賃貸経営の成功法を伝授!代表的なリスクと6つの成功ポイントとは

2024.11.12

賃貸経営は、所有する不動産を貸し出して収益を得るビジネスです。経営を成功させるためには代表的なリスクや直面するさまざまな課題と向き合い、根気よく改善を続ける必要があります。難しそうに見える賃貸経営ですが、メリットやリスクをしっかり理解してリスクに備えた対策に取り組めば、想定外の有事にも対応できます。

本記事では、賃貸経営を行ううえで知っておきたい基本的な知識を中心に、事業としてのメリットやリスク、さらに賃貸経営を成功させるために欠かせない6つのポイントについて解説します。オーナー様の賃貸経営の一助になるよう、ぜひお役立てください。

目次

賃貸経営とは?

賃貸経営は、所有する不動産を住宅や事務所、店舗の用途で賃貸し、賃料収入を得ることで収益を上げる事業形態です。基本的に特別な資格は必要なく、誰でも参入することができます。投資活動としては株式売買や外国為替取引のような売買差益(キャピタルゲイン)だけでなく、継続的に賃料収入を得る「インカムゲイン型」の投資ビジネスでもある点が大きな特徴です。

投資活動にはめずらしく、金融機関から融資を受けられる点も大きな強みで、手持ちの資金が少なくても融資が受けられれば1棟のアパートやマンションといった大きな資産を手に入れられます。初期投資費用が比較的少ない状態から事業規模を拡大できるため、数ある投資活動の中でも非常にレバレッジ効果の高いビジネスといえるでしょう。

主な業務は入居者の募集や契約、賃料の徴収、不動産の維持・管理などで、収益だけを考えるのではなく、入居者様の住みやすい環境を整え生活を豊かにするなど、入居者サービス・満足度を上げることで、地域の人口を増加する社会的役割も担っています。

生命保険がわりや年金がわりとして運用できる点も見逃せません。ローンに付随する団体信用生命保険を活用することで生命保険がわりの資産を残したり、相続税対策として不動産を活用したりと、投資活動にとどまらない利用目的の広さも注目すべきポイントです。

賃貸経営の種類と特徴

一口に賃貸経営といっても、さまざまなタイプのビジネスモデルが存在します。大まかに賃貸経営の種類を理解するには、「アパート」「マンション」「戸建て」といった不動産の種類によって分類すると分かりやすいでしょう。不動産のそれぞれの種類と、賃貸経営から見た主な特徴について解説していきます。

アパート経営(1棟・区分)

アパート全体を所有し、建物全体から得られる家賃収入により収益を上げるスタイルです。複数戸のお部屋を運営するため、経営が軌道に乗ると大きな収益を期待できます。典型的な特徴や、マンションや戸建てと違う点などを簡単に解説しましょう。

アパート経営1棟の特徴(保有戸数の目安:6戸~12戸)

賃貸用のアパートは、木造や鉄骨造の低層物件が一般的です。所有する土地や、新たに購入した土地に建設する場合もあれば、すでに建築済みのアパートを新築・中古で購入することもあります。相続財産として受け継ぐ事例も多くあります。

賃貸アパートは区分マンション1室や戸建てと比べると部屋数が多いため、毎月の収入が大きくなりますが、RC造のマンションと比べて建物の寿命が短いため、維持管理にかかる費用が早い段階からかかりやすくなる傾向にあります。

アパート1棟経営は競合も多く、物件の選定や維持管理については専門的な知識も必要です。賃貸経営として見た場合、すでに土地を所有していて相続税対策をしたい方や不労所得を得たい方、あるいは節税対策や自己資金に余裕がある方に向いているといえます。

マンション経営 区分・1棟

区分マンション経営は、RC造やSRC造など大型マンションの1室を(部屋単位)所有し、家賃収入を得る方法です。事業規模が大きくなれば、マンション1棟を保有するパターンもあります。賃貸経営の視点から主な特徴を以下で解説します。

