新築アパート経営の基礎を事例で解説!投資判断の流れと成功のポイント
2025.12.28
新築アパート経営は、土地活用や資産運用の有力な選択肢の一つです。ただし、新築アパートのような高額投資にはメリットがあればデメリットもあるため、利回りやリスクを正しく理解しておく必要があります。
この記事では、新築アパート経営の始め方はもちろん、メリット・デメリット、成功事例なども含めた重要ポイントを解説しますので参考にしてください。
▼この記事の内容
●新築アパート経営を行うには、所有地を土地活用としてアパートを新築する、新たに土地を購入してアパートを新築する、新築アパート商品(建売アパート)を購入するの3パターンがある。
●新築アパート経営としては、融資審査に通りやすい、土地活用の場合は投資費用を抑えられる、設計の自由度が高い、客付けが有利になるという点がある。
●新築アパート経営のデメリットとしては、土地を購入する場合は投資総額が高くなる、新築アパートの利回りは相対的に低い、施工会社の倒産リスクがある、新築プレミアムの時期が終わると家賃が下落する点がある。
●新築アパート経営を開始するまでの流れとしては、アパート経営目標の決定、市場調査の実施、資金計画の策定、金融機関に融資の相談、土地の売買契約、建築計画の立案、施工会社の選定と工事請負契約、入居募集の開始、建設工事の実施、引き渡しと残代金の決済、入居者様と賃貸借契約となる。
●新築アパート経営を成功させるポイントとしては、土地活用の場合は地域の賃貸需要調査を徹底する、出口戦略を考えておく、信頼できる賃貸管理会社をパートナーとすることがある。
目次
新築アパート経営の3つのパターン
新築アパート経営を開始する方法は大きく分けて「所有地を活用してアパートを新築する」、「土地を購入してアパートを建てる」、「建売アパートを買う」の3パターンです。それぞれどのような特徴があるのか、以下の段落で詳しく解説します。
アパート経営の始め方については、こちらもご参照ください。
アパート経営のやり方を管理会社の事例で解説!初心者も上級者も必見
アパート経営の費用完全ガイド|新築・建売・中古別に費用を徹底解説
所有地を土地活用としてアパートを新築する

相続や贈与で土地を手に入れたなど、すでに所有している土地を活用するためにアパートを建てる方法です。このケースでは、投資をスタートさせる段階で、すでに土地があります。土地購入費がかからないため、初期投資を抑えやすいのが特徴です。
土地を所有しているため、金融機関の融資が受けやすくなる傾向もあります。アパートを建てることで「住宅用地の特例」の対象になるため、更地のままにしている場合に比べて固定資産税や都市計画税が減税されるのもメリットでしょう。
ただし、賃貸需要が少ない立地であれば、入居者様の確保が難しくなるかもしれません。土地の形状によっては、建てられる建物の規模やタイプが限られる可能性もあり、計画的に戦略を立てる必要があります。
新たに土地を購入してアパートを新築する

