不動産投資の空室リスクの対処法!投資タイプ別の対策と成功事例を解説
2025.06.01
空室リスクは不動産投資において避けては通れない課題です。投資方法や建物の種類によって空室リスクも違ってくるため、個別の投資案件ごとに空室が生じる原因を分析し、有効な対策を考える必要があります。
そこでこの記事では、主な投資タイプで生じる空室リスクの特徴や基本的な対策方法を解説します。【リロの不動産】が実際に手がけた事例も紹介しておりますので、満室経営に向けた経営戦略の参考にしてください。
▼この記事の内容
●日本では少子高齢化と人口減少の影響により、空き家が増加の一途をたどっている。2023年の空き家率は13.8%に上っている。
●賃貸住宅の空室率計は不明だが、実質的な空室率は全体の数字よりは低いものと推察されている。
●ワンルームマンション投資の空室対策は、設備や内装のアップグレード、セキュリティ強化などの対策が有効。物件を選ぶ際にはエリア選定が第一で、賃貸需要の強い地域を選ぶ。
●一棟アパート投資の空室対策は、インターネット広告戦略の改善が重要であり、不動産仲介会社との連携を密にする。外観や共用部分の定期的なメンテナンスにより、物件の魅力を高める。
●一棟マンション投資の空室対策は、単身者かファミリー層かターゲットを明確にして商品設計を図る。高品質な設備やサービスを提供し、入居者満足度の向上を目指す。
●戸建て賃貸投資の空室対策は、交通アクセスの良さよりも、人気の学区や子育て環境が整ったエリアを選ぶ。庭や駐車場を備えた物件はファミリー層のニーズに応えやすい。
目次
不動産投資における空室リスクの基本知識
不動産投資に欠かせない基礎的な知識となる「空室リスク」と「空室率」についての定義をおさえましょう。経営判断の材料となるだけでなく、収益計画における損益分岐点、物件の投資価値を判断する基準として幅広く活用されます。
収益物件の空室リスクとは
不動産投資における「空室リスク」とは、賃貸物件が一定期間空室になることで生じる収益上のリスクのことを指します。不動産投資は投資物件の賃料から収益をあげるビジネスモデルなので、空室が発生すると大事な収益源が失われ、収益減に直結します。
そもそも不動産投資は収益上限の引き上げが難しいビジネスです。例えば一棟アパート投資をイメージしてみましょう。部屋数が全部で10部屋だとすると、収入上限はその10部屋がすべて稼働した場合の家賃収入となります。収益上限を増やすためには1部屋当たりの家賃を上げるか、部屋数を増やすかしかありません。
すでに建造済みの建物で部屋数を増やすことは現実的とは言えず、また一度決めた家賃設定を上げることも難しいです。したがって、不動産投資においてはいかに満室に近い状態を維持し、物件から得られる収益の最大値を長期間キープできるかが経営上の重要課題となります。
空き家数の増加と賃貸住宅の空室率
不動産投資は日本全体の人口動向や経済情勢からも大きな影響を受けます。日本全国での空室事情はどうなっているのか、「空き家問題」と「空室率」に焦点を当てて解説しましょう。
増加の一途をたどる日本の空き家

社会問題となっている「少子高齢化」と「人口減少」の影響は、不動産業界にも直撃しています。
総務省の調査によると、全国の居住用不動産の空き家率は全国的に上昇傾向が続いており、2023年時点の空き家率は13.8%でした。これは統計上、過去最高の数字です。空き家の数自体も2023年から過去5年間で50万戸増で合計899万戸となっており、治安悪化や倒壊の危険性の面でも問題が指摘されています。
さらに都道府県別にみると、空き家率の高い順に和歌山県と徳島県が21.2%、山梨県が20.5%、鹿児島県が20.4%、高知県が20.3%と続きます。やはり地方での人口減少は深刻です。
空き家が増えている理由は人口減少だけではありません。もう1つの大きな理由が住宅の「供給過多」問題です。人口減少によって借り手の数自体が少なくなっているのですが、新築住宅そのものは毎年建設され続けています。中古住宅は解体されないかぎり残り続けますので、家の数自体はどんどん増える一方です。その結果、全体で見ると住宅の供給過剰状態となっているのです。
さらに問題を深刻化させているのが都市部への人口集中です。
総務省の「住民基本台帳人口移動報告(令和5年)」によると、3大都市圏(東京圏、名古屋圏及び大阪圏)への転入人口は増加の一途をたどっています。転入者から転出者を差し引いた転出超過数を見ると、3大都市圏全体で10万7,635人の超過数でした。