マンション経営の特徴

マンション投資はマンション1棟で複数戸のお部屋を運営する場合と、区分マンションを1戸または複数戸保有する場合で特徴が変わります。簡単に各特徴をまとめると次のとおりです。

【区分マンション】(保有戸数の目安:1戸~複数戸)

● サラリーマンや公務員が副業としてハジメやすい
● 1棟運営する賃貸経営よりも少額投資でスタートしやすいが、月々の家賃収入は少なめ
● 保有戸数が少ない場合は空室時の収益をカバーしにくいため、空室を早期改善する対策が特に重要
● 比較的物件の管理が容易

【マンション1棟】(保有戸数の目安:13戸以上)

● RCやSRCの構造で建てられるため、減価償却期間が長い
● 保有戸数が多いため、賃貸経営で得られる収益が大きい
● 建物全体を管理する必要があるため、コスト面も含めた賃貸管理が経営に大きく影響する
● ローンを組めるとはいえ、初期投資金額は大きい

木造などが多いアパートと比べると法定耐用年数が長いため、減価償却費として長期間、費用計上できる金額が大きくなります。一方、アパートは法定耐用年数が短い分、計上できる経費の金額が大きくなるので、節税効果という点ではアパートのほうが高いといえるでしょう。

マンションは資産価値自体が高めなので、あまり手間ひまをかけることなく、収益を期待することができます。特に区分マンション経営は賃貸経営初心者向けです。ただし、築年数が古くなると修繕コストがかさむ点や、所有件数が少ないと空室リスクが高いことなどのリスクも生じてきます。

戸建て賃貸経営

アパートやマンション以外に、戸建てを賃貸に出すスタイルも注目されています。戸建ては安定した需要があるため、高い入居率を維持できるのが魅力です。以下で戸建て賃貸経営の特徴を紹介します。

戸建て賃貸経営の特徴

戸建て住宅は安定した人気のある不動産です。「戸建てに住みたい」という一定のニーズが常にあるため、近隣相場を鑑みた条件であれば、多少立地が悪くても高い入居率を維持することができます。

一度入居すると比較的長く住み続け、入居者様が物件をきちんと管理する傾向があるため、オーナー様の手間が少なくすむでしょう。戸建て賃貸経営をハジメル方に多いのは、中古物件を安く買い取りリノベーション後に賃貸に出す、相続で受け継いだ物件や自宅を賃貸物件に変更するケースです。

基本的には1世帯入居となるため、一度退去が発生すると次の入居が決まるまで収入がゼロになってしまいます。1棟アパート・1棟マンションや複数戸保有する区分マンションのように、1戸の空室分を入居中の部屋の収入でカバーできるわけではないので、空室対策は必須です。

戸建て住宅のほとんどは木造なので、耐震性や耐火性が大きな課題となります。特に旧耐震基準とされる1981年5月31日までに建てられた家は要注意です。新耐震基準を満たしている場合でも、築20年、30年と経過すると、外壁や屋根のほか、水回りなどでも大規模修繕工事が必要となります。

物件によっては地盤調査が必要なケースもあるため、戸建て賃貸経営を行う場合は、事前に建物と土地についてしっかりと調査することが不可欠です。

賃貸経営のメリットとリスク

賃貸経営は安定した収入源としてはもちろん、生命保険がわりの資産活用や節税対策、相続税対策など、幅広い目的で運用できます。一方で、継続的に資産価値を維持するうえで避けられないリスクも存在しますので、メリットとリスクの両方を理解して取り組むことが重要です。賃貸経営に取り組むうえで理解しておきたいメリットとリスクについて、解説していきます。

メリット

賃貸経営がビジネスとして優れている点について、主に以下の6つが挙げられます。株式投資などの金資産を用いた投資活動と比較すると、賃貸経営は高いレバレッジ効果を得ることが可能です。不動産の活用方法は幅広く、大きなメリットを享受できます。代表的なメリットは次のとおりです。