土地を所有していない場合で、新たに土地を購入したうえでアパートを新築するケースです。土地の購入という手順が加わることで手間やコストがかかるものの、土地選びと建物の設計の双方で自由度が高いのはメリットでしょう。土地購入のための費用がかかってくることもあり、投資額は大きくなります。
アパート経営では、立地選びが成功を大きく左右するポイントです。交通や生活の利便性がある地域、人口の増加が見込まれている地域など、賃貸需要の高い立地を選べば大きな収益につながります。
外観がきれいで設備も最新の新築アパートは、入居を検討している方にとって魅力的です。耐震性能や断熱性なども最新の基準を満たしているため、長期的な運用を見込めます。
なお、投資家がアパート経営を始める方法の一つに、「中古物件を土地込みで購入し、その後建て替えて新築アパートを建てる」という選択肢があります。土地から探すよりも初期費用を抑えやすく、スムーズに投資をスタートできる点が大きな魅力です。
新築アパート経営を考えている方は、以下の記事も参照ください。
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新築アパート商品(建売アパート)を購入する
土地を購入したうえでアパートを新築するケースとは違い、すでに建築済みの新築アパートを土地代込みで購入する方法です。新築アパート商品を購入すると、アパート経営向けの土地探しや建物の設計・建築に時間や手間をかける必要がなく、すぐに賃貸経営を始められるのは大きなメリットでしょう。
一方で、すでに出来上がっている建物を購入するため、新たに土地を購入して一からアパートを建築する場合のような設計の自由度はありません。また、不動産販売会社の利益がプラスされているため、物件価格は高めになる傾向です。
新築アパート商品は、土地の選定から間取り・設備までプロの不動産会社が手がけているため、入居者ニーズがふまえられており、収益性が期待できるケースが多くあります。
新築アパート経営のメリット
新築アパート経営には、中古アパートにはない利点があります。ここでは、新築アパート経営の利点を4つにまとめます。
新築アパートは融資審査に通りやすい
アパートを購入する際に利用できるのは、不動産投資ローンやアパートローンと呼ばれるローンです。住宅ローンとは異なり、投資目的で不動産を購入し、家賃を得ることを前提としたローンです。
アパートローンの審査においては、オーナー様個人の属性だけではなく、物件の収益性も審査対象になります。新築物件は法定耐用年数が長く、実際に建物や設備が劣化してくるまでの期間が長くなります。
結果として融資審査が通りやすくなり、有利な条件で融資を受けることが可能です。融資期間も長期になる可能性が高いため、毎月のローン返済負担も抑えられます。
融資については、こちらの関連記事もご参照ください。
アパートローンを上手に利用するコツと注意点|住宅ローンとの違いは?
土地活用の場合は投資費用を抑えられる
オーナー様がすでに所有している土地を使い、新しいアパートを建築するのであれば、土地取得費が不要になるのが大きなメリットです。
地価は場所によって大きく変動するため、土地の取得費用も変わりますが、一般的に賃貸需要の高い土地は地価も高く、新たに取得しようとすると莫大な費用がかかります。
土地代だけでなく、土地購入にかかるさまざまな諸費用や税金も発生します。土地購入を不動産仲介会社に依頼すれば、仲介手数料を支払わなければなりません。契約に際しては、印紙代や登記費用、日割り精算した分の固定資産税・都市計画税などもかかってきます。購入する土地によっては測量費用や農地転用にかかる費用を負担する必要も出てくる可能性があります。
不動産を取得すると不動産取得税もかかってくるため、後日納めなければなりません。すでにアパート建築に適した土地を所有しているオーナー様であれば、土地購入時にかかるこれらの初期費用が不要です。その分、土地購入からアパート経営を始める場合に比べて初期投資の負担が大幅に軽減され、投資効率も上がります。
土地活用については、こちらの関連記事もご参照ください。
【事例付き】地主のアパート経営が資産保全・税金対策に有利な理由と注意点を解説
新築アパートは設計の自由度が高い

