ここでは、アパートの内装リフォームに活用できる補助金制度を紹介します。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、住宅の耐久性・快適性・安全性の向上を支援する国の制度です。目的は、住宅の長寿命化と省エネルギー性能の向上、バリアフリー化などを促進することにあります。

補助率は対象となるリフォーム工事費などの合計の3分の1、限度額は評価基準型が80万円/戸、認定長期優良住宅型が160万円/戸までとリフォーム後の住宅性能によって異なるのが特徴です。原則1戸につき1回の申請となるため、アパートのように複数戸ある建物の場合は一度にリフォームしましょう。

気をつけたいポイントは、補助金を受けるためには事前に国の認定を受ける必要があること、また認定基準を満たすために必要な書類や手続きが複雑である点です。リフォーム工事は一定の基準を満たす必要があり、施工業者の選定や工事内容の計画にも慎重さが求められます。

※出典:長期優良住宅化リフォーム推進事業|国立研究開発法人 建築研究所

住宅省エネ2024キャンペーン

住宅省エネ2024キャンペーンは、住宅の省エネ化を促進するための国の支援事業です。アパートの場合、以下の3つの事業が対象になります。

●子育てエコホーム支援事業

住宅の省エネ改修に対する支援で、子育て世帯以外も利用可能です。長期優良リフォームの場合、上限30万円/戸の支援が受けられます。

※出典:子育てエコホーム支援事業|国土交通省

●先進的窓リノベ2024事業

窓(ガラス)と同一契約内で行うドアの断熱改修が補助対象となります。工事内容によっては、最大200万円/戸の補助が可能です。

※出典:先進的窓リノベ2024事業|環境省

●賃貸集合給湯省エネ2024事業

賃貸集合住宅への省エネ型給湯器の導入が対象です。給湯器の機能に応じて、1住戸につき最大7万円/台の支援が受けられます。

※出典:賃貸集合給湯省エネ2024事業|経済産業省

子育て支援型共同住宅推進事業

2022(令和4)年に創設された制度で、共同住宅を対象に子どもの安全確保に資する設備の設置に対して支援が受けられます。具体的には、転落防止用の手すりや防犯性の高い玄関ドアといった設備です。また、敷地内の遊具・水遊び場・砂場や、多目的室・キッズルーム、家庭菜園、交流用ベンチなどの共用設備も対象になります。

補助金額は100万円/戸が上限です。ただし、ファミリー向け賃貸を想定しているため、広さが40㎡/戸以上であることや、補助を受けてから一定期間はファミリー向けとして運営するなどの要件があることに注意してください。

※出典:子育て支援型共同住宅推進事業|国土交通省

住宅セーフティネット制度

住宅セーフティネット制度とは、中古の賃貸住宅を「セーフティ登録住宅」として住宅情報提供システムに登録することにより、リフォーム費用の一部を補助してもらえる制度です。

アパートやマンションのオーナー様なら誰でも登録できますが、高齢者や障がい者など入居審査がとおりにくいとされる方の入居を拒否しないことが条件となっています。ただし、1人親世帯限定など入居者様を選ぶことも可能です。

適用範囲は広く、50万円/戸を上限に施工費の3分の1までが補助されます。部屋ごとの申請も可能なため、空室の部屋のみをリフォームするなど柔軟な使い方が可能です。

※出典:住宅セーフティネット制度|国土交通省

次世代省エネ建材の実証支援事業

工期短縮可能な高性能断熱材や快適性向上につながる蓄熱・調湿建材など、次世代省エネ建材の効果の実証を支援する事業です。アパートは、断熱パネルまたは潜熱蓄熱建材を用いて室内側から改修する「内張り断熱改修」が対象になります。

補助金額は20万~125万円/戸で、対象経費の2分の1以内の支援が受けられます。防災窓や玄関ドア、調湿建材も対象となりますが、内張り断熱と同時に改修工事を行うことが条件です。

※出典:令和6年度 次世代省エネ建材の実証支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチ

既存住宅の断熱リフォーム支援事業

既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を使用した住宅の断熱リフォームを支援する制度です。住宅全体を断熱改修する「トータル断熱」と、居間を中心に断熱改修する「居間だけ断熱」の2つのアプローチがあり、集合住宅の場合は1戸あたり最大15万円の補助を受けられます。

建物の断熱性能が向上すると、冷暖房にかかるエネルギーコストの削減につながるため、入居者様にも経済的なメリットがあることをアピールできるでしょう。

※出典:既存住宅における断熱リフォーム支援事業|公益財団法人 北海道環境財団

各自治体の補助制度

上述のような国が実施する補助金制度だけでなく、各自治体が独自に実施する制度もあります。国の制度と併用できる可能性が高いので、ぜひ確認してみましょう。

例えば、東京都豊島区では集合住宅の共用部分で使用するLED照明器具の導入に、設置費用の5分の1(上限20万円)の補助を行っています。

※出典:豊島区エコ住宅普及促進費用助成金(集合住宅共用部分)

また、東京都目黒区では木造2階建て以下の建物を対象に耐震改修助成制度を行っており、工事費用の8割以内(上限150万円)の助成が受けられます。

※出典:耐震改修助成制度|目黒区

アパートのリフォームに適用される補助金制度がないか、役所の窓口に問い合わせるか、公式サイトで調べてみてください。また、下記のようなサイトを利用するのもおすすめです。

※出典:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト|一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会

まとめ アパート・マンションの内装リフォームで空室対策と収益改善を図ろう

築25年以上の築古アパートでも、本記事で紹介したような内装リフォームを行うことで、長期的な収益性を保つことができます。そのためには、内装リフォームを行う施工業者の見極めや、困ったときに相談できるパートナーの存在が必要です。

【リロの不動産】は入居者様のニーズを捉えたミニマム投資や、4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)、工事対策、リーシングなどを提供いたします。老朽化や空室が目立つアパートの内装リフォームで悩んでいるオーナー様は、ぜひ一度【リロの不動産】にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。