安定した家賃収入を得られる

賃貸経営が軌道に乗ると、毎月安定した家賃収入を得ることができます。複数の物件で高い稼働率を維持できれば、家賃収入だけで生活することも十分可能。専業大家としてご活躍される方も多く存在します。

ローン返済が進むほど、返済比率が回復し、資産拡大のチャンスも得られやすくなります。売却時のタイミングにより大きな売却利益(キャピタルゲイン)を得られるでしょう。売却益をベースに新たな収益物件を購入して事業規模を拡大するオーナー様も少なくありません。

基本的に賃料は新築時と比較して下落しますが、定の期間になると賃料相場は安定します。中古物件だから賃料が減少するとは限らず、人気の立地や入居者様のニーズや地域性を反映する、住みやすい間取りや仕様になると、築年数が古い物件でも賃料の下落を緩やかに抑えることができます。賃貸経営が順調になると運営に労力がかからない点も大きな魅力です。

尚、運用は賃貸管理会社に任せ、リスクを抑える方が多い傾向にあります。安定して入る家賃収入を私的な年金がわりに賃貸経営をハジメル方も多いといえるでしょう。

生命保険がわりになる

賃貸経営をハジメル方の多くは、不動産投資向けローンを利用されます。不動産投資向けローンでも一般的な住宅ローンと同様に、団体信用生命保険(団信)に加入することができます。

団体信用生命保険とは、病気や事故などでローン契約者(オーナー様)に万が一のことが起こった場合に、ローン残債分を生命保険で返済するという仕組みの保険です。ローン残債のある状態でオーナ様が他界される場合は、団信からローン残債分が全額返済されます。

ローン残債なしの資産となった不動産はそのまま遺されたご遺族が相続することも、売却することも可能になります。賃貸経営を継続すれば、継続的に収益を生み出す資産を残せるという点で、一般的な生命保険以上に大きな役割を期待できるでしょう。

節税対策になる

賃貸経営は所得税や住民税、相続税、贈与税などの節税対策にきわめて有効です。特に相続税と贈与税については、固定資産税評価額をもとに税額が決められる仕組み上、同じ金額を現金で保有する場合と比べて圧倒的に安い課税額となり、節税効果はきわめて高いといえるでしょう。

所得税や住民税に関しては、帳簿上赤字となりやすい初年度から3年目くらいにかけて、損益通算による還付を受けられるケースが多いです。賃貸物件が住宅用の場合、小規模宅地の特例などの制度によって、固定資産税と都市計画税の軽減措置の対象となります。用途のない更地の状態と比べると、住居用の賃貸物件では固定資産税額は最大で6分の1、都市計画税額は最大で3分の1に減額されます。

ほかにも管理費用や修繕費用、減価償却費など、必要経費として計上できる項目が多いため、賃貸経営は節税効果に優れた投資ビジネスとして注目されています。

借入をして自己資金より高額な物件を購入できる

アパート経営やマンション経営など、賃貸経営をハジメル場合、先述の生命保険としての活用方法も考慮しているため、自己資金だけで不動産を取得するケースは少数派となります。金融機関から融資を受けて、賃料収入の一部をローン返済に充てながら経営するため、株式投資や外国為替取引よりも少ない自己資金で資産形成の実現が可能になります。

収益物件の購入金額より少ない自己資金でも、金融機関からの融資を活用して大きな利益を得る効果をレバレッジ効果といいます。レバレッジ効果とは、小さな力を大きな力に変える「てこの原理」が元々の意味で、資産拡大を金融資産よりも早く実現できます。