新築アパートを一から設計して建てるパターンでは、間取りや設備などをターゲット層に合わせて設定できます。間取りの場合、単身者がターゲットならばワンルーム、ファミリー層がターゲットならば2LDKから4LDKなど広めの空間が適しています。
キッチン一つを例に挙げても、単身者向けとファミリー層向けではニーズが異なります。例えば、ファミリー層ならば対面式のシステムキッチンが人気です。「子どもを見守りながら料理できる」、「家族とコミュニケーションを取りやすい」など、ファミリー層ならではニーズを満たした設備を取り入れられる自由度があります。
地域のニーズに合わせて間取りやデザイン、設備を決めれば、入居者様に選ばれるアパートにすることができるでしょう。ただし、建売アパートの場合はあらかじめプランが決まっているため、オーナー様が思い描いた設計にはなりづらいかもしれません。
新築アパートは客付けが有利になる
新築アパートは建てられたばかりということもあり、外観や内装が新しいのはいうまでもありません。最新の設備が導入されていることも多く、客付けには有利に働きます。
実際に現代では、バス・トイレ別の間取りや独立洗面台などの設備がゆずれないという入居希望者も少なくありません。宅配ボックスやインターネット無料もニーズが高く、入居希望者から選ばれやすくなるポイントです。中古物件ではこれらの設備がそろっていないこともあるため、新築アパートの充実した間取りや設備は差別化にもなります。
「新築」というだけで入居希望者の興味を惹き、人気が高まる可能性もあります。選択肢として挙がっている2つの物件が同じ間取り・同じ設備であれば、中古よりも新築を選ぶという方も多くいます。
客付けが有利であれば、空室リスクも低く抑えられます。新築・築浅の競合が少ない地域では、家賃を強気に設定することも可能です。ただし、明らかに相場と乖離する場合は客付けに苦戦することもあるのでご留意ください。
客付けを考えながら新築アパート経営をされた事例は以下を参照ください。
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新築アパート経営のデメリット
新築アパート経営にも、デメリットがないわけではありません。新築アパートを経営するうえで見落としがちなリスクには、以下のようなものがあります。
土地を購入する場合は投資総額が高くなる
新築アパート経営のパターンの中でも、新規に土地を購入するケースでは投資総額が高くなるデメリットがあります。土地代とアパートの建築費が同時にかかるため、投資規模は少なくとも数千万円、場合によっては億単位になることもあるでしょう。
金融機関からの融資総額も多額となり、毎月の返済額が大きい状態で空室が発生し続けると、ローンの返済自体が厳しくなることも考えられます。どういった条件で融資を受けるか、自己資金をどれだけ投入するかなど、資金調達の計画をしっかり立てることが重要です。
新築アパートはローンの返済期間を長く設定でき、毎月の返済額を低く抑えられる点はメリットですが、その分投資した資金を回収するのに時間がかかるともいえます。
ローン返済中は物件の維持費と合わせて支出が多く、手元に残るキャッシュフローが少なくなります。資金調達とともに、返済計画も綿密に立てるようにしてください。
新築アパートの利回りは相対的に低い
アパートの収益性を考える上で、利回りの把握は欠かせません。アパート経営における利回りは、投資した金額に対して得られる利益を指します。
利回りには複数の種類があり、単純に年間の家賃収入に対する投資額の割合として計算されるのが表面利回りです。不動産仲介会社などの広告で表示されている利回りの多くはこの表面利回りで、計算式「年間家賃収入÷物件価格×100=表面利回り(%)」を用いて算出します。
新築アパートの価格は中古アパートに比べると高く、計算式に入れる分母の投資額が大きくなります。中古アパートに比べると、新築アパートは物件価格が高い分表面利回りは低くなるため、数字上では中古アパート経営に見劣りするケースも少なくありません。
ただし、自己所有の土地を活用するケースや土地から購入して新築アパートを購入するケースなど、パターンによって想定しておく利回りには違いもあります。また、アパート経営では運営中にもさまざまな経費が発生するため、アパート経営の実情に合う実質利回りも参考にする必要があります。
施工会社の倒産リスクがある