3大都市圏以外の地方からどんどん人口が流出しており、県庁所在地クラスの地方都市でも家余りが生じるなどの問題が起きています。
出典:令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果
出典:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 令和5年」「都道府県別転入超過数」
賃貸住宅の空室率はどうか
賃貸住宅に絞った空室率はどうなっているでしょうか。総務省発表の全国の空き家率13.8%という数字は、用途のなくなった放置物件や築古物件なども含まれていますので、賃貸住宅に絞った統計を参考にする必要があります。
そこで全国の不動産会社から集められた統計データを参考にすると、賃貸アパート・マンション市場の主力である「単身向け賃貸マンション」の空室率は、2023年7月時点で7.4%でした。コロナ禍の時期に一時的な空室率の上昇がみられたものの、2023年以降は7%から6%台へと推移しており、コロナ禍前の基準に収まりつつあります。
出典:ニッセイ基礎研究所「コロナ禍における賃貸マンション市場の動向-賃貸管理データより算出された空室率に基づく分析」
ファミリー向けを対象とした面積の大きな賃貸物件についてはさらに低くなり、空室率は5%台から6%台が平均です。
賃貸経営においては空き家率5%未満を一般的な目標の目安とされることが多いのですが、全国平均から見ても空室率7%以上を超えると早急な空室対策が必要と判断できそうです。
不動産投資タイプ別に見る空室リスクの特徴と対策
ここからは【リロの不動産】が具体的に関わった事例を取り上げながら、不動産投資のタイプ別に異なる空き家対策について解説します。
なお、当サイトでは空室対策についてさまざまな角度から解説しております。こちらの記事も参考にしていただき、オーナー様の賃貸経営にお役立てください。
■参考記事
【初心者向け】不動産投資のメリット7選! リスクと対策を徹底解説
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不動産投資タイプ①ワンルームマンション投資の空室リスク

賃貸物件の中でも比較的手ごろな投資額から始められるのがワンルームマンション投資です。ワンルームマンション投資の特徴となる空室リスク、具体的な対策事例などを紹介しましょう。
ワンルームマンション投資の特徴
ワンルームマンションは20m2前後の区分マンションで、1部屋にキッチン・浴室・トイレの付いたシンプルな間取りの物件です。
ターゲットとなるのは主に学生や単身者が中心とされますが、高齢者や単身赴任中のサラリーマンなども入居するケースもあり、幅広い世帯層に需要があります。
ワンルームマンション投資はこのようなワンルーム1室のオーナーとなって、入居者様に賃し出すタイプの投資です。あくまでも購入するのはマンションのワンルーム1室なので、ほかの投資タイプと比べて低コストから始められます。
中古であれば数百万円程度から開始でき、はじめて不動産投資にチャレンジするサラリーマンが副業として始めるケースも増加中です。
ただし、不動産投資としての収益はあまり期待できません。また、参入しやすいジャンルゆえに競合は多く、たとえ好立地のマンションだとしても激戦区になりがちです。競合物件との差別化が十分でないと空室化するリスクは高く、その場合は収益が一気にゼロになってしまうなどのデメリットがあります。
ワンルームマンション投資の空室対策
ワンルームマンション投資で空室を出さないためには、競合とうまく差別化し、入居者様に選ばれる条件を整えるように心がけます。立地や間取りなどの基本スペックでは差をつけにくいため、設備や内装のアップグレードを軸に入居者様の需要を満たす「強み」を引き出さなければならないでしょう。
具体的な対策方法には、ターゲット層の属性に合わせて壁の柄を張り替えて部屋の雰囲気を変える、最新式のエアコンを導入する、インターネット環境を改善するなどの工夫があります。
ワンルームマンション投資の物件選びでは、立地が何よりも重要です。地名や最寄り駅のネームバリューだけでなく、賃貸需要があるかどうかを慎重にリサーチすることが成功のカギとなります。
投資用マンションにフォーカスした賃貸経営のポイントについては以下の記事でも解説しています。こちらの記事と合わせてぜひ参考にお読みください。