わかりやすい例を挙げてみましょう。例えば、1,000万円の物件を購入し、年間賃料収入が100万円と仮定しましょう。

もし購入資金を全額自己資金で調達した場合、表面利回りは10%(100万円÷1,000万円)です。1,000万円の購入資金のうち、200万円を自己資金、後の800万円はローンで調達したとします。自己資金を差し引いた表面利回りは12.5%(100万円÷800万円)となり、融資を利用したほうが収益性が向上します。

レバレッジ効果を算出する計算方法は次のとおりです。

レバレッジ効果50%=100万円÷200万円。

自己資金200万円で100万円の利益を生み出せるため、融資を利用することで5倍ものレバレッジ効果を得られることになります。

レバレッジ効果の高い賃貸経営の大きなメリットは、少ない自己資金でも高額な物件を買うことができる、という点です。ある程度の初期費用が必要とはいえ、経営が順調に進めば資産を比較的短期間で大きく増やすこともできます。

売却益を得られる

賃貸経営はインカムゲインという、資産を保有することで継続的に得られる利益だけでなく、資産を売却することで得られる利益であるキャピタルゲインも期待できます。アパートを1棟購入し、数年間、順調に賃貸経営を行ったとしましょう。

そのまま継続して家賃収入を得る形でもいいですが、物件の相場が購入価格よりも高くなっている場合は、売却も出口戦略の選択肢として考えられます。売却益で得た資金を有効活用してステップアップする収益物件を購入できれば、賃貸経営を拡大するスピードが向上し資産拡大スピードも早くなるでしょう。

売却益を利用して資産拡大をするためには、売却タイミングを読み切る先見の明が重要になります。ライフプランとローン返済状況や収益物件がもつ収益性などあらゆる状況を考えて、売却タイミングを模索すると後悔しないでしょう。

インフレに強い

長期間にわたる景気低迷や経済力の低下、世界情勢の変化によって日本で問題となっているリスクがインフレです。預金などの金融資産はインフレの影響を大きく受けやすい傾向にあります。

一方、不動産は数ある投資の中でも、インフレに強い資産として知られています。人が生活をするうえで欠かせない住居として利用される不動産は、需要がなくなることはないという点が、景気の良し悪しに関わらずインフレの影響を受けにくい大きな理由です。

インフレ状況下では、投資家がリスク分散のために不動産を求めるので、不動産の価値は相対的に上がる傾向にあります。インフレ傾向が予測される現状では、長期的に安定した投資先といえるでしょう。

賃貸経営の代表的なリスク

賃貸経営は投資事業である以上、リスクも存在します。賃貸経営特有のリスクもあり、順調に収益を伸ばすためにはポイントになるリスクを正しく把握して、問題が大きくなる前に対策することが大切です。ここでは賃貸経営に関する代表的なリスクを5つご紹介します。

空室リスク

賃貸経営で最大のリスクが空室です。空室が生じると、収益がダイレクトに減少します。管理戸数の少ない区分マンションや戸建てを保有の場合は、空室発生により収益がゼロになる期間もあるでしょう。

空室対策においては、入居者募集を行う管理会社や仲介業者の選定のほか、入居者募集広告の改善、競合物件と入居者ニーズを比較検討した適切な修繕・リフォーム工事、競合物件と比較した多角的なアプローチが必要です。空室の問題を解決するための代表的なフレームワークとして、『4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)』のポイントをご紹介します。

■4つの空室対策とは?

➀ 入居者募集力(ニーズを読んで、ターゲット層に確実にアプローチする力)
② 賃貸仲介力(入居希望者様にマッチする物件を紹介し契約する対応力)
③ 管理対応能力(入居者様の満足度を維持し、建物を守るための取り組み)
④ 設備・工事対応力(物件の価値を維持向上する最適な工事を最小限のコストで実行する力)

「4つの空室対策」のポイントを軸に、バランスの取れた対策を選択することで費用対効果の高い空室対策を実現できます。収益物件を購入する不動産取得から、入居者募集・賃貸仲介・賃貸管理といった運営の計画をリアリティのある解像度で見立てることに役立ちます。