不動産販売会社から建売アパートを購入する以外のケースでは、工務店やハウスメーカーとアパート建築の請負契約を結びますが、工事途中で施工会社が倒産するリスクもあります。実際、資材価格の高騰と人手不足を背景に、建設業の倒産が増加している傾向が見られます。
帝国データバンクが発表している『「建設業」の倒産動向(2025年上半期)』によると、2025年上半期の建設業倒産件数は、前年同期の917件を上回る986件でした。4年連続で増加し、過去10年で最多のペースです。
建築中に施工会社が倒産してしまうと、工事が中断してしまいます。この場合は、途中からアパート建築を請け負ってくれる別の施工会社を見つけるしかないのですが、幸いにして別会社が引き受けてくれることになっても、工事スケジュールの遅延は避けられません。
工事に遅延が発生すれば、平行して進めている入居スケジュールや金融機関との決済スケジュールのズレが生じます。施工会社の倒産リスクを低減するためにも、信頼できる会社を選び、倒産した場合の契約解除や支払い済みの前払い金の扱いなども含め、契約内容を確認しておくことが重要です。
※出典:帝国データバンク「「建設業」の倒産動向(2025年上半期)」
新築プレミアムの時期が終わると家賃が下落する
新築アパートでは新築物件特有の「新築プレミアム」が付与され、割高な家賃が設定できることがあります。しかし、築年数が経過すると家賃を下げなければ入居者様を確保できないケースも出てくるため、新築時との差が発生します。もし、新築時の家賃をもとに収支計画を想定しているのであれば、家賃の下落でローン返済が厳しくなることも考えられます。
それほど築年数が経過していなくても、新築時の入居者様が退去すると、もはや新築ではありません。竣工から1年以内でも、一度人が住んだところは、中古物件となってしまいます。新築プレミアムの時期が終わると家賃が下がることを想定し、長期的な収支計画を立てておく必要があります。
新築アパート経営を開始するまでの流れ
ここからは、実際に新築アパートを経営するまでの流れを解説していきます。「土地なし」からアパートを新築するケースで見てみましょう。
アパート経営の手順については、こちらもご参照ください。
【事例付】アパート経営の成功率とは? 賃貸経営の手順とリスク対策
アパート経営目標の決定
新築アパートの経営を開始するにあたっては、まずはアパート経営の目標を決めるところから始めましょう。さまざまな投資方法がある中、なぜ新築アパートの経営をするのか、目的を明確にしておく必要があります。
月々のキャッシュフローの増加を求めてなのか、将来的な資産を得るためなのか、節税目的なのか、相続対策なのかなど、オーナー様それぞれで目的は異なります。例えば、月々のキャッシュフローが目的ならば、レバレッジ比率を高め過ぎないようにする必要があります。
投資の目的によって、取るべき投資戦略は変わってきます。まずはオーナー様が不動産投資を行う目的を明確にし、アパート経営の目標を定めるようにしましょう。
アパート経営の目的・目標や指標については、こちらもご参照ください。
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市場調査の実施

アパート経営を成功させるためには、事前の市場調査が欠かせません。信頼できる不動産会社と協力し、アパート建築の候補となる土地の用途地域や建ぺい率、容積率のほか、接道義務を満たしているか、インフラが整備されているかなど、基本的な状況を調査する必要があります。家賃の金額を決めるためには、周辺の相場を知っておくことも大事です。
何よりも、その土地周辺に賃貸需要があるかどうかが最重要のポイントです。周辺環境や最寄り駅からの距離、生活の利便性などをチェックしてください。単身者に向く立地なのか、ファミリー層が多い地域なのかなど、ターゲットとする入居者層が把握できれば、ターゲット層に合わせた間取りのアパートを建設できます。
資金計画の策定
市場調査が終わったら、次は資金計画を立てていきます。新築アパート経営では、まとまった金額の資金が必要です。竣工後もさまざまな諸経費が発生するため、建築費用や運転資金がどのくらいかかるのかを把握しておく必要があります。
アパートの経営では突発的な修繕費が発生したり、空室がなかなか埋まらない状況が続いたりすることもあり得ます。安定した経営を継続するためにはキャッシュフローを意識し、空室率も踏まえたうえで綿密な資金計画を立てることが重要です。
資金調達については、自己資金をどの程度にするのか、融資総額をどの程度にするのかも検討しなければなりません。資金計画も含めて賃貸経営のサポートをしてくれる不動産会社に、パートナーになってもらうのがおすすめです。
資金計画については、こちらもご参照ください。
アパート経営に必要な自己資金はいくら? 成功に導く出口戦略と資金計画
金融機関に融資の相談