■参考記事
投資用マンションの基本! 保有戸数別の収益と不動産投資の成功ポイント
ワンルームマンション投資の空室対策事例「ちょっとしたアクセントが効果てきめん!プチリフォームで賃料アップ」

【リロの不動産】での実例をご紹介します。
場所は東京都渋谷区、RC造築20年のマンションです。渋谷という好立地ながら空室が埋まらない状況でした。空室状態が続いてしまうと家賃設定を下げなければなりませんが、入居者様の質を下げたくないので家賃設定そのままでなんとか部屋を埋められないかとのご相談を受けました。
そこで【リロの不動産】は渋谷まで自転車で10分の好立地と部屋が1階にある点に注目。ターゲットを社会人男性に絞り、「自転車通勤しているおしゃれな男性社会人」 をコンセプトに内装を変更することにしました。グレーを基調とした大理石風クッションフロア、アクセントクロス、ダインライト、ダイノックシートで低予算ながらオシャレ感のあるリフォームとなっています。
結果的にリフォーム工事後すぐに入居者様が決まり、なんと家賃は5万5,000円から6万円へのアップでの成約となりました。
参考事例:ちょっとしたアクセントが効果てきめん!プチリフォームで賃料アップ
ワンルームマンションの空室対策の事例については、こちらの記事もぜひご覧ください。
■ワンルームマンションの空室対策事例
1棟のアパートから区分マンションへの資産組み換えによる節税対策!
管理費削減による収支の改善と賃料アップによる賃貸経営の改善!
入居者様のライフライン手続きサポートで満足度を向上する賃貸管理!
不動産投資タイプ②一棟アパート投資の空室リスク

一定の資金力のある方や、不動産投資に慣れてきたオーナー様を中心に人気なのが一棟アパート投資です。複数の部屋を運用することで空室リスクの分散が可能となり、建物全体からまとまった金額の収益を得られます。
一棟アパート投資の特徴
一棟アパート投資はワンルームや戸建て賃貸投資からのステップアップに最適な投資分野です。管理できる部屋数が増えるため、うまく運用できるとサラリーマンの平均月給を超える規模の収益を実現できます。
一口にアパート一棟といっても、新築か中古か、RC造か木造かによって性格は異なります。
その中でも人気のジャンルが中古アパートです。初期費用を比較的抑制できるため、資金に余裕のある方や不動産投資の経験を積んだ方にとっては与しやすいといえます。
一棟アパート経営の最大の強みは、空室リスクを分散できる点です。建物を構成する複数の部屋を一括運用するため、空室の発生が収益全体に与える影響を分散できます。また、比較的高利回りを実現しやすく、節税効果の観点からも優位性のあるジャンルです。
ただし、ワンルームマンション投資や戸建て賃貸投資などと比べると、物件管理の業務量、費用ともに大きくなります。また、新築から12~15年経過すると、大規模修繕が必要になる時期です。かなりの資金が必要になりますので、物件取得時から修繕積立金を積み立てておく必要があります。
一棟アパート投資の空室対策

一棟アパートの運営規模になると、資金繰りや設備投資も含めた経営者としての視点が必要となります。
まずは綿密で現実的な資金計画の立案が重要です。購入時には多額のローンを組むことになりますので、現実的で多少余裕のある資金繰りを計画しておかなければなりません。ローン返済でギリギリの計画を立ててしまうと、修繕や維持管理に十分な費用を回せず、空室対策のための費用の捻出が難しくなるためです。
また、建物全体の管理や入居希望者への広告活動など、業務規模は膨大で専門的なものになってきますので、賃貸管理会社選びは慎重に行いましょう。賃貸管理会社の能力次第で、集客活動や建物の維持管理に大きな差が出てしまいます。
集客においてはインターネットでの広告戦略が重要です。住宅情報サイト(SUUMO、HOME’S、at home)に掲載する写真や間取りの情報を改善するだけで入居率が上がる事例も多く、ネットでの集客に強いパートナーがいるかどうかで空室の埋まり方が違います。
一棟アパート投資に関する空室対策については、以下の記事でもさまざまな角度から解説しています。アパート経営に必要な基礎知識は網羅できるようになっていますので、ぜひ参考にお読みください。
■参考記事
アパート経営の年収と暮らしとは?アパート経営の収入を上げる方法
【アパート経営・賃貸経営入門】メリット・リスク・成功の秘訣をわかりやすく解説!