さらに、入居者様の満足度向上や、不動産の資産価値を維持する適切な投資も大切です。戦略から外れた過剰サービスにならないように、競合物件や賃貸経営の収支を考えながら対応しましょう。

老朽化にともなう設備・工事・修繕リスク

実物資産である不動産を扱う賃貸経営では、建物や設備の老朽化による劣化など、経年変化によるリスクが発生します。一般的には、どのような建物でも家賃設定は購入当時よりも下がっていく傾向にあります。よほどの人気の地域にある、あるいは安定した人気のブランドマンションであるような物件でも適切なメンテナンスをしないと、資産価値を維持し続けることは難しいでしょう。

建物の定期的なメンテナンスや大規模修繕工事にはある程度大きなコストが必要になります。適切な対策は、資産価値が減少するスピードを緩やかに抑えます。築25年以上の物件の状態は、対策有無により資産価値に大きく影響を与えるでしょう。

老朽化は避けようのないものですが、賃貸経営の初期段階から管理費用や修繕費用などをあらかじめ予想した収支計画を立てることが重要です。

日々の清掃や建物のメンテナンスをこまめに行い、原状回復時の設備の入れ替えやお部屋のプチ改善を、入居者ニーズを反映して対応することで、できるだけコストを抑えた効果的な投資を実施することが可能です。

予期せぬ出来事があった場合に備えて、工事費用の資金調達をバックアップしてくれるサービスやフォローがあるパートナーと組んでおくと安心できます。費用計上できる項目もあるため、節税の観点も備えて「修繕」「保全・維持」「価値向上」を計画的に実行することで、無理のない範囲で対策可能になります。

災害リスク

災害リスクは、完全には避けられないリスクの1つです。リスクヘッジの基本は、火災保険・地震保険の加入になります。

火災保険のカバー範囲は広く、火災はもちろん落雷被害や雪害、ひょう災、洪水被害なども損害補償の範囲内となっています。地震保険は火災保険に付随する形となっているので、地震保険と合わせての加入がおすすめです。保険の補償範囲は各保険会社の契約内容によって違いがあるため、契約時には細かく条件を確認しましょう。

あらかじめ災害リスクを避けるという観点では、立地の選定段階でハザードマップを確認することも大切です。ハザードマップは災害リスクを予測し、立地条件を吟味するうえでも役立ちます。必要な場合は地盤調査を実施して、地盤や立地状況から必要な対策を講じるといいでしょう。ある一定の基準を満たすことで補助金や助成金を活用できる場合もあるので、検討時は合わせてご確認ください。

金利上昇リスク

大型融資となる不動産投資ローンの金利設定は、「変動金利」あるいは「固定期間選択型変動金利」に大別されます。日本では低金利政策が長期間続いているので、固定金利を選ぶ不動産投資家は少数派になります。

変動金利型のローンは、金利上昇によって突然返済額が上昇する可能性もあり、収支バランスが崩れてしまうリスクがあります。変動幅によっては立て直しが難しくなることもあるので、余裕のある段階からリスクヘッジを工夫する必要があります。

自己資金比率の増加や、部分的な固定金利の導入など、状況に合わせた対策を検討しましょう。

売却リスク

不動産は流動性が低い資産のため、売却の準備から入金まで現金化するまでに時間がかかります。所有物件にもよりますが、収益物件は一般的な住宅とは異なる購入層になるため、希望条件や希望期日までに、買い手が見つからない場合も多々あります。「相場より安い」「需要の高い人気の立地」といった特別な条件がなければ、売却まで早くても3ヶ月程度かかると見ておいたほうがいいでしょう。

売却を見越した出口戦略を立てて賃貸経営する場合は、「すぐに現金化したい」「納得する金額で売却したい」といったオーナー様の要望が叶いやすい仕組みを、あらかじめ考慮しておきましょう。 例えば、収益物件の売買に強い独自ネットワークを保有するパートナーへの相談や、買取対応が可能なパートナーに依頼しましょう。