アパート新築の計画がある程度まとまったら、次は金融機関で融資の相談です。投資を目的としているアパートローンの審査は、住宅ローンとは異なる視点から行われます。審査基準は金融機関によって違いがあるものの、オーナー様個人の属性や資産などに加えて、アパートの収益性や資産価値など事業としての評価も重視されるポイントです。
地方銀行、信用金庫・信用組合やノンバンクなど、さまざまな金融機関がアパートローンに対応していますが、金利や審査基準には幅があります。スムーズに融資を受けられるようにするためにも、できれば専門知識が豊富な専門家や融資のサポートもしてくれる賃貸管理会社などに相談し、アドバイスをもらうといいでしょう。
融資の大まかな流れとしては、まず相談・申し込みを行い、事前審査(仮審査)を受けます。仮審査に通ったら必要書類を提出して本審査を受け、通れば正式に契約となります。
土地の売買契約
「土地なし」で新築アパートの経営を始めるためには、まず土地を確保しなければなりません。大まかな計画が練られ、融資のめどがついたら、アパートを建てるための土地を購入する売買契約を結びます。
土地代にかかる費用の資金調達方法として、一般的なのがつなぎ融資です。アパートローンは、あくまでもアパートの建物に対するローンであり、融資が実行されるのは引き渡し時になります。しかし、実際にはローンが実行されるより前に、さまざまな費用が発生します。
つなぎ融資は、アパートローンが実行されるまでの期間に発生する費用を一時的に立て替えるためのローンです。具体的には土地購入の支払いや、建物の着工金や中間金にあてることができます。
建築計画の立案
土地が決定したら、次は具体的な建物の規模や間取り、デザインや設備などを決めていきます。立地や投入できる資金との兼ね合いも考えながら、どのようなアパートを建てたいのかイメージを固めていきましょう。
具体的には、建築士やデザイナーに依頼して設計図を作成してもらいます。要望を反映したデザインにしてもらうためにも、イメージを固めておくことが重要です。
依頼する会社によってプランに違いが出ることも考えられるため、複数の会社に依頼するのがおすすめです。近年では平面的な間取り図だけではなく、より具体的にイメージしやすい3Dモデルでデザインを作成してくれるところもあります。1週間から1ヶ月程度でプランが提案されるため、複数の会社に依頼している場合はデザインをしっかり比較検討してください。
施工会社の選定と工事請負契約

アパートの建築では、建物の設計だけを設計事務所に依頼し、施工は工務店などに依頼するパターンと、設計から施工までを一貫して同じ会社に依頼するパターンがあります。施工会社が決まっていない場合は、複数の会社から見積もりを取得し、条件や費用を比較してください。
同じ設計プランであっても、施工会社によって建築費には違いが出てきます。また、工事の質も施工会社によって異なるため、後々後悔しないためにも施工会社選びは重要です。
選定にあたっては営業担当者の対応や口コミ、アパートの建築をてがけた実績があるかどうかなども参考にしながら、総合的に判断しましょう。倒産リスクを考慮するならば、財務内容も評価する必要があります。
工事を依頼する施工会社が決定したら工事請負契約を締結し、着工となります。
入居募集の開始