失敗しない中古アパート経営とは? メリット・リスク・対策方法を解説
アパート経営の失敗体験談9選と回避方法!よくある失敗事例から学ぼう
アパート経営者必見! 空室が埋まらない理由と効果的な空室対策を詳しく解説
新築アパートでも空室だらけなのはなぜ? 真に有効な空室対策を紹介
一棟アパート投資の空室対策事例「1年以上の長期空室を解消し経費削減する提案力と仲介力で満室経営!」

物件は東京都狛江市の1K×8戸、築25年木造アパートです。駅から15分と立地にやや難があり、築年数の経過とともに空室が目立つようになったとのこと。ごく一般的な木造アパートなので競合物件になかなか勝てないとのご相談を受けました。
そこで【リロの不動産】は低コストのリフォームで実現できる「差別化」に着手。近隣地域には似たような木造物件も多かったので、思い切ってデザイン性の高さで勝負するリフォームを実施しました。ただし、工事自体は低コストなものを選び、部屋全体を明るめに、一目で印象に残るアクセントクロスを貼るなどの部分的な内装リフォームにとどめています。
その結果、内装リフォーム完了後ほどなくして見事に満室経営を実現されています。注目していただきたいのが内装リフォームにかかった費用はたった60万円だったという点です。
空室対策はただ単に費用をかけたらよいのではなく、どういった戦略で、どのような対策を選択するかを的確に選ぶことが重要となります。
参考事例:明るい床とアクセントクロスでイメージUP!仲介店舗と連携して成約
アパート投資の空室対策について、ほかの事例もこちらで紹介しています。併せてご一読ください。
■アパート投資の空室対策事例
入居者募集力と仲介力で空室期間の短縮に成功!退去後すぐに入居者決定
空室原因を分析した適切な募集条件提案とクイックレスポンスで空室改善
家賃を上げて入居促進!入居者募集力でもネット募集の強さが決め手
1年以上の空室物件を、適切な入居者募集で管理1ヶ月で成約へ!
築44年のアパートが長期空室に!徹底的に理由を追求し満室経営に!
リニューアルは物件の魅力を入居者募集で伝える最大のチャンス!