近年では賃貸経営に必要なデータを収集・分析してデータドリブンな査定を導入している会社も存在します。データによる客観的な判断と、地元の特性を把握しているパートナーに任せれば、可能な限り希望条件に近い状態で、売却できる可能性が高まります。賃貸経営の運営実態を知る賃貸管理と収益物件を専門とする売買が得意な企業ならば、オーナーチェンジを行える確率も高くなります。

賃貸経営を成功に導く6つのポイント

賃貸経営を成功させるには、物件の選定や収支計画の立案、資金調達、物件の管理体制の構築など、多岐にわたる業務を1つずつ積み重ねる必要があります。そこで、賃貸経営を成功に導くポイントについて、主に6つの項目をピックアップしながら解説します。

賃貸経営の目的や目標を明確にする

賃貸経営の計画を立てる前に、「なぜ賃貸経営を行うのか」「賃貸経営を行ってどうなりたいのか」など、目的や目標を言語化して明確にしましょう。不労所得を作りたい、年金の足しに安定した収入が欲しい、節税対策をしたいなど、オーナー様が求める目的に合わせて、購入すべき物件や対策の優先順位が変化します。

目的を設定することで判断基準が明確になり、必要な対策の優先順位をつけやすくなるでしょう。

賃貸経営の家賃収入、ローン返済額や経費を差し引くと手取り収入を算出ます。手取り収入月いくら必要かという目標を決めておけば、賃貸経営行う物件の家賃や必要な戸数見えてくるでしょう。購入金額を抑えたり自己資金を準備してローン返済率を下げたりすれば手取り収入の比率を上げるなど調整もできるため手取り収入額を把握して必要な戸数を運営することをすすめします

綿密な収支計画を練る

賃貸経営で重要なのが、綿密な収支計画を立てることです。賃貸経営の収益は、家賃収入から必要経費となるローン返済分や各種税金、管理手数料、修繕費用などを引いた残りになります。直接的な収入源は家賃収入がメインですが、できるだけ満室状態を保つことはもちろん、運営コストを抑えることが収益の黒字化に直結します。

必要コストがどれくらいかかるかについては、事業をハジメル前から綿密なシミュレーションを立てておきましょう。支出がどの程度発生するのかを明確にし、自己資金と融資可能金額のバランスや、支払いのタイミング、無理なく返済できるプランか事前に判断できる状態にすることが重要です。

賃貸経営初心者の段階では、コスト計算は難しいかもしれません。具体的な数字を用いて「月々〇万円の収入を得る」や「〇年後には脱サラできるくらいの収入を得る」といった目標から逆算してみると、経営方針を立てやすくなるでしょう。

必要な知識を身につける

賃貸経営は、自主管理する場合を除き、プロである賃貸管理会社などに業務の大部分を委託することになります。有事の際には、オーナー様が経営者としての判断をする局面も多いため、最低限の不動産知識や賃貸経営の知識を保有すると、認識の違いによるトラブルを軽減できるでしょう。

多忙な状況のなか、専門知識を習得することは大変だと思います。まずは、保有する物件の管理状況や、税務に関する基本知識、収益計算の方法など、身近な専門知識から理解を深めることをおすすめいたします。

賃貸経営に関する知識は、パートナーとなる賃貸管理会社や関連パートナーから学ぶことが一番の近道になります。賃貸経営の現状を正確に把握することにもつながり、必要な対策の優先順位も明確になるでしょう。

理想的なパートナーは、賃貸経営全体を通してサポートできる会社です。賃貸経営の業務は密接に関連しているため、トータルサポートにより効率的な賃貸経営を実現できます。

立地選びは慎重に

アパート経営やマンション経営は立地選びで勝負が決まる、といわれるほど「立地選び」は重要です。立地がいい物件は常に需要がありますので、空室が出ても比較的すぐに入居者様が決まります。但し、いい立地であるほど取得費用も増加するため出口戦略が重要になります。