建築確認が下りてアパートの建設が始まったら、不動産仲介会社に依頼して、入居者募集を開始します。空室期間があると、その分だけ収益を得られません。アパートの規模によって竣工までの期間には幅がありますが、竣工した時点で入居者様が確保されている状態になるのが理想的です。
新築だからといって、すぐ満室になるとはかぎりません。入居者募集にあたっては、市場調査で得た結果をもとに入居者像を想定し、ターゲットに応じた募集活動を実施する必要があります。
交通の利便性やセキュリティを重視する単身者がターゲットならば、駅近であることやセキュリティ対策がアピールポイントでしょう。ファミリー層がターゲットなら、間取りや学区、近くに公園があることなどを意識して募集活動をすると効果的です。
建設工事の実施
工事請負契約の締結後は、計画にそって建設工事が進められます。着工前には、工事車両の出入りや騒音で迷惑をかける可能性のある近隣住民への挨拶や、関係者が安全に工事できるように祈願する地鎮祭などが行われます。オーナー様の出席が必須ではありませんが、可能ならば顔を出すのが望ましいでしょう。
着工後は基本的に施工会社にお任せすることになりますが、稀に取り決めた内容と異なる工事が行われていたり、ミスがあったりする場合もあります。できればオーナー様も定期的に現場を視察して進捗管理を行い、施工状況を確認してください。
工事の進捗に合わせて、中間金の支払いがあります。手元の資金が少ない場合は、土地代の購入と同様につなぎ融資の活用を検討してください。
引き渡しと残代金の決済
アパートの建設工事完了後は、建築主事に対して4日以内に工事完了届を提出しなければなりません。届出の提出後の検査で建物が建築確認申請どおりに建てられているかどうかが確認され、適法と認められれば「検査済証」が交付されます。
検査が完了すれば、いよいよ物件の引き渡しです。同時にローンの実行と、施工会社への残代金の支払い、不動産登記が行われます。
新しく建築されたアパートは、登記上まだ存在していない建物です。新築アパートのように新たに不動産を登記する際、不動産の物理的な状況を示す表題登記は土地家屋調査士に、所有権保存登記や抵当権の設定などは司法書士に依頼して代行してもらいます。登記まで手続きを終えてはじめて、入居者様と契約できるようになります。
入居者様と賃貸借契約
物件の引き渡しや不動産登記が完了したら、入居者様と賃貸借契約を締結し、賃貸管理を開始します。スムーズに賃貸管理がスタートできるよう、引き渡し前には賃貸管理会社を決めておくようにしてください。
アパート経営を行ううえで、賃貸管理会社との連携は欠かせません。日常的な建物のメンテナンスから、家賃の入金チェック、クレーム対応まで、アパートの管理業務を安心して任せられる賃貸管理会社に依頼する必要があります。
賃貸管理会社が提供しているサービスと管理手数料をチェックし、求めているサービスに対応しているかどうかを確認することが重要です。できれば、計画段階からサポートしてもらい、アパート経営のスタート後もそのまま引き継いでもらう形がいいでしょう。
【リロの不動産】で実現した新築アパートの事例を紹介
実際に【リロの不動産】で新築アパートを建築し、経営を安定させている事例を3つ紹介します。これから新築アパートの経営を考えているオーナー様は、ぜひ参考にしてください。
【所有地を土地活用としてアパートを新築する事例】JR駅徒歩7分の好立地、法人契約が多く安定経営を実現

オーナー様がもともと所有していた土地の活用方法として、アパートを新築した事例です。安定した経営ができればというオーナー様の要望を受け、プランを策定しています。変形敷地だということもあり、建物と駐車場のレイアウトを工夫しました。
1LDKが4戸と1Rが4戸の間取りで単身用のアパートですが、各世帯に物置を設置することで収納力を高めています。また、現代では欠かせない設備となってきている、フリーWi-Fiも設置しました。
【リロの不動産】のネットワークを活用した入居者募集で、8世帯中6世帯が大手法人との社宅契約となっています。最寄り駅から徒歩7分という立地の良さもあり、安定した経営を実現できています。
オーナー様所有の土地を活用した事例については、こちらもご参照ください。
建築費をおさえたアパートで土地活用!竣工前に入居が決まる収益物件を建築
スモールタウン完成!生産緑地の解除から相続対策・建築までサポート
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【新たに土地を購入してアパートを新築する事例】2駅から徒歩5分圏内の好立地にアパートを新築

アパートを新築するにあたり、先行して土地を購入し、その後に請負契約にて建築を開始した事例です。オーナー様が所有している別の不動産を共同担保にすることで、自己資金を100万円に抑えながら5,250万円の融資を得られ、木造で戸数6戸のアパートが完成しました。
新築ということもあり、融資期間も長期間となったため、月々の返済負担を抑えながら収益性を高められるようになっています。
この事例の物件は、京浜急行「杉田駅」とJR根岸線の「新杉田」の2路線の駅が徒歩5分圏内にあるという立地も魅力です。実際に総収益率(FCR)7.35%、自己資本利回り(CCR)25.91%を実現し、安定した経営が見込める物件となっています。
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【新築アパート商品(建売アパート)を購入する事例】横浜のターミナル駅新築アパートに投資