築後30年のアパートが満室続き!入居者募集力が圧倒的な違いを生む
不動産投資タイプ③一棟マンション投資の空室リスク

一棟マンション投資の場合にはどのような空室リスクがあるのでしょうか。投資規模が大きくなる分、空室リスクにともなう損失も大きくなりがちで、より戦略的な対策を取る必要があります。
一棟マンション投資の特徴
マンションとアパートに法的な違いの定義はないのですが、一般的に2~3階建てまでの集合住宅をアパート、鉄骨造やRC造、SRC造で3階以上の大規模集合住宅をマンションと分類されます。
一棟アパートと比べても収益性は高く、家賃相場も高めの設定ですが、そもそも物件価格自体が高額です。例えば都心部で4~5階建ての比較的小規模のマンションであっても、購入価格は数億円規模となります。初期費用や借り入れ額も大規模となるため、綿密な収支シミュレーションとリスクヘッジが必要となるでしょう。
一棟マンション投資は、空室が増えてキャッシュフローに余裕がなくなってくると大きな損失につながりかねません。ローン返済額やランニングコストそのものも高くつくため、収支のバランスが崩れないようにしっかり建物を管理することが大事です。
一棟マンション投資の空室対策
一棟マンションは高額ゆえに流動性が低く、売却先を見つけるのが難しい不動産です。そのため、ほかの投資ジャンル以上に物件選びは慎重にならなければなりません。
まずはターゲット層が単身者なのか、ファミリー層なのかを明確にしたうえで物件選びを行いましょう。近年はターゲットの属性ごとにニーズも細分化しており、ライフスタイルも日々変化しています。住宅設備に関する技術も進化しているので、つねに高品質なサービスや設備投資を行う姿勢が大事です。
高速のWi-fi環境や最新のセキュリティー設備、宅配ボックスの設置などは必須の設備となっています。入居者様が安心した生活を送るための設備投資を行い、入居者様から選ばれる物件になること、これが一棟マンションにおける空室対策の基本です。
マンション経営に関する費用や経営に関する内容は、以下の記事でも解説しております。
■参考記事
マンション経営に必要な初期費用の目安|事例で知る費用経費や注意点
【マンション経営入門】失敗から学ぶマンション経営成功のポイント
一棟マンション投資の空室対策事例「相続した物件を入居率20%から半年で満室にしたミニマムリフォーム」

大阪府大阪市内の築35年マンションです。相続した物件で、オーナー様に賃貸経営の経験がありませんでした。どうしたらいいのかわからずとりあえず放置していたところ、いつの間にか空室だらけになってしまったそうで、【リロの不動産】で何とかならないかとのご相談を受けました。
本物件は大阪市内中心部の好立地にあるのですが、全体的に設備、デザインともに古くさい雰囲気となってしまい、入居者様の中心はお年寄り世帯となっていました。しかし、大阪市内各地へのアクセスの良さを考えると明らかに若者世代に需要があると判断できたので、ターゲット層を若い単身世帯に切り替えるための提案を行いました。
そこで、まず下げ過ぎていた家賃を適正価格に調整し、かわりに「礼金無し」の設定に切り替えて集客を行いました。入居へのハードルを下げ、若者が住みやすい条件を整える狙いです。さらに、内壁を塗装仕上げにし、周辺物件との差別化を図りました。
幸いにして全9室で200万円以内の低コストで改装工事を行うことができ、リフォーム後わずか半年で満室経営を達成。立地の良さとターゲット層の明確化によって、コスパ良く空室を解消できた好例となりました。
参考事例:相続した物件を入居率20%から半年で満室にしたミニマムリフォーム
一棟マンションの空室対策についての事例は、以下の記事でも紹介しています。ぜひこちらの記事もご一読ください。
■一棟マンションの空室対策事例
なぜ?好立地で3割も空室があるのは入居者募集ができていないから!
4戸の空室を閑散期の4ケ月で満室!仲介件数地域No1の客付け力!
お客様の希望家賃と向き合う基準を持ち適正価格で入居率100%維持
自主管理で6部屋の空室を現状回復のみで2カ月で満室経営に改善!
長期空室で入居率63%の物件が条件改定後3ヶ月半で入居率95%に空室改善
和室を洋室にリフォームして入居者募集を強化!3ヶ月で満室に改善!