出口戦略を考えた場合でも、立地のいいアパートやマンションは不動産投資家からの需要が高いため、売却先が見つかりやすくなります。築年数や入居者ニーズに合わせた修繕リスクへの対策を加味しても、好立地な収益物件であれば補って余りあるメリットを享受できることも多々あります。

立地のいい物件は当然人気があるので、売買相場は高額です。節税や相続などの目的を整理し、自分の資金力や賃貸経営の運用状況などを考慮したうえで、費用対効果を検討する必要があるでしょう。

ターゲット層を決める

空室が多い場合、地域特性や入居者ニーズとのミスマッチが起こっている可能性が高いです。学校の多い鉄道沿線の物件であれば「学生」がメインターゲットとなりますし、静かで治安がく、子育てに適した地域であれば「ファミリー」がターゲット層となります。メインとなるターゲット層の需要を満たす家賃設定や間取り、物件の条件を備えることは、空室率改善の基本的な対策です。

立地から予想できるニーズだけでなく、実際に入居済みの入居者様からいただくアンケートを分析することで、地域に存在する潜在ニーズを発掘できることもあります。

「学生」をメインターゲットにしていたところ、広々とした間取りと交通アクセスのよさなどの理由から、実は「20~30代でシングルの社会人」のほうにニーズがあった、といった事例も少なくありません。あらゆる角度から管理物件のターゲット層を明確にし、ニーズに合った工夫や集客活動を行いましょう。

賃貸経営・賃貸管理のサポートをしてくれる会社を探す

賃貸経営では物件選定と資金調達、客付けから不動産の維持管理まで、膨大な量の業務をこなす必要があります。それぞれの業務で専門性が必要なので、保有戸数が増加するほど全ての業務をオーナー様が自力で行うことが難しくなります。

賃貸経営では売買のほかに各種のリスクを低減する賃貸管理会社の力が必要になります。専門的なノウハウと実績を積み重ね、賃貸経営に関するあらゆるリスクに対応し、オーナー様の目的を達成する効果的な提案を実行してくれるパートナーが味方になれば、リスクに備える対応範囲も広がり、経営効率も改善されるでしょう。

物件のスペックは高いはずなのになかなか空室率が改善されない、といったお悩みがあれば、現状の賃貸管理会社を一度見直してみることも有効な対策です。

賃貸経営における賃貸管理パートナーの選び方

賃貸経営の成功のカギをにぎるのは、運営をサポートする賃貸管理会社のパートナー選びです。賃貸経営のあらゆる場面で力になってくれる賃貸管理会社が見つかれば、理想を実現する可能性は高まります。どのような点に着目して、パートナーを選ぶべきか、分かりやすく解説します。

実績や評判のいい賃貸管理会社を選ぶ

賃貸管理会社が信頼できるかを見極めるうえで、最初に着目したいポイントは「管理物件数」と「仲介実績」の多さです。管理物件数が多いということは、立地や地域、物件の種類ごとでの実績に基づく情報やノウハウの蓄積が豊富ということになります。空室対策や建物管理などもシステム化しているケースが多く、賃貸管理会社としての実力も信頼できます。

管理物件数の多さは複数の投資家から信頼を得ていることを意味するので、オーナー様にとって満足度の高いサービスを提供している可能性が高いでしょう。管理物件数と合わせて、ほかのオーナー様の評判や口コミなどもチェックしてみてください。

次に管理サービスと費用が見合っているかどうかも注目してみましょう。一般的に賃貸管理会社へ支払う手数料は家賃の5%が相場です。中には3%以下の手数料を売りにしている会社も存在しますが、極端に管理手数料が安いと、基本料金でカバーできる業務範囲がかなり狭まるケースも少なくありません。