横浜市南西部の中心地、上大岡駅が最寄り駅の好立地に、木造12戸の新築アパートを購入した事例です。上大岡駅は京急本線と横浜市営地下鉄ブルーラインの2線が合流するターミナル駅であり、横浜市の中心部はもちろん、東京都心や羽田空港にもアクセスしやすいロケーションにあります。
上大岡駅から徒歩8分という好立地のアパートということで、長期的にみても入居者様を確保しやすく、安定してアパート経営ができる物件です。
新築物件ということでローンも長期間で組めたため、ローン定数が低く、イールドギャップを確保できました。自己資本利回り(CCR)は19.79%、負債支払の安全率は1.70に高められています。
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新築アパート経営を成功させるポイント
新築アパートの経営を成功させるためには、計画時からいくつか持っておくべき重要な視点があります。以下で解説する3つのポイントには注意してください。
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土地活用の場合は地域の賃貸需要調査を徹底する
土地活用の場合は、地域の賃貸需要調査を徹底することが重要です。新規に土地を購入してアパートを建てるケースや建売アパートを購入するケースでは、必ず土地の選定という工程が含まれます。
その際、賃貸需要がある土地なのかどうか、考慮に入れて土地選びをするでしょう。しかし、すでに土地を所有していると「この土地を利用したい」という気持ちが先だってしまい、経営として成り立つかどうかの視点を持てていないことも考えられます。
賃貸需要のない土地にアパートを建設しても、空室リスクが高まるだけです。賃貸需要のある地域であっても周辺に競合物件が多く、供給過多になっているようなら、思ったような結果が得られない可能性もあります。まずは、アパート経営に向いている地域かどうか、賃貸需要調査をしっかり行いましょう。
出口戦略を考えておく
アパート経営では売却や相続など、あらかじめ出口まで見据えた計画を立てておく必要があります。例えば売却する場合、不動産投資では最終的に物件を売却してはじめて、利益や損失が確定します。
アパートを経営している途中にいくら家賃収入で利益(インカムゲイン)を得ていても、売却がうまくいかなければ、その利益を吹き飛ばしてしまうほどの損失を出してしまう場合もあります。そのため、どのようなタイミングで売却するのか、アパート経営を始める前から出口戦略を考慮にいれた計画を立てることが重要です。
また、将来的に子どもなどにアパートを相続させたい、贈与したいというオーナー様の場合は、資産の分割方法や贈与税対策などを立てておく必要があります。どちらにしても、まずは物件の資産価値を維持できる立地と建物を選ぶことがポイントです。
信頼できる賃貸管理会社をパートナーとする

経営の成否を左右するポイントの一つが、賃貸管理会社です。アパートの建物を維持するためにも、入居者様に快適に過ごせしていただくためにも、適切な賃貸管理が欠かせません。
客付けや運営サポートを任せられる賃貸管理会社を味方につければ、オーナー様も安心して任せられるでしょう。賃貸管理会社によって能力に差があり、信頼できる会社をしっかり選ぶことが大切です。
せっかくいい物件を所有していても、管理が十分されていなければ、資産価値の低下も招きます。入居者募集に強いかどうか、クレームには迅速に対応してくれるかどうか、親身にサポートしてくれる姿勢が感じられるかどうかなどを含め、信頼できるパートナーを選びましょう。
まとめ

耐用年数が長く、金融機関の評価も得やすい新築アパートの経営には可能性がある一方で、注意しておくべきリスクもあります。新築アパート経営を成功させるカギは、事前の綿密な調査と計画の策定に加え、信頼できる管理会社とのパートナーシップです。
【リロの不動産】は賃貸経営のほか、独自のネットワークを活用した不動産の売却・購入や相続対策・節税対策まで、不動産にまつわるお困りごとをトータルサポートしています。また、日常的なメンテナンスだけにとどまらず、リフォームやリノベーション、大規模修繕にも計画的に対応しているため、資産価値向上も実現できます。
新築アパートの経営を検討しているのなら、計画から管理・出口まで一貫したサポートができる【リロの不動産】にお任せください。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。