不動産投資タイプ④戸建て賃貸投資の空室リスク

ワンルームマンション投資と並んで、投資初心者に人気のジャンルが戸建て賃貸投資です。戸建て賃貸投資の場合にどのような空室リスクがあり、どんな対策が必要か解説します。
戸建て賃貸投資の特徴
戸建て賃貸はファミリー層が主なターゲットとなりますが、近年は高齢社世帯が手ごろな住宅を探す事例も多く、さまざまな層に需要があります。地方都市においても民泊ビジネスやセカンドハウス向けに賃貸する事例も増えており、築古住宅をリフォームして賃貸するビジネスモデルも広がりつつあります。
ワンルームマンション投資と同様に、中古戸建て賃貸投資は低コストで参入できるのが魅力です。また、マンションより戸建てに住みたいという一定の需要はつねにあるため、ワンルームマンションよりも入居希望者は見つかりやすい面もあります。戸建て受託なので、入居者様が自力で建物を管理してくれる傾向があるため、管理に手間がかからないのも特長です。
戸建て賃貸投資の空室対策
戸建てのメインターゲットはファミリー世帯です。そのため、空室リスクを避けるためには人気の学区や子育て環境が整った地域かどうかに注目します。ショッピングモールや病院、役所などの施設へのアクセス環境も重要で、住み心地の良さに着目して物件を選ぶと入居者様が見つかりやすくなります。
地方都市では庭や駐車場を備えた物件が人気です。生活に車の欠かせない地域では、ガレージ付きの住宅であることや、車の出し入れのしやすい接道も重視されます。
築古住宅の場合は、リフォーム・リノベーションが必須となるでしょう。リフォームする際には工事の目的やコンセプトを明確にしたうえで、コスパのよい工事を選ばなくてはなりません。初期費用の低さが戸建て賃貸投資の強みとなりますから、リフォームも費用対効果を意識するようにします。
戸建て賃貸投資の空室対策事例「思い出の家が人気賃貸物件に変身!空き家の賃貸経営リノベーション!」
大阪市内の2LDK、木造一戸建てです。空き家状態で放置されており、オーナー様からは安くてもいいので何とか賃貸できないかとご相談を受けました。
この物件は間取りに問題があり、1階の浴室に入るのに階段を降りてからいったん外に出なくてはならない構造でした。これでは賃貸にはとても出せないと判断し、思い切って階段のかけ直しを含めた大規模工事を提案しました。
さらに木と土壁の温かさを生かした部屋づくりを行ない、ファミリー世帯が住んでも安心できるような住まいづくりをコンセプトにリフォームを実施しました。
結果はというと、家賃5万円くらいの予定が6万8,000円での成約となりました。築年数も古く住みにくい戸建て住宅であっても、費用対効果の高いリフォームをすれば想定以上の家賃で貸し出せるお手本のような事例です。
参考事例:思い出の家が人気賃貸物件に変身!空き家の賃貸経営リノベーション!
戸建て賃貸の空室対策についてのほかの事例は、こちらの記事でも紹介しています。ぜひご一読ください。
■戸建て賃貸の空室対策事例
急な内覧Ok!『空室巡回』でキレイなお部屋の維持が重要な空室対策
自主管理時代に数年続いた空室とも、おさらば!入居者募集の違いを実感
将来の空き家を貸家にして収益確保!募集開始後の2週間で成約に!
オーナー様のご自宅である4階建ての一戸建をシェアハウスに変身!
まとめ

不動産投資における空室対策では、空室が発生する原因を正しく理解したうえで、投資タイプに合った対策方法を選ばなければなりません。物件ごとに違う特性を総合的に判断したうえで、費用対効果の高い投資を行う必要があります。
空室改善のためには、周辺地域へのリサーチや広告マーケティング、リフォームに関する専門知識や工事の手配など、さまざまな専門知識が必要です。このような専門性を手に入れる確実な方法が、賃貸経営のプロである賃貸管理会社とタッグを組むことです。
【リロの不動産】は専門とする賃貸管理のノウハウを生かし、全国有数の規模でオーナー様の賃貸経営をサポートして参りました。空室対策に関しても全国トップレベルの豊富な実績と対策ノウハウを積み重ねております。満室経営を目指すなら【リロの不動産】をぜひパートナーにお選びください。
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この記事を書いた人
秋山領祐(編集長)
秋山領祐(編集長)
【生年月日】昭和55年10月28日。
【出身地】長野県上田市。
【趣味】子供を見守ること。料理。キャンプ。神社仏閣。
【担当・経験】
デジタルマーケティングとリブランディングを担当。
分譲地開発のPMや家業の土地活用などの経験を持つ。
リノベした自宅の縁の下に子ども達の夢が描かれている。