結果的にオプション価格を追加したり、別の会社に追加で依頼しなければならない、といったケースもあるため、管理手数料の設定だけを見て判断しないようにしましょう。提供されるサービス内容ではどのような業務を提供してくれるか把握することが大切です。

いい賃貸管理会社を選ぶ判断材料の1つとして「空室率」も大切ですが、空室率を算出する前提が異なる場合があります。各社の運営形態により、首都圏だけに特化した物件や、自社施工の新築物件のみを管理する数値で空室率を算出する場合と、全国にあるさまざまな条件の物件を管理する場合では、対応力に違いが生まれるのは然です。

オーナー様の目的を達成する実現可能性が高いパートナーを選ぶ指標に「管理物件数」と「仲介実績」の多さにも着目してみてください。

賃貸経営に必要なサポートの対応範囲が広い賃貸管理会社を選ぶ

賃貸経営では、入居者募集から建物の維持管理、節税対策や出口戦略まで、総合的なサポートが必要です。そこで、ご検討中及び既存の賃貸管理会社がどこまでサポートしてくれるのか、空室対策に強い賃貸管理や売買、節税やご相続まで、賃貸経営に必要なサポートを一貫して対応してくれる会社か合わせてチェックしてください。

特に押さえたいのは、『4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)』に対応できるかです。4つの対策は賃貸経営の収益性を左右する重要な業務であり、専門性が必要とされる分野といえます。各業務は密接に関連しているため、できる限り全ての業務をトータルでサポートしてくれる賃貸管理会社を選びたいところです。

例えば、設備の入れ替えを検討する際にも入居者ニーズにマッチする設備でなければ、問題の本質を解決できないこともあります。設備を入れ替えたら、募集内容を改善し客付けを迅速に行うことで、空室期間を短縮して早期解決を図りやすくなるでしょう。

賃貸経営は長期的な取り組みになります。不動産取得後も中長期的に賃貸経営全体を支援してくれるかも会社選びの重要なポイントになります。

大手と地域密着型のハイブリッド型の賃貸管理会社を選ぶ

賃貸管理会社は、大手と地域密着型の会社で長所や短所が異なります。大手は豊富な実績に基づく効率的な対応力がある一方、ローカル事情に基づく戦略の立て方や臨機応変な対応に苦慮することがあります。

一方で、地域密着型の会社は入居者様への対応力やローカル事情に合った集客は得意ですが、経営規模が小さく、広告力や集客力が弱く俗人的になる場合や、中長期の視点で考えると事業の継続に一抹の不安が残る場合もあります。

パートナーとしての理想は大手と地域密着型、双方の強みを持ったハイブリッド型の賃貸管理会社です。大手の持つノウハウやデータ力を活かしながら、地域特有のニーズもしっかり把握できる賃貸管理会社を選びましょう。空室対策に強く、対応範囲も広い、コストパフォーマンスに優れた理想のパートナーをお探しください。

賃貸経営を成功に導くトータルサポートが可能な【リロの不動産・リロの賃貸】

賃貸経営を進めるうえでは、経営上のメリットだけでなく、リスクもきちんと把握して対策しなければなりません。賃貸経営に関わる業務範囲は広く、高い専門性が求められる分野も少なくありません。リスクに備える対策を実行して賃貸経営事業を成功するためには、中立的な視点でオーナー様に伴走する賃貸管理会社の力が不可欠といえます。

【リロの不動産・リロの賃貸】は管理実績数で国内上位に位置します。管理業務だけではなく、『4つの空室対策(募集/仲介/入居者管理/設備・工事)』『賃貸経営リノベーション』『割賦工事』『相続・節税対策・資産活用』など、賃貸経営全体を通してオーナー様をサポートし、多くのオーナー様からご好評をいただいております。

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この記事を書いた人

秋山領祐(編集長)

秋山領祐(編集長)

【